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【徹底解説】FP試験「確定申告・青色申告」65万円控除を一発攻略!数字・期限・特典が丸わかり

【徹底解説】FP試験「確定申告・青色申告」65万円控除を一発攻略!数字・期限・特典が丸わかり

ファイナンシャルプランナー(FP)試験の勉強、順調に進んでいますか?

6つの科目の中でも、特に「タックスプランニング(税金)」分野は、専門用語や細かい数字が多くて、苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。

中でも、
「確定申告と青色申告、言葉は聞くけど違いがよくわからない…」
「青色申告特別控除の65万円、55万円、10万円の条件がごちゃごちゃになる」
「どこが試験に出やすくて、どうやって勉強すれば効率的なの?」

こんな悩みを抱えて、手が止まってしまっていませんか?

もし、あなたが一つでも当てはまるなら、この記事はきっとあなたの役に立ちます。

この記事を最後まで読めば、以下のことがすべてわかります。

  • FP試験における「確定申告・青色申告」の重要性と全体像
  • 過去問分析から見えた頻出論点と具体的な出題例
  • 合格者が実践する、明日から真似できる具体的な勉強法と学習スケジュール
  • 暗記が苦手でも大丈夫!記憶に残る魔法の語呂合わせテクニック
  • 多くの受験生がハマる「よくある間違い」とその回避策

この記事は、単なる用語解説ではありません。FP試験の「税金分野の確定申告や青色申告」を完全攻略し、あなたの合格を力強く後押しするために、膨大な情報と合格者のノウハウを凝縮した“完全攻略ガイド”です。

難解な税金分野を得点源に変えて、自信を持って試験に臨みましょう!

Contents

FP試験「税金分野の確定申告・青色申告」が合否を分ける超重要テーマである理由

「どうして確定申告や青色申告がそんなに大事なの?」と思うかもしれません。このテーマがFP試験において非常に重要視されるのには、明確な理由があります。

理由1:出題頻度が非常に高い「頻出テーマ」だから

まず、確定申告・青色申告に関する問題は、FP試験(特に2級・3級)のタックスプランニング分野でほぼ毎回出題されています。

資料の出題傾向レポートを見ても、直近10年間で毎年1問前後は必ず関連問題が出ていることがわかります。つまり、この分野を捨てるという選択肢はあり得ません。逆に言えば、ここをしっかり対策しておけば、安定して得点を稼げる「得点源」にすることができるのです。

理由2:FPとしての実務に直結する必須知識だから

FPは、お客様のライフプランニングをサポートするお金の専門家です。特に個人事業主や不動産オーナーのお客様からは、税金に関する相談を受ける機会が多くあります。

その際、「青色申告のメリットって何ですか?」「確定申告って私にも必要ですか?」といった基本的な質問に的確に答えられなければ、専門家としての信頼は得られません。

試験で問われる知識は、そのまま実務で役立つ必須知識。だからこそ、試験でもその理解度が厳しく問われるのです。

理由3:数字や要件が多く、差がつきやすいから

青色申告特別控除額(65万円、55万円、10万円)、各種期限(3月15日、2ヶ月以内)、帳簿の保存期間(7年)など、この分野は覚えるべき数字や要件が多いのが特徴です。

これが「とっつきにくい」原因でもありますが、裏を返せば、正確に暗記・理解している受験生とそうでない受験生とで、明確に差がつくポイントでもあります。ライバルに差をつけるためにも、攻略は必須です。

まずは基本から!FP試験における確定申告・青色申告の全体像

複雑に見える税金の話も、基本から一つずつ整理すれば怖くありません。まずは、FP試験で問われる確定申告と青色申告の全体像を掴みましょう。

そもそも「確定申告」とは?【基本のキ】

確定申告とは、簡単に言うと「1年間(1月1日~12月31日)の所得と、それにかかる所得税を自分で計算し、税務署に報告・納税する一連の手続き」のことです。

会社員の場合、通常は会社が年末調整で税金の計算・納税を代行してくれます。しかし、以下のようなケースでは、会社員であっても自分で確定申告が必要になります。この条件はFP試験の頻出ポイントなので、必ず覚えましょう。

【給与所得者でも確定申告が必要な主なケース】

  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  • 1か所から給与をもらっていて、給与所得・退職所得以外の所得(副業など)の合計額が20万円を超える人
  • 2か所以上から給与をもらっている人
  • 医療費控除、雑損控除、寄附金控除を受けたい人(これらは年末調整では対応不可)
  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を初めて受ける人(2年目以降は年末調整でOK)

ポイント!
確定申告の期間は翌年の2月16日から3月15日までです。この日付も必ず暗記してください。

「青色申告」と「白色申告」の違いを徹底比較

確定申告には、大きく分けて「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。FP試験では、この2つの違い、特に青色申告のメリットが問われます。

以下の表で、その違いをスッキリ整理しましょう。

青色申告 vs 白色申告 比較表

項目 青色申告 白色申告
対象となる所得 不動産所得、事業所得、山林所得の3つのみ 全ての所得者
特別控除 最大65万円の特典あり なし
帳簿 正規の簿記(複式簿記)が原則 簡易な方法でOK
事前申請 必要(原則3月15日まで) 不要
赤字の繰越し 3年間繰越し可能 一部の損失のみ可能

簡単に言うと、青色申告は「正規の帳簿付けをする代わりに、税金面でたくさんの特典(メリット)が受けられる制度」です。この特典内容が試験で狙われます。

FP試験で最重要!青色申告の3大メリット

青色申告のメリットはいくつかありますが、FP試験対策として絶対に押さえるべきは以下の3つです。

1. 青色申告特別控除(最大65万円)

これが最大のメリットであり、試験の最頻出論点です。所得から一定額を差し引けるため、節税効果が非常に高くなります。控除額は3段階あり、それぞれの要件を正確に覚えることが重要です。

  • 65万円控除
    • 対象:不動産所得または事業所得があること
    • 記帳:複式簿記で記帳していること
    • 提出書類:貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を添付すること
    • 申告:期限内(3月15日まで)に申告すること
    • 追加要件:e-Taxによる電子申告 または 電子帳簿保存を行うこと
  • 55万円控除
    • 上記65万円控除の要件のうち、e-Taxまたは電子帳簿保存の要件を満たさない場合(つまり紙で提出した場合)に適用されます。
  • 10万円控除
    • 複式簿記ではなく、簡易な帳簿で記帳している場合に適用されます。上記の要件を満たさない青色申告者は、最低でもこの10万円控除が受けられます。

注意!
期限内に申告できなかった場合(期限後申告)は、たとえ他の要件を満たしていても控除額は10万円になってしまうので注意が必要です。

2. 青色事業専従者給与

生計を同じくする配偶者や15歳以上の親族に支払った給与を、妥当な金額であれば全額必要経費にできる制度です。
白色申告の場合は上限額(配偶者86万円、その他50万円)がありますが、青色申告には上限がありません。

重要ポイント!
この制度を利用した場合、その給与を受け取った親族は、配偶者控除や扶養控除の対象にはなれません。この「併用不可」のルールは、試験でひっかけ問題としてよく出題されます。

3. 純損失の繰越しと繰戻し

事業で赤字(純損失)が出た場合に、その赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の黒字と相殺できる制度です。これにより、将来の税負担を軽減できます。
さらに、前年も青色申告をしていれば、今年の赤字を前年の黒字と相殺して、前年に納めた所得税の還付を受ける(繰戻し還付)ことも可能です。

FP試験全体の学習方法に興味がある方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
初心者でも最短合格!FP試験の“6科目徹底攻略”と合格率UPの秘訣を完全公開

FP試験「税金分野の確定申告・青色申告」の出題傾向と頻出論点

基本を理解したら、次はいよいよ試験対策です。過去問を分析すると、出題される論点には明確なパターンがあることがわかります。ここを重点的に学習するのが合格への近道です。

過去問分析で見えた!頻出論点トップ5

提供された資料「出題傾向レポート」や「間違いやすいポイント」を基に、特に狙われやすい論点をまとめました。この5つは必ずマスターしてください。

【最重要】頻出論点トップ5

  1. 青色申告特別控除の要件と金額

    やはり、65万円・55万円・10万円の控除額と、それぞれの適用要件(複式簿記、e-Tax、期限内申告など)の組み合わせを問う問題が最も多いです。
  2. 青色申告承認申請書の提出期限

    「いつまでに申請すればいいか」という期限の問題は頻出です。

    • 原則:その年の3月15日まで
    • 1月16日以降に新規開業した場合:開業日から2か月以内

    この「2か月以内」を「3か月以内」などとひっかけてくるのが定番パターンです。

  3. 確定申告が必要な人の条件

    冒頭で解説した「給与収入2,000万円超」「副業所得20万円超」などの数字は、正誤問題や穴埋め問題で頻繁に問われます。
  4. 青色申告の対象所得

    青色申告ができるのは「不動産所得・事業所得・山林所得」の3つだけ。これ以外の所得(例:給与所得、譲渡所得)が選択肢に含まれるひっかけ問題に注意が必要です。
  5. 帳簿の保存期間

    青色申告で作成した帳簿や書類の保存期間も問われます。主要な帳簿(総勘定元帳など)は7年間の保存義務があることを覚えておきましょう。

実際の過去問を見てみよう!【出題例と解説】

百聞は一見に如かず。実際の過去問がどのように出題されるか見てみましょう。

【出題例】(2023年9月 FP2級学科試験 問35 改題)
所得税の青色申告に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

青色申告特別控除として最高65万円の控除を受けるためには、正規の簿記の原則に従って記録した帳簿等に基づいて作成した貸借対照表および損益計算書を確定申告書に添付し、法定申告期限内にe-Taxにより申告しなければならない。

不動産所得に係る青色申告特別控除(65万円または55万円)の適用を受けるためには、その不動産貸付が事業として行われている(事業的規模である)必要がある。

青色申告者は、事業で生じた純損失の金額を、翌年以降3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができる。

青色申告承認申請書を法定申告期限内に提出できなかった場合でも、その年分の確定申告で青色申告特別控除として55万円の控除を受けることができる。

【解説】
この問題の正解(不適切なもの)は「4」です。

  • 1. 適切:65万円控除の要件(正規の簿記、貸借対照表・損益計算書、期限内申告、e-Tax)を正しく述べています。
  • 2. 適切:不動産所得で最大控除を受けるには、アパートなら10室以上、戸建てなら5棟以上といった「事業的規模」であることが必要です。これも重要な論点です。
  • 3. 適切:純損失の3年間繰越控除は、青色申告の主要なメリットの一つです。
  • 4. 不適切:ここがひっかけポイントです。青色申告特別控除(65万円または55万円)は、「法定申告期限内」に申告することが大前提です。期限後に申告した場合は、控除額は10万円に減額されてしまいます。

このように、試験では各制度の「要件」や「数字」、「期限」を正確に理解しているかが問われます。

合格者が実践!FP試験「税金分野の確定申告・青色申告」の最強勉強法

知識をインプットしただけでは、試験で得点することはできません。ここからは、合格を勝ち取るための具体的な勉強法とテクニックをご紹介します。

ステップ別学習計画!ゼロから合格レベルへ

がむしゃらに勉強するのではなく、段階を踏んで学習を進めるのが効率的です。

ステップ1:インプット期(最初の1週間)

まずは全体像を把握することに集中します。

  • 使用教材:『みんなが欲しかった!FPの教科書』(TAC出版)や『FP3級合格のトリセツ』(LEC出版)などの分かりやすいテキスト、またはYouTubeの無料講義。
  • 学習法:テキストをざっと1周読み、特に青色申告のメリットや各種要件が書かれている部分にマーカーを引きます。YouTubeの「ほんださん/東大式FPチャンネル」の税金分野の解説動画を1.5倍速で視聴するのも非常におすすめです。ここで完璧に理解しようとせず、「こんな制度があるんだな」と概要を掴むだけでOKです。

ステップ2:アウトプット期(2~3週間)

知識を定着させるために、ひたすら問題を解きます。

  • 使用教材:無料の過去問サイト「FP3級ドットコム」や「FP2級ドットコム 過去問道場」、市販の過去問題集。
  • 学習法:「タックスプランニング」分野に絞って、一問一答形式で問題を解きまくります。重要なのは、間違えた問題の解説を必ず読み、なぜ間違えたのかを理解することです。そして、該当箇所をテキストで再確認します。この「問題演習→解説確認→テキスト復習」のサイクルを繰り返すことで、知識が脳に刻み込まれていきます。

ステップ3:直前期(試験前1週間)

総仕上げと弱点克服を行います。

  • 学習法:時間を計って、過去問を本番と同じ形式で解きます(最低でも直近3回分)。ここで自分の苦手な論点(例:期限の問題、控除額の計算など)をあぶり出し、そこを重点的に復習します。最後に、後述する語呂合わせや自分でまとめたノートを見直し、知識を万全な状態にします。

暗記が苦手な人へ!記憶に残る魔法の語呂合わせテクニック

細かい数字や要件は、語呂合わせを使うと驚くほど楽に覚えられます。FP受験生の間で鉄板の語呂合わせをご紹介します。

【鉄板!語呂合わせ集】

  • 青色申告の対象所得(不動産・事業・山林)

    「富士山(フジサン)は青い」

    (不動産所得)、(事業所得)、サン(山林所得)は色申告!
  • 損益通算できる所得(不動産・事業・山林・譲渡)

    「富士山上(フジサンジョウ)で損益通算」

    (不動産)、(事業)、サン(山林)、ジョウ(譲渡所得)は損益通算できる!
  • 確定申告期間(2/16~3/15)

    「兄ちゃん(2/16)色々あったけど、確定申告さあ行こう(3/15)」
  • 年末調整できず確定申告が必要な控除(医療費・寄附金・雑損)

    「いざ(医・雑)寄付して確定申告」

    (医療費控除)、(雑損控除)、寄付(寄附金控除)

こうしたテクニックを使えば、無味乾燥な暗記作業が楽しくなり、記憶にも定着しやすくなります。

よくある間違いと対策【ひっかけ問題回避術】

試験では、多くの受験生が同じようなポイントで間違えます。事前に「ひっかけパターン」を知っておけば、冷静に対処できます。

  • 間違い1:申請期限の混同

    【×】新規開業時の青色申告承認申請書の提出期限は「3ヶ月以内」だ。

    【○】正しくは「2ヶ月以内」。この数字のひっかけは定番中の定番です。
  • 間違い2:控除の条件の勘違い

    【×】紙で期限内に申告すれば、55万円の青色申告特別控除が受けられる。

    【△】半分正解ですが、貸借対照表と損益計算書の添付が必須です。簡易簿記の場合は10万円控除になります。条件をセットで覚えましょう。
  • 間違い3:「修正申告」と「更正の請求」の混同

    【×】税金を払い過ぎたので、「修正申告」をして還付してもらう。

    【○】払い過ぎた場合は「更正の請求」です。納税額が少なすぎた場合に自ら訂正するのが「修正申告」。言葉が似ているので注意が必要です。

これらの間違いやすいポイントをまとめた自分だけの「苦手ノート」を作るのも、非常に効果的な対策法です。

独学でのFP試験合格を目指す方は、学習計画の立て方などを解説したこちらの記事も必見です。
独学でも最短合格!FP試験の“合格率を劇的に上げる”完全攻略ガイド:学習スケジュールから過去問活用まで徹底解説

FP試験「税金分野」の学習を加速させるリソース&ツール

効率的に学習を進めるためには、質の高い教材やツールを活用することが欠かせません。ここでは、特におすすめのリソースをご紹介します。

おすすめテキスト&問題集

  • 『みんなが欲しかった!FPの教科書』(TAC出版):フルカラーで図解も多く、初学者でも直感的に理解しやすい定番テキストです。
  • 『FP3級・2級 合格のトリセツ』(LEC出版):人気YouTuberのほんださんとも連携しており、動画と合わせて学習することで相乗効果が期待できます。

必見!YouTube無料講義

  • ほんださん/東大式FPチャンネル:登録者数22万人超(2024年時点)を誇る超人気チャンネル。特に「FP3級爆速講義」シリーズは、試験範囲を網羅的に、かつ分かりやすく解説しており、税金分野の理解に絶大な効果を発揮します。まずはこのチャンネルの関連動画を見ることから始めるのがおすすめです。

最強の過去問サイト

  • FP2級ドットコム/FP3級ドットコム:無料で利用できる過去問演習サイトの決定版。スマホさえあれば、いつでもどこでも一問一答形式で演習ができます。解説も丁寧で、市販の問題集が不要になるほどのクオリティです。

信頼できる公的機関サイト

学習の過程で「この解釈で合っているかな?」と不安になったときは、公的機関の一次情報を確認するのが一番です。特に国税庁のサイトはブックマークしておきましょう。

まとめ:頻出論点をマスターして、税金分野を得点源にしよう!

今回は、FP試験の最重要テーマである「税金分野の確定申告・青色申告」について、網羅的に解説しました。最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいします。

【この記事のまとめ】

  • 確定申告・青色申告は、ほぼ毎年出題される超頻出分野であり、対策が必須。
  • 青色申告の最大のメリットは「最大65万円の特別控除」。65万・55万・10万の各控除の要件を正確に覚えることが最重要。
  • 試験で狙われるのは「要件」「数字」「期限」。特に以下の数字は確実に暗記する。
    • 確定申告が必要なライン:給与収入2,000万円超、副業所得20万円
    • 青色申告承認申請の期限:原則3月15日、新規開業は2か月以内
    • 帳簿の保存期間:7年
  • 学習の王道は「インプット→アウトプット(過去問演習)→総仕上げ」のサイクル。
  • 「富士山は青い」などの語呂合わせや、「FP2級ドットコム」などの無料ツールを賢く活用して、効率的に学習を進める。

税金分野は、一見すると複雑で難しく感じるかもしれません。しかし、出題されるポイントは決まっています。この記事で紹介した頻出論点と勉強法を参考に、一つひとつ着実に知識を積み重ねていけば、必ずあなたの強力な武器になります。

FP試験は、正しい知識と効率的な学習戦略があれば、誰でも合格できる試験です。この記事が、あなたの合格への道のりを少しでも照らすことができれば幸いです。

自信を持って、試験本番に臨んでください。心から応援しています!

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オリジナル練習問題

問題1 青色申告の承認申請期限

新規に事業を開始した個人が令和7年1月1日に開業した場合、同年3月1日までに青色申告承認申請書を提出すれば、令和7年分から青色申告を適用できる。
【解答】◯
【解説】青色申告承認申請書は、その年の1月16日以前に開業した場合には同年3月15日までに提出すればその年から適用される。本問は3月1日提出で要件を満たしている。

問題2 最大65万円の青色申告特別控除

正規の簿記(複式簿記)による記帳を行い、e-Taxによる電子申告又は優良な電子帳簿保存のいずれかの要件を満たして期限内に確定申告書を提出した場合、青色申告特別控除の上限は65万円である。
【解答】◯
【解説】「複式簿記+損益計算書・貸借対照表の添付+期限内申告」で55万円控除となる。さらに①e-Taxで電子申告又は②優良な電子帳簿保存のどちらかを満たせば控除額は65万円となる(両方同時に満たす必要はない)。簡易簿記等の場合は10万円控除。

問題3 赤字でも青色申告特別控除は差し引けるか

事業所得が赤字の場合でも、青色申告特別控除は全額差し引くことができる。
【解答】×
【解説】青色申告特別控除は「青色申告による事業等の所得金額」が限度。赤字(マイナス)の場合は控除自体を差し引けない。

問題4 純損失の繰越控除期間

青色申告者が生じた純損失は、期限内申告であれば翌年以後3年間にわたり繰り越して控除できる。
【解答】×
【解説】個人の青色申告における純損失の繰越控除期間は3年間(特定非常災害等による損失は5年間)。10年間ではない。

問題5 白色申告者の記帳義務

白色申告者であっても、令和5年分以降は原則として記帳と帳簿保存が義務付けられている。
【解答】◯
【解説】記帳義務は青色・白色を問わず適用(基準期間の所得300万円以下の簡易帳簿者も対象)。青色ほど厳格ではないが帳簿保存は必要。

問題6 帳簿保存期間

青色申告者は総勘定元帳や仕訳帳などの帳簿を原則7年間保存しなければならない。
【解答】◯
【解説】所得税法で帳簿・証憑の保存期間は7年(一定の電子帳簿の場合などで10年となるケースを除く)。

問題7 青色専従者給与の上限

青色事業専従者に支払う給与については、配偶者であっても金額に法定上限はなく、支給額は事業所得の計算上全額必要経費に算入できる。
【解答】×
【解説】金額に形式的な「上限額」は定められていないが、「その年の労務の対価として相当」と認められる範囲内に限られるため、過大な部分は経費にできない。

問題8 還付申告の提出期限

還付を受ける目的で確定申告を行う場合、申告書は確定申告期限を過ぎても5年間提出できる。
【解答】◯
【解説】還付申告は法定申告期限(翌年3月15日)から5年間提出可能。還付加算金も同じ期間内で算定される。

問題9 家事関連費の按分計上

青色申告者が自宅の電気料金など家事と事業が共通する費用を経費計上する場合、事業使用部分を合理的に算出した割合のみを必要経費とできる。
【解答】◯
【解説】家事費に共通する費用は「家事関連費」として事業使用部分を合理的基準で按分しなければならず、全額は認められない。

問題10 ふるさと納税と確定申告の要否

給与所得のみで年末調整が済んでいる納税者が、1年間に4自治体へふるさと納税を行った場合、ワンストップ特例制度を利用すれば確定申告は不要である。
【解答】◯
【解説】ワンストップ特例は寄附先が「5自治体以内」かつ寄附の都度申請書を提出した場合に利用できる。4自治体なら要件を満たし、確定申告は不要。

よくある質問

  • 青色申告承認申請書はいつまでに提出すればよいですか?
    原則は3月15日まで、ただし1月16日以降に開業した場合は開業日から2か月以内です。詳しくは国税庁タックスアンサーを参照してください。
  • 65万円控除と55万円控除の違いは何ですか?
    両方とも複式簿記が必要ですが、65万円控除はe-Taxまたは電子帳簿保存が必須です。比較表は本文の「青色申告特別控除 早見表」をご覧ください。
  • 給与所得者でも確定申告が必要になる条件は?
    年間給与収入2,000万円超または副業所得等が20万円超の場合などが対象です。詳細は国税庁のガイドラインで確認できます。
  • 帳簿は何年間保存する必要がありますか?
    青色申告の場合、帳簿と決算書類は7年間の保存義務があります。例外や電子保存についてはfreee公式解説が参考になります。
  • 青色事業専従者給与を支払うと配偶者控除は使えますか?
    いいえ。専従者給与を経費計上した配偶者や親族には配偶者控除・扶養控除を適用できません。制度の概要は弥生サポートを参照してください。
  • 短期間で効率よく得点を伸ばす勉強法はありますか?
    本文の「30日学習スケジュール例」を基に、動画インプット→過去問演習→模試というサイクルを回すのが王道です。全科目の学習フローは独学でも最短合格!FP試験完全攻略ガイドで詳しく解説しています。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 青色申告特別控除:複式簿記や電子申告など一定の要件を満たすと所得から最大65万円(または55万円・10万円)を差し引ける制度。
  • 複式簿記:取引を「借方・貸方」の両面で記帳する方法。正確な財務情報を作れるため高い控除額が認められる。
  • e-Tax:国税庁が提供するオンライン確定申告システム。電子申告で65万円控除の条件を満たす。
  • 青色申告承認申請書:青色申告を始める際に税務署へ提出する書類。原則3月15日、開業後は2か月以内が期限。
  • 事業的規模(5棟10室基準):不動産所得で青色65万円控除を受ける際の目安。アパートなら10室以上、戸建賃貸なら5棟以上が目安。
  • 青色事業専従者給与:生計を一にする家族に支払った給与を全額必要経費にできる制度。配偶者控除などは使えなくなるので注意。
  • 損益通算:「不事山譲」4所得の赤字と黒字を相殺して課税所得を減らす手続き。譲渡所得が含まれる点に注意。
  • 修正申告:申告後に本来より税額が少なかったとき、自ら追加で申告する手続き。納税額が多すぎた場合は更正の請求を行う。
  • 帳簿保存期間:青色申告では帳簿や決算関係書類を原則7年間保存する義務がある。

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。
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