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流山市とは?基本プロフィール
- 所在地: 千葉県北西部、直線距離約20km (秋葉原駅からの路線距離は約30km)
- 人口: 2025年4月1日現在 213,816人 (千葉県推計人口)
- 主な交通: つくばエクスプレスTX、JR武蔵野線、東武アーバンパークライン
- 特徴: 「ママ友都市宣言」「送迎保育ステーション」などの先進的子育て支援策
流山市は近年、都心から程よい距離でありながら、自然環境と都市インフラの両方を享受できる点で注目を集めています。 「都心から一番近い森のまち」をキャッチフレーズに掲げ、共働きファミリー層をターゲットにした街づくりを積極的に進めてきました。 特に子育て施策の充実が大きな話題となり、さらに地価上昇が目立つことで不動産投資の候補エリアとしても注目度が高まっています。 2024年12月に千葉県が公表した人口移動報告では社会増加+1,829人とされ、流山市は依然として旺盛な需要を保っているといえます。
地価上昇の背景
つくばエクスプレス開業効果と都心直結30分圏
- 秋葉原駅まで最速25分、北千住駅まで最短15分(区間快速利用)
- 通勤時間短縮に加え、JR武蔵野線や東武線への連携も良好
- 駅周辺再開発に伴う利便性向上
2005年に開業したつくばエクスプレス (TX)は、流山市を都心部まで約30分圏に組み込む革命的なインフラとなりました。 JR常磐線など従来路線より乗車時間が短く、首都圏全体の通勤圏としての評価を劇的に押し上げています。 TX沿線はマンション・戸建て開発が急速に進み、流山市もその恩恵を大きく受けました。 また、各駅ごとに大型商業施設や公共施設の整備が並行して進んだことで、住宅需要のみならず周辺の商業地価も着実に上昇しています。
「ママ友都市宣言」子育て支援策の定住吸引力
- 送迎保育ステーション: 駅前と保育園をバスで結ぶサービス
- 共働きパパママ応援事業: 家事代行や育児ヘルパー支援
- 多彩な妊婦・出産支援給付金 (2025年4月から強化予定)
流山市はママ友都市宣言の下、共働き子育て世代に向けた政策を積極的に打ち出しており、とりわけ駅周辺の送迎保育ステーションが全国的な注目を集めています。 これは保護者が通勤前に駅で子どもを預け、バスや専用車両で保育園まで送迎するシステムで、朝夕の移動負担を大幅に軽減しています。 さらに、家事代行などを含めた「共働きパパママ応援事業」を整備することで、定住意欲を高める施策を展開し、実際に若いファミリー世代の転入超過につながっています。
最新データで読む流山市の地価推移
住宅地: 流山おおたかの森・南流山
- 2025-03 国土交通省 地価公示
- 住宅地平均: 170,776円/平方メートル (対前年比+14.01%)
- 流山おおたかの森駅周辺の最高値: 約371,000円/平方メートル
2025年3月発表の国土交通省 地価公示によると、流山市全体の住宅地平均は約170,776円/平方メートルに達し、前年から14%超の上昇率を示しました。 特に、流山おおたかの森駅周辺はマンション価格・戸建て価格ともに高水準で推移し、駅徒歩10分圏内の好立地物件では坪単価200万円超に迫る事例も散見されます。 一方の南流山エリアも、JR武蔵野線とのアクセス利便性により安定需要があり、住宅地価の上昇率が市内平均を上回る地点が少なくありません。
エリア | 価格 (円/平方メートル) | 対前年比 |
---|---|---|
流山おおたかの森駅周辺 | 371,000 | +15.2% |
南流山駅周辺 | 263,000 | +13.8% |
全市住宅地平均 | 170,776 | +14.01% |
なお、全用途平均は2025年公示時点で202,513円/平方メートル (対前年比+13.1%)となっており、商業・工業系用途を含めた地価でも着実な上昇が確認されています。 背景としては、TX・JRのダブルアクセスを求める子育て世代や投資家の需要が強く、市内の中でも駅近物件が特に高い評価を得ている点が挙げられます。
商業地: おおたかの森駅前再開発エリア
- 2025年商業地平均: 390,400円/平方メートル
- 駅前大型商業施設: 商業・オフィス需要を牽引
- つくばエクスプレス乗降客数の増加
流山おおたかの森は、駅前に大型ショッピングセンターが連鎖し、商業集積が進む代表エリアとして知られています。 2025年の商業地平均地価は約390,400円/平方メートルで、市内住宅地の水準を大きく上回るだけでなく、周辺自治体の商業地よりも高い伸びを示しています。 人口増とともに駅利用者数が右肩上がりとなり、飲食・サービス系テナントの需要が着実に拡大したことで、地価上昇を強力に押し上げていると言えるでしょう。
再開発・インフラ整備のインパクト
流山おおたかの森駅前 C65 街区ツインタワー計画
- 事業期間: 2023〜2025年(着工済) [未確定情報あり]
- 延床面積: 約15万平方メートル(報道ベース)
- 用途: タワーマンション、商業施設、公共スペース (詳細は未発表)
駅前の大規模再開発としてC65 街区ツインタワー計画が取り沙汰されているものの、正式発表は確認されていません。一部では2025年までにタワーマンション部分が竣工予定との報道があるため、確定情報が出次第アップデートが見込まれます。 いずれにせよ、再開発や大型商業施設計画が進めば新たな居住人口と商業需要が生まれ、地価上昇をさらに牽引する可能性が高いと見られます。
外環道 IC 周辺物流施設・大型商業の進展
- 外環道三郷南ICから流山ICへ至るアクセス改善
- 流山市内: 物流拠点や倉庫群の新設ラッシュ
- 周辺商業拡充: 家電量販店や複合ショップの誘致
流山市は高速道路アクセスも徐々に整備されており、外環道の利便性向上が産業誘致を後押ししています。 特に流山IC周辺では大型物流施設が次々と完成し、地元雇用や市税収入の増加が見込まれています。 この物流拠点の拡大は人口流入とは異なる形で土地需要を押し上げ、隣接する商業地やサービス業への波及効果も期待されます。
今後のシナリオ別予測
強気: 人口流入+再開発完了で需給逼迫
- 出産・子育て支援拡充により若年層の流入継続
- 再開発タワーマンションの供給不足リスク
- 都心回帰トレンドが限定的に留まる想定
強気シナリオでは、2025年以降も転入超過が続き、駅前再開発の完成による住戸供給が需要に追いつかない状況が想定されます。 都心側での金利上昇や住宅価格高騰が進むほど、相対的に割安感のあるTX沿線への需要が続くと考えられ、地価は今後も年率5〜10%程度の上昇が続く可能性があります。
中立: 供給増で緩やかな上昇継続
- 再開発物件の順次供給で需給バランスが安定
- 金利上昇で過熱感がやや抑制
- 都内通勤圏としての人気は維持
中立的シナリオでは、駅前ツインタワーをはじめとするマンション供給が市場の需要をある程度満たし、過度な価格上昇が抑制される可能性があります。 ただし、TX沿線でのアクセスや子育て支援の優位性は変わらないため、地価はやや緩やかながら上昇基調を維持すると見られます。
弱気: 金利上昇・都心回帰で需要減退
- 国内金融政策の変動で住宅ローン金利が大幅上昇
- 都心回帰ニーズが強まることで郊外需要が鈍化
- 人口増加が落ち着き、価格調整へ
もし日本銀行の金融政策がタイト化し、住宅ローン金利が急激に上昇すれば、庶民層の購入意欲が減退しやすくなります。 2025年4月時点で千葉銀行・京葉銀行の固定金利は概ね2%台 (例: 千葉銀行10年固定2.09% など) となっており、さらに上昇した場合、不動産市況は冷却化する可能性があります。 また、コロナ禍後の働き方変化が進み、都心回帰トレンドが再燃すれば、郊外エリアへの需要が部分的に減速し、強気で見ていた地価上昇が一服する懸念も否定できません。
近隣エリアとの比較
柏市: 郊外マンション供給との競合
- 柏駅周辺再開発: 大型商業・高層住宅の進展
- 柏の葉キャンパス地区: 学術研究施設と連携
- 流山市よりも既存市街地が成熟
柏市は千葉県北西部を代表する商業集積地であり、流山市と同様にTX沿線を擁します。 柏の葉キャンパス駅周辺の再開発では、先端研究施設や大学との連携事業が目立ち、未来型都市としてのブランディングを強化しています。 一方で、柏駅周辺がすでに成熟した市街地であるため、新規開発余地は流山市ほど多くなく、不動産価格の伸び率はやや落ち着いてきている印象があります。
松戸市: TX未接続エリアとの差別化
- JR常磐線・新京成線が中心
- 松戸駅周辺の商業地価は安定
- 流山市側との境界近くは物件価格が接近
松戸市は常磐線を軸に発展してきた歴史を持ち、市内人口も約49万人 (2025年推定) という大規模自治体です。 TXが市内には通っていないため、流山市のような強力な交通インフラによる地価上昇トリガーは限定的です。 ただし、流山市との市境近くでは、戸建て住宅地価が密接に影響し合っており、駅距離や利便性次第では松戸市側より流山市側のほうが地価が高いという逆転現象も発生しています。
購入・投資時のリスクと注意点
江戸川氾濫・内水氾濫リスク
- 江戸川流域での洪水ハザードマップ要確認
- 流山市の一部は浸水深2m超の想定区域あり
- 内水氾濫リスクにも注意
流山市は江戸川や利根運河を抱える立地上、洪水ハザードマップで黄色〜赤色表示となる地域が存在します。 2024年3月の国交省資料によれば、台風シーズンの集中豪雨時には、内水氾濫により浸水が数日続く恐れのあるエリアも報告されています。 購入・投資検討の際は必ず自治体の防災マップを確認し、ハザードリスクへの備えが重要となります。
建築費高騰と戸建て価格の天井感
- 木材・鉄骨など原材料費の上昇
- 人件費増加に伴う建築コスト増
- 一時的な過熱感による仕入れリスク
近年の資材高騰や人件費上昇により、戸建て建築費は全国的に上振れ傾向が続いています。 流山市でも人気エリアの売地や建売住宅の総額が急激に上がったため、投資妙味を慎重に見極める必要があります。 将来的に供給が増えた際、現状の価格が天井となるリスクを考慮し、過度な借入を抑えつつ堅実な資金計画を組むことが大切です。
人口構成の変化と将来の空室リスク
- 若年層中心の人口増加だが、将来的な高齢化リスク
- ファミリー向け物件が過剰になる可能性
- 賃貸需要のピークを想定した長期戦略が重要
流山市は2024年12月時点では転入超過を誇る成長都市ですが、永遠に増え続けるわけではなく、将来的には少子高齢化の波が及びます。 また、ファミリー層向け物件が集中することで、今後賃貸物件の空室が増えるリスクもあるでしょう。 長期目線での資産価値を考慮し、設備や管理体制など差別化要因を意識した物件選びが欠かせません。
まとめ
2025年の流山市では、地価上昇の勢いが続いています。その背景には、つくばエクスプレス開業による交通利便性向上、ママ友都市宣言に象徴される子育て支援策の充実、そして駅前再開発や外環道周辺開発などの大きなプロジェクトが存在します。特に流山おおたかの森駅・南流山駅周辺の住宅地価は2025年の公示地価で前年比14%超えの伸びを記録し、商業地も大きく上昇しました。 一方で、金利上昇や江戸川氾濫リスク、建築費高騰などの注意点も無視できません。今後の見通しとしては、強気シナリオでは再開発が需要に追いつかず価格がさらに上ぶれする可能性がある一方、中立〜弱気シナリオでは金利変動や都心回帰が地価上昇を押しとどめる要因になり得ます。 結論として、流山市の不動産は今もなお買い手・投資家から熱視線を浴びており、その基盤を支えるのは共働きファミリーを主軸に据えた定住施策です。TX沿線での多彩な将来性を見通すうえで、適切なハザード対策と資金計画を立てることが、長期的に後悔しない不動産購入・投資のカギと言えるでしょう。
参考サイト
- 送迎保育ステーションのご案内(流山市公式) ― 流山市の子育て支援策を公式情報で確認。
- 送迎保育ステーション詳細パンフレット PDF ― 運行ルートや利用方法を図解付きでチェック。
- 令和6年千葉県毎月常住人口調査報告書 ― 転入超過など最新の人口統計を収録。
- 都市鉄道整備による受益の広がり方について(国交省) ― TX開業後の地価上昇効果を分析。
よくある質問
- Q.最新の流山市の公示地価はどこで確認できますか? A.国土交通省 不動産情報ライブラリで年度別・地点別に閲覧できます。
- Q.送迎保育ステーションの利用手順を詳しく知りたいです。 A.流山市公式ページで対象園・バス時刻表・申し込み方法が公開されています。
- Q.TXの混雑率や通勤時間の具体的なデータ源は? A.国交省「都市鉄道整備による受益の広がり方」に最新乗車人員と混雑率が掲載されています。
- Q.江戸川氾濫時の浸水リスクを確認したいのですが。 A.流山市洪水・液状化ハザードマップで想定浸水深と避難情報をチェックできます。
- Q.千葉県内銀行の最新住宅ローン金利はどこで比較できますか? A.千葉銀行 金利情報など各行の公式金利表が最も信頼できます。
初心者のための用語集
- 公示地価:国が毎年3月に公表する標準地1㎡当たりの価格。土地取引や税評価の基準となる。
- 対前年比:今年の数値が前年に比べて何%変動したかを示す指標。
- TX(つくばエクスプレス):秋葉原~つくば間を結ぶ高速鉄道。流山市の人口増・地価上昇を牽引。
- 送迎保育ステーション:駅前と保育園をバスで結び、共働き世帯の送迎負担を軽減する流山市独自の仕組み。
- DEWKS:共働きで子どもを持つ世帯(Dual Employed With Kids)の略称。
- ハザードマップ:洪水や地震などの災害リスクを可視化した地図。自治体が公開。
- 浸水深:洪水時に想定される水の深さ。建物被害や避難計画の目安になる。
- タワマン:タワーマンションの略。概ね20階以上の超高層分譲・賃貸住宅を指す。
- 容積率/建蔽率:敷地面積に対する延床面積・建築面積の割合。都市計画で上限が定められる。
- 土地区画整理:土地の形状や道路・公園を整備し、利用価値を高める都市開発手法。
編集後記
今回の取材で印象に残ったのは、2021年に流山おおたかの森駅から徒歩7分の新築マンションを購入したあるお客様のケースです。共働きの30代ご夫婦で、当時4,600万円・70㎡の3LDKを変動金利0.62%で取得。決め手は送迎保育ステーションの存在でした。朝7時に駅前で子どもを預け、秋葉原のオフィスには8時15分に到着。往復2時間以上かかっていた旧居(葛飾区)からの負担が激減したといいます。 購入後も地価は上昇を続け、2025年の査定額は5,980万円。年平均+6.5%の含み益が生まれた計算です。一方で、お客様は江戸川氾濫時のハザードリスクを気にしており、市販の止水板と災害用備蓄セットを合わせて約12万円で導入。「価格が上がるほど災害対応コストの優先順位も上がる」と語っていたのが印象的でした。 住宅ローンは2024年10月の金利上昇で返済額が月4,000円増えたものの、児童医療費無償化と給付金10万円で家計はむしろプラス。ご夫婦は2028年竣工予定のC65街区ツインタワー完成を見据え、「次は賃貸併用で戸建てを建て、長期的な資産形成に挑戦したい」と話しています。利便性・子育て環境・資産性を同時に追求できる流山市のポテンシャルを、改めて実感した取材でした。
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