ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)の「定期保険(平準、逓増、逓減型)」対策を徹底解説。出題傾向・過去問例・勉強法・学習スケジュールなど、重要ポイントを網羅して、高得点を狙いましょう。
Contents
この記事を読むメリット
- ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)のリスク管理分野で頻出の「定期保険(平準、逓増、逓減型)」を体系的に理解できる
- 過去問の出題傾向・ひっかけポイントを把握し、高得点を狙いやすくなる
- 具体的な勉強スケジュール例と学習法がわかり、明日から実践できる
- 試験当日の解答テクニックや、法人契約における経理処理など実務寄りの知識も学べる
- 独学でも短期間で学習効果を高めるためのノウハウを得られる
ここでは、ファイナンシャルプランナー試験(以下「FP試験」と呼びます)における「定期保険(平準、逓増、逓減型)」の対策を中心に解説します。どのように学習すれば効果的か、過去問で何が狙われるか、そして法人契約での注意点は?……そんな疑問を一挙に解決していきましょう。
ファイナンシャルプランナー試験における定期保険の重要性
FP試験において、「リスク管理」分野は学科試験・実技試験ともにウェイトが大きく、生命保険や損害保険、社会保険など幅広い論点が問われます。とりわけ定期保険に関しては、平準・逓増・逓減型の3種それぞれの特徴を正しく把握していないと誤答しやすい出題が多い点が特徴です。
例えば、保険金額や保険料の変動を問う問題は毎年のように出題されており、特に逓減定期保険と逓増定期保険の仕組みや特徴を混同してしまうと、正答率がガクッと下がります。また、近年では法人契約における経理処理や解約返戻率の取り扱いが出題されることも増えているため、単なる「保険商品知識」にとどまらず、実務的な視点も必要になってきています。
以下では、まず各定期保険の概要を整理し、次に過去問の出題傾向、よくある間違いポイント、学習法・勉強スケジュール例などを詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
FP試験で押さえる「定期保険(平準、逓増、逓減型)」の基礎
平準定期保険
- 保険金額:契約時から満期まで変わらない
- 保険料:契約期間中は一定
- 特徴:死亡保障が常に一定なので、家族の生活費やローンの死亡保障に幅広く使われる
- 解約返戻金:ほとんどない、もしくは非常に少ない
家族の生活費確保や死亡保障を一定に準備したいときには、平準定期保険を選ぶケースが多いです。月々の保険料は逓減型や逓増型に比べると、保障額が最後まで一定である分やや割高になりやすいですが、その分シンプルで分かりやすい保険商品といえます。
逓減定期保険
- 保険金額:契約後、年々減っていく
- 保険料:契約期間中は一定
- 特徴:子どもの教育費や住宅ローン返済など、年数経過とともに必要保障額が減少していく場合にマッチ
- 解約返戻金:ほぼなし、もしくは低い
「逓減」という言葉は「少しずつ減っていく」という意味です。受験生がよく間違えるポイントとしては、「保険金額が減る=保険料も減る」と思ってしまうケースがありますが、保険料は契約時から満期まで一定です(保険金額が段階的に下がっていくぶん、当初の保険料を低めに抑えられるというメリットがあります)。
逓増定期保険
- 保険金額:契約後、段階的に増えていく
- 保険料:契約期間中は一定
- 特徴:保証が段階的に大きくなるため、会社の事業拡大や後継者対策など法人での利用が多い
- 解約返戻金:満期の手前で高率になる商品設計が一般的
「逓増」は「少しずつ増えていく」という意味です。法人契約で活用される例が多く、保険料の一部が損金に算入できる等の節税効果を狙う場合もあります。ただし、法人契約では保険会社や税法上のルールに沿った経理処理を行う必要があるので、FP試験では「経理処理」や「解約返戻率」の理解もポイントとなります。
過去問から見る定期保険の出題傾向とよくある間違い
試験実施団体である日本FP協会や金財(金融財政事情研究会)の過去問を分析すると、以下のような出題が散見されます。
- 逓減定期保険:保険金額と保険料の関係を正しく把握しているか(「保険金額は下がるが、保険料は一定」)
- 逓増定期保険:法人契約での解約返戻金、または保険金額の増加比率・経理処理など
- 長期平準定期保険:保険期間が長期にわたる定期保険で、解約返戻金が一定期間後に高くなる特徴
よくある間違い例
- 逓減定期保険の保険料も一緒に減ると勘違いする
- 逓増定期保険が個人向けに広く利用されると誤解する(主に法人向けが多い)
- 解約返戻金の有無やピーク時期を取り違える
具体的な出題例
過去問では、「逓減定期保険は時間の経過とともに保険料が減少していく」といった誤った記述を選択肢に含め、正誤を問うパターンがしばしば見られます。また、法人契約の定期保険(逓増型など)に関しては、保険料の損金扱いや契約者貸付制度の有無を絡めて出題される傾向が高まっています。
資料にもあるとおり、直近では2023年9月の実技試験で「法人契約の定期保険における解約返戻率・保険料の経理処理・契約者貸付制度」が問われています。これは実務上もよく論点になるため、FPとして必須の知識と言えます。
法人契約の定期保険と経理処理:試験&実務でのポイント
法人契約の定期保険がなぜ出題される?
法人で逓増定期保険を契約するケースは、以下のような目的で利用されることが多いです。
- 経営者や役員の死亡保障
- 退職金準備(解約返戻金を原資とする)
- 事業承継対策
試験では、こうした具体的な利用シーンを踏まえつつ、経理処理の理解が問われるようになってきています。
経理処理の基本的な考え方
- 保険料の損金算入: 逓増定期保険などでは、一定割合が損金扱いされ、残りが資産計上される(被保険者の年齢や契約期間により異なる)
- 解約返戻金: 退職金や事業資金などに充当可能。解約返戻率が高い時期を狙うなど、経営戦略上の活用もあり
- 契約者貸付制度: 一定範囲で借り入れができる制度。法人経理の観点では借入金の扱いになるため、返済計画等にも留意が必要
このような論点はFP試験の学科・実技双方での出題対象となっており、「法人契約の保険料の取り扱いを知っているかどうか」が合否を分ける問題になることもしばしばあります。
参考:2023年9月 実技試験 問9など
定期保険(平準、逓増、逓減型)の攻略法と勉強スケジュール
試験対策としては、以下のポイントを押さえて学習を進めると効率的です。
1. 基本的な特徴を整理する
- 平準定期保険:保険金一定・保険料一定・家族保障に広く利用
- 逓減定期保険:保険金が徐々に減少・保険料一定・教育費や住宅ローン返済期に適合
- 逓増定期保険:保険金が徐々に増加・保険料一定・主に法人で活用
ポイント!
「保険金が減少または増加しても、保険料は一定」という点を強く意識してください。これが一番混同されやすいです。
2. 過去問の徹底分析と反復演習
- 「定期保険(平準、逓増、逓減型)」の設問を中心に、保険料・保険金変動パターンの正誤問題を解く
- 法人契約の経理処理・解約返戻金の扱いを問う問題にも慣れる
- 解説を読み、「なぜその選択肢が正解/誤りなのか」を理解する
過去問は試験実施団体の公式サイトや各種市販の問題集で入手可能です。日本FP協会公式サイトには模範解答例もあるので、ぜひ活用してください。
3. スケジュール例(FP2級・独学の場合)
- 試験日の3~5ヶ月前:各科目のテキストを1周(「リスク管理」は早めに着手すると他科目との関連が見えやすい)
- 試験日の2ヶ月前:過去問・問題集を2~3周。定期保険は出題パターンに慣れるまで反復
- 試験日の直前:間違えた問題を中心に再チェック。法人向け経理処理や解約返戻金の扱いなど、細かい数字・ルールを確認
働きながら勉強している方は、1日あたり1~2時間程度を目安にし、休日にはもう少しまとまった学習時間を確保すると良いでしょう。
4. 具体的イメージをつかむ
商品パンフレットや公的情報のリンクを見て、実際の定期保険商品の設計をチェックするのもオススメです。
なお、法人契約の経理処理に関しては、国税庁の情報など公式ソースにも目を通しておくと、理解が深まります。
試験当日の解答テクニック
1. キーワードに注目
「逓減・逓増」と書かれていたら、保険金が「減るのか、増えるのか」をまず押さえる。次に保険料の変動の有無がどのように書かれているかを確認します。
2. 法人関連の用語に注意
「解約返戻金」「損金扱い」「契約者貸付」など法人ならではのワードが出てきたら、定期保険の種類(逓増型が多い)を絡めて考えましょう。
3. 選択肢全体を俯瞰
出題が多いのは「逓減定期保険」「逓増定期保険」。平準型よりも逓減・逓増の問題が頻出ですから、誤答を誘う箇所を重点的にチェックしましょう。
4. 時間配分に気をつける
保険関連の問題に時間をかけすぎると他の分野がおろそかになるケースがあります。過去問演習で各問題にかける時間を意識し、本番に臨んでください。
もっと深く学びたい方へ:おすすめリンク
内部リンク:当ブログの関連おすすめ記事
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- 初心者でも最短合格!FP試験の“6科目徹底攻略”と合格率UPの秘訣を完全公開
- FP試験「リスク管理」超徹底攻略!初心者から最短合格へ導く決定版ガイド
外部リンク:公的機関・信頼性の高いサイト
これらの公式情報をあわせて確認しておくと、試験だけでなく実務でも役立つ知識が得られます。
まとめ:定期保険の理解が合格を左右する!
- 平準・逓増・逓減型それぞれの保険金額と保険料の変動関係を間違えない
- 過去問演習でよく問われる論点(法人契約の経理処理、解約返戻金、契約者貸付など)を徹底攻略
- 試験当日はキーワードに注目しつつ、時間配分を意識して効率的に解く
- 公式サイトや公的機関資料で補足的な知識を得ることで、実務にも役立つ理解が深まる
リスク管理分野は「社会保険」や「損害保険」など多岐にわたるため、定期保険を得点源にできると合格の確度がぐっと高まります。今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ過去問とテキストを繰り返し活用してみてください。
次のアクション
- まずは1回、定期保険に関する過去問を解いてみる
- 間違えた問題の原因を分析し、「平準・逓増・逓減」それぞれの特徴をノートにまとめる
- 法人契約での経理処理を確認し、どのように損金計上されるかを整理する
- 他のFP受験科目と関連づけて学習し、効率的に知識を定着させる
- さらに深く学びたい場合は、当ブログの「FP試験完全攻略ガイド」や「6科目徹底攻略記事」で全体の学習計画を立ててみる
ファイナンシャルプランナー試験は正しい学習法を実践すれば、独学でも十分に合格が可能です。特に定期保険は反復すれば必ず定着する論点ですので、焦らずコツコツ勉強を続けてみてください。あなたの合格を心より応援しています!
以上、「定期保険(平準、逓増、逓減型)」の試験対策について詳しく解説しました。ぜひ今回の内容を活かして、FP試験の合格に近づいてくださいね。質問や不明点があれば、コメント欄などでお気軽にご相談ください。今後も試験対策や実務に役立つ情報を発信していきますので、ぜひチェックしてみてください。頑張ってください!
初心者のための用語集
- ファイナンシャルプランナー試験(FP試験):個人の資産相談やライフプランニングなどの専門知識を問う資格試験。
- リスク管理:将来起こりうるリスク(死亡、ケガ、病気、災害など)に対して、保険や貯蓄などの方法で備えること。
- 定期保険:一定期間のみ保障が続くタイプの生命保険。保険期間終了時には満期金がない(または極めて少ない)ことが多い。
- 平準定期保険:保険期間中、保険金額が変わらない定期保険。保険料も一律で、家族の生活保障に使われることが多い。
- 逓減定期保険:加入後、保険金額が少しずつ減っていく定期保険。保険料は一定のままなので、教育費やローン返済に合わせた保障がしやすい。
- 逓増定期保険:加入後、保険金額が少しずつ増えていく定期保険。法人契約で使われることが多く、事業拡大や役員退職金の準備に活用される。
- 保険料:生命保険契約を維持するために、契約者が定期的に支払うお金。
- 保険金:被保険者に死亡などの保険事故が起きた場合に、保険会社が受取人に支払うお金。
- 法人契約:会社や法人が保険契約者となって加入する保険。経営者や役員の死亡保障、退職金準備などで使われる。
- 解約返戻金:契約を中途解約したときに契約者が受け取れる返金額。定期保険の場合、設定がないか少額であることが多いが、逓増定期保険など一部商品では高額になるケースもある。
- 損金計上:法人が支払った費用(保険料など)を税務上の経費として処理すること。逓増定期保険では一部または全部が損金として認められる場合がある。
- 契約者貸付制度:保険契約の解約返戻金を担保にして、保険会社からお金を借りられる仕組み。
オリジナル練習問題
Q1. 平準定期保険の保険金額
平準定期保険は、保険期間を通じて保険金額が一定に設定されている保険である。
答え:◯
【解説】平準定期保険は、加入時から保険期間満了まで同じ死亡保険金額が続く定期保険の形式。これに対して逓増定期保険や逓減定期保険は、保険金額が変動する。
Q2. 逓増定期保険の特徴
逓増定期保険は、契約当初から満期に向けて年々保険金額が減少していく定期保険である。
答え:×
【解説】逓増定期保険は一定期間ごとに保険金額が増えていくのが特徴。年々減少していくのは逓減定期保険。
Q3. 逓減定期保険の活用例
逓減定期保険は、将来的に保険金の必要性が徐々に少なくなるケース、例えば住宅ローンの残高に対応させる目的で利用されることが多い。
答え:◯
【解説】逓減定期保険は契約期間の経過に応じて保険金額が下がっていくため、ローン残高が減っていくのに合わせた保険として利用されることが一般的。
Q4. 平準定期保険と保険料
平準定期保険の保険料は、他の条件が同じであれば逓増定期保険より一般的に低額となる。
答え:◯
【解説】逓増定期保険は、保険金額が年々増加するため、同じ保証開始額などを前提にすると一般的に平準定期保険より保険料が高くなることが多い。
Q5. 逓増定期保険の法人契約
逓増定期保険は、企業が役員・従業員の福利厚生や退職金準備などの目的で利用することもある。
答え:◯
【解説】逓増定期保険は、契約後期の保険金額が大きくなる特性から、法人が将来の退職金準備や事業承継対策として加入するケースがある。
Q6. 逓減定期保険の保険金額が減少する理由
逓減定期保険は、保険期間が進むにつれて被保険者の死亡リスクが減少していくため保険金額も連動して減少する仕組みである。
答え:×
【解説】死亡率は年齢が上がるほど上昇する傾向にあります。逓減定期保険は、必要保障額(ローン残高など)が減少していくのに合わせて保険金額を減らす設計であり、死亡リスクそのものの減少が理由ではない。
Q7. 平準定期保険の更新
更新型の平準定期保険では、更新の都度、年齢に応じた保険料に再計算されるため、一般的に保険料は上昇する。
答え:◯
【解説】更新型では、更新時に被保険者の年齢が上がっているため、同条件の死亡保障を確保しようとすると保険料は通常上昇する。
Q8. 逓減定期保険の保険料水準
逓減定期保険は保険金額が下がる一方、初期の保障額を高く設定すると保険料が高くなる傾向がある。
答え:◯
【解説】逓減定期保険は後半に向けて保険金額が減るものの、契約時に大きな死亡保障を設定すれば、その分当初の保険料は高くなる。
Q9. 保険期間と定期保険料
定期保険は、保険期間を長く設定すると年齢が同じであっても保険料が低くなるのが一般的である。
答え:×
【解説】保険期間が長いほど、保険期間中に死亡する確率が高まるため、同じ死亡保障額であれば保険料はむしろ高くなるのが通常。
Q10. 定期保険と終身保険の大きな違い
定期保険には一般的に解約返戻金がない(もしくはごく少ない)が、終身保険には解約返戻金が存在する。
答え:◯
【解説】定期保険は純粋に死亡保障を目的としているため、終身保険に比べて解約返戻金がない、またはわずかとなっている商品が多い。また、定期保険は保険期間が限定されているのに対し、終身保険は一生涯の保障がある点も大きな違いである。
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