Contents
- 1 はじめに
- 2 この記事を読むメリット
- 3 ファイナンシャルプランナー試験における「中小企業の資金計画(直接金融と間接金融の種類)」の重要性
- 4 中小企業の資金計画とは?|直接金融と間接金融の違い
- 5 よく出る直接金融の種類|株式と社債のポイント
- 6 よく出る間接金融の種類|銀行融資からABL、インパクトローンまで
- 7 その他の調達方法|内部金融やクラウドファンディング
- 8 過去問の具体例と間違えやすいポイント
- 9 ファイナンシャルプランナー試験対策|効率的な勉強法と学習スケジュール
- 10 合格ラインと勉強時間の目安
- 11 参考になるおすすめ記事(内部リンク)
- 12 公的機関や信頼できる情報源の活用
- 13 よくある間違いと対策|チェックリスト
- 14 まとめと次のアクション
- 15 オリジナル練習問題
- 16 ファイナンシャルプランナーの勉強に関する無料相談、随時受付中!
はじめに
ファイナンシャルプランナー試験(以下、FP試験)の受験を検討している方の中には、「中小企業の資金計画、特に直接金融と間接金融の違いや具体的な調達方法がわかりにくい……」と感じている方が多いのではないでしょうか。
本記事では、FP試験の「ライフプランニングと資金計画」分野において、しばしば出題される中小企業の資金計画(直接金融と間接金融の種類)を徹底的に解説します。
この記事を読むメリット
この記事をお読みいただくことで、次のメリットが得られます。
- 直接金融と間接金融の基本的な違いがしっかり理解できる
- 中小企業特有の融資制度や各種金融商品の出題傾向が把握できる
- 過去問の攻略ポイントや、勉強スケジュールの目安、学習時間の確保術が学べる
- 学習モチベーション維持のための具体的な体験談・合格者の声を知ることができる
この記事をしっかり読んでマスターすることで、FP試験で確実に得点源となる「中小企業の資金計画」分野を攻略し、合格へと大きく近づくはずです。
ファイナンシャルプランナー試験における「中小企業の資金計画(直接金融と間接金融の種類)」の重要性
FP試験では、「ライフプランニングと資金計画」分野の中に「中小企業の資金計画」というテーマがあります。試験範囲が広いため、一見すると細かい分野に見えるかもしれません。しかし、ここで扱う直接金融と間接金融の知識は、企業が資金をどのように調達するのかを理解する上で重要な基礎となります。
さらに、FPは顧客の人生設計だけではなく、法人顧客や中小企業オーナーの相談に応じる場合もあり、企業の資金調達について正確に説明できることが求められるケースがあります。そのため、実務的にも役立つ知識として押さえておく必要があります。
過去の出題傾向
直近の試験でも、下記のような形で出題されるケースが多くみられます。
- 直接金融と間接金融を区別する基本的な問題(株式や社債、銀行融資などの分類)
- 中小企業特有の融資制度(ABL、信用保証協会保証付融資、マル経融資など)の特徴を問う問題
- 第三者割当増資や私募債など、直接金融の具体的な調達方法を問う問題
- 財務指標の定義(固定比率、自己資本比率など)を絡めた財務分析に関する問題
出題数こそ他の論点より少ないかもしれませんが、毎年安定して問題が出題されており、点数を落とさないためには確実な理解が求められます。
中小企業の資金計画とは?|直接金融と間接金融の違い
まずは、直接金融と間接金融の定義から押さえましょう。この基本を理解しておくと、さまざまな資金調達方法を整理するときの土台ができます。
直接金融とは
直接金融とは、企業が投資家(資金提供者)から直接に資金を調達することを指します。以下のような方法があります。
- 株式発行(株主割当増資、第三者割当増資、公募増資など)
- 社債発行(公募債、私募債など)
「直接」という名前の通り、金融機関を仲介とせず投資家と企業が直接契約を結ぶイメージです。証券会社などを経由しても資金の流れが「企業⇔投資家」で繋がっているため、基本的には直接金融に区分されます。
たとえば、「銀行が株式を発行する」のも銀行にとっては直接金融になります(銀行が融資をする“間接金融”とはまた別の話です)。この点を混同する受験生が多いため要注意です。
間接金融とは
間接金融とは、銀行などの金融機関を介して資金を調達する方法を指します。主な例としては以下のとおりです。
- 銀行融資(証書貸付、手形貸付、当座貸越など)
- 信用保証協会保証付融資(マル保融資)
- インパクトローン
- ABL(Asset Based Lending)
間接金融では、銀行や信用金庫などの金融機関が“預金者から集めた資金”を企業に貸し出す形となります。資金の出し手である預金者と資金の借り手である企業の間に銀行などが入ることが特徴です。
中小企業と資金調達の特徴
大企業と比べ、中小企業は信用力や担保力に劣る場合が多く、また財務状況の安定性も低い傾向があります。そのため公募債などで資金を調達するのは難しいケースも少なくありません。そこで以下のような制度を活用する機会が多いです。
- 信用保証協会(マル保)を利用した銀行融資
- 私募債(少人数私募債を含む)
- ABL(在庫や売掛債権を担保とする融資)
- 地方自治体独自の融資・助成制度
これらは実務でも重要ですし、試験でも繰り返し問われるジャンルとなっています。
よく出る直接金融の種類|株式と社債のポイント
ここからは、具体的な資金調達方法をもう少し詳しく見ていきましょう。まずは直接金融の代表格である「株式発行」と「社債発行」です。
株式発行|第三者割当増資と公募増資
中小企業の株式発行は、大企業ほど一般的ではありませんが、試験対策としては以下の違いを理解する必要があります。
- 第三者割当増資:既存株主以外の第三者(従業員や取引先、ベンチャーキャピタルなど)に引き受けてもらう増資方法。第三者が新株を取得すると、既存株主の持株比率は低下する点が重要。
- 公募増資:不特定多数の投資家から資金を募る方法。上場企業が一般投資家向けに新株を販売するケースなどが該当する。
- 株主割当増資:既存株主の権利として、新株を引き受ける権利を割り当てる増資方法。
試験では「第三者割当増資によって既存株主の持株比率が上昇する」という誤った選択肢がよく出されるので要注意です。
社債発行|私募債と公募債
社債は「企業が投資家に対して債券を発行し、利息を支払う代わりに資金を借りる」仕組みです。大きく分けると公募債と私募債に分類されます。
- 公募債:不特定多数を対象に広く募集する社債
- 私募債:特定少数の投資家(通常49名以下)に向けて発行する社債
中小企業の場合は、資本市場で公募債を発行するのは難しいケースが多いため、私募債が主に利用されます。なかでも「少人数私募債」という形式があり、親族や取引先などに限定して発行する形も試験でよく登場するトピックです。
よく出る間接金融の種類|銀行融資からABL、インパクトローンまで
続いて間接金融について、試験でよく狙われる融資制度や商品の特徴を解説します。
銀行融資|代表的な種類
銀行融資の代表的な形式には、以下があります。
- 証書貸付:契約書(借用証書)を作成して借入を行う融資
- 手形貸付:借入人が約束手形を振り出して融資を受ける方法
- 当座貸越:上限額を設定し、その範囲内で必要に応じて資金を借り入れる方法
いずれも典型的な間接金融の形態で、試験では「手形貸付と証書貸付の違いは何か」といった問題が出る場合があります。
信用保証協会保証付融資(マル保融資)
中小企業が銀行融資を受けるにあたって、信用力に不安がある場合に活用される制度です。信用保証協会が企業の借入を保証することで、銀行が貸し倒れリスクを抑えやすくなり、中小企業が融資を受けやすくなります。業種や従業員数などで利用条件が変わるため、細かな定義も出題されやすい論点です。
インパクトローン
インパクトローンは、外貨(米ドルなど)によって資金を調達する方法で、国際的な取引などにも利用されます。よく試験で「海外事業に限定される」という誤った選択肢が登場しますが、正確には資金使途に限定はない点がポイントです。
ABL(Asset Based Lending)
ABLとは、企業が保有する動産や売掛債権、在庫、知的財産を担保として融資を受ける手法です。不動産担保がなくとも資金調達できるメリットがあり、中小企業が資金調達を多角的に行ううえで注目される制度です。
その他の調達方法|内部金融やクラウドファンディング
試験対策として押さえておきたいのが、内部金融とクラウドファンディングです。
- 内部金融:企業が事業で得た利益を再投資する方法。減価償却費や内部留保を活用して資金を賄う形です。直接金融や間接金融と区別する際に注意が必要です。
- クラウドファンディング:インターネットを通じ、不特定多数の投資家や支援者から少額資金を集める方法。株式型クラウドファンディングなど、新しい形の資金調達として着目されています。
クラウドファンディングは近年注目度が高く、今後試験での出題が増える可能性があるため、試験範囲の補足として把握しておくと安心です。
過去問の具体例と間違えやすいポイント
過去問を見ると、次のようなパターンが頻出です。
- 「株式発行」=直接金融かどうか
- 「インパクトローン」は資金使途が限定されていないかどうか
- 第三者割当増資で既存株主の持株比率がどうなるか
- ABLで担保とされる対象(不動産以外にも担保が可能)
- 内部金融=減価償却や内部留保の活用
また、過去には「第三者割当増資」に関して「既存株主以外への増資なのに持株比率が上昇する」といった誤りが選択肢に含まれ、正答率が50%未満にとどまった問題もあります。しっかり理解していれば正解できるはずなので、教科書的な定義を再確認しておきましょう。
ファイナンシャルプランナー試験対策|効率的な勉強法と学習スケジュール
中小企業の資金計画の学習においては、以下のステップで進めると効率的です。
1. 基礎知識を教科書・講義動画でインプット
最初は理解を優先し、細かい暗記は後回しにして全体像を把握しましょう。たとえば、次のようなステップを踏みます。
- テキストまたは通信講座の資料で直接金融・間接金融の概念を整理
- 証券会社経由でも「企業と投資家」の関係は直接金融になる点を理解
- マル保融資やABL、インパクトローンなど、中小企業に特徴的な商品名を概観
また、YouTube等の動画講義を活用すると、視覚的に理解しやすくなります。
2. 過去問演習で出題パターンを把握
次に、過去問や問題集を使って繰り返し演習します。特に下記の点をチェックしましょう。
- どの論点で頻繁に出題されているか
- 問題形式やひっかけパターンは何か
- 理解が曖昧な箇所はないか
間違えた問題は、必ず解説を読んで正しい知識を上書きし、ノートやテキストに書き込むと効果的です。
3. 苦手分野の補強と直前期の総仕上げ
試験直前期は、苦手分野や忘れやすい項目を優先的に復習します。「インパクトローンの資金使途」「第三者割当増資の持株比率変動」など、間違えやすいポイントを再チェックしましょう。
FP試験は実技もあるため、学科と実技の両面から理解しておくと得点力がアップします。
合格ラインと勉強時間の目安
FP2級や3級試験では、概ね6割程度の正答率が合格ラインとされていますが、近年は合格率が上下することもあるため、安全圏は7割以上を目指すのが理想です。
学習時間としては150~300時間ほどが目安とも言われており、働きながら学習する方は3~5ヶ月をかけて計画的に取り組むと良いでしょう。
参考になるおすすめ記事(内部リンク)
学習を進めるにあたって、下記の記事もあわせて読むと理解が深まり、合格率向上につながります。
- 独学でも最短合格!FP試験の“合格率を劇的に上げる”完全攻略ガイド:学習スケジュールから過去問活用まで徹底解説
- 初心者でも最短合格!FP試験の“6科目徹底攻略”と合格率UPの秘訣を完全公開
- FP試験「ライフプランニングと資金計画」超徹底攻略!初心者から最短合格へ導く決定版ガイド
これらの記事では、学習スケジュールの組み方や過去問の使い方など、より幅広い視点から合格につながるノウハウが得られます。
公的機関や信頼できる情報源の活用
中小企業の資金調達や施策に関しては、公的機関が提供する情報も非常に役立ちます。試験勉強にも説得力が増し、実務上のヒントにもなるでしょう。以下にいくつか参考リンクを挙げます。
これらの情報は試験対策だけでなく、実務や顧客対応にも役立つので、気になる分野はぜひチェックしてみてください。
よくある間違いと対策|チェックリスト
最後に、受験生がよく間違えるポイントを改めてまとめておきます。当てはまるものがあれば、再学習をおすすめします。
- 株式発行を間接金融だと勘違いする
→銀行などが株式を発行する場合も直接金融に区分される - インパクトローンの資金使途が海外事業のみと誤解
→実際は限定されないので注意 - 第三者割当増資で既存株主の持株比率が上昇すると誤答
→新株が他者に渡るため比率は低下 - ABLは不動産担保しか認められないと思い込む
→動産(在庫、売掛債権、知的財産など)も担保対象 - 内部金融(減価償却や内部留保)を直接金融や間接金融と混同
→内部金融は金融機関や投資家を介さない自己資金調達
まとめと次のアクション
中小企業の資金計画(直接金融と間接金融の種類)は、一見細かいテーマに感じるかもしれません。しかし、しっかり理解しておけば試験での安定的な得点源となるだけでなく、実務でも大いに役立ちます。
- まずはテキストと動画で基礎固めをし、直接金融・間接金融の違いを徹底理解する
- 過去問を解いて出題パターンを把握。間違えた問題は必ず復習して苦手を潰す
- 本記事で紹介した内部リンク記事や公的機関の情報を参考にし、知識を深堀りする
- 試験直前にはよくある間違いを中心に総点検し、7割以上正答を目指す
この流れを実践すれば、本番であたふたすることなく、落ち着いて問題に対応できるはずです。さらに、他のライフプランニング論点や他科目の学習も効率よく進めれば、合格はぐっと近づくでしょう。
次のアクション
試験に合格するためには、計画的に知識を深める必要があります。ぜひこのままの流れで学習を続け、
- 「ファイナンシャルプランナー試験の合格体験記・勉強法を見る」
- 「模擬試験やオンライン問題集に挑戦して力試しをする」
など、次のステップへ進んでみてください。合格に向けて最短距離で走っていきましょう。
あなたのFP試験合格を心から応援しています!
オリジナル練習問題
問題1
中小企業が市場で株式や社債を発行して資金調達を行う場合、これは直接金融に該当する。◯か×か。
解答:◯
解説:株式や社債の発行は、投資家から直接資金を受け取る方法であり、直接金融の代表的な手法です。
問題2
銀行からの融資や信用保証制度を利用して資金を調達する方法は、金融機関を介在させるため間接金融に分類される。◯か×か。
解答:◯
解説:銀行融資は金融機関が資金の供給者と企業の間に立つため、間接金融に分類されます。
問題3
中小企業が新規設備投資のために5000万円の資金調達をクラウドファンディングで行った場合、これは金融機関を介さずに資金を集める直接金融の一例である。◯か×か。
解答:◯
解説:クラウドファンディングは多数の個人投資家から直接資金を集める方法であり、金融機関を仲介しないため直接金融に該当します。
問題4
フィンテックが提供するオンライン融資プラットフォームは、従来の銀行融資と同様に金融機関を介して資金を供給するため、間接金融の手法である。◯か×か。
解答:×
解説:多くのオンライン融資プラットフォームは、投資家と借り手を直接結びつける仕組みを採用しており、従来の銀行融資とは異なり直接金融の側面を持っています。ただし、運営方式によっては仲介的要素が強い場合もありますが、ここでは一般的なモデルを想定しています。
問題5
中小企業が金融機関から融資を受ける場合、銀行は与信審査を通じて企業の信用力や事業計画を評価し、供給リスクを管理するため、間接金融のリスク管理機能が強化される。◯か×か。
解答:◯
解説:金融機関は融資前に詳細な審査を行い、リスクを分散・管理する仕組みを持っているため、間接金融ではこうしたリスク管理が重要な役割を果たします。
問題6
直接金融では、企業の信用力や情報開示の水準に応じて市場での評価が変動し、信用力が低い企業は10パーセントを超える高い利率を提示しなければならない場合がある。◯か×か。
解答:◯
解説:直接金融では市場の評価により調達コストが決まり、信用力が低い企業ほど高い利率を提示する必要が生じ、資金調達コストが上昇する傾向があります。
問題7
直接金融においては、投資家への情報開示を徹底することで情報の非対称性が完全に解消され、すべての投資家が同じ情報を基に判断できるようになる。◯か×か。
解答:×
解説:情報開示の水準が向上しても、投資家の分析能力や情報収集力に個人差があるため、情報の非対称性が完全に解消されるわけではありません。
問題8
中小企業が新規事業の拡大資金としてIPO(新規株式公開)を行う場合、これは投資家から直接資金を調達する直接金融の手法である。◯か×か。
解答:◯
解説:IPOは企業が株式を公開して市場から直接資金を調達する方法であり、直接金融に該当します。
問題9
フィンテックやクラウドファンディングの登場により、従来の金融機関を介した資金調達に比べ、直接金融の手法が中小企業でも利用しやすくなっている。◯か×か。
解答:◯
解説:近年のフィンテック技術の発展により、クラウドファンディングなどの直接金融手法が普及し、中小企業がより柔軟に資金調達を行えるようになっています。
問題10
間接金融の場合、金融機関の与信基準や内部規定により、中小企業が調達できる資金の上限が制限されることがあり、これが企業の成長戦略に影響を及ぼす可能性がある。◯か×か。
解答:◯
解説:金融機関は厳格な与信審査を行うため、信用力の低い中小企業の場合、調達可能な資金が制限されることがあり、結果として企業の成長戦略に影響を与えることがあります。
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