外国人採用

【2025年最新版】外国人採用オンライン面接完全ガイド|質問テンプレ20選と評価基準・NG質問対策

この記事の要点・結論

先に結論:構造化×多言語支援×バイアス対策でオンライン面接の的中率は大きく高まります

  • 質問は「職務要件に直結」させ、行動事例+状況→行動→結果で深掘り
  • 評価は配点化・観察指標化し、複数面接官で採点
  • NG質問(家族・信条 等)を回避し、同意と記録を適切に取得

オンライン面接の設計(前提づくり)

項目 目的 やり方 KPI 注意点
職務要件定義 採用基準の明確化 職種別要件の洗い出し ミスマッチ率の低減 具体性と客観性
評価項目の設定 評価基準の明確化 評価軸の決定 評価の一貫性 公平性・妥当性
配点の設定 重要度の反映 各評価項目への配点 総合評価の信頼性 配点の根拠
質問の作成 評価項目の可視化 行動面接、状況質問 評価の精度向上 オープンクエスチョン
追問の準備 深掘りのための質問 候補者の回答への深掘り 情報収集の最適化 誘導質問の回避
採点票の作成 評価の記録と共有 評価項目の記録 評価プロセスの透明性 客観的評価
最終判定 総合評価と合否決定 複数面接官による合議 採用成功率 多角的な視点
事前準備 スムーズな面接進行 通訳・録画の同意取得 トラブル発生率の低減 事前の接続テスト
技術的対策 円滑な面接環境 タイムゾーン調整、ノイズ対策 面接官・候補者の負担軽減 音声・映像のクリアさ

面接設計は、職務要件の明確化から始まり、評価項目の設定、配点、質問作成、追問、採点票作成を経て、最終的な合否判定に至るまで、一連のプロセスを綿密に計画することです。 候補者と面接官双方にとって、円滑に進められるよう、技術的準備も重要です。

面接評価フレームと採点票

評価軸 定義 行動指標 配点 合格ライン
職務スキル 職務遂行能力 経験、知識、問題解決力 30点 21点
言語・通訳活用 コミュニケーション能力 日本語能力、通訳との連携 20点 14点
顧客対応・安全 顧客志向、安全意識 クレーム対応、安全配慮 20点 14点
チーム協働・文化適応 協調性、適応力 協調性、積極性、異文化理解 15点 10.5点
誠実性・遵法 倫理観、責任感 責任感、法令遵守意識 15点 10.5点

評価フレームは、各評価軸、定義、行動指標、配点、合格ラインを設定し、面接官が客観的に評価できるように設計します。 合格ラインは、各評価軸の合計得点で判断します。

質問テンプレ20選(カテゴリ別)

カテゴリ 質問テンプレ 評価意図 良い回答の目安 追問例 NG質問注意
職務スキル×行動事例 前職で最も難しかった作業を、手順と時間で説明してください 専門知識・経験 具体的かつ詳細な説明 その課題をどのように解決しましたか? 具体的な職務内容以外は不可
職務スキル×行動事例 これまでの経験で、最も高い成果を上げた事例を教えてください 実績・成果 数値データと具体的な行動 その成果を上げるために、どのような工夫をしましたか? 客観的根拠のない自慢話はNG
職務スキル×行動事例 新しいツールやシステムを導入した経験があれば、具体的に教えてください 学習意欲・適応力 導入の背景、苦労点、工夫点 導入前と後で、どのような変化がありましたか? 専門知識・スキルに関係のない質問は避ける
言語・伝達 お客様があなたの日本語を理解できない時、どう工夫しますか コミュニケーション能力 わかりやすい言葉・身振り手振り 具体的にどのような言葉を使いますか? 個人的な価値観を尋ねる質問はNG
言語・伝達 お客様に商品の説明をする際、最も意識することは何ですか 説明能力・表現力 簡潔で分かりやすい説明 具体的にどのような言葉を使いますか? プライベートな質問は避ける
言語・伝達 チーム内で誤解が生じた場合、どのように解決しますか 問題解決能力・調整力 事実確認、丁寧な説明 具体的にどのような言葉を使いますか? 不必要な個人情報やプライベートな情報の質問はNG
顧客対応・安全 アレルゲン/衛生ルールの説明を求められた時の具体的対応は 顧客対応・安全意識 正確な情報提供・丁寧な説明 どのようにして情報を伝えますか? 個人的な信条に関わる質問は避ける
顧客対応・安全 お客様からのクレームにどのように対応しますか 問題解決能力・対応力 事実確認、謝罪、解決策提示 どのような言葉で謝罪しますか? 差別的な言動や表現はNG
顧客対応・安全 緊急時の対応について、過去の経験を教えてください 危機管理能力・判断力 迅速かつ適切な行動 具体的にどのような行動をとりましたか? 身体的特徴や健康状態に関わる質問は避ける
チーム協働・文化適応 指示が曖昧だった時の確認方法と過去事例 コミュニケーション能力・主体性 具体的な確認方法・報告 上司にどのように報告しましたか? 出身地や国籍に関する質問はNG
チーム協働・文化適応 異なる意見を持つ同僚とどのように協力しますか 協調性・コミュニケーション 意見交換、相互理解 どのような言葉で話し合いますか? 宗教や思想に関する質問は避ける
チーム協働・文化適応 日本の職場文化について、どのように理解を深めていますか 適応力・学習意欲 情報収集、積極的な行動 具体的にどのようなことをしていますか? 個人的な信条や価値観を尋ねる質問はNG
問題解決・誠実性 自分のミスに気づいた時の初動と報告の仕方 責任感・報告力 事実確認、上司への報告 具体的にどのような報告をしますか? 個人的なプライベートな情報は避ける
問題解決・誠実性 納期遅延が発生した場合、どのように対応しますか 問題解決能力・対応力 状況把握、関係者への連絡 具体的にどのような行動をとりますか? 家族構成や家庭環境に関する質問はNG
問題解決・誠実性 お客様からの問い合わせに、どのように対応しますか 問題解決能力・顧客対応 丁寧な対応、迅速な解決 具体的にどのような言葉遣いをしますか? 差別的な言動や表現はNG
シフト・働き方条件 希望する勤務時間や曜日について教えてください 勤務意欲・自己管理 具体的な希望・理由 なぜその時間帯を希望しますか? 宗教上の理由、家族計画など、踏み込んだ質問は不可
シフト・働き方条件 シフトの希望を出す際に、どのような点を考慮しますか 自己管理能力・優先順位 自身の状況・会社の状況 具体的な例をあげて説明してください 持病や健康状態に関する質問は不可
シフト・働き方条件 急なシフト変更が必要になった場合、どのように対応しますか 対応力・協調性 周囲との連携、柔軟な対応 具体的にどのような行動をしますか? 出産や育児に関する質問は不可
キャリアプラン 将来的にどのようなスキルを身につけたいですか 成長意欲・キャリアビジョン 具体的な目標、計画 具体的にどのような方法で学びますか? 性別や性的指向に関する質問は不可
キャリアプラン 当社でどのような貢献をしたいと考えていますか 貢献意欲・企業理解 具体的な貢献内容、計画 具体的にどのような行動をしますか? 容姿や外見に関する質問は不可

質問テンプレートは、各カテゴリごとに評価意図、良い回答の目安、追問例、NG質問注意を明記し、多角的な視点から候補者を評価します。 職務遂行能力、コミュニケーション能力、問題解決能力、協調性、誠実性、適応力、そして働き方に関する要件を評価します。

通訳併用・多言語運用のコツ

場面 通訳の入り方 確認フレーズ 記録方法 注意点
自己紹介 逐次通訳 「私の言いたいことは、〇〇です。」 通訳内容のメモ 専門用語の事前共有
職務経験の質問 逐次/同時通訳 「〇〇について、詳しく教えてください。」 録音/録画(同意取得) 通訳の準備・休憩
問題解決能力の質問 逐次通訳 「〇〇という理解でよろしいでしょうか?」 評価シートへの記録 簡潔で正確な説明
チームワークに関する質問 逐次通訳 「〇〇について、他に何かありますか?」 面接官と通訳者の連携 感情的な表現に注意
質問への回答 逐次通訳 「〇〇という解釈でよろしいでしょうか?」 候補者の回答の要約 誤解を防ぐための確認
質疑応答 逐次通訳 「私の質問は〇〇です。」 通訳者のメモ 時間配分に注意
最終的な確認 逐次通訳 「ご理解いただけましたでしょうか?」 総合的な評価 フィードバックの提供

通訳併用時は、各場面に応じた通訳方法を選択し、確認フレーズを用いて理解度を確認します。 記録方法としては、通訳内容のメモや録音/録画を行い、評価シートに記録します。 専門用語の事前共有、感情表現への注意、そして時間配分への配慮が重要です。

偏見・NG質問を避けるためのルール

NG領域 具体例 代替の聞き方 根拠(年月+出典名)
宗教・信条 「信仰している宗教は?」 「価値観や仕事で大切にしていることは?」 厚生労働省「公正な採用選考」
家族 「家族構成は?」「配偶者の職業は?」 「仕事をする上で、大切にしていることは?」 厚生労働省「公正な採用選考」
出身 「出身地は?」「ご両親の出身地は?」 「どのような環境で育ちましたか?」 厚生労働省「公正な採用選考」
健康 「持病は?」「健康状態は?」 「仕事をする上で、配慮すべき点は?」 厚生労働省「公正な採用選考」
妊娠 「将来、出産予定は?」 「長期的なキャリアプランは?」 厚生労働省「公正な採用選考」
性的指向 「性的指向は?」「パートナーは?」 「仕事をする上で、大切にしていることは?」 厚生労働省「公正な採用選考」
支持政党 「支持する政党は?」 「政治に関心はありますか?」 厚生労働省「公正な採用選考」
購読雑誌・書籍 「購読している雑誌は?」 「情報収集で重視することは?」 厚生労働省「公正な採用選考」

NG領域に該当する質問は、代替の聞き方を用いて、個人の人権を尊重しつつ、必要な情報を収集します。 [11][12] 厚生労働省「公正な採用選考」を遵守し、差別につながる可能性のある質問は避けます。

合否の決め方と次アクション

指標 算出式 合格基準 再面接条件 提出物
総合得点 各評価項目の合計 合格ライン以上の得点 総合点が基準に達しない場合 履歴書、職務経歴書
評価項目別得点 各評価項目の点数 各項目の基準点以上 一部項目で基準に達しない場合 ポートフォリオ、スキルシート
面接官評価 複数面接官の評価平均 評価の平均値が基準以上 評価のばらつきが大きい場合 推薦状、資格証明書
総合評価 総合得点+面接官評価 総合評価で判断 総合評価が基準に達しない場合 最終面接の結果

合否は、総合得点、評価項目別得点、面接官評価を総合的に判断し決定します。 [13][14] 再面接が必要な場合は、その条件を明確にし、提出物を指示します。

よくある質問

  • オンライン面接の録画は可能ですか? はい、可能です。ただし録画目的・保存期間・閲覧範囲を事前に説明し、応募者の明示的同意を記録してください(2025年)。実務ポイントはHR NOTEの解説個人情報保護委員会Q&Aが参考になります。
  • 通訳の同席は必要ですか? 日本語運用に不安がある場合は、逐次通訳同時通訳を事前に選定し、守秘義務と録画同意を取りましょう。段取りは通訳運用の実務ガイドを参照してください。
  • どんな質問がNGですか? 本籍・家族・宗教・信条など就職差別につながる事項は質問不可です(2025年、厚生労働省)。詳細は厚生労働省の配慮事項収集禁止情報ガイドを確認してください。
  • 可用性を確認したい時、何と聞けば良いですか? 宗教や家庭事情には触れず、勤務可能な曜日・時間帯・残業可否を聞きます。代替表現の例と根拠は厚生労働省ガイドをご参照ください。
  • 在留カード確認のタイミングは? 原則は内定後に原本確認・コピー保管です(採用選考中は口頭確認にとどめる)。実務手順は厚生労働省の手引き出入国在留管理庁資料を参照してください。
  • 録画や採点票の保存期間は? 採用関連記録は5年保存が目安(労働基準法109条、2025年時点)。また、第三者提供記録は原則3年の保管が必要です。根拠はe-Gov法令個人情報保護委員会Q&Aです。
  • 構造化面接の効果は? 最新の研究では予測妥当性が高く、面接官間の一致率も向上します。要点は国際学術誌の総説JILレビューをご覧ください。
  • 通信トラブル時はどう扱いますか? 事前の接続テスト・代替回線・予備日を用意し、候補者に不利益が生じないよう公平に再実施します。運用のヒントは面接運用の実務解説が参考です。
  • EU在住候補者との面接でGDPRは関係しますか? はい。録画や転送を行う場合は適切な移転根拠告知・同意を確認します。概要は個人情報保護委員会(EU関連)を参照してください。
  • AI翻訳や自動議事録は使ってよいですか? 候補者への利用目的の明示と同意が前提です。取り扱いの考え方はZoomの候補者プライバシーなどの方針例が参考になります。
  • 障害のある候補者への合理的配慮は? 事前案内・代替手段・支援技術の提供など、過度でない配慮を個別に検討します。指針は東京都の公正採用案内を参照してください。
  • ワークサンプルテストは実施してよいですか? はい。職務との関連性が明確で、評価基準が標準化されていることが条件です。事例とトレンドはHRMOSの解説採用トレンド情報が参考になります。
  • 合否の基準設定はどうすべきですか? 評価軸ごとに配点と合格ラインを定義し、複数面接官で採点、定期的に校正します。実務の作り方は面接基準の設計ガイドを参照してください。
  • 飲食・介護など安全や衛生の確認はどう聞く? 手順・ルール遵守の行動事例で質問し、具体的な数値・記録の扱いを確認します。基礎はHACCP手引書をご覧ください。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 構造化面接:あらかじめ決められた質問と評価基準に沿って進行する面接手法。面接官間の評価差を減らし、採用の公平性を高める。
  • STAR法:質問に対して「状況(Situation)→課題(Task)→行動(Action)→結果(Result)」の順で答える面接回答フレーム。
  • 逐次通訳:話者が発言を一区切りした後に通訳を行う方式。正確性が高いが、時間がかかる。
  • 同時通訳:話者の発言とほぼ同時に通訳を行う方式。会話の流れがスムーズになるが、高度な技術が必要。
  • NG質問:就職差別につながる恐れがあるため、法律やガイドラインで禁止・制限されている質問(宗教、家族構成、出身地など)。
  • 配点化:各評価項目に点数を設定し、合計点で合否を判断する方法。客観性を高めるために用いる。
  • 在留カード:外国人が日本に在留する資格や期間などを証明するカード。雇用時には原本確認と記録が義務付けられている。
  • ワークサンプルテスト:実際の業務に近い課題を解かせて職務能力を測る評価手法。採用ミスマッチ防止に有効。

まとめ

アフターコロナにおける外国人採用では、オンライン面接の有効活用が不可欠です。今回の「質問テンプレ20選」は、構造化された質問と多言語対応、そしてバイアス対策を組み合わせることで、面接の精度を飛躍的に向上させることを目指しています。 [15][16] 各業種別の職務要件をチェックし、客観的で公正な評価基準を設け、合否判定のプロセスを明確化することで、採用のミスマッチを減らし、優秀な人材の獲得に繋がるでしょう。 [17][18] 録画・記録に関する同意取得、そして、個人情報保護法への準拠も重要なポイントです。 [19][20]

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。