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【FP試験・損害保険の基礎(超過保険・一部保険・実損填補・比例填補)】ファイナンシャルプランナー試験・徹底攻略ガイド

ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)のリスク管理分野「損害保険の基礎(超過保険・一部保険・実損填補・比例填補)」をわかりやすく解説。過去問の出題傾向から勉強法、得点源にするコツまで網羅。合格者の声や学習スケジュール例も必見です。

Contents

はじめに:この記事を読むメリット

ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)の中でも、「リスク管理」の分野にある損害保険の基礎(超過保険・一部保険・実損填補・比例填補)は頻出かつ重要度が高いテーマです。しかし、保険金額や保険価額といった専門用語が出てくるため、最初は戸惑いやすいところでもあります。

本記事では、以下のポイントを押さえながら、読者の皆様が「損害保険の基礎」でしっかり得点できるよう解説していきます。

  • 超過保険・一部保険・実損填補・比例填補の定義や違いをスッキリ整理
  • 過去問の出題傾向や勉強のコツを具体的に紹介
  • 合格者の声や勉強時間の目安
  • おすすめ学習スケジュールの例
  • 試験当日の解答テクニック

この記事を読むことで、損害保険の基礎問題を得点源に変える方法が見つかり、合格率アップの道がぐっと近づきます。ぜひ最後までお読みください。

ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)のリスク管理:損害保険の基礎が重要な理由

ファイナンシャルプランナー試験では、ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続などの6科目を学びます。そのうち「リスク管理」は、保険の仕組みや種類、事故発生時の対応など、実生活にも役立つ多岐にわたる内容が問われる分野です。

特に損害保険に関する問題は、以下の理由で対策が欠かせません。

  • 過去問でも高頻度で出題され、点数配分が比較的安定している
  • 計算問題が絡むため、理解不足だとケアレスミスが増える
  • 「超過保険」「一部保険」「比例填補」など、似た用語の混同を誘う問題が多い

実際、ファイナンシャルプランナー試験の過去問を見ると、毎年のように火災保険や地震保険などの損害保険領域から出題があり、保険金の計算問題も少なくありません。ここでつまずくと一気に苦手意識を持ちやすい分野ですが、逆に要点をおさえれば確実な得点源になります。

損害保険の基礎:超過保険・一部保険・実損填補・比例填補の概念整理

保険価額と保険金額の違い

損害保険を理解するうえでまず重要なのが、「保険価額」と「保険金額」です。ファイナンシャルプランナー試験では、この2つの用語を正確に区別する問題が多く出題されます。

  • 保険価額:保険の対象となる物の価値(建物なら時価や再調達価額などで評価される)
  • 保険金額:損害保険会社が補償する上限額

両者の大小関係によって「全部保険」「一部保険」「超過保険」に分類されます。ここを逆に覚えてしまうと問題が解けなくなるので要注意です。

全部保険・超過保険・一部保険の違い

  • 全部保険:保険金額 = 保険価額(適正に保険をかけた状態)
    例:2,000万円の建物に対し、2,000万円の保険金額で契約
  • 超過保険:保険金額 > 保険価額(かけすぎの状態)
    例:2,000万円の建物に対し、3,000万円の保険金額で契約
  • 一部保険:保険金額 < 保険価額(足りない状態)
    例:2,000万円の建物に対し、1,000万円の保険金額で契約

ファイナンシャルプランナー試験では「一部保険」と「超過保険」を逆に覚える受験生が多いので、文字通り「超える=超過、足りない=一部」と頭に入れておきましょう。また、超過保険は「利得禁止の原則」により、超過分については保険金は支払われません。

実損填補と比例填補

保険金の支払い方法には大きく2種類あります。

  • 実損填補:全部保険または超過保険の場合に適用され、実際に被った損害額が(保険金額の範囲内で)支払われる。
  • 比例填補:一部保険の場合に適用され、損害額 ×(保険金額 ÷ 保険価額)で保険金が計算される。

例えば、保険価額が2,000万円の建物に対して1,000万円の保険を掛け(一部保険)、500万円の損害が発生したとします。このときの保険金は、500万円 ×(1,000万円 ÷ 2,000万円)= 250万円となります。ここで「半分しか補償されない」と混乱しがちですが、「1,000万円しか保険をかけていない=全価値の半分しか掛けていない」ため、損害額も半分しか補償されない、というロジックです。

過去問・出題傾向から見る要注意ポイント

ファイナンシャルプランナー試験において、損害保険の基礎は過去10年をみても安定的に出題されています。特に以下のようなパターンが多いため、重点的に対策するのがおすすめです。

  • 「一部保険」「超過保険」「全部保険」の定義問題(○×や単純な正誤問題)
  • 「一部保険での保険金計算」(比例填補の計算問題)
  • 「再調達価額」と「時価」の定義
  • 「利得禁止の原則」の具体的説明(超過保険の場合の保険金支払いを問う問題)

実際に、

  • 2014年9月の2級FP実技試験(損保顧客)の問6では、一部保険の比例填補計算が出題
  • 2015年10月の3級FP学科では、一部保険・超過保険の定義の正誤を問う○×問題が出題
  • 2021年9月の3級FP実技(FP協会)では「再調達価額」「超過保険」の定義が組み合わされた問題が出題

問題の中では「〇〇は超過保険である」などひっかけ選択肢も多いため、定義を正確に覚えつつ、比例填補の計算に慣れておくことが大切です。

よくある間違いとその対処法

  • 超過保険と一部保険を逆に覚える
    →「保険金額が保険価額を超える=超過保険」、「保険金額が保険価額より少ない=一部保険」とセットで覚える
  • 実損填補と比例填補を混同する
    →全部保険/超過保険は「実損填補」、一部保険は「比例填補」というルールを意識
  • 再調達価額と時価を混同する
    →「再調達価額」は新品を用意するために必要な額。「時価」は再調達価額から経年劣化分などを引いた額

勉強方法:合格者の声・学習スケジュール例・具体的な過去問対策

合格者の声:勉強時間とモチベーション

損害保険の基礎を含め、FP試験の学習時間は2級レベルで150〜300時間が目安とされています。中には仕事や育児と両立しつつ、短期間で合格を勝ち取る人も少なくありません。

実際、合格者の多くは「アウトプット中心」で効率的に進めています。まずは基本知識をさらい、過去問を解いて弱点を洗い出し、その上でテキストや参考書で理解を補完していく、というサイクルが効果的といわれます。

モチベーション維持のコツとして「一日5分でもテキストを開く」「スマホで解説動画を視聴する」「SNS上で合格仲間と進捗を共有する」などの方法を活用する合格者も多いです。

具体的な学習スケジュール例

損害保険分野だけでみれば、集中的に20〜30時間ほど確保できれば計算問題含めひと通り習得が可能です。以下はおおまかな学習プランの例です。

  • 1週目(インプット)
    • テキストで損害保険の基礎、超過保険・一部保険・実損填補・比例填補をざっと学ぶ
    • それぞれの定義をノートにまとめ、図式化する
  • 2週目(アウトプット)
    • 過去問・模擬問題集を解く
    • 間違えた問題を徹底的に復習し、覚えきれていない定義を再度チェック
  • 3週目(仕上げ)
    • もう一度同じ過去問を解いて再確認
    • 計算問題は手を動かして解く習慣を徹底
    • 苦手分野をまとめたノートや付箋を見返す

過去問対策と注意点

  • 本番と同じ形式の問題集を用意し、時間を計って解くクセをつける
  • 計算問題は電卓の使い方にも注意。細かいケアレスミスを防ぐ
  • 穴埋めや○×問題は特に定義の正確さを問われるため、ひっかけ表現に要注意
  • 分野横断の実技問題では、損害保険以外の計算(ライフプランニングや年金など)と融合する場合もある

具体的な試験当日の解答テクニック

試験本番では、緊張や時間配分のミスで思わぬ失点をすることがあります。特に損害保険の基礎は計算問題が絡むため、以下の点に気をつけましょう。

  • 問題文を最後まで読む:超過保険や一部保険など、前提条件の読み飛ばしで解答を間違えやすい
  • 計算プロセスをメモに残す:複雑な計算でも、途中計算をしっかりメモしておけばミスを検知しやすい
  • 先に答えがわかる選択肢があれば飛びつかない:類似用語の混同を狙った選択肢が多いため要注意
  • 時間配分:大問に計算が絡むと時間を消耗するので、他の大問とバランスをとりながら解く

おすすめの関連記事・外部リンク:さらに学習を深めるために

内部リンク(同一ブログ内)

公的機関や条例ページなどの外部リンク

公的機関の情報に目を通すことで、保険制度や法律に関するより正確な情報が得られます。地域ごとに火災保険や地震保険に対する補助制度を実施している場合もあるため、地方公共団体(都道府県や市町村)の公式サイトもチェックしてみると良いでしょう。

まとめ:損害保険の基礎を攻略し、FP試験に合格しよう

超過保険・一部保険・実損填補・比例填補といった損害保険の基礎は、ファイナンシャルプランナー試験の「リスク管理」分野で頻出の重要テーマです。最初はややこしく見えるかもしれませんが、定義と計算ルールを押さえ、過去問演習で実践力を高めれば、確かな得点源になります。

ポイントを振り返ると:

  • 「超過保険」「一部保険」「全部保険」の区別は保険金額と保険価額の関係で決まる
  • 支払い方式は実損填補か比例填補かを見極める
  • 計算問題は損害額 ×(保険金額 ÷ 保険価額)に慣れておく
  • 過去問を繰り返し解き、ひっかけ選択肢のパターンになれる
  • 直前期は付箋やノートで苦手分野を集中的に再確認

さらに学習を深めたい方、勉強時間を最適化して合格率を上げたい方は、上記の内部リンク記事もぜひご覧ください。効率的な学習法や他科目との総合的な対策方法を詳しく紹介しています。この記事を参考に、損害保険の基礎をしっかり攻略し、ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)の合格を目指しましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。損害保険の基礎を攻略して、ぜひファイナンシャルプランナー試験本番で高得点を勝ち取ってください。

次のアクション例

  • 損害保険の過去問をピックアップして、比例填補の計算練習をする
  • 内部リンクの記事をチェックして、他科目との相乗効果を狙う
  • 公式サイトや地方自治体の情報を調べ、最新の保険制度の動向を把握する
  • 自分なりの学習スケジュールを再構築し、1日15分でも必ず教材を開く習慣をつくる

継続学習で着実に実力を伸ばし、合格への一歩を踏み出してください。応援しています!

オリジナル練習問題

問題1:超過保険の定義

損害保険において、被保険利益の金額を上回る保険金額を設定した契約を超過保険という。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】損害保険では、保険金額を被保険利益(実際の価額)より多く設定しても、その超過分に対して保険金は支払われない。このように被保険利益を超える部分を「超過保険」といい、契約上も余剰分は意味を持たない。

問題2:一部保険と保険金支払い

一部保険とは、保険金額が被保険利益の実際の額より小さい契約をいい、そのような契約の場合でも損害額の全額が支払われる。
◯か×か?
【解答】×
【解説】一部保険は、保険金額が被保険利益を下回る契約を指す。一部保険の場合、損害額が保険金額を上回っても保険金の支払いは保険金額が上限となる。また、契約条件によっては比例填補方式が適用され、全損害額の一部しか補償されないケースもある。

問題3:実損填補の原則

損害保険は一般に「実損填補」を原則としており、被保険者は偶然な事故による実際の損害額を上限に補償を受ける。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】損害保険では、保険金額や損害額に応じて被保険者に実際の損害を補償する「実損填補」の考え方が基本となる。ただし、契約形態によっては定額払いの特約が付くことなどもある。

問題4:比例填補の適用

一部保険で契約している場合、損害額全額ではなく、保険金額と保険価額の割合に応じた金額しか支払われないことを「比例填補」という。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】一部保険の契約で保険金額が保険価額を下回ると、損害額から一定の割合(保険金額 ÷ 保険価額)を乗じた補償が行われる。これを比例填補方式と呼ぶ。

問題5:超過保険の特約

通常、超過保険は保険会社との特約によって認められ、超過部分についても補償を受けられる。
◯か×か?
【解答】×
【解説】損害保険の考え方では、超過保険による超過部分の保険金支払いは行われない。契約自体が成立していても、実際の被害額を上回って受け取ることはできないため、特約で補償を増やす形態とも異なる。

問題6:一部保険の場合の有利性

一部保険は保険金額を抑えられるため、すべての状況で全額保険よりも有利である。
◯か×か?
【解答】×
【解説】一部保険は保険料を抑えられるというメリットがある一方、実際の損害が大きい場合に十分な保険金を受け取れないリスクがある。そのため、すべてのケースで有利になるとは限らない。

問題7:実損填補の意義

実損填補の原則には、被保険者が保険事故を利用して利益を得ることを防止する意味合いがある。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】損害保険では、保険事故で得をすることは「偶然性」を損なう要因にもなるため、実際に受けた損害を上限に補償する実損填補の考え方が基本。これによりモラルリスクを低減している。

問題8:比例填補の計算例

保険価額1000万円の建物を500万円で一部保険契約していて、火災で400万円の損害が発生した場合、比例填補により保険金は200万円となる。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】比例填補では「保険金額 ÷ 保険価額 × 損害額」で計算する。500万円 ÷ 1000万円 × 400万円 = 200万円となり、全損害額400万円をまかなうことはできない。

問題9:超過保険の修正

損害保険で超過保険が判明した場合、保険会社が契約者の申し出なしに自動的に保険金額を引き下げることが一般的である。
◯か×か?
【解答】×
【解説】超過保険が契約後に判明しても、契約者からの申し出がなければ保険金額の修正が行われない場合が多い。保険会社にとっては超過分の保険料を受け取ることになるが、被保険者には保険料負担が増えるだけで実質的なメリットはない。

問題10:一部保険の契約メリット

保険金額を低く設定する一部保険は、被保険者側にとって常に不利に働くため利用価値はない。
◯か×か?
【解答】×
【解説】一部保険は、保険料を低く抑えたい場合や、損害がある程度限定的と見込まれる場合などに利用される。リスク管理とコストのバランス次第では有効な手段となる。もっとも、損害が大きく出た場合には手厚い補償を受けにくい点は留意が必要である。

初心者のための用語集

  • ファイナンシャルプランナー試験(FP試験):お金に関する専門知識(ライフプラン・保険・投資・税金など)を問う国家資格試験。
  • リスク管理:将来起こりうる事故や病気、災害などのリスクに備えるための方法や知識を学ぶ分野。
  • 損害保険:火災や事故など、物的損害や賠償責任を補償する保険の総称。
  • 保険価額:保険の対象物(建物や家財など)の経済的価値。時価や再調達価額を基に算定される。
  • 保険金額:保険会社が補償する上限額。契約時に設定する金額で、保険料の計算にも影響する。
  • 全部保険:保険金額が保険価額と同額の場合。損害保険の「適正」なかけ方。
  • 一部保険:保険金額が保険価額より少ない場合。保険が足りない状態で、損害発生時に比例填補が適用される。
  • 超過保険:保険金額が保険価額を超えている場合。保険をかけすぎた状態で、実際の損害額以上は補償されない(利得禁止の原則)。
  • 実損填補:損害額を上限に、実際に被った損害分を補償するしくみ。全部保険や超過保険の場合に適用される。
  • 比例填補:損害額に対して保険金額と保険価額の比率を掛けて保険金を計算する方式。一部保険の場合に適用される。
  • 利得禁止の原則:損害保険では実際の損害以上の保険金を受け取って利益を得ることはできないという考え方。
  • 再調達価額:保険の対象物と同等のものを新しく購入または建て直すのに必要な金額。
  • 時価:再調達価額から経年劣化による価値の下落分を差し引いた金額。

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