特定技能実習

【2025年最新版】技能実習→特定技能のビザ切替完全ガイド|罰則ゼロで許可率95%を実現する11ステップ

【2025年最新版】技能実習→特定技能のビザ切替完全ガイド|罰則ゼロで許可率95%を実現する11ステップ

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この記事の要点・結論

2025年、技能実習から特定技能への在留資格切替は、制度改正により手続きが合理化される一方、コンプライアンス遵守の要求はかつてなく厳格化しています。この記事では、切替プロセスを「失敗ゼロ」で完了させ、在留資格取消しや罰則といった重大なリスクを回避するための実務ポイントを網羅的に解説します。結論として、成功の鍵は「①最新の移行条件と免除要件の正確な理解」「②罰則に直結する5大落とし穴の回避」「③2025年改正に対応した支援計画の策定と実行」の3点に集約されます。本ガイドを参考に、外国人材と受入企業の双方にとって安全で確実な移行を実現しましょう。

技能実習→特定技能 切替の基礎知識(2025年最新)

技能実習制度から特定技能制度への移行は、日本で培った技術と経験を活かし、より長く活躍してもらうための重要なキャリアパスです。しかし、二つの在留資格は目的も要件も大きく異なるため、その違いを正しく理解することが第一歩となります。

在留資格の違いと移行条件

  • 技能実習:開発途上国への技能移転を目的とした「研修・訓練」制度。
  • 特定技能:国内の人手不足解消を目的とした「労働」制度。

この目的の違いが、在留期間や転職の可否といった具体的な条件に反映されています。移行を成功させるには、まずこれらの基本的な違いを把握しておく必要があります。

項目 技能実習 特定技能1号
目的 国際貢献(技能移転) 人手不足分野での労働力確保
在留期間 最長5年 通算5年
転職の可否 原則不可 同一分野内で可能
家族帯同 不可 不可
受入機関 監理団体・実習実施者 特定技能所属機関

表1: 技能実習と特定技能1号の主な違い

技能実習から特定技能へ移行するための基本条件は、以下の通りです。

  • 原則として、技能実習2号を良好に修了していること。
  • 従事しようとする業務が、修了した技能実習の職種・作業内容と関連性が認められる業務区分であること。
  • 上記の条件を満たせない場合は、希望する特定産業分野の技能測定試験と日本語試験に合格すること。
  • 受入機関(企業)が、法令で定められた受入基準をすべて満たしていること。

罰則リスクを招く5大落とし穴

申請が不許可になるだけでなく、最悪の場合は罰則や在留資格取消しにつながるケースには、共通の「落とし穴」が存在します。ここでは、特に注意すべき5つのポイントを、実際の違反事例を交えながら解説します。

① 試験免除要件の誤解

特定技能への移行では、技能実習2号を良好に修了し、かつ関連業務分野へ移行する場合に技能試験と日本語試験が免除されます。しかし、この「良好に修了」と「関連業務」の解釈を誤解しているケースが後を絶ちません。

  • 「良好な修了」とは:技能実習計画を2年10ヶ月以上満了し、技能検定3級またはこれに相当する技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格している状態を指します。
  • 「関連業務」とは:技能実習の職種と特定技能の業務分野の関連性が、出入国在留管理庁が定める対応表で認められている必要があります。

単に「技能実習を終えた」だけでは免除対象にはなりません。特に、自己都合で実習期間を短縮した場合や、試験に不合格だった場合は免除されないため、改めて試験に合格する必要があります。

② 実務経験の空白期間

技能実習終了後、特定技能への切替準備のために一時帰国したり、国内で待機したりするケースがあります。この空白期間が不合理に長い場合や、その間の活動内容を明確に説明できない場合、在留状況が良好でないと判断され、不許可のリスクが高まります。申請の際は、空白期間が生じた理由と、その間の活動内容を合理的に説明する文書を添付することが重要です。

③ 就労内容のミスマッチ

特定技能ビザで許可されている業務は、分野ごとに厳密に定められています。例えば、「外食業」の特定技能を持つ外国人が、付随業務として認められる範囲を超えて、店舗の経理やマネジメント業務に専従することは認められません。こうした就労内容のミスマッチが発覚した場合、受入企業は不法就労助長罪(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)に問われる可能性があります。

技能実習の職種 移行可能な特定技能分野 移行不可な特定技能分野の例
耕種農業 農業 介護、建設
惣菜製造業 飲食料品製造業 外食業、ビルクリーニング
介護 介護 宿泊、漁業

表2: 技能実習と特定技能の業務関連性(一部抜粋)

④ 書類偽装・虚偽申請

過去の失踪歴や転職歴を隠すために履歴書を偽装したり、受入機関が存在しないにも関わらず在職証明書を偽造したりする行為は、最も重い処分を招きます。2024年5月には、栃木県で約350人の外国人に対し、虚偽の在職証明書を作成したブローカーが逮捕される大規模な事件も発生しました。また、申請者本人に悪意がなくとも、支援機関が署名を代筆するなどの行為も虚偽申請と見なされ、2020年8月には登録支援機関が初の登録取消処分を受けています。書類の真正性は、申請における絶対的な前提条件です。

⑤ 支援計画の不備

特定技能外国人を受け入れる企業には、詳細な支援計画の作成と実行が義務付けられています。この計画が名ばかりで、定期的な面談や日本語学習の機会提供、相談対応などが適切に行われていない場合、支援義務違反と判断されます。2025年4月からは、支援計画の実施が困難になった場合に届出が義務化されるなど、支援の質に対する監督は一層強化されています。テンプレートを流用しただけの計画ではなく、個々の外国人に合わせた実効性のある計画を策定・実行し、その記録をきちんと保管することが不可欠です。

成功率95%を実現する11ステップ実務フロー

複雑に見える切替手続きも、ステップごとに着実に進めることで、リスクを最小限に抑えることができます。ここでは、申請を成功に導くための標準的な11ステップのフローを紹介します。

ステップ1:移行要件の事前確認

まず、外国人本人が移行要件を満たしているかを確認します。「技能実習2号の修了証明書」「技能検定の合格証」などを確認し、試験免除の対象となるかを正確に判断します。

ステップ2:受入機関の適格性チェック

次に、受入企業側が労働・社会保険関係法令を遵守しているか、過去5年以内に入管法・労働法関連の不正がないかなどを確認します。税金や社会保険料の未納も不許可の要因となります。

ステップ3:業務内容の整合性確認

本人の技能実習での職種と、特定技能で従事する業務の関連性を、公式の対応表で再確認します。

ステップ4:技能・日本語試験の受験(必要な場合)

試験免除の対象外であれば、希望する分野の技能測定試験と、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)N4以上に合格する必要があります。合格率は分野によって大きく異なるため、事前の情報収集と準備が重要です。

ステップ5:雇用契約の締結

労働時間、業務内容、報酬額などを明記した「特定技能雇用契約書」を締結します。報酬額は、同業務に従事する日本人と同等以上でなければなりません。

ステップ6:「1号特定技能外国人支援計画」の作成

職業生活上、日常生活上、社会生活上の支援内容を具体的に定めた計画書を作成します。2025年4月からの改正で、地方公共団体が実施する共生施策を踏まえた計画作成が求められるようになりました。

ステップ7:地方自治体との連携と「協力確認書」の取得

2025年4月からの新要件として、事業所や住居地がある市区町村に対し、外国人材の受入れに関する情報を提供し、「協力確認書」を取得・提出することが義務付けられました。

ステップ8:事前ガイダンスの実施

雇用契約の内容、日本での活動内容、入国・在留に関する手続きなどについて、本人が十分に理解できる言語で説明します。

ステップ9:在留資格変更許可申請

必要書類一式を揃え、管轄の地方出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請」を行います。申請から許可までは通常1〜3ヶ月程度かかります。

ステップ10:審査・許可と在留カードの受領

審査が無事完了すると、許可通知が届きます。その後、新しい在留カードを受け取ります。

ステップ11:就労開始と支援計画の履行

就労開始後、作成した支援計画に基づき、定期的な面談(3ヶ月に1回以上)、相談対応、各種手続きの支援などを継続的に行います。2025年4月からは、これらの支援実施状況を年1回報告することが義務化されました。

ケーススタディ:許可・不許可の審査ポイント比較

審査のポイントは、提出された書類全体から「申請内容の信頼性」と「法令遵守の姿勢」が確認できるかどうかにかかっています。許可されるケースと不許可になるケースには、明確な違いがあります。

審査項目 許可されるケース(A社) 不許可になるケース(B社)
申請書類 すべての記載内容が正確無比で、他の提出書類との間に矛盾がない。 履歴書の職歴と、過去の申請内容に食い違いがある。
移行の経緯 技能実習の良好な修了が証明されており、円満退社後、速やかに切替準備に入っている。 技能実習を自己都合で早期に辞め、次の就職まで半年以上の空白期間がある。
受入機関の体制 日本人と同等以上の賃金を保証し、社会保険にも適切に加入。支援計画も具体的。 最低賃金ギリギリの給与設定で、支援計画の内容が抽象的・形式的。
支援計画 2025年改正に対応し、自治体の共生施策(日本語教室など)への参加を具体的に計画している。 古い様式を使い、定期面談以外の具体的な支援内容が記載されていない。

表3: 許可・不許可事例のポイント比較

成功事例として、食品製造業のアミュード株式会社では、採用時に日本語能力を重視し、手厚い生活支援を行うことで定着率100%を達成しています。また、介護事業のベネッセスタイルケアでは、自社で支援を行うことで信頼関係を構築し、24名全員が継続勤務するという驚異的な成果を上げています。これらの企業に共通するのは、外国人を単なる労働力ではなく、共に働く仲間として受け入れ、長期的なキャリア形成を支援する姿勢です。

2024‑2025 改正ポイントと追加義務

2025年を中心に、外国人雇用を取り巻くルールは大きく変わります。特に罰則強化と届出義務の変更は、すべての受入企業と支援機関が把握すべき最重要事項です。

失踪対策・賃金未払い指導強化・監理団体への罰則

外国人材の失踪や人権侵害問題への対応として、監督官庁の指導は年々厳格化しています。特に、監理団体や登録支援機関に対する行政処分は増加傾向にあり、2025年3月には4つの監理団体が監査不実施などを理由に一斉に許可を取り消されるなど、厳しい姿勢が示されています。違反が発覚した場合、技能実習法第22条特定技能法第16条に基づき、許可取消しや業務停止命令といった重い処分が下されます。

支援計画様式3号(2025年改訂版)のポイント

2025年4月1日から、特定技能の各種届出様式が大幅に改訂・統合されました。特に重要な変更点は以下の通りです。

  • 定期届出の年1回化:四半期ごとだった「受入れ・活動状況」「支援実施状況」の届出が、年1回の「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(参考様式第3-6号)」に統合されました。事務負担は軽減されますが、1年分の記録を正確にまとめて報告する必要があり、管理の重要性は増しています。
  • 新たな随時届出の創設:自社で支援を行っている場合に「支援計画の実施が困難になった際の届出(参考様式第3-7号)」が新設されました。これにより、計画倒れを防ぎ、支援の質を担保する狙いがあります。
  • 自治体との連携義務:支援計画書(参考様式第1-17号)に、地域の共生施策を踏まえた支援を行うことが明記され、自治体発行の「協力確認書」の提出が必須となりました。

チェックリスト:提出書類・タイムライン・責任分担

切替申請をスムーズに進めるために、4つのカテゴリに分けた20項目のチェックリストをご活用ください。

本人要件

  • パスポート・在留カードの有効期限は十分か
  • 「技能実習2号を良好に修了したこと」を証明できるか
  • (免除でない場合)技能・日本語試験に合格しているか
  • 健康診断個人票は準備できているか
  • 住民税等の納税証明書を取得できるか

企業要件(受入機関)

  • 労働保険関係成立届の控えはあるか
  • 社会保険・厚生年金に適切に加入しているか
  • 過去5年以内に労働法・入管法違反等がないか(誓約書)
  • 日本人と同等以上の報酬を定めた雇用契約書を作成したか
  • 報酬の同等性に関する説明書を準備したか

書類要件

  • 在留資格変更許可申請書(様式あり)
  • 特定技能所属機関に関する届出書(様式あり)
  • 1号特定技能外国人支援計画書(2025年改訂様式)
  • 地方公共団体発行の「協力確認書」
  • 手数料納付書(2025年4月から手数料改定)

支援要件(登録支援機関・自社支援)

  • 支援責任者・担当者を選任しているか
  • 生活オリエンテーションの実施計画は具体的か
  • 3ヶ月に1回以上の定期面談計画があるか(オンライン可)
  • 休日・夜間の緊急時対応体制は整っているか
  • 年1回の支援実施状況報告に向けた記録管理体制は万全か

まとめ

技能実習から特定技能への切替は、2025年の制度改正を経て、新たなフェーズに入りました。手続きの簡素化という恩恵がある一方で、受入企業や支援機関に求められるコンプライアンス水準は格段に引き上げられています。「知らなかった」では済まされない罰則リスクを確実に回避するためには、最新の法令を正確に理解し、一つひとつの手続きを丁寧に行う地道な努力が不可欠です。

本ガイドで示した「5大落とし穴」を避け、「11ステップのフロー」と「チェックリスト」を確実に実行することが、失敗しない切替への最短ルートです。外国人材を貴重なパートナーとして迎え入れ、共に成長していくために、本記事がその一助となれば幸いです。

よくある質問

  • Q. 技能実習から特定技能へ切替える際、必須の試験は何ですか?
    A. 原則として技能測定試験日本語試験(JFT‑Basic または JLPT N4 以上)が必要です。分野別の合格率や最新日程は出入国在留管理庁で確認できます。
  • Q. 技能測定試験が免除されるケースはありますか?
    A. 技能実習2号を良好修了し、同一職種で切替える場合は試験免除が適用されます。ただし在留状況不良や職種ミスマッチがあると免除対象外となります(詳細は入管庁告示を参照)。
  • Q. 不許可になった場合、再申請はできますか?
    A. 不許可理由を解消すれば再申請可能です。再申請までの目安は3か月以降ですが、虚偽申請や書類偽装による不許可は6か月〜5年間の申請制限が課されることがあります(不許可事例集)。
  • Q. 切替手続きにかかる標準処理期間は?
    A. 2〜3か月が目安です。提出書類に不備がなく、受入企業が法令遵守している場合は短縮されることもあります(2025/05 入管庁統計)。
  • Q. 受入企業が満たすべき主な条件は?
    A. 労基法・社保完備、適正な賃金支払、36協定締結のほか、協力確認書の提出と支援体制の整備が必須です(2025/04 省令改正、公式ガイドライン)。
  • Q. 2025年改正で最も重要な変更点は?
    A. 定期届出が年4回→年1回へ簡素化された一方、未提出時の罰金(30万円以下)が新設されました。また、市区町村との共生施策連携が義務化されています。
  • Q. 支援計画様式3号は誰がどこに提出しますか?
    A. 受入企業が作成し、在留資格変更申請時に入管庁へ提出します。自社支援の場合、実施困難時は様式3‑7号で随時届出が必要です。
  • Q. 技能実習中に失踪歴がある場合、切替は可能ですか?
    A. 原則として失踪歴があると不許可となります。正当な理由と証拠資料が認められれば例外的に許可されることもありますが、許可率は1%未満と極めて低いとされています(2024/12 不許可統計)。

参考サイト

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。