外国人採用

【2025年最新版】5分でわかる!外国人採用×技能実習・特定技能の違いと選び方完全ガイド

【2025年最新版】5分でわかる!外国人採用×技能実習・特定技能の違いと選び方完全ガイド

【5分でわかる】外国人採用と技能実習・特定技能の違いを図解【2025年版】

外国人材の採用を検討する際、「技能実習」「特定技能」「一般の就労ビザ」といった選択肢があり、制度が複雑で分かりにくいと感じる人事担当者様は少なくありません。本記事では、これら3つの主要な在留資格について、目的・要件・費用・義務といった観点から違いを徹底比較し、図解や早見表を用いて5分で理解できるよう解説します。この記事を読めば、自社に最適な外国人材の採用ルートを判断できるようになります。

結論サマリー:制度の選び方は「目的×候補者属性×受入体制」で決まる

  • 技能実習制度:主な目的は国際貢献であり、開発途上国への技能移転を目指します。原則として転職はできず、監理団体を通じて受け入れるのが一般的です。2027年までに「育成就労制度」へ移行予定です。
  • 特定技能制度人手不足が深刻な12分野での労働力確保を目的とした就労資格です。一定の技能と日本語能力が求められ、同一分野内での転職が可能です。受入企業には支援計画の策定・実施義務があります。
  • 一般の外国人採用(就労系在留資格):大学卒業などの学歴や実務経験を持つ専門人材を対象とします。「技術・人文知識・国際業務」(技人国)などが代表的で、職務内容と本人の経歴のマッチングが最重要となります。

3制度の全体像を図解

制度比較早見表:技能実習・特定技能・一般就労(技人国)

項目 技能実習 特定技能(1号) 特定技能(2号) 一般の外国人採用(技人国 等)
目的 国際貢献(技能移転) 人手不足分野での就労 熟練技能者の長期就労 専門的技術・知識の活用
在留期間 最長5年 通算最長5年 更新上限なし 更新上限なし
転職可否 原則不可 可能(同一分野内) 可能(同一分野内) 可能(届出要)
家族帯同 不可 原則不可 可能(配偶者・子) 可能(配偶者・子)
受入主体 監理団体/企業単独 受入機関(企業) 受入機関(企業) 受入企業
支援義務 監理団体による監理・支援 支援計画の策定・実施義務あり(登録支援機関へ委託可) 支援計画の策定・実施義務なし 特別な支援義務なし
試験有無 技能評価試験(移行時) 技能試験・日本語試験 技能試験 不要(学歴・職歴で審査)
賃金要件 日本人と同等以上 日本人と同等以上 日本人と同等以上 日本人と同等以上

キャプション:各制度の主な特徴を比較した表です。賃金は、いずれの制度でも国籍を理由とした差別は禁止されており、「同一労働同一賃金」の原則と最低賃金法の遵守が必須です。出典:2025年8月時点の出入国在留管理庁「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」の各ページより作成。

フローチャート:自社に合う制度はどれ?

目的と候補者像から考える選択ガイド

  • 下記の質問に答えることで、自社がどの制度を検討すべきかの大枠が見えてきます。
質問 YES NO 補足
採用目的は「国際貢献」や「技能の伝承」ですか? → 技能実習 → 質問2へ 技能実習は労働力確保ではなく、技能移転が目的の制度です。[4, 5]
採用したい職種は「特定技能」の対象分野ですか? → 質問3へ → 一般の外国人採用 対象は介護、外食、建設など12分野です(2025年8月時点)。[6, 8]
候補者は技能・日本語試験に合格できますか?(または技能実習2号を修了) → 特定技能 → 技能実習 or 一般採用 特定技能には一定のスキルが求められます。未経験者は技能実習から育成するルートもあります。
候補者は専門学校卒以上で、職務内容に関連する専攻を修めていますか? → 一般の外国人採用(技人国) → 技能実習 or 特定技能 技人国ビザは、学歴・職歴と職務内容の関連性が厳しく審査されます。[9, 3]

キャプション:このフローはあくまで簡易的な判断基準です。実際には、各制度の詳細な要件(企業の体制、本人の経歴等)を個別に確認する必要があります。

取得フロー比較(図解)

在留資格申請の基本的な流れと期間

制度 主な手順 提出先 目安日数(新規認定) 電子申請
技能実習 ①技能実習計画の認定申請 → ②在留資格認定証明書交付申請 外国人技能実習機構/出入国在留管理庁 計画認定に30~60日、その後在留資格認定に約14日 可能
特定技能 ①技能・日本語試験合格 → ②在留資格認定証明書交付申請(or 変更申請) 出入国在留管理庁 約58.6日(2024年4-6月実績)[11, 12] 可能
一般の外国人採用(技人国) ①在留資格認定証明書交付申請 出入国在留管理庁 約74.8日(2024年4-6月実績)[11] 可能

キャプション:上記は国内にいない外国人を新規で呼び寄せる「認定」手続きの目安です。国内にいる留学生などを採用する「変更」手続きの場合は、期間が異なる場合があります。電子申請にはマイナンバーカードが必要です(2025年8月時点)。[6, 7] 出典:出入国在留管理庁「在留申請のオンライン手続」[7]、各種統計データ[11, 12]より作成。

義務とコストの違い

受入企業に課される義務とリスク

  • 外国人材を受け入れる企業には、制度ごとに異なる義務と責任が伴います。特に、技能実習と特定技能では、第三者機関による監督や、企業自身による手厚い支援が求められます。
制度 企業の主な義務 監査・指導 違反時の影響
技能実習 ・技能実習計画の遵守
・監理団体への監理費支払い
・適正な実習環境の提供
監理団体による月1回以上の監査
・外国人技能実習機構による実地検査
・技能実習計画の認定取消
最大5年間の受入停止[26]
特定技能 支援計画(10項目)の実施(自社 or 登録支援機関へ委託)
・各種届出(年1回の定期届出など)
・日本人と同等の報酬支払い
・出入国在留管理庁による立入調査[18] ・改善命令
最大5年間の受入停止
・登録支援機関への委託費用の発生
一般の外国人採用(技人国) ・雇用契約の履行
・社会保険、労働保険への加入
・入退社時の届出
・特になし(ただし労働基準監督署等の調査対象にはなり得る) ・在留資格の更新不許可
・不法就労助長罪に問われるリスク(罰金・懲役)

キャプション:技能実習では監理団体、特定技能では登録支援機関という第三者が関与し、企業の義務履行を監督・支援する点が特徴です。義務違反は、企業の受入資格剥奪という厳しい処分につながる可能性があります。出典:厚生労働省「技能実習制度 運用要領」[7]、出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」[17]等に基づき作成。

賃金・待遇と「同一労働同一賃金」

国籍を理由とした不合理な待遇差は禁止

  • どの在留資格であっても、外国人を雇用する際には「同一労働同一賃金」の原則が適用されます。同じ仕事内容の日本人従業員と比較して、基本給や手当、福利厚生などで不合理な差を設けることは法律で禁止されています。
制度 賃金の基本原則 よくあるNG例 是正ポイント
全制度共通 ・同一企業内の日本人と比較し、職務内容、責任、配置転換の範囲が同じなら同一の待遇を、違いがある場合はその違いに応じた均衡の取れた待遇を支払う。 ・「外国人だから」という理由で基本給を低く設定する。
・日本人には支給する手当(通勤手当、精皆勤手当等)を支給しない。
・客観的な職務評価制度を導入する。
・賃金テーブルを整備し、なぜその給与額になるのかを説明できるようにする。
特定技能 ・比較対象となる日本人の賃金水準と同等以上であること。[4, 5] ・技能実習からの移行時に、技能実習と同じ給与水準のままにする。
・支援費用を給与から天引きする。
・近隣地域の同業他社の賃金水準を参考に、適切な給与額を設定する。
・母国語を併記した雇用契約書・条件書を交付する。[9]
技能実習 最低賃金を必ず上回ること。[10, 11]
・比較対象となる日本人労働者がいる場合は、その報酬と同等以上であること。
・家賃や水道光熱費などを実費以上に給与から控除し、結果的に最低賃金を下回る。[12, 13] ・控除する項目については、労使協定(36協定)を締結し、内容を本人が理解していることを確認する。

キャプション:賃金の未払いや不適切な控除は、労働基準法違反や出入国管理法違反に問われ、刑事罰や行政処分の対象となります。特に2025年6月からは不法就労助長罪が厳罰化されるなど、コンプライアンスの重要性が増しています。[22] 出典:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」、各種専門サイト[5, 10, 11]の情報より作成。

ケースで理解(3業種×各制度)

飲食・介護・製造業での活用イメージ

  • 制度の選択は、業種ごとの事業特性や求める人材像によっても変わります。ここでは代表的な3業種での活用事例を比較します。
業種 制度選択 活用目的・ゴール 留意点
飲食業 特定技能 人手不足が深刻な店舗のホール・キッチン業務を担う即戦力として採用。長期的な定着を目指す。 ・複数店舗での勤務も可能だが、支援体制の構築が重要。
・日本語での接客能力(N3程度以上が望ましい)が求められる。
介護事業 特定技能 技能実習を修了した人材や介護福祉士養成校の卒業生を採用し、即戦力として現場に配置。2025年より訪問介護サービスも可能に。 ・夜勤や責任あるポジションを任せることで定着率向上が期待できる。
・受入企業は「介護分野における特定技能協議会」への加入が必須。
製造業 技能実習 → 特定技能 未経験者を技能実習生として3年間受け入れ、基礎的な製造技術を指導。修了後、特定技能に移行して中核人材として定着させる。 ・技能実習中は、認定された「技能実習計画」以外の作業はさせられない。[22]
・特定技能への移行時に、改めて適切な労働条件を提示する必要がある。

キャプション:上記はあくまで一例です。技能実習は育成、特定技能は即戦力確保という目的の違いを理解し、自社の事業計画に沿った制度を選択することが成功の鍵となります。出典:特定技能総合支援サイト「受入企業向け好事例集」、各業界の導入事例[1, 3]より作成。

よくある誤解Q&A

制度利用前に解消しておきたい疑問点

質問 回答 根拠
Q. 技能実習生は転職できない? A. 原則として転職はできません。実習先の倒産など、やむを得ない事情がある場合に限り、例外的に転籍が認められます。[10, 11] 技能実習は特定の企業で技能を習得することを目的とした制度であるため。
Q. 特定技能外国人は自由に転職できる? A. はい、可能です。ただし、転職できるのは同一の業務区分(分野)内に限られます。例えば「外食」の特定技能外国人が「介護」分野に転職することはできません。[12, 13] 特定技能は労働者としての権利が保障されており、職業選択の自由が認められているため。
Q. 「技人国」ビザに日本語能力試験の合格は必須? A. 必須ではありません。出入国在留管理庁の審査では、本人の学歴や職歴と、日本で行う業務内容の関連性が最も重視されます。ただし、業務遂行上、相応の語学力は実質的に必要です。 法令上の要件として語学試験のスコアは定められていません。
Q. 特定技能1号では、必ず家族を呼べない? A. 原則として家族帯同は認められていません。しかし、既に別の在留資格で日本に滞在している人と結婚した場合など、人道上の配慮から例外的に許可されるケースは存在します。[18, 19] 特定技能2号や技人国ビザでは、要件を満たせば配偶者・子の帯同が可能です。[21, 23]

キャプション:制度に関する誤解は、トラブルの原因となります。採用活動を開始する前に、必ず出入国在留管理庁のウェブサイトなどの一次情報で最新のルールを確認することが重要です。

チェックリスト:導入前に確認すべき10項目

外国人材採用の法的リスク・労務リスク管理

確認項目 合否基準(例) 担当部署 確認期限
1. 在留資格と業務内容の適合性 許可された活動範囲の業務か 人事部/現場責任者 採用決定前
2. 在留カードの有効期限・就労制限の有無 有効期限内か/「就労不可」でないか 人事部 採用面接時
3. 労働条件の均等待遇(同一労働同一賃金) 同職種の日本人と比較し不合理な差はないか 人事部/経営層 雇用契約締結前
4. 雇用契約書・労働条件通知書の母国語併記 本人が理解できる言語で作成されているか 人事部 雇用契約締結時
5. 社会保険・労働保険の加入手続き 日本人と同様に加入手続きが完了しているか 人事部/総務部 入社日
6. 監理団体・登録支援機関の選定(該当制度の場合) 行政処分歴がなく、支援体制が適切か 人事部 受入決定前
7. 支援計画の策定と実施体制(特定技能) 義務的支援10項目を履行できる体制か 人事部/支援担当者 申請前
8. 安全衛生教育の実施 日本の労働安全衛生法に基づく教育を行ったか 現場責任者/安全管理者 業務開始前
9. 住居の確保と生活オリエンテーション 適切な住居を手配し、日本のルールを説明したか 人事部/支援担当者 入国後速やかに
10. 定期・随時届出の管理体制 出入国在留管理庁への届出義務を把握し、担当者を決めたか 人事部/支援担当者 受入開始後

キャプション:このチェックリストは、外国人材の受け入れに伴う法令遵守とトラブル防止を目的としています。各項目について、社内で責任者を明確にし、定期的に点検する体制を構築することが望まれます。

よくある質問

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参考サイト

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初心者のための用語集

  • 技能実習:開発途上国から来日した外国人が、日本の企業で技能を学び母国へ移転することを目的とした制度。最長5年間の在留が可能。
  • 特定技能:人手不足分野での即戦力確保を目的とした就労制度。分野ごとの技能試験・日本語要件があり、1号は最長5年、2号は上限なしで就労できる。
  • 技術・人文知識・国際業務(技人国):専門知識や技術を活かして就労できる在留資格。学歴や実務経験と職務内容の関連性が求められる。
  • 監理団体:技能実習生を受け入れる企業を監督・支援する団体。監査や指導、講習実施などの役割を担う。
  • 登録支援機関:特定技能外国人の生活・就労支援を企業から委託されて行う機関。法定の10項目支援が義務付けられている。
  • 同一労働同一賃金:同じ職務内容であれば、日本人・外国人、正社員・非正規に関わらず不合理な待遇差を設けてはいけないという原則。
  • 支援計画:特定技能1号外国人に対して企業が作成する支援の計画書。生活オリエンテーション、日本語学習支援、定期面談などを含む。
  • 在留資格変更:外国人が在留中に活動内容を変えるために行う入管手続き。例:技能実習から特定技能への移行。
  • 育成就労制度:技能実習制度の後継として創設予定の制度。人材育成と就労を一体的に行う仕組みで、2027年までに施行予定。

まとめ

本記事では、「技能実習」「特定技能」「一般の外国人採用」という3つの主要な制度について、その違いを図解や表を交えて解説しました。それぞれの制度は、目的(育成か、就労か)、対象者(未経験者か、専門人材か)、企業の義務(支援や監督の有無)において大きく異なります。重要なのは、これらの違いを正しく理解し、自社の採用ニーズや受け入れ体制に最も適した制度を選択することです。

特に、技能実習制度は「育成就労制度」への移行が決まっており、特定技能制度も対象分野の拡大や要件の見直しが頻繁に行われています。外国人材の採用を成功させるためには、今後も最新の情報を収集し、法令を遵守した適切な労務管理を徹底していくことが不可欠です。

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。