この記事では2月18日(火)のドル円相場を展望していきます。
- 今日のドル円相場で注目すべきファンダメンタルズ(日本GDPや米長期金利、政治リスクなど)のポイントが整理できます
- 週足から1時間足までマルチタイムフレームでのテクニカル分析を把握し、売買シナリオを組み立てられます
- トレンドフォローを中心とした具体的な損切り・利確目安を得られ、デイトレ~スイングの視点で効率的にエントリーを検討できます
- リスク管理と注意点を明確にしながら、突発ニュースや地政学リスクにも対応できる姿勢を養えます
「今日のドル円相場でどこを狙えばいいの?」という疑問を解決したい方はぜひ最後までご覧ください。
Contents
今日の結論・注目ポイント
まずは結論からまとめます。現在のドル円は、150.9円付近の直近安値ブレイクを試すかどうかが大きな焦点です。下抜ければ次の大きなターゲットは148.7円付近が視野に入り、いよいよ円高方向の加速が懸念されます。
一方で、日足ベースの移動平均線(20MA、80MA)などが下向きに収束していることから、安易な逆張りロングはリスクが高めです。ただし、もし151円台前半でダブルボトム形成のような形状が見えた場合は、短期的な戻りを狙ったロングの余地もゼロではありません。
総じて、メインシナリオは下目線(ショート戦略)で、戻り売りを狙う場面と想定されますが、戻りが乏しい場合はエントリータイミングを慎重に見極めることがポイントです。
ファンダメンタルズ分析
ここでは、相場を左右しうる最新ニュースや経済指標、政治・地政学リスクを整理します。
- 日本GDPが予想を上回る+2.8%
2024年10–12月期の実質GDP一次速報値が年率+2.8%とサプライズとなり、日本経済の底堅さが意識されています。予想以上に強い経済指標は日銀の金融緩和縮小(利上げ含む)観測を刺激し、円買い材料となりやすい展開です。実際、このGDP発表直後にドル円は151円台半ばまで下落しました。 - 米長期金利の低下
米10年債利回りが4.66%から4.48%へ下落しており、米ドル買いの手掛かりがやや減少しています。FRB高官(ハーカー総裁など)の「政策スタンス据え置き」「利下げ開始は急がない」という発言は総じて中立的ですが、追加利上げ期待を後退させる要因ともいえます。金利差縮小はドル円の上値を重くする可能性が高いです。 - 米国の通商政策、報復関税の先送り
トランプ政権が検討している「相互(報復)関税」の発動が少なくとも4月以降に先送りされるとの報道があり、貿易戦争への警戒感はいったん後退しています。ただし、完全にリスクが消えたわけではなく、タイミング次第では再燃する可能性もあるため、通商関連のニュースには依然として注意が必要です。 - ウクライナ情勢、停戦交渉の進展観測
米露首脳会談に向けた停戦交渉が始動していると伝えられています。交渉の行方によっては世界的なリスクオンにつながり、一時的に「安全資産」とされる米ドル買いが抑制される動きも考えられます。円はリスク回避通貨としても位置付けられるため、進展次第でドル円が大きく振れる可能性があります。 - 日銀人事と追加金融緩和縮小観測
日銀審議委員の交代などを巡り、今後の日銀のスタンス変化が注目されています。これまでの超緩和政策が維持されてきましたが、物価や賃金が上振れした場合に「サプライズ利上げ」が意識され、円買い要因となるシナリオがくすぶっています。 - 本日の経済指標・イベント
・豪準備銀行(RBA)の政策金利発表(12:30)
・英1月失業率(16:00)、ベイリーBOE総裁発言(18:30)
・独2月ZEW景況感調査(19:00)、米2月NY連銀製造業景気指数(22:30)
・米2月NAHB住宅市場指数(24:00)、米12月対米証券投資(30:00)
これらの指標や発言を受け、クロス円を含む全般でボラティリティが上昇する可能性があります。
総合的に見ると、日銀利上げ観測や米国債利回り低下など、**円高方向**を後押しする材料が際立ってきたと言えるでしょう。
テクニカル分析(マルチタイムフレーム)

週足
- 20MAで反発できずに抑えられ、151~152円付近が何度も意識される厚い抵抗帯になっています。
- ローソク足がMAの下方に位置しつつあり、下降トレンドへ移行するかどうかの分岐点です。
日足
- 高値切り下げ・安値更新でダウ理論上下降トレンドを形成しつつあります。
- 直近安値の150.9円を明確にブレイクすれば、次のターゲットは心理的節目の150円や、さらにその下の148.7円付近が視野に入ります。
- MA(20日、80日)も下向きで、売り優勢の形状が継続しています。
4時間足
- 20MA、80MA、200MAがすべて下向き気味で、強い売り圧力を示唆しています。
- 現在は151円台後半〜152円付近でいったん抵抗が見られるものの、ここをしっかり上抜けられずに下落し続けるようなら、ショートが有力になります。
- ただし、MAとの乖離が大きくなる場面では一時的な戻り(ショートカバー)が起きやすい点に注意です。
1時間足
- 1時間足ベースでも、20MAと80MAのデッドクロスが明確で下降傾向。
- ローソク足とMAの距離が開きやすく、戻りが入った際に短期的にショートを仕掛けるのが王道のトレンドフォローとなります。
- もし152.0~152.3円付近まで急なショートカバーで戻すなら、ダブルボトム否定による再下落を狙いやすいポイントになる可能性があります。
今日の売買シナリオ(トレード戦略)
ここでは、短期デイトレードから2週間程度のスイング目線での売買プランを示します。メインはトレンドフォローのショート戦略ですが、逆張りロング案も補足します。
ショートシナリオ

- エントリーポイント: 戻り売りを狙う場合は151.7~152.0円付近で上値が抑えられたタイミング。4時間足や1時間足のMA付近で反転サインが出ればエントリー。
- 損切りライン: 直近のレジスタンスを少し上回る152.0~152.1円あたり(あるいは週足の抵抗帯を超える151.8円を明確に上回ったところ)に設定。
- 利確目標:
- 第一目標:直近安値150.9円
- 下抜け成功なら148.7円付近までホールド(チャート上の強めサポート)。
具体的には148.715円までの下落を想定し、リスクリワード比1:3程度を狙えるイメージです。
- 注意点:
- 現在、ドル円がズルズル落ちている途中で飛び乗ると、タイミングによっては一時的な急反発に巻き込まれるリスクがあります。必ず「戻り」を待ってから入るのがおすすめです。
- 万一、151円を割れた後も戻りが乏しい“突っ込み売り”状態になったら、相場が加速しやすい反面、逆行した時の損失も急拡大します。過度なレバレッジは禁物です。
ロングシナリオ(逆張り)

- エントリーポイント: 151円付近や150.9円付近(直近安値)でダブルボトムを形成し、1時間足の20MAが上向きに転じるなど、買い転換のサインが明確に出てから。
- 損切りライン: ダブルボトムが否定される150.8円付近のやや下に設定。
- 利確目標:
- 第一目標:4時間足の抵抗ゾーン152.0~152.3円
- うまく上抜ければ、週足で意識される154.6円付近までの上昇を想定。ただし全体トレンドが下降寄りである点を忘れず、途中の152.7円前後や153円台前半で部分利確も検討してください。
- 注意点:
- 現状は日足・4時間足共に強い下向きトレンドです。ロングは逆張りであることを再認識し、慎重にエントリーする必要があります。
- 短期的な反発狙いに留め、早めの利食いやこまめなストップ引き上げを行うと良いでしょう。
リスク管理・注意点
- 政治・地政学リスクの急変: 米露首脳会談によるウクライナ停戦交渉、米通商政策の動向次第で急激なリスクオン・リスクオフが進む可能性があります。突発的なニュースに備え、ポジションサイズは控えめに。
- 経済指標・要人発言: 本日(2/18)の豪政策金利発表や英BOE総裁発言、独ZEW景況感、米NY連銀指数などは想定より大きくブレる場合があるため注意。主要指標前後でのエントリーはリスクを伴います。
- レバレッジ調整: 下降トレンドが明確化している相場は順張りで大きく利益を伸ばせる一方、急激なショートカバーで踏み上げられるケースもあります。建玉管理を徹底し、想定外の逆行時には素早く損切りできるようにしておきましょう。
- 資金管理: シナリオ通りに進まないときに備え、損失を限定するルールを明確化しておきましょう。連敗時にポジションサイズを減らすなど、柔軟なリスクコントロールが重要です。
まとめ
- ドル円は週足・日足で下降トレンドが顕著となり、下値ブレイク(150.9円割れ)への注目が高まっています。
- ファンダメンタルズ面でも日本GDPの上振れや米長期金利低下が強まるなど、円買い要因が増えています。円高方向への警戒は怠れません。
- メインシナリオは戻り売り(ショート)を中心に考え、戻りめどとして151.7~152.0円付近が候補。損切りラインは152円を上抜けたゾーンに置くのが目安です。
- 逆張りのロング狙いは150.9~151.0円近辺でのダブルボトムなど強い反発シグナルを待ち、短期的に152~153円台前半までの戻りを取りにいくイメージ。ただし全体トレンドは下降なので慎重に。
- ニュースや指標、要人発言の影響で値動きが激しくなる可能性があります。ポジションの取り過ぎや損切り遅れに注意して、柔軟に対応しましょう。
明日以降も米金利動向や日本の追加指標、通商政策などのヘッドライン次第で値動きが大きく振れやすい環境が続くと考えられます。特に2/22(土)前後には、週足レベルのタイミングが重なりやすいとの見方もあり、注目度が高まる可能性があります。
編集後記
「人から聞いた銘柄は取引するな」
一度はこのような話を耳にしたことがあるでしょう。リバモアでさえ、かつて知人に勧められた取引で破産したという苦い経験があります。
しかし、せっかく良い情報を得たにもかかわらず、なぜその銘柄を取引してはいけないのでしょうか?
私自身の経験から言うと、トレードにおいては何よりも「時間軸」が重要です。たとえば、日足や週足で上昇トレンドが確認できたとしても、1時間足などの短い時間軸で見ると下降トレンドになっていることがあります。
このような状況で、普段慣れ親しんでいる時間軸とは全く異なる環境で、さらに不慣れな取引を行うと、リズムが完全に狂い、思わぬ損失が膨らむ可能性があるのです。
トレードは、ある程度のトレーニングと修練が必要な技術です。このトレーニングは、日頃実践している取引手法に基づくものであり、別の銘柄や異なる手法に手を出すと、まるで初心者に戻ってしまうことを覚えておいてください。
何でもかんでも手を出せばよいというものではありません。勝てる場面だけを狙うことが大切なのです。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。