ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)のリスク管理分野「保険の基礎」で高得点を目指すための学習法と出題傾向を総まとめ。過去問の効果的な使い方、合格者の声、スケジュール例も紹介いたします。
Contents
- 1 はじめに:この記事を読むメリット
- 2 ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)における「保険の基礎」の重要性
- 3 過去の出題傾向と合格ラインの目安
- 4 「保険の基礎」を効率良く学ぶメリット
- 5 ポイント!試験で押さえておきたい「保険の基礎」5大論点
- 6 よくある間違いと、その対処法
- 7 具体的な学習スケジュール例
- 8 過去問を使った合格ライン突破の演習法
- 9 合格者の声:モチベーションを保つコツ
- 10 おすすめ記事:さらに深掘りしたい方へ
- 11 公的機関や企業サイトへの外部リンク
- 12 まとめ:保険の基礎を制する者はFP試験を制す!
- 13 参考サイト
- 14 初心者のための用語集
- 15 オリジナル練習問題
- 16 ファイナンシャルプランナーの勉強に関する無料相談、随時受付中!
はじめに:この記事を読むメリット
ファイナンシャルプランナー試験(以下、FP試験)のリスク管理分野の中でも、「保険の基礎」は基本原則を理解することで得点源となりやすいパートです。本記事では、初学者や独学で挑む方でも理解しやすいように、保険の仕組みや合格のための勉強方法を網羅的に解説していきます。
この記事を読むことで、以下のような悩みを解消できます。
- 「保険の基礎」がいまいちピンとこない、学ぶポイントが整理できていない
- 出題傾向や合格ラインを把握し、効果的に学習を進めたい
- 過去問や計算問題に苦手意識があり、攻略のコツを知りたい
- 継続して学習するためのモチベーション維持方法を知りたい
さらに、本記事を最後まで読めば、保険の基礎を理解するだけでなく、合格者が実践してきたノウハウや、具体的な学習スケジュール例を得ることができます。「保険の基礎」で高得点をとり、FP試験合格に一歩近づきましょう!
ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)における「保険の基礎」の重要性
FP試験は大きく6科目(ライフプランニングと資金計画/リスク管理/金融資産運用/タックスプランニング/不動産/相続・事業承継)で構成されています。その中でも「リスク管理」は、生命保険や損害保険、第三分野の保険といった“保険”にまつわる知識をメインに扱う重要分野です。
特に「保険の基礎」は、保険料の仕組み・契約のポイント・法律上の規定・各保険商品ごとの特徴など、どの級(3級・2級・1級)でも頻出となるテーマです。具体的には、以下のような内容が問われます。
- 生命保険の構成要素(純保険料・付加保険料、予定死亡率、予定利率など)
- 損害保険の種類(火災保険・自動車保険・地震保険など)の特徴
- 告知義務・保険契約者保護機構・ソルベンシー・マージン比率などの制度
- 法人契約の保険に関する経理処理
- 税金が絡む保険料控除や保険金受取時の課税関係
「保険の基礎」は、一見すると専門用語が多く難しく感じるかもしれませんが、実は基本の考え方やキーワードを押さえれば得点しやすい分野です。問題文に“ひっかけ”があることも多いので、しっかり基礎を固め、過去問で典型的なパターンを理解することが合格への近道となります。
過去の出題傾向と合格ラインの目安
「保険の基礎」が出題される形式
FP試験では、リスク管理分野の出題は学科試験・実技試験の両方で行われます。特に「保険の基礎」に関しては、学科試験の穴埋め式・○×式、四択問題で頻繁に問われ、実技試験では保険証券や約款の読み取りなど、資料を使った実務的な問題として出題されることが多いです。
合格ラインは6割!ここで取りこぼさないために
FP試験全体の合格基準点は「満点の60%以上」とされています。リスク管理分野は6科目の中で問題数が比較的少ないことが多く、そのぶん配点としては大きく感じられるケースもあります。「保険の基礎」で確実に得点することが、合格に直結すると言っても過言ではありません。
他科目(例えばタックスプランニングや不動産など)よりも、問題の難易度が比較的易しいと感じる方も多いので、「得点源」として位置付ける受験生が多いのが特徴です。
「保険の基礎」を効率良く学ぶメリット
- 点数を積み上げやすい:仕組みさえ理解しておけば、暗記項目や計算も比較的明快。
- 他の分野との連携が取りやすい:ライフプランニングで扱う社会保険や、相続・事業承継で問われる保険の活用法に知識を横展開できる。
- 実生活で役立つ:自身や家族の保険商品を見直す際に役立つ知識が満載。
また、法人向けの保険や保険料の経理処理などは、実務において企業の財務戦略に活用されることも多く、FPとしてのコンサルティング能力を高める上でも重要な学習領域です。
ポイント!試験で押さえておきたい「保険の基礎」5大論点
1. 保険料の仕組み(純保険料と付加保険料)
保険料は大きく「純保険料」と「付加保険料」に分かれます。純保険料は保険金支払いの原資となる部分、付加保険料は保険会社の運営費や事業費をまかなう部分です。FP試験では、「収支相等の原則」や「大数の法則」とあわせて理解しておくと、計算問題にも対応しやすくなります。
2. 告知義務・クーリングオフ制度
- 告知義務:保険契約時に被保険者が健康状態などを正しく申告する義務。虚偽の告知などがあった場合、保険会社は契約を解除できるが、解除権には一定の期限(告知義務違反を知った日から1カ月以内・契約から5年経過など)がある。
- クーリングオフ:契約日または書面受領日から8日以内であれば、書面により契約を解除できる。ただし、短期保険や医師の診査がある場合などは適用外。
よくある勘違いとしては、クーリングオフがすべての保険契約に適用されるわけではない点や、告知義務違反の時効を覚えていないケースが挙げられます。ここは典型的な過去問でも頻出するので要チェックです。
3. 保険契約者保護機構
保険会社が破綻した場合、契約者を保護するために保険契約者保護機構が存在します。生命保険では責任準備金の90%まで補償される仕組みなど、商品ごとに異なる補償割合を確認しておきましょう。損害保険では自動車保険や地震保険など、100%補償される例外がある点も狙われやすいです。
4. 法人の保険契約と経理処理
法人契約の生命保険は、保険料の損金算入や保険金受取時の処理などが大きく変わるため、FP2級以上ではよく出題されます。2019年7月8日以降契約の法人保険のルールが変更された背景もあり、最近の過去問では新ルールの問題が増えています。
経理処理は簿記の知識が絡むため苦手意識を持つ方も多いですが、基本構造(どのタイプの保険がどのように仕訳されるのか)を理解すれば対応可能です。
5. 各種保険商品の特徴と税金
- 定期保険、終身保険、養老保険、個人年金保険などの違い
- 第三分野保険(医療・がん・介護など)
- 損害保険(火災、自動車、地震など)
- 保険料控除(生命保険料控除、地震保険料控除など)のしくみ
死亡保険金の課税関係(相続税・所得税・贈与税)や、満期保険金の一時所得など、税金についてもしっかり理解しておくと、タックスプランニング分野ともリンクして学習効率が上がります。
よくある間違いと、その対処法
試験対策を進める中で、以下の点を間違いやすい方が多いです。あらかじめ対処法を把握しておきましょう。
- 保険法と保険業法の混同:
保険法は保険契約のルール、保険業法は保険業を営む事業者のルール。告知義務の範囲(質問応答義務)など微妙な違いに注意。 - 地震保険の補償上限:
地震保険は火災保険の半分まで補償を設定できるが、建物5,000万円・家財1,000万円が上限。免震建築物割引などの割引制度も細かく出題される。 - 任意継続被保険者と被扶養者の要件:
健康保険の任意継続は「退職日の翌日から20日以内に申請」「継続2カ月以上の被保険者期間があること」など条件が多い。被扶養者も収入要件や同居要件が問題文で問われる。 - 法人保険と個人保険の計算問題:
とくにFP2級以上で、保険料や保険金の経理処理(資産計上・損金算入など)の誤りが多い。過去問で仕訳パターンをしっかり押さえること。
具体的な学習スケジュール例
「保険の基礎」は暗記すべき内容もありますが、仕組みの理解が最優先です。下記のようなスケジュールで学習を進めると効率的です。
- 試験3カ月前~2カ月前:
「保険の基礎」のテキストを通読し、生命保険と損害保険の仕組みやキーワードを整理。告知義務や契約者保護制度などの制度面もこの段階で固める。 - 試験2カ月前~1カ月前:
過去問を中心に演習。特に学科試験の穴埋め問題・○×問題で「どこが頻繁に出るのか」「どのように問われるのか」を把握し、知識を定着させる。 - 試験1カ月前~直前:
模試や予想問題に取り組み、時間配分や問題形式に慣れる。ミスが多い論点(地震保険の割引率・告知義務違反の解除期限・法人保険の損金算入判定など)を重点的に復習する。
計画を立てる際には、他の5科目(ライフプランニング、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継)の勉強時間との兼ね合いも考慮しましょう。リスク管理分野は比較的学習しやすいと言われる一方、後回しにすると意外と手が回らなくなることも多いので、早め早めの対策が重要です。
過去問を使った合格ライン突破の演習法
FP試験の学科・実技ともに過去問を使った学習が極めて効果的です。日本FP協会や金融財政事情研究会の公式サイトでは過去問と模範解答が公開されています(参考:日本FP協会 過去問題・模範解答)。
- まずはインプット(テキスト・講義動画)で基礎知識を固める
- 次にアウトプット(過去問演習)を行い、理解度を確認する
- 理解が不足している分野を復習し、もう一度アウトプットにトライ
このサイクルを繰り返すことで、知識が定着しやすくなります。また、実技試験対策では、保険証券や約款の読み取り問題が頻出です。実際の保険証券やパンフレットを見ながら練習すると、本番で焦らず対応できるようになります。
合格者の声:モチベーションを保つコツ
過去の合格者が語る、「保険の基礎」学習でつまずいたポイントと克服法をいくつかご紹介します。
- 「参考書だけ読んでいたときは理解が曖昧でしたが、動画講義を併用して問題演習をすると、一気に定着しました。」
- 「計算問題が苦手だったので、まずは簡単な問題を繰り返し解き、解ける成功体験を積み上げたことで苦手意識を克服できました。」
- 「法人保険の経理処理がわからず挫折しそうでしたが、実際の企業の事例などをネットで調べてイメージを掴んだら、計算のロジックが納得できました。」
保険は日常生活とも密接な分野なので、自分や家族の保険証券をチェックしたり、身近な保険料の仕組みを調べたりしてみると、モチベーションが維持しやすくなります。
おすすめ記事:さらに深掘りしたい方へ
当ブログでは、FP試験合格に向けて総合的な対策記事も多数用意しています。ぜひあわせてご覧ください。
- 独学でも最短合格!FP試験の“合格率を劇的に上げる”完全攻略ガイド:学習スケジュールから過去問活用まで徹底解説
- 初心者でも最短合格!FP試験の“6科目徹底攻略”と合格率UPの秘訣を完全公開
- FP試験「リスク管理」超徹底攻略!初心者から最短合格へ導く決定版ガイド
公的機関や企業サイトへの外部リンク
以下の公的機関・企業サイトも、保険制度や各種法律の詳細を調べる際に役立ちます。
まとめ:保険の基礎を制する者はFP試験を制す!
本記事では「保険の基礎」に関する重要ポイントや出題傾向、そして効果的な学習法をご紹介しました。「保険の基礎」は、合格ライン到達において得点源となりやすい科目です。一方で、制度の細かい規定や計算問題など覚えることも多く、油断すると取りこぼしが出やすい点には注意が必要です。
しかし、基礎概念(大数の法則や収支相等の原則)を理解し、過去問やテキスト、動画などを活用して繰り返し学習すれば、着実に合格ラインへ近づけます。最終的には、以下のステップを意識してみてください。
- テキストで基本を理解 → 過去問演習で穴を発見 → 復習・補強で定着
- 保険証券や約款など実物に触れる → 実技試験対策にも有効
- 他の科目(ライフプランニング、タックスプランニングなど)とも関連付ける
「保険の基礎」をしっかり押さえ、自信をもってFP試験に臨みましょう!
今後さらに深い知識を身につけたい方は、こちらなどの関連記事も読んでみてください。次のアクションとして、学習サービスの無料体験や各種問題集への取り組みを始めてみるのもおすすめです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考サイト
- 日本FP協会 – FP技能検定について
- 金融庁 – 保険会社向けの総合的な監督指針
- なかけんのFP3級ノート – 社会保険
- フォーサイト – 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定試験の講評
- マネースタディ – FP協会ときんざい(金財)試験の違い
- 保険ライフ – FP相談窓口のおすすめ
- コアシス – 独学でFP3級合格をめざす!学習方法の王道
- コトラ – 保険業界で活躍するための資格ガイド
初心者のための用語集
- 純保険料:保険料のうち、死亡保険金や入院給付金など実際の保険金支払いの原資となる部分を指します。
- 付加保険料:保険会社が運営を行うための事業費などをまかなうために上乗せされる保険料です。
- 大数の法則:多数のデータを集めると、結果が平均値や一定の確率に近づくという統計上の原則で、保険の保険料算定に活用されています。
- 収支相等の原則:契約者から集める保険料総額と、保険会社が支払う保険金や事業費が等しくなるように保険料を決定する原則です。
- 告知義務:保険契約の際、被保険者が健康状態や過去の病歴などを正しく保険会社に申告する義務をいいます。
- クーリングオフ:契約後一定期間(8日以内など)であれば、契約を無条件で解除できる制度のことです。
- 保険契約者保護機構:保険会社が破綻した際、契約者に対して一定の範囲で補償を行うための制度・機関を指します。
- ソルベンシー・マージン比率:保険会社の支払い余力を示す指標で、200%以上が健全性の目安とされています。
- 任意継続被保険者:会社を退職した後も一定条件を満たすことで健康保険を継続できる制度の対象者です。
- 法人保険:企業・法人が事業目的で加入する生命保険や損害保険の総称。保険料や保険金の経理処理が個人契約とは異なる場合があります。
- 損金算入:法人税の計算上、経費として扱える費用のこと。保険料の一定部分を損金にできる法人保険もあります。
- 地震保険:火災保険に付帯して契約する保険で、地震や噴火、津波による損害を補償します。建物と家財それぞれに支払い限度額が定められています。
オリジナル練習問題
第1問
生命保険には、死亡や高度障害などに備える保険だけでなく、医療保険やがん保険、介護保険なども含まれる。
正解:◯
解説:生命保険は、被保険者の生死に関わるリスクを保障する保険全般を指す。医療保険やがん保険、介護保険などは、いずれも生命保険に分類される。
第2問
損害保険は、保険事故が発生した場合、被保険者が被った実際の損害額を超える保険金が支払われることが原則である。
正解:×
解説:損害保険では「実損てん補」が原則となるため、実際の損害額を超える保険金は支払われない。保険金はあくまで損害額が上限となる。
第3問
保険料率の算出には、大数の法則と収支相等の原則が活用される。
正解:◯
解説:保険は多くの加入者から保険料を集め、支払い保険金の総額や事業経費などを総合的に勘案して保険料率を設定する。大数の法則と収支相等の原則は、その基礎となる考え方である。
第4問
保険契約において、被保険者が告知義務違反を行っていたと判明した場合、保険会社は契約を解除できる。
正解:◯
解説:告知義務違反があると、保険会社は契約の重要事項に関する判断を誤った可能性があるため、保険契約を解除することが法令で認められている。
第5問
保険契約者が保険金請求権(保険金を受け取る権利)を第三者へ譲渡することは一切認められていない。
正解:×
解説:保険契約の種類や契約条件によっては、保険金請求権の譲渡が可能な場合がある。実務上は保険会社の承諾や所定の手続きが必要となることが多い。
第6問
損害保険において、契約時に免責金額を設定することで、保険料を抑えられる場合がある。
正解:◯
解説:免責金額を設定すると、小額の損害については保険金請求の対象外となるため、保険会社のリスクが小さくなる。その結果、保険料が安く設定されることがある。
第7問
生命保険は、損害保険同様、被保険者が負った損害額に応じて保険金が変動する仕組みである。
正解:×
解説:生命保険は「定額保障型」が基本であり、被保険者の損害額に関わらず契約時に定めた保険金額が支払われる。一方、損害保険は実際の損害額をてん補する。
第8問
契約者が一定期間内であれば理由を問わず保険契約を撤回できる制度をクーリングオフという。
正解:◯
解説:クーリングオフは、特に訪問販売や電話勧誘販売などで契約者を保護するために設けられた制度。生命保険や損害保険でも、特定の条件下でクーリングオフが認められている。
第9問
損害保険において、被保険者が故意または重大な過失で事故を引き起こした場合でも、保険金は全額支払われる。
正解:×
解説:保険事故の原因が被保険者の故意や重大な過失による場合、保険金が支払われない、または一部削減されることが多い。免責条項によって保険金支払いが制限される。
第10問
保険は、公的保険と私的保険に大別され、私的保険には生命保険や損害保険などが含まれる。
正解:◯
解説:公的保険は国や地方自治体が運営する保険制度(医療保険、年金保険など)を指す。私的保険は民間の保険会社が提供する生命保険や損害保険などが該当する。
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