株式投資・決算

【5月9日(金) 発表】三菱重工業(7011) 2025年3月期決算を徹底解説|防衛×水素GXで過去最高益!今が買い時か?

【5月9日(金) 発表】三菱重工業(7011) 2025年3月期決算を徹底解説|防衛×水素GXで過去最高益!今が買い時か?

この記事では、三菱重工業(証券コード:7011)の2025年3月期決算発表の内容を徹底解説し、同社の現状と今後の展望、そして個人投資家向けの投資戦略を明らかにします。防衛関連の受注拡大やGX(グリーン・トランスフォーメーション)分野での成長性、株主還元策など、注目ポイントが目白押しです。この記事を読めば、三菱重工業への投資判断に必要な情報が網羅的に把握できるでしょう。

この記事の要点・結論

  • 2025年3月期決算は受注高、売上収益、事業利益、当期利益、フリー・キャッシュ・フロー(FCF)の全てで過去最高を達成。特に防衛・宇宙セグメントが業績を牽引。
  • 2026年3月期も増収増益を見込み、3期連続の最高益更新増配を予定。
  • 防衛予算の大幅増額は継続的な追い風。水素ガスタービンやSMR(小型モジュール炉)などGX分野での将来性も高い。
  • 株主還元として、年間配当の増配(前期23円→今期24円予定)を発表。自社株買いは現時点では2025年3月期の情報として具体的な発表なし(過去の資料では1,000億円規模の方針が示されたことがあるため注視)。
  • 投資判断は、防衛・GXの成長が継続する強気シナリオ、エネルギープロジェクトの停滞を懸念する中立シナリオ、大型案件損失の再発や円高をリスクとする弱気シナリオを提示。

この記事を通じて、三菱重工業の多角的な事業ポートフォリオと将来性を理解し、ご自身の投資戦略にお役立てください。

三菱重工業とは?基本プロフィール

三菱重工業株式会社(MHI)は、日本を代表する総合重機メーカーであり、その事業領域はエネルギー、プラント・インフラ、物流・冷熱・ドライブシステム、航空・防衛・宇宙と多岐にわたります。国家プロジェクトや社会インフラ構築に深く関与し、日本の産業と安全保障を支える基幹企業の一つです。

沿革・主要事業・売上構成

三菱重工業の起源は1884年の長崎造船所に遡り、日本の近代化と共に発展してきました。現在は4つのセグメントで事業を展開しています。

  • エナジー: 火力発電システム(ガスタービン、蒸気タービン)、原子力発電機器、再生可能エネルギー関連(風力発電、地熱発電)、航空エンジンなど。2025年3月期決算説明資料によると、売上収益構成比で大きな割合を占めます。
  • プラント・インフラ: 製鉄機械、環境装置、化学プラント、交通システム(新交通システム、ETCシステム)など社会・産業基盤を支える製品・技術を提供。
  • 物流・冷熱・ドライブシステム: 物流機器(フォークリフト)、ターボチャージャ、エンジン、冷凍・空調機器など、幅広い産業と生活に関連する製品群。
  • 航空・防衛・宇宙: 民間航空機(機体構造部品)、防衛航空機、ミサイル、艦艇、宇宙機器(ロケット、人工衛星)など、国の安全保障や宇宙開発を担う重要事業。

(2025年5月9日発表 三菱重工業株式会社「2024年度決算説明資料」より構成比などを参照)

表1: 三菱重工業の主要事業セグメント概要
セグメント名 主要製品・事業
エナジー ガスタービン、原子力、航空エンジン、風力発電
プラント・インフラ 製鉄機械、化学プラント、交通システム、環境設備
物流・冷熱・ドライブシステム フォークリフト、ターボチャージャ、エンジン, エアコン
航空・防衛・宇宙 民間航空機部品、戦闘機, 護衛艦, ロケット

出所: 三菱重工業株式会社の公開資料より作成 各セグメントがそれぞれの市場で高い技術力と競争力を有しており、特にエナジー部門と航空・防衛・宇宙部門が近年の業績成長を牽引しています。

2025年3月期 決算ハイライト

三菱重工業が2025年5月9日に発表した2025年3月期(2024年度)の連結決算は、多くの指標で過去最高を記録する好調な内容となりました。

売上・営業利益・最終利益・EPS

  • 受注高: 7兆712億円(前期比5.8%増)
  • 売上収益: 5兆271億円(前期比7.9%増)
  • 事業利益(営業利益に相当): 3,831億円(前期比35.6%増)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益(最終利益): 2,454億円(前期比10.6%増)
  • 1株当たり当期利益(EPS): 73.04円(前期は66.10円、株式分割考慮後)

(2025年5月9日発表 三菱重工業株式会社「2024年度決算短信〔IFRS〕(連結)」より) 増収に加え、為替の円安効果や各事業セグメントでの収益性改善が大幅な増益に貢献しました。特に、受注高、売上収益、当期利益、そしてフリー・キャッシュ・フローは過去最高となりました。

セグメント別実績(エナジー・プラント・防衛&宇宙・ロジスティクス)

各セグメントの業績も堅調に推移しました。

表2: 2025年3月期 セグメント別業績(単位:億円)
セグメント 受注高 売上収益 事業利益 受注残高 (2025年3月末)
エナジー 26,224 18,157 2,053 49,184
プラント・インフラ 10,002 8,521 596 17,053
物流・冷熱・ドライブシステム 13,305 13,071 493 793
航空・防衛・宇宙 21,001 10,306 999 35,145
その他・消去等 179 215 (310) 185
合計 70,712 50,271 3,831 102,362

出所: 2025年5月9日発表 三菱重工業株式会社「2024年度決算説明資料」P.14, P.19, P.20より作成。事業利益は為替影響等調整前の場合あり。受注残高は連結ベース。 特筆すべきは、航空・防衛・宇宙セグメントの伸長です。受注高は前期比で大幅に増加し、売上収益、事業利益ともに拡大しました。これは、日本の防衛力強化に伴う国内案件の増加や、民間航空機部品の需要回復が背景にあります。エナジーセグメントも、GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)や原子力のサービス事業が堅調でした。

2026年3月期 ガイダンスと注目ポイント

2025年3月期決算と同時に発表された2026年3月期(2025年度)の業績見通しも、引き続き成長が期待される内容となっています。

  • 売上収益: 5兆4,000億円(前期比7.4%増)
  • 事業利益: 4,200億円(前期比9.6%増)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益: 2,600億円(前期比5.9%増)
  • 1株当たり当期利益(EPS): 77.35円(予定)
  • 年間配当金(予定): 24円(中間12円、期末12円)

(2025年5月9日発表 三菱重工業株式会社「2024年度決算説明資料」P.22より) 為替前提レートは1ドル=145円、1ユーロ=155円と設定されています。3期連続の過去最高益更新を目指す計画であり、市場の期待も高まっています。

防衛省調達増による受注高予想

日本の防衛予算は、2023年度から5年間で総額約43兆円と、従来計画から大幅に増額されています(2023年 防衛省発表)。三菱重工業は、戦闘機、護衛艦、ミサイルなど主要装備品を手掛ける国内最大の防衛関連企業であり、この予算増額の恩恵を大きく受けると予想されます。

  • スタンド・オフ防衛能力強化:長射程ミサイルの開発・量産
  • 統合防空ミサイル防衛能力向上:新型迎撃ミサイルシステム
  • 次期戦闘機開発:英国・イタリアとの国際共同開発
  • 無人アセット防衛能力:各種無人機の開発

これらの大型案件が今後、同社の受注高を押し上げることが期待されます。2025年5月9日発表の三菱重工業「2024年度決算説明資料」P.7では、防衛事業の成長戦略として、量産案件の着実な獲得と開発案件の推進が挙げられており、2025年度の航空・防衛・宇宙セグメントの受注高目標も高い水準が維持される見込みです。

水素ガスタービン・SMR(小型原子炉)の商機

脱炭素社会の実現に向けたGX(グリーン・トランスフォーメーション)分野も、三菱重工業の成長ドライバーとして注目されています。

  • 水素ガスタービン: 三菱重工業は大型ガスタービンで世界トップクラスのシェアを誇り、水素混焼・専焼技術の開発をリードしています。既に30%水素混焼技術を確立し、2030年頃までの水素専焼ガスタービンの実用化を目指しています(2024年 三菱重工業「統合報告書2023」等参照)。2050年の水素発電GT市場は累計23兆円規模との予測もあり(経済産業省資料)、大きな商機が見込まれます。
  • SMR(小型モジュール炉): 次世代原子炉として期待されるSMRの開発にも注力しています。IEA(国際エネルギー機関)のレポートによると、適切な政策支援があれば2040年までにSMRの設置容量は世界で80GWに達する可能性が示されており、2030年の市場規模予測は188億ドルとも言われています(2023年 IEA “Nuclear Power and Secure Energy Transitions”、市場調査レポート等参照)。三菱重工業は、安全性と経済性に優れたSMRの開発を進めており、国内外での実用化が期待されます。

これらのGX関連技術は、エネルギー安定供給とカーボンニュートラルの両立に不可欠であり、長期的な成長ポテンシャルを秘めています。

株主還元と財務健全性

三菱重工業は、持続的な成長とともに株主還元の充実も重視しています。

年間配当増配+自社株買い 1,000 億円方針

  • 年間配当: 2025年3月期の年間配当は、前期の20円(株式分割後換算)から1円増配の23円となりました。さらに、2026年3月期は24円(中間12円、期末12円)と、さらなる増配を予定しています。これは3期連続の増配となります。
  • 自社株買い: 2025年5月9日の決算発表時点では、2025年3月期に関連する新たな大規模自社株買いの発表はありませんでした。しかし、同社は2023年5月に発表した中期経営計画(2024事業計画)において、2023年度から2025年度までの3年間で1,000億円規模の自社株買い枠を設定する方針を示しており、今後の動向が注目されます(2023年5月 三菱重工業「2024事業計画」)。

(2025年5月9日発表 三菱重工業株式会社「2024年度決算短信〔IFRS〕(連結)」、「2024年度決算説明資料」より) これらの株主還元策は、同社の好調な業績と財務基盤の安定性を反映したものと言えるでしょう。

ネットDEレシオ・格付け・フリーCF

財務健全性を示す指標も良好です。

  • ネットD/Eレシオ: 2025年3月末時点で0.26倍と、健全な水準を維持しています(2025年5月9日発表 三菱重工業株式会社「2024年度決算説明資料」P.12)。有利子負債のコントロールと自己資本の積み増しが進んでいます。
  • 格付け: 主要な格付機関からは安定した格付けを得ています(例:S&P A-、ムーディーズ A3など。最新情報は各格付機関の情報を参照ください)。
  • フリー・キャッシュ・フロー(FCF): 2025年3月期は3,427億円と、前期比で大幅に増加し過去最高を記録しました(2025年5月9日発表 三菱重工業株式会社「2024年度決算説明資料」P.4)。潤沢なFCFは、成長投資や株主還元、さらなる財務改善の原資となります。

外部環境&リスク要因

三菱重工業の事業を取り巻く外部環境は複雑であり、いくつかのリスク要因にも注意が必要です。

為替感応度・原材料コスト・大型案件損失リスク

  • 為替感応度: 三菱重工業はグローバルに事業を展開しており、輸出入ともに為替変動の影響を受けます。2025年5月9日発表の「2024年度決算説明資料」P.33によると、2025年度(2026年3月期)の前提為替レートは1ドル=145円、1ユーロ=155円としており、事業利益に対する為替感応度(1円の変動が年間に与える影響)は、対米ドルで約30億円、対ユーロで約4億円(未確定外貨ベース)とされています。円安は増益要因となりますが、急激な円高は業績の圧迫要因となり得ます。
  • 原材料コスト: 鋼材や非鉄金属などの原材料価格の高騰は、製造コストを押し上げる要因となります。サプライチェーンの安定化やコストダウン努力が継続的に求められます。
  • 大型案件損失リスク: 過去には、大型クルーズ船建造案件(2011年受注~)で多額の損失を計上した事例があります(2016年までの累計損失約2500億円、各種報道より)。プラント建設や航空宇宙開発などの大型プロジェクトは、技術的課題や工程遅延、仕様変更などにより、予期せぬコスト増や納期遅延が発生するリスクを内包しています。これらのリスク管理体制の強化が重要です。

競合比較:IHI・川崎重工&海外メガサプライヤー

三菱重工業の投資魅力を評価する上で、競合他社との比較は欠かせません。ここでは、国内の主要競合であるIHI(7013)、川崎重工業(7012)、そして海外のエネルギー分野大手であるGE Vernova (GEV) の主要指標を比較します。

表3: 競合企業とのバリュエーション指標比較(2025年5月9日近辺のデータに基づく参考値)
指標 三菱重工業 (7011) IHI (7013) 川崎重工業 (7012) GE Vernova (GEV)
PER (株価収益率) 約37.7倍 15.9倍 18.1倍 57.4倍
PBR (株価純資産倍率) 約5.0倍 4.01倍 2.12倍 10.0倍
EV/EBITDA 約17.3倍 7.00倍 (予想) 6.6倍 (実績) 52.94倍
研究開発費率 (対売上) 約4.3% (2025年3月期実績) 非掲載 (要個別確認) 非掲載 (要個別確認) 非掲載 (要個別確認)

出所: 三菱重工業のPER・PBR・EV/EBITDAは2025年5月9日の株価(2,754円と仮定)および2025年3月期決算短信・説明資料より算出。IHI、川崎重工業、GE Vernovaの数値はユーザー提供の参考資料「バリュエーション指標の比較分析」より(2025年5月9日時点)。研究開発費率は三菱重工業「2024年度決算説明資料」P.32より算出。 三菱重工業のPERやPBRは、国内競合と比較するとやや高めですが、これは防衛やGX分野の高い成長期待が織り込まれている可能性があります。海外のGE Vernovaはさらに高いバリュエーションとなっており、市場の期待の大きさがうかがえます。研究開発費率は、三菱重工業が将来の成長に向けた投資を継続していることを示しています。

投資判断シナリオ

三菱重工業への投資を判断する上で、以下の3つのシナリオが考えられます。

強気:防衛+GX 成長継続

  • 要因: 国内外の安全保障環境の変化を背景とした防衛予算の継続的な拡大と、それに伴う三菱重工業の安定的な受注獲得。GX分野では、水素ガスタービンやSMRの商用化が計画通り進展し、新たな収益の柱として確立。
  • 株価影響: 業績の持続的な成長と将来性への期待から、株価は現在の水準からさらに上昇する可能性。

中立:防衛伸長もエネルギープロジェクト停滞

  • 要因: 防衛事業は堅調に推移するものの、GX関連(特にSMRや大規模な水素プロジェクト)で技術的課題や許認可プロセスの遅延、市場形成の遅れなどが発生し、期待されたほどの早期の収益貢献が見られない。
  • 株価影響: 防衛事業が下支えするものの、GXへの過度な期待が剥落し、株価は一定のレンジ内での動きとなる可能性。

弱気:大型案件損失再発・円高

  • 要因: 過去のクルーズ船のような大型プロジェクトでの予期せぬ損失が再発. または、急激な円高進行による輸出採算の悪化と外貨建て資産の評価損。世界経済の減速による主要事業の需要低迷。
  • 株価影響: 業績への直接的な打撃と市場の信頼低下により、株価は下落するリスク。

これらのシナリオを参考に、ご自身の投資スタンスやリスク許容度に応じて判断することが重要です。

本日の株価・株式情報・参考指標

  • 株価:2,731.5円(15:30)/前日比 -161円 (-5.57%)
  • 前日終値:2,892.5円(05/08)・始値:2,897.5円(09:00)
  • 高値:2,965.5円(12:55)・安値:2,676.5円(14:04)
  • 出来高:152,767,900株・売買代金:429,769,051千円
  • 値幅制限:2,392.5~3,393円(05/09)
  • 時価総額:9,215,119百万円・発行済株式数:3,373,647,810株
  • 配当利回り(会社予想):0.81%・1株配当:22円(2025/03期)
  • PER(予想):38.26倍・PBR(実績):3.93倍
  • EPS(予想):71.40円・BPS(実績):695.90円
  • ROE(実績):11.14%・自己資本比率:35.9%
  • 最低購入代金:273,150円(100株単位)
  • 年初来高値:2,965.5円(25/05/09)・年初来安値:1,978円(25/02/25)
  • 投資家センチメント(掲示板投稿集計):強く買いたい58.05%・買いたい10.11%・様子見14.23%・売りたい3.75%・強く売りたい13.86%
  • 出典:Yahoo!ファイナンス 三菱重工業(7011)

三菱重工業(7011)のチャート分析・シナリオ

三菱重工業(7011)は本日、場中に決算発表があり、発表直後に一気に急落しました。終値は大きな陰線を形成し、前回高値2,931円をわずかに超えたところが天井となりました。相場の格言に「決算は悪材料出尽くし」というものがありますが、今回はその通りになるのでしょうか。テクニカル分析から今後の展開を見ていきましょう。 直近のチャート状況 現在の株価(2,731.5円)は5日移動平均線(5MA)を下回っており、短期的には弱い動きを示しています。チャートパターンとしては高値圏での大陰線形成が確認でき、短期的な上値の重さを示唆しています。

  • 5MA:直近で下向きに転換し始めており、短期的な弱さを示唆
  • 25MA:約2,497円付近で下値サポートとして機能する可能性大
  • 75MA:長期的なトレンドを支える重要な移動平均線
  • RSI:60付近から下落傾向、まだ売られ過ぎ水準には達していない
  • 出来高:決算発表時に急増しており、短期的な売り圧力の強さを示す

今後の展開シナリオ 短期的には25MA(約2,497円)が重要なサポートラインとなります。この水準でのプライスアクションに注目すべきです。25MAでのサポートが効けば、再度上昇トレンドに復帰する可能性が高いでしょう。一方、この水準を下抜けると、75MAがある2,300円台までの調整も視野に入れる必要があります。 ただし重要なのは、週足ベースでは依然として上昇トレンド中という点です。日足での調整はあっても、週足の上昇トレンドが継続している限り、押し目買いの好機と捉えることができます。 具体的な戦略

  • ショートタームトレーダー:25MA付近(2,497円)での反発を確認してからのエントリーが安全
  • スイングトレーダー:節目となる2,500円付近でのサポート形成を待つ
  • 中長期投資家:週足の上昇トレンドに注目し、大きな調整は買い増しの好機と捉える

特に注視すべきポイントは、5MAと25MAの位置関係です。5MAが25MAを下抜け、両者が下向きになった場合は、短期的なエントリーは控えるべきでしょう。一方、25MAでの反発が確認できれば、再度上昇トレンドへの復帰を期待できます。 三菱重工業は人気のある銘柄であり、大型株ならではの強さも持っています。決算発表後の調整は、長期的には良質な押し目買いの機会となる可能性も十分にあります。2,500円という心理的節目での値動きに注目していきましょう。

※(参考)以下の決算内容も参考にしてください

まとめ

三菱重工業は、2025年3月期に過去最高の業績を達成し、2026年3月期も増収増益を見込むなど、好調な経営状況にあります。その背景には、旺盛な防衛需要と、GX分野における将来性への期待があります。水素ガスタービンやSMRといった次世代技術は、長期的な成長の鍵となるでしょう。 株主還元についても、連続増配の方針が示されており、投資家にとって魅力的な要素の一つです。一方で、為替変動リスクや大型案件の遂行リスクも存在するため、これらの動向には引き続き注意が必要です。 競合他社との比較では、バリュエーションに成長期待が織り込まれている面も見られますが、独自の技術力と幅広い事業ポートフォリオは三菱重工業の強みです。 個人投資家としては、同社の強みである防衛・宇宙セグメントの安定的な成長、そしてGX関連事業の進捗を注視しつつ、外部環境の変化やリスク要因を総合的に勘案して、中長期的な視点での投資判断を行うことが推奨されます。今後の株主還元策の発表なども、重要なチェックポイントとなるでしょう。 免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

よくある質問

  • Q.2025年3月期決算で押さえるべき最大のポイントは? A.売上収益5兆271億円・事業利益3,831億円・当期利益2,619億円(親会社の所有者に帰属する当期利益は2,454億円)と過去最高を更新し、事業利益率も7.6%へ改善しました。詳細は決算短信をご覧ください。
  • Q.配当と自社株買いはどのような方針ですか? A.年間配当は23円→24円へ増配(株式10分割後ベース)。株主還元方針はDOE(株主資本配当率)4%以上を目安とした累進配当が中心で、総還元性向40%や自社株買い枠の具体額は開示されていません。
  • Q.日本の防衛費増額でどの程度の恩恵を受けますか? A.2025年度防衛関係費は8.7兆円と過去最高で、航空・防衛・宇宙セグメントの受注残は過去最高。スタンドオフ防衛・次期戦闘機など重点分野が中期成長を後押しします(防衛白書)。
  • Q.水素ガスタービンやSMR(小型モジュール炉)の商用化タイムラインは? A.ガスタービンは2030年までに水素100%燃焼での実用化を目指し、高砂水素パークで実証中。SMRは2040年頃の本格導入を想定し、日米欧連携で技術開発を加速しています(経産省GX資料)。
  • Q.投資判断で注意すべき主なリスクは? A.円高(1円高で営業利益▲30億円)、過去に発生した大型プロジェクト損失の再発、原材料高騰が主な懸念点です。四半期ごとの案件進捗と為替動向をチェックしながら投資スタンスを調整してください。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 売上収益 ― 商品やサービスの販売で得た総収入。旧来の「売上高」に相当します。
  • 事業利益 ― 本業のもうけを示す指標で、営業利益とほぼ同義。特殊要因を除いた実力値を把握できます。
  • フリーキャッシュフロー(FCF) ― 事業で得た現金から投資に使った現金を差し引いた残り。企業が自由に使える余力を示します。
  • EPS(1株当たり利益) ― 当期利益を発行株式数で割った値。株主が1株で稼げる利益の目安です。
  • 受注残 ― 契約済みで未計上の売上高。将来の売上が“確定”しているバックログを示します。
  • D/Eレシオ ― 有利子負債÷自己資本で算出する財務健全性指標。1倍以下が安全圏の目安。
  • 総還元性向 ― 配当金と自社株買いを合計した株主還元額を当期利益で割った割合。株主にどれだけ利益を返すかを示します。
  • PER・PBR ― PERは株価÷EPS、PBRは株価÷BPS(1株当たり純資産)。株価の割安度を測る代表的指標です。
  • EV/EBITDA ― 企業価値(EV)をキャッシュ創出力(EBITDA)で割った値。M&A市場での妥当価格を測ります。
  • スタンドオフ防衛 ― 敵の射程外から攻撃できる長射程ミサイルなどによる防衛能力を指します。
  • GX(グリーントランスフォーメーション) ― 脱炭素を軸に産業構造を変革し経済成長を図る取り組み。水素ガスタービンなどが代表例。
  • SMR(小型モジュール炉) ― 出力30万kW級以下の安全性が高い次世代原子炉。工場製造のモジュールを現地で組み立てるのが特徴です。
  • 累進配当 ― 減配しないことを原則とし、利益成長に応じて段階的に配当を引き上げる方針。
  • 為替感応度 ― 為替レートが1円動いた際に営業利益がどれだけ増減するかを示す目安。

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松田 悠寿
㈱ビーシーアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。