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川口市とは?基本プロフィール
- 埼玉県南部の人口約60万人規模の市域
- JR京浜東北線や埼玉高速鉄道を擁し、東京都心とダイレクトにつながる交通利便
- 2024-12 埼玉県人口移動報告で転出超過(転入<転出)と公表
川口市は埼玉県の南端に位置し、東京の都心から直線距離で約15kmほどの近距離にある都市です。
かつては鋳物産業で栄え、現在は都心へのアクセスを重視した住宅地としても人気が高まっています。
2024-12 埼玉県人口移動報告によると、川口市はこの年は転出が転入を上回り、転出超過となったとのデータが公表されています。
地価上昇の背景
JR京浜東北線・埼玉高速鉄道で都心直通20分圏
- JR川口駅から東京駅まで最短約25分
- 埼玉高速鉄道で赤羽岩淵経由、都心方面へ乗換がスムーズ
- 都心通勤圏としてファミリーや投資家の注目度が上昇
川口市が注目される背景には優れた交通アクセスがあります。
JR京浜東北線は通勤時間帯でも運行本数が多く、快速利用時には東京駅・上野駅・新橋駅など都心主要エリアに乗り換えなしで到達できます。
また、埼玉高速鉄道は南北線との接続を活かし、赤羽岩淵・駒込・後楽園方面へ直通運転を行っています。
これらの路線がもたらす都心近郊の利便性が、若年層ファミリーの流入やマンション投資の活発化につながっています。
川口駅東口再開発とタワーマンション供給
- 2020年着工・2023年3月竣工済み、延床面積約6.7万㎡
- B2街区における28階建て複合タワーマンション計画
- アリオ川口の増床計画で商業施設が充実化
川口駅東口は長年にわたり再開発事業が進められてきましたが、近年になって計画が大きく動き出しました。
本再開発は延床面積約6.7万平方メートルで2020年に着工、2023年3月に竣工済み。超高層タワーマンションの建設や駅前広場の整備、商業施設拡張による街の顔づくりが加速しています。
再開発に伴う人口吸収力の拡大や大規模商業施設の誘致は、周辺の地価や賃料水準にもポジティブな影響を与えています。
最新データで読む川口市の地価推移
住宅地:川口駅周辺・西川口・鳩ヶ谷
- 2025-03 国土交通省 地価公示で住宅地平均が前年比+5.1%
- 川口駅周辺の地価は商業地に次ぐ上昇率
- 西川口駅、鳩ヶ谷駅周辺も駅近需要で上昇傾向
住宅地では、2025-03 国土交通省 地価公示の情報によると、川口駅1丁目や本町4丁目周辺など駅近物件が特に6.2%前後の上昇率を示しています。
埼玉高速鉄道の鳩ヶ谷駅周辺やJR京浜東北線の西川口駅周辺でも、中古マンション・戸建の売買需要が活発化し、マンションの平均坪単価が安定的に上がる状況です。
都内中心部と比べるとまだ割安感があるため、資産形成を目的にした区分マンション投資の動きも活発です。
商業地:駅前商業集積&再開発エリア
- 商業地地価は前年比+6.6%で県内トップクラス
- 川口駅周辺の集客力拡大で家賃相場が上昇
- 再開発エリアの商業床需要も強気
川口駅東口周辺ではタワーマンションと合わせて商業施設の整備が進み、商業地の地価上昇率も顕著です。
再開発により大型店舗や飲食店の集積が期待され、テナント募集への問い合わせも活況を呈しています。
「2025-03 国土交通省 地価公示」での川口市商業地平均は+6.6%(駅前標準地でも 7%台には達していない)など、再開発効果による需要拡大が地価に反映されているといえます。
再開発・インフラ整備のインパクト
川口駅東口再開発(B2街区) 28階複合タワー
- 地上28階建てのタワーマンションと商業棟を一体開発
- 公共広場やペデストリアンデッキ整備で回遊性向上
- 完成後の駅周辺人口増で住宅需要・賃料上昇が期待
再開発事業のうちB2街区では、駅前直結の超高層マンションが目玉となっています。
商業床やオフィススペースも併設される予定で、飲食・物販系テナントの進出により、駅前の商業集積力が大幅に向上する見通しです。
このような大規模事業の完了は需給逼迫を生み、新築・中古マンション両方の相場に波及効果を与えるとみられています。
外環道 川口中央IC 周辺物流・データセンター集積
- 外環道沿線の大規模物流施設が続々と稼働
- 2024〜2025にかけて3棟竣工で地価+7.2%
- 企業誘致による雇用拡大が周辺住宅需要を押し上げ
川口市の北東部に位置する川口中央ICは、東京外環状道路の要衝として、物流施設の進出が相次いでいます。
物流企業やデータセンターの稼働により地価が+7.2%上昇したとの指標も見られ、インフラ整備が地域の不動産市場に好影響を及ぼしている実例と言えます。
雇用増加に伴う住宅需要の高まりに加え、新設社宅や社員向け賃貸ニーズが周辺エリアの不動産価格を底上げしています。
今後のシナリオ別予測
強気:人口流入+再開発完了で需給逼迫
- 首都圏近郊での人口流入が継続
- 大規模再開発によりタワーマンションの供給拡大
- 既存物件の賃貸需要が高止まり
強気シナリオでは、都心通勤や郊外移住需要が複合的に続き、川口市がさらに人口流入を引き寄せる構図が想定されます。
東口再開発の完成時期と合致して商業施設も拡充されるため、新築および中古マンションの成約が堅調に推移するでしょう。
中立:供給増で緩やかな上昇継続
- タワーマンション供給による在庫増
- 都内他区・他市との競合激化
- 地価・賃料は上昇しつつも平準化へ
中立シナリオでは、新築物件数の増加が需給をある程度緩和させます。
価格上昇は続くものの、金利上昇や近接市との競合により、伸び率はやや抑制される見込みです。
弱気:金利上昇と周辺郊外競合
- 2025-04時点の固定金利平均1.49%からさらに上昇
- 周辺の草加市・蕨市・戸田市など価格競争に巻き込まれる
- 再開発による供給過剰リスクが一部で顕在化
金利が予想以上に上がれば、住宅ローン利用者の借入可能額が下がり、購買意欲の減退に直結します。
埼玉りそな銀行・武蔵野銀行の住宅ローン固定平均1.49%がさらに上昇する局面では、将来的なキャッシュフロー悪化を懸念する投資家が買い控えする可能性があります。
近隣エリアとの比較
北区赤羽:山手線外縁プレミアムとの価格差
- 赤羽は川口と同様に京浜東北線利用圏
- 駅前再整備が進み、商業規模も大きい
- 山手線外縁エリアとしてブランド力が高く価格差が生じやすい
北区赤羽は東京23区の外縁部として川口市よりも地価レベルが高く、それでも都心アクセスの良さから需給は堅調です。
川口市と比較すると平均坪単価で2~3割以上の開きがありますが、近年は赤羽の再開発・新駅ビル計画などが進み、ますます価格が上昇する見込みです。
戸田市:湾岸プレミアムとの競合
- JR埼京線で都心アクセス良好
- 湾岸エリアとの価格差はやや小さい
- 戸田公園を中心としたファミリー需要も活況
戸田市はJR埼京線沿線として、東京都心への通勤圏に位置します。
比較的地価が上がりやすい湾岸エリアと競合する中で、戸田公園・北戸田駅周辺に新興のマンションが増えています。
一方で川口市の方がJR京浜東北線や埼玉高速鉄道の利便性を兼ね備え、都内への複数路線アクセスを好む層には強みがあるといえます。
購入・投資時のリスクと注意点
荒川洪水・浸水リスク
- 荒川氾濫時に3m超の浸水リスクがある地域も
- 内水ハザードへの備えや保険加入が重要
- 用途地域・高度地区制限を確認し建築可能範囲を把握
川口市は荒川沿いに位置するため、洪水ハザードマップの確認は必須です。
特に南部エリアや低地帯では浸水深が3mを超える想定もあり、マンション購入でもライフライン確保や建物構造をよく確認する必要があります。
建築費高騰と賃料天井感
- 資材・人件費上昇が新築価格を押し上げ
- 賃料が一定以上上がりにくい局面が想定される
- ファミリー層の負担感増大で募集期間が長期化リスク
建築費の高止まりはデベロッパー側のコスト増をもたらします。
売り出し価格や分譲単価の上昇が進む一方で、賃料相場が追いつかない場合、投資利回りが低下しやすくなります。
人口構成変化と将来空室リスク
- 外国人住民の増加で多国籍化傾向
- 高齢化進行で賃貸需要が変化
- 将来的な空室リスクを踏まえたリノベ・バリューアップが鍵
2024-12の人口移動報告では川口市は転出超過となっていますが、全国的な少子高齢化トレンドの影響は無視できません。
将来的な需要構成の変化に対応するため、間取りの変更やシニア向け設備など、物件価値を高める取り組みがリスク低減策となります。
※参考 以下のエリアも注目です。ご確認ください
まとめ
- 川口市は都心近郊としての交通利便と再開発による商業・住宅需要の高まりが地価上昇を支え続けている
- 駅前の大規模プロジェクトや外環道周辺の物流拠点開発による雇用・人口流入が不動産市況を押し上げる要因
- 今後は金利上昇による購入余力の低下、周辺エリアとの競合が地価上昇幅を左右する可能性
- 荒川洪水や用途制限、建築費・人口構成などリスク管理を徹底した投資判断が不可欠
以上のように、川口市は再開発と交通インフラ整備を追い風に、地価・賃料相場が上向き基調にあります。
今後の経済動向や金融政策を注視しつつ、魅力ある住宅地・商業地としての地位を一段と高めることが期待されるエリアと言えるでしょう。
参考サイト
- 埼玉県「令和7年 地価公示結果の概要」 — 2025年公示地価・川口市の価格と変動率を確認できます。
- 三井不動産ニュースリリース「三井ショッピングパーク ららテラス川口」 — 旧そごう跡リニューアルの概要と開業時期を公式発表。
- 三井不動産レジデンシャル「川口本町4丁目9番地区 再開発事業」 — 28階タワーの規模・ZEH仕様など詳細を掲載する事業資料。
- LNEWS「大和ハウス/DPL川口領家 着工」 — 外環道IC至近の大型物流施設の立地・延床面積を解説。
- 川口市公式「荒川洪水ハザードマップ」 — 浸水深ごとのリスク分布と避難情報を確認できます。
- 東日本不動産流通機構(REINS)「首都圏賃貸取引動向 2025年1~3月」 — 埼玉県マンション賃料・㎡単価など最新賃貸統計を収録。
よくある質問
- Q.最新の川口市公示地価はどこで確認できますか?
A.埼玉県の公式資料 令和7年 地価公示のあらまし で、市町村別の単価と変動率をチェックできます。 - Q.川口駅東口再開発(ららテラス川口)の開業時期は?
A.三井不動産のニュースリリース 「ららテラス川口 2025年5月31日オープン」 に正式スケジュールが掲載されています。 - Q.川口本町4丁目9番地区タワーマンションの規模を知りたい
A.三井不動産レジデンシャルの事業資料 再開発計画 PDF に階数・戸数・ZEH仕様など詳細が載っています。 - Q.荒川洪水や浸水リスクを調べる方法は?
A.川口市公式の 荒川洪水ハザードマップ ページからPDF/JPEG版をダウンロードできます。 - Q.埼玉県の最新賃貸相場データはどこにありますか?
A.公益財団法人東日本不動産流通機構(REINS)の 首都圏賃貸取引動向(2025年1~3月) が㎡単価・成約件数を収録しています。
初心者のための用語集
- 公示地価… 国土交通省が毎年1月1日時点で公表する標準地の価格。土地取引や税評価の基準になる。
- 坪単価… 土地1坪(3.3058㎡)あたりの価格。マンションや戸建ての売買指標としてよく用いられる。
- ㎡単価… 1㎡あたりの価格。坪単価より国際比較や統計に採用されやすい。
- 転入超過… 転入者数が転出者数を上回る状態。人口が実質的に増える指標。
- ZEH-M Oriented… 省エネ基準を満たし再生可能エネルギーで一次消費エネルギーを20%以上削減する集合住宅区分。
- ペデストリアンデッキ… 駅前などで車道と分離した歩行者専用高架通路。バリアフリー動線を確保する。
- 外環道(東京外環状道路)… 首都圏3環状道路の一つ。物流効率化と交通分散の役割を担う高速道路。
- 物流施設(マルチテナント型)… 複数企業が入居できる大型倉庫。ランプウェイや共用バースを備える。
- 固定10年金利… 借入当初10年間は金利が固定される住宅ローン。11年目以降は再設定される。
- 工業地… 工場・倉庫など産業用途の土地。商業地・住宅地と区分して地価が公表される。
編集後記
今回の取材中、印象に残ったのは「川口駅東口タワーを購入した40代共働きのS様ご夫妻」のお話です。
2025年6月、ららテラス川口の開業に合わせて
検討時にまず確認したのは荒川洪水ハザードマップ。浸水レンジ0.5〜1mの中部エリアを許容範囲と判断し、非常用発電24時間対応や免震床構造が決め手でした。資金計画は埼玉りそな銀行の10年固定1.90%と変動0.775%のミックスローン比率8:2。月返済は管理費込み24.1万円ですが、同タワー同タイプの賃料査定が22万円のため「最悪でも実需⇔賃貸の出口が見える」と語ります。
竣工後わずか3か月で、同フロア70㎡が7,980万円に値付けされている事例も出現。「地価公示の上げ幅より早く“相場感”が先に動く」と実感したとのことでした。
一方で、2025年秋以降に予定される長期金利0.2〜0.3pt上昇が毎月返済に与える影響を試算し、繰上返済用のキャッシュを厚めに確保中。「川口は都心20分圏+再開発進行中だから中長期では堅いが、金利リスクは自衛すべき」──その言葉がプロの私にも刺さりました。
地価データや再開発の一次情報は重要ですが、最終判断でモノを言うのは自分のキャッシュフローとリスク許容度です。S様の事例が、これから川口市で住まい探し・資産形成を考える読者のヒントになれば幸いです。
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