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この記事を読むと得られるメリット
ファイナンシャルプランナー(FP)2級を受験するうえで、健康保険は必須の知識ですが、意外と制度の細かい仕組みに苦手意識をもつ方が少なくありません。実は、健康保険の理解が曖昧だと、試験の合否を左右することもあります。そこで本記事では、
- 健康保険の基礎・要点を整理し、得点源に変えるポイント
- 過去問から見える出題傾向と頻出論点
- 短期合格に役立つ学習スケジュール例とモチベーション維持の方法
- 具体的な計算問題や制度のひっかけ対策
これらのトピックを「これでもか!」というほど網羅し、やさしく噛み砕いて解説します。この記事を読めば、健康保険分野の得点力が飛躍的にアップし、あなたの合格に大きく近づくはずです。
ファイナンシャルプランナー2級「健康保険」の重要性とは?
ファイナンシャルプランナー(FP)2級の試験では、「ライフプランニングと資金計画」分野において、年金・雇用保険・健康保険・労災保険などの社会保険制度が総合的に出題されます。その中でも、実生活に深く関わる健康保険は特に重要なテーマです。
日本は国民皆保険制度を採用しており、会社員や公務員をはじめ、自営業者、フリーランス、高齢者まで、全員が何らかの公的医療保険に加入しなければなりません。つまり、健康保険を理解していないと、たとえ他の科目が得意でも大きな失点につながるリスクがあるのです。
また、健康保険に関する知識は、FPとして顧客にアドバイスする際にも不可欠。保険の見直しやライフプラン設計において、医療費負担の軽減や、出産・育児などのサポート制度を正しく案内できるかどうかが問われます。したがって、試験対策だけでなく、実務でも役立つ知識を習得するうえで、健康保険の理解は必須と言えるでしょう。
FP2級試験の健康保険:どんな問題が出る?過去問の出題傾向をチェック
1.被保険者と被扶養者の要件
健康保険では、「被保険者」と「被扶養者」という概念が非常に重要です。被保険者がどの事業所に勤めていて、標準報酬月額がどう設定されるかはもちろん、扶養に入れる家族の範囲・年収・同居要件などを問われることがよくあります。
- 配偶者や子、親などは別居でも被扶養者になれるパターン
- 甥・姪などは同居が必須
- 年収130万円未満(60歳以上等は180万円未満)などの基準
上記の数値・要件を正確に理解していないと、ひっかけ問題に引っかかってしまいます。
2.任意継続被保険者制度
退職後も一定条件を満たせば、同じ健康保険に継続加入できる制度が「任意継続被保険者制度」です。過去問でも頻出テーマのひとつで、具体的な要件や保険料の負担割合が問われやすいです。
- 継続して2か月以上の被保険者期間があること
- 退職日の翌日から20日以内に申請
- 傷病手当金・出産手当金は支給されない
上記の条件や給付制限を正確に覚えておかないと、選択肢を間違えてしまいます。
3.給付内容:高額療養費、傷病手当金、出産手当金など
健康保険で重要なのは、具体的な給付の種類。療養の給付、高額療養費、出産育児一時金、傷病手当金などがありますが、それぞれ支給要件や支給額の計算が異なります。
- 高額療養費:自己負担額が一定基準を超えた場合、超過分が払い戻される
- 傷病手当金:業務外の病気・ケガで仕事を休んだ際、4日目から支給(最長1年6か月)
- 出産手当金:出産前42日(多胎妊娠は98日)から出産後56日まで、給与が出ない場合に支給
- 出産育児一時金:2023年以降は1児につき最大50万円に増額(従来は42万円など)
これらの数字や支給期間は比較的よく狙われるポイントなので、正確に抑えましょう。
4.計算問題の頻出ポイント
健康保険の計算問題では、標準報酬月額・標準賞与額にそれぞれの保険料率を乗じる仕組みを理解し、労使折半である点、介護保険第2号被保険者なら介護保険料率も併せて計算する点が問われることが多いです。また、高額療養費制度の自己負担限度額の計算も定番です。
計算式や負担割合が年度によって微細に改訂される場合もあるので、厚生労働省の情報(https://www.mhlw.go.jp/)や、市町村のホームページをチェックして、最新データを把握しておくと安心です。
攻略ポイント|健康保険で押さえるべき重要テーマ
ポイント1:制度全体の「目的」と「枠組み」をまず把握する
健康保険は「公的医療保険」のひとつです。日本には「被用者保険(健康保険・船員保険など)」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」があります。これらをフローチャートや表で整理しておくと、より深く理解できます。
- 被用者保険:会社員や公務員が加入(協会けんぽ、組合けんぽなど)
- 国民健康保険:自営業者やフリーランス、退職者などが対象
- 後期高齢者医療制度:75歳以上の高齢者が対象
「誰が、いつ、どの保険に加入するか」の基本を押さえると、被扶養者や任意継続などの制度を理解しやすくなります。
ポイント2:数字や要件を「まとめノート」や「語呂合わせ」で暗記する
健康保険で狙われる数値や条件は多いため、まとめノートを作り、語呂合わせなどで覚えるのがおすすめです。たとえば、
- 任意継続→「退職後20日以内に申請」「2か月以上の被保険者期間が必要」
- 傷病手当金→「連続3日休んで4日目から支給」
- 出産手当金→「出産前42日(多胎98日)+後56日」
無理に丸暗記だけするより、実際に制度がどう機能するかをイメージしながら覚えると記憶に残りやすいです。
ポイント3:過去問を徹底的に解く&関連テキストで反復学習
健康保険分野の学習効率を高めるには、過去問演習が必須。特に、以下の点に注意しながら繰り返し解きましょう。
- 間違えた問題は必ず解説を読み込む(なぜ間違えたのかを分析)
- 数字や年数はその都度確認し、覚え直す
- 同じ論点がどのように出題されるか、複数年度を比較してみる
過去問だけで不足を感じたら、テキストや専門書、オンライン講座を活用して知識を補完しましょう。
ポイント4:学習スケジュールは計画的に|具体例
健康保険を含む「ライフプランニングと資金計画」は、FP2級試験の6科目の中でもボリュームが多い部門です。よって、学習スケジュールをざっくりと次のように設計すると取り組みやすいです。
- 試験日の2か月前:テキストを通読し、健康保険の概要を把握
- 試験日の1か月前:過去問を中心に演習、数字・要件の暗記を強化
- 試験日の2週間前:苦手部分の復習+全体の総仕上げ
- 試験直前:頻出論点(被扶養者、任意継続、高額療養費など)を最終確認
あまり細かく計画しすぎて続かなくなるより、ざっくりと科目ごとに目標設定し、学習進捗を管理するとスムーズです。
よくある間違いと対処法|ひっかけ問題を回避しよう
注意!「被扶養者」の範囲を混同するケース
甥や姪は同居が必要、子どもや配偶者は別居でもOK、というように家族形態によって要件が異なります。ここを混同してしまいがちなので、表をつくって整理しましょう。
注意!「任意継続」の保険料が割高になる場合
任意継続被保険者は、保険料を全額自己負担します。会社員時代は半額負担だった分が急に倍になり、「思ったより高い…」というリアルな声も多いです。試験でもよく、保険料の全額自己負担を忘れてしまい、誤答するケースがあります。
注意!「高額療養費」の対象外費用を見落とす
差額ベッド代や食事療養費などは、高額療養費の対象にならない場合があります。「すべてがカバーされる」と勘違いしてしまうとひっかけ選択肢にハマります。実際の試験でも、「入院時の差額ベッド代も高額療養費に含まれる」などの誤りを選ばないよう要注意です。
合格者の声|勉強法やモチベーション維持のヒント
ここでは、実際にFP2級に合格した人が健康保険分野を攻略するために心がけたポイントをご紹介します。
- 「過去問を繰り返し解いて、間違えたらテキストで確認を毎日続けた。最初は数字を覚えられなくて苦戦したけど、2週間くらいで慣れてきた」
- 「通勤電車の中で語呂合わせカードを使って、一問一答形式で暗記した。すき間時間を徹底活用!」
- 「健康保険は日常生活にも役立つ知識ばかり。『自分や家族ならどうなるか?』とイメージすると、自然と覚えやすくなった」
モチベーションを維持するコツとしては、合格後の姿を想像する・SNSや勉強会で仲間と励まし合う・小さな達成目標を設定する(例:今週は被扶養者要件を完璧に覚える!)などが挙げられます。
もっと深く学びたい人へ:内部リンク&外部リンク
ファイナンシャルプランナー2級試験を目指すなら、健康保険だけでなく、全体の学習戦略を固めることも大切です。以下の記事も合わせてご参照ください:
- 独学でも最短合格!FP2級の“合格率を劇的に上げる”完全攻略ガイド:学習スケジュールから過去問活用まで徹底解説
- 初心者でも最短合格!FP2級の“6科目徹底攻略”と合格率UPの秘訣を完全公開
- FP2級「ライフプランニングと資金計画」超徹底攻略!初心者から最短合格へ導く決定版ガイド
さらに、公的機関の情報も参考にすると信頼性が高まります:
- 厚生労働省|https://www.mhlw.go.jp/
- 協会けんぽ(全国健康保険協会)|https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
- 自治体の国民健康保険ページ(例:東京都の場合|https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/)
まとめ|健康保険を攻略してファイナンシャルプランナー2級に合格しよう
健康保険は、ファイナンシャルプランナー2級試験の「ライフプランニングと資金計画」で確実に出題される分野です。制度の全体像を理解し、要件や数字を正確に覚え、過去問を徹底的に解くことで、得点源に変えることができます。
もう一度、重要なポイントを振り返ると:
- 「被保険者」「被扶養者」の範囲を正確に区別する
- 任意継続被保険者の要件(「退職後20日以内」「2か月以上の被保険者期間」など)
- 傷病手当金・出産手当金の支給要件や支給期間
- 出産育児一時金の最新金額(最大50万円)
- 高額療養費の自己負担限度額計算の仕組み
本記事を参考にしながら、今すぐ行動に移してみてください。たとえば、今日・明日に「任意継続被保険者制度」の要件を完璧に覚えて過去問を解く、というように小さな目標を設定してみるのはいかがでしょうか。
合格はゴールではなくスタートラインです。FP2級に合格して得た知識は、そのまま自分や家族のライフプランに役立つだけでなく、将来的にはお客様や周囲の方に貢献できる大切なスキルになります。ぜひ、健康保険を含むライフプランニングの知識を深め、ファイナンシャルプランナーとして大きく飛躍してください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。引き続き学習を進めて、FP2級合格に向けて頑張っていきましょう!
オリジナル練習問題1
問題1:正社員の所定労働時間の3/4以上勤務するパートタイマーの被保険者資格
【問題】
正社員の所定労働時間の4分の3以上を勤務するパートタイマーやアルバイトは、原則として健康保険の被保険者資格を取得する必要がある。これについて、次の記述は正しいか。
1. 週の所定労働時間が正社員の4分の3以上である場合、雇用期間の見込みにかかわらず被保険者となる。
2. 所定労働時間が4分の3未満でも、一定の要件(大企業や賃金要件など)を満たせば被保険者となる場合がある。
【正解】◯
【解説】
健康保険(協会けんぽや組合健保)では、常時使用される者で週の所定労働時間が正社員の4分の3以上の場合、原則として被保険者資格を取得します。また、4分の3未満であっても大企業(特定適用事業所)など一定要件を満たす場合は被保険者になるケースがあります
問題2:傷病手当金の支給要件と支給期間
【問題】
健康保険の被保険者が業務外の病気やケガで連続して3日間仕事を休んだ後、4日目以降も労務不能の状態が続く場合には「傷病手当金」が支給されるが、その支給期間は最長で1年6か月である。これについて、次の記述は正しいか。
【正解】◯
【解説】
傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガで働けない状態が4日以上続くことを要件として、最長1年6か月支給されます。支給額は「標準報酬日額の3分の2相当額」です(休業の初日から連続する3日間は待期期間として支給されません)。
問題3:出産育児一時金の支給額
【問題】
健康保険の被保険者(または被扶養者)が出産した場合に受け取れる「出産育児一時金」は、2023年4月以降の出産については原則として1児につき50万円である。これについて、次の記述は正しいか。
【正解】◯
【解説】
出産育児一時金は、2023年4月1日以降の出産に対し50万円(従来は42万円)が支給されます。多くの場合、直接支払制度によって医療機関に支払われ、利用者の負担を軽減する仕組みとなっています
問題4:高額療養費制度の合算対象
【問題】
70歳未満の健康保険被保険者が、同一月内に複数の医療機関で診療を受けた場合、それぞれの自己負担額を合算して高額療養費制度の自己負担限度額を超えた分が払い戻されることはない。これについて、次の記述は正しいか。
【正解】×
【解説】
高額療養費制度では、同一人が同一月内に複数の医療機関を受診した場合でも、一定額(21,000円以上)の自己負担を合算できます。その合算額が自己負担限度額を超えると、超過分が後から払い戻される仕組みです。
問題5:任意継続被保険者となるための被保険者期間
【問題】
健康保険の任意継続被保険者制度を利用するためには、退職するまでに継続して1年以上の被保険者期間が必要である。これについて、次の記述は正しいか。
【正解】×
【解説】
2022年4月からの改正により、任意継続被保険者の要件は「退職前の被保険者期間が継続して2か月以上」あればよいとされました。退職後も最長2年間、同じ健康保険組合や協会けんぽに任意で継続加入することができます。
オリジナル練習問題2
問1: 高額療養費制度の適用範囲
健康保険における高額療養費制度は、被保険者が医療費の自己負担が一定額を超えた場合、その超過分を支給する制度であり、入院治療および外来治療の両方に適用される。◯か×か
【解答】◯
【解説】高額療養費制度は、入院・外来を問わず医療費の自己負担が一定限度額を超えた場合に、その超過分を補填することで、被保険者の医療費負担を軽減するための制度です。
問2: 被扶養者の認定基準
健康保険において、被扶養者として認定されるためには、収入要件だけでなく、被保険者と同一生計であることが必要である。◯か×か
【解答】◯
【解説】被扶養者の認定では、一定の収入基準を満たすことに加えて、原則として被保険者と同一生計であることが求められます。これにより、生活費の実態に基づいた扶養関係が判断されます。
問3: 健康保険の自己負担割合
原則として、健康保険の被保険者が負担する医療費の自己負担割合は、3割である。◯か×か
【解答】◯
【解説】一般的に健康保険では、被保険者の医療費自己負担割合は3割と定められており、残りの7割が保険給付により補填されます。ただし、年齢や所得に応じた軽減措置など、例外も存在します。
問4: 保険料の算定方法
健康保険の保険料は、被保険者の標準報酬月額に一定の率を乗じて算定されるため、所得が増加すれば保険料も比例して増加する。◯か×か
【解答】◯
【解説】健康保険の保険料は、被保険者の標準報酬月額(給与や賞与等を基に算出される額)に一定の保険料率を掛けて決定されます。そのため、所得が上昇すると保険料も増加する仕組みです。
問5: 傷病手当金の給付要件
傷病手当金は、健康保険に加入している被保険者が、病気や怪我により就業不能となった場合、給与が支給されない期間に対して所得の一部を補填する制度である。◯か×か
【解答】◯
【解説】傷病手当金は、被保険者が病気や怪我で働けなくなった際、給与が支給されない期間の生活費の一部を補う目的で給付される制度です。給付には、就業不能期間や連続した休業日数などの一定要件があります。
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