3月21日(金)のドル円相場についてまとめていきます。この記事を読むと、ドル円相場を動かしている最新のファンダメンタルズ要因(FOMC後の市場反応、米経済指標、地政学リスクなど)が把握でき、週足・日足・4時間足・1時間足を使ったマルチタイムフレームのテクニカル分析がわかります。さらにデイトレから2週間程度のスイングまで対応できる「買い/売り」のトレンドフォロー手法を、損切り・利確目安とともに具体的に解説。今日のドル円相場で勝率を高めるためのエッセンスが詰まった記事になっています。
Contents
今日の結論・注目ポイント
- FOMC後、日米の金融政策当局は総じて「様子見」姿勢。相場の大きな方向性は出にくくなる一方、重要指標や要人発言次第で急変動リスクも潜む。
- ドル円は148円台後半〜149円前後で小動き。上値では150円、下値では147円台が意識されるレンジ想定が続き、押し戻し局面では戻り売りをメインに検討したい。
- ファンダメンタルズでは、米雇用統計(週間新規失業保険申請件数)の悪化や、米製造業景況感の低下がドル売り材料になり得るが、金融政策の据え置きと地政学リスク軽減がドル買いを下支えする展開もあり得る。
- テクニカル面では週足で上値が重い形状だが、200MAはまだ上向き。日足では20MAが上値を抑え、4時間足や1時間足ではショート優勢の流れが読み取れる。
- 今後は本日(3月21日)発表の日本CPIや米小売売上高、週末までの突発ニュースに警戒しつつ、149円付近の攻防を見極めて売買を仕掛けたい。
ファンダメンタルズ分析(最新ニュース、経済指標、注目イベント)
まずは、本日3月21日朝までに報じられたドル円相場関連の主要ニュースと、3月21日〜22日にかけての注目経済指標・イベントを整理します。すべて日本時間で表記し、出典元も明示しています。
FOMC後の市場反応と金融政策動向
- 日銀・FRBが共に「不確実性」を強調し、当面は大幅な政策変更を控える可能性
(出典:外為どっとコム(https://www.gaitame.com/media/entry/2025/03/20/095731))
日銀は緩やかな利上げ継続方針、FRBは年内2回程度の利下げを示唆しつつも、「急いでいない」とする姿勢を見せています。両中銀が様子見モードに入っていることから、ドル円相場には中立的要因となりやすいとみられています。
米経済指標の弱さ:ドル売り要因か
- 週間新規失業保険申請件数が22万3000件へ増加
(出典:時事通信(https://equity.jiji.com/market_conditions/2025032000867))
わずかながら前週を上回り、米労働市場に若干の弱さが見られています。ただし即座に大きなドル売りにはつながっていない模様です。 - フィラデルフィア連銀製造業景況指数が大幅に低下
(出典:時事通信(https://equity.jiji.com/market_conditions/2025032000867))
3月は12.5まで低下し、米製造業の景気減速を示唆。景気後退への懸念が強まれば、利下げ観測でドル売りが進行する可能性があります。
ニューヨーク市場の動きとドル円レート
- 神経質な取引が続く中、ドル円は148円台半ば〜後半へ
(出典:時事通信(https://equity.jiji.com/market_conditions/2025032000867))
FOMCで示唆された経済見通しへの警戒感から米長期金利が低下し、一時的に円買い・ドル売りが強まる局面がありましたが、大きく崩れることはなく148円台へ落ち着きました。 - 3月21日朝の為替レート
・3時時点:1ドル=148.76〜78円
・4時時点:1ドル=148.80〜81円
・6時時点:1ドル=148.78〜79円
(出典:共同通信社/OANDAラボ(https://www.oanda.jp/lab-education/market_news/kn_2025032102000014/)、信濃毎日新聞(https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2025032000992))
前日比で0.5円ほどの円安・ドル高水準。
ウクライナ情勢の部分停戦合意:地政学リスクの行方
- 米・ロ首脳間で部分停戦に合意、一部で地政学リスク緩和
(出典:OANDA証券(https://www.oanda.jp/lab-education/market_news/2025_03_19_usdjpy/))
停戦合意は地政学リスク低下を通じてリスク選好→円売り・ドル買いを誘いやすい材料。ただし紛争の根本解決には至っておらず、停戦が破綻すれば円高へ急転するリスクも依然残ります。
本日・明日の注目イベント一覧
- 3月21日(水曜日)
- 日本:消費者物価指数(除生鮮食品)【8:30】
前回値3.20%。インフレ動向から日銀の追加利上げ観測が強まれば円高につながる可能性(出典:時事エクイティ(https://equity.jiji.com/economic_calendar))。 - 米:3月NY連銀製造業景気指数【21:30】
- 米:2月小売売上高【21:30】(前回-0.9%予想0.6%)
消費動向を示す重要指標。予想上回り→米ドル買い、下回り→米ドル売りとなりやすい。 - 米:1月企業在庫【23:00】(影響度は低め)
- 米:3月NAHB住宅市場指数【23:00】(中程度)
- 日本:消費者物価指数(除生鮮食品)【8:30】
- 3月22日(木曜日)
土曜日となるため、主要な指標は特に予定なし。
(出典:OANDA証券(https://www.oanda.jp/lab-education/calendar/)、みずほリサーチ&テクノロジーズ(https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/2025/research_0038.html)ほか)
テクニカル分析(マルチタイムフレーム)
続いて、週足、日足、4時間足、1時間足のチャート分析を行い、現在のドル円のトレンドや抵抗帯を把握します。特にショートをメインシナリオとする上で、重要なチャートポイントを細かく確認しておきます。
週足:中長期の方向感

- 全体では200MAが上向きで、依然として長期的にはロングトレンドが続いています。
- 一方、直近で上ヒゲのピンバーが出現しており、上値の重さを示唆。加えて20MAと80MAがデッドクロスしつつあることから、中期的な買い優勢が崩れかけている印象です。
- 週足ベースでは、現在のレンジ下限を割り込む(=147円台を下抜け)と強い下落圧力がかかりやすい。152.30円付近でダブルボトムを形成していた過去局面からのラインも意識され、ここを再び割り込む場合は145円台への調整を想定する向きも。
日足:心理的節目150円と20MAに注目

- 心理的節目である150円を一時上抜けたものの、すぐ下に戻され、現在は148.70円前後で推移。
- 20MAが上値を抑える形となっており、ローソク足は20MAを下に抱える弱めの位置取り。「これ以上上に行く力がない」と判断されれば、売りが入りやすい局面です。
- 日足で大きめの陰線が出現すれば、ショート優勢が加速するでしょう。逆に明確に20MAをブレイクし再度上向きになるなら、150円超えを目指すロングシナリオへ切り替えも視野に。
4時間足:ショートトレンドの継続有力

- 4時間足では、重要イベント(FOMCなど)後に一時上昇する場面があったが、20MAを再び下抜けして失速。
- ダウ理論的にも高値・安値の切り下げが続いており、直近安値更新でさらにショートトレンドが強まるシナリオ。
- 戻り売りの好機は149円付近での失速確認(例えばローソク足の反転サイン)か、20MAとの乖離が再度拡大する局面と考えられます。
1時間足:エントリーの具体的タイミングを探る

- 1時間足では、FOMCや経済指標ごとに上下に振られる動きが目立つものの、結局は直近高値を切り下げている。
- ショート目線では、20MA・200MAを下に割ってきたところを狙う形がセオリー。直近では149円を明確に越えられず、再度落ちてくるようなら売り参戦を考えたい。
今日の売買シナリオ(ショート/ロングの具体策、損切り・利確目安)
では、以上のファンダメンタルズ・テクニカル両面を踏まえ、デイトレ〜2週間ほどのスイングを想定したトレンドフォロー手法をご紹介します。実際のエントリーには必ずリスク管理を徹底してください。
ショート戦略(メインシナリオ)

- エントリータイミング: 149円付近での上値失速(4時間足や1時間足で反転シグナル)を確認し、20MAや200MAを下抜けたところでエントリー。
- 損切り水準: 直近レジスタンス上の149.1円付近(少し余裕をもたせて)。
- 第一利確目標: 直近安値の147.411円付近。ここで一部利益確定し、リスクリワード1:2程度を狙う。
- 第二利確目標: 週足でも意識される146.538円。1:4程度のリスクリワードが見込めるが、途中サポート割れを確認して追撃の判断を。
- ショート継続の条件: 149円〜149.5円を明確に超える動きがなければ有効。上抜けの場合はシナリオ無効とし、損切りで撤退。
ロング戦略(サブシナリオ)

- 現状の戻り売り優勢の流れに逆らう形のため、明確な転換サインが出るまでは様子見を推奨。
- エントリー条件: 149円を上抜けて日足・4時間足などで20MAと80MAがゴールデンクロスを形成。かつ149円ラインがレジサポ転換として機能したタイミング。
- 損切り水準: 押し目の少し下、148.8円付近。ブレイクがダマシとなった場合、すぐに撤退するリスク管理が重要。
- 利確目標: 直近高値&心理的節目の150円。
強めの上昇トレンドが再開なら、151円台も狙えなくはないが、メインシナリオはあくまでショート優勢である点を念頭に。 - リスクリワード: 1対1.5〜2程度で無理なく設定。逆張りになるため、深追いは禁物。
リスク管理・注意点(地政学リスク、突発ニュース対策など)
- 経済指標発表前後: 本日は日本CPI(8:30)と米小売売上高(21:30)が重要。発表直後はスプレッド拡大や急騰・急落のリスクが高いので、新規エントリーは発表後の落ち着きを待つのが望ましい。
- 地政学リスク: ウクライナ停戦合意はあるが、長期的な解決には程遠い(出典:OANDA証券、ロイター通信など)。突然の戦況悪化・合意破綻ニュースでリスク回避の円買いが急伸する可能性に注意。
- 米国通商政策: トランプ政権の保護主義的な関税措置や日米貿易協議が難航すれば、ドル円相場に大きな影響を与え得る(出典:ロイター通信)。思わぬ通商ニュースによりドル高・ドル安が一気に進むリスクあり。
- FRBと日銀の金融政策: 現時点では「様子見」だが、物価動向や景気見通しの急激な変化、あるいは突発的な要人発言(パウエル議長・植田総裁など)により金利見通しが修正された場合、為替レートが急変するリスクがある。
まとめ(全体の見通し、明日以降のポイント)
- ドル円はFOMC後の落ち着きから、148円後半〜149円付近でのレンジ推移が続く可能性大。大枠の相場観としては、週足の上ヒゲピンバーや日足20MAの存在から、ショート優勢の見方が濃厚。
- 今日(3月21日)は日本CPIと米小売売上高という重要指標が重なり、相場のモメンタムが変化しやすい局面に。特に米小売売上高が予想より大幅に上下に振れる場合、ドル円のボラティリティが高まる可能性。
- 明日(3月22日)は土曜日で主要指標がなく、週末に向けたポジション調整の動きに注目。週明けに向けて、大きく動いた場合の持ち越しリスク管理も怠らないように。
ここまで見てきたように、ファンダメンタルズ要因では米経済指標の弱含みやウクライナ情勢、通商政策リスクなど不確定要素が多く、テクニカル面では中期的に上値が抑えられるチャート形状が浮き彫りになっています。149円周辺の攻防で戻り売りを狙うのが第一選択肢となりやすいですが、上ブレイクに転じる場合はロングへの切り替えも用意しておきましょう。
参考サイト
- 外為どっとコム(https://www.gaitame.com/media/entry/2025/03/20/095731)
- 時事通信(https://equity.jiji.com/market_conditions/2025032000867)
- OANDA証券(https://www.oanda.jp/lab-education/market_news/2025_03_19_usdjpy/)
- 共同通信社/OANDAラボ(https://www.oanda.jp/lab-education/market_news/kn_2025032102000014/)
- 信濃毎日新聞(https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2025032000992)
- みずほリサーチ&テクノロジーズ(https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/2025/research_0038.html)
- 時事エクイティ(https://equity.jiji.com/economic_calendar)
- ロイター通信(https://jp.reuters.com/world/us/OGT2E6V2OJLDBOE2LQ5IKD33ZY-2025-03-04/)
- その他、本文中リンク参照
以上が、今日(2025年3月21日)のドル円相場における全体像とトレード戦略です。市況やニュースの変化に常にアンテナを張りながら、リスク管理を徹底して売買のタイミングを探ってみてください。皆様のトレードが成功することを願っています。
関連記事
以下の記事では、FXトレードの戦略やリスク管理についてさらに詳しく解説しています。
- FX中級者への道:プロトレーダーが教える本当の成功法則 – トレードで勝つために必要な心の鍛錬と自制心について解説しています。
- 損切りの絶対法則:初心者~プロ必見!ライン設定&メンタル攻略で大敗回避するリスク管理術 – 適切な損切りライン設定の方法と損失回避バイアスの克服法を紹介しています。
- リスク管理&資金管理テクニック徹底解説:投資で失敗しない!初心者でもわかるドローダウン対策 – 長期的に投資を続けるための資金管理の基本とリスクコントロール手法を解説しています。
初心者のための用語集
- FOMC(Federal Open Market Committee):米連邦準備制度(FRB)が開催する金融政策決定会合。政策金利や量的緩和の方針を決める場であり、為替相場にも大きな影響を与える。
- FRB(Federal Reserve Board):米国の中央銀行に相当する連邦準備制度理事会。米国の金融政策を司り、世界の金融市場に大きく影響する。
- 日銀(日本銀行):日本の中央銀行。金融政策決定会合で金利や資金供給の方針を決定し、円の価値や為替相場に直接影響を与える。
- ショート(戻り売り):相場が下がると予想して売りのポジションを取ること。上昇しているところ(戻り)を狙って売る手法を「戻り売り」と呼ぶ。
- ロング:相場が上がると予想して買いのポジションを取ること。「押し目買い」がロングの代表的な手法。
- 移動平均線(MA):一定期間の平均価格を結んだ線。20MA・80MA・200MAなど複数を活用してトレンド方向を把握する。
- ダウ理論:相場の高値・安値の連続した動きからトレンドを把握する理論。高値と安値が切り上がると上昇トレンド、切り下がると下降トレンド。
- ピンバー:ローソク足の形状の一つで、長いヒゲが特徴。反転サインとして意識されることが多い。
- レジサポ転換:レジスタンス(抵抗線)として機能していた価格帯が、ブレイク後にサポート(支持線)に変わる、またはその逆の現象。
- 損切り(ストップロス):相場が思惑と反対に動いた際、損失を限定するためにポジションを決済すること。
- 利確(利食い):ポジションが含み益の状態で決済し、利益を確定すること。
- ファンダメンタルズ:経済指標や金融政策、地政学リスクなど、市場を動かす基本的な要因のこと。
- テクニカル:チャートの形状やインジケーターを用いて相場を分析する手法。ファンダメンタルズと併用される。
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、いかなる投資行動を推奨・勧誘するものではありません。記載されている情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。相場の状況は常に変化しており、経済指標・地政学リスク・金融政策など外的要因によって、予想を大きく上回る変動が生じる可能性があります。
投資に関する最終的な判断は、読者ご自身の責任とリスク負担のもとで行ってください。本記事の内容を利用したことで生じたいかなる損害についても、執筆者および当サイト運営者は一切責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。投資に際しては、最新の情報収集と慎重なリスク管理を徹底することを強く推奨いたします。
無料相談
トレード戦略や資産運用について、基本的な疑問や不安はありませんか?
当ブログの著者が、最新の市場動向やリスク管理のポイントなどを踏まえた「一般的な情報」を無料でご提供いたします。短いフォーム入力でご相談いただけるので、初めての方でも気軽にご利用いただけます。
ぜひこの機会に無料相談をご活用ください!
免責事項
本資料は、一般的な情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定の金融商品や取引に関する個別具体的な投資助言や推奨、または投資勧誘を意図するものではありません。本資料に記載されている分析や見解は作成時点のものであり、将来にわたってその正確性や有効性が保証されるものではありません。
投資判断は、ご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。いかなる投資行動の結果についても、当方は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。