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FP試験の「相続分野の基礎知識」を完全攻略!出題傾向・頻出論点・勉強法を網羅解説

FP試験の「相続分野の基礎知識」を完全攻略!出題傾向・頻出論点・勉強法を網羅解説

Contents

この記事で得られること

  • 相続分野の試験範囲・頻出論点・最新出題傾向がわかる
  • 法定相続分や相続税計算など必須の数字を最短で暗記できる方法がわかる
  • 失点しやすいひっかけポイントとその回避法を具体的に知ることができる
  • 本番までの学習スケジュール例と効率的な教材活用術を手に入れられる
  • 合格後に実務で役立つ“お金の教養”としての相続知識が身に付く

ファイナンシャルプランナー試験における「相続分野の基礎知識」とは

相続分野は学科6科目のうち「相続・事業承継設計」に含まれる領域で、法律・税務・民法の3視点から相続を総合的に問うのが特徴です。CBT化により問題形式が変わっても、問われる知識そのものは変わらないため、体系的なインプットと過去問演習がそのまま得点直結につながります。

① 試験範囲・シラバス概要

  • 法定相続人と相続順位(民法887・890条ほか)
  • 法定相続分・遺留分・特別受益・寄与分
  • 相続の承認・放棄、限定承認(3ヶ月ルール)
  • 相続税の計算手順と基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)
  • 各種贈与特例(教育資金1,500万円・住宅取得・配偶者控除ほか)
  • 事業承継税制・配偶者居住権(2020年施行)など最近の法改正

② 出題傾向と配点イメージ

  • 3級:○×式・三答択一式あわせて10~12点前後
  • 2級:択一式5問+実技(計算・記述)で合計15~20点前後
  • 1級:専門実技で記述+計算の高難度問題

相続分野は毎回ほぼ同数の問題が出題される“固定配点”ゾーン。攻略すれば安定して合格ラインを超える強力な得点源になります。

まず覚える!相続分野の必須数字5選

  • 法定相続分:配偶者+子=各1/2/配偶者+直系尊属=2/3:1/3/配偶者+兄弟姉妹=3/4:1/4
  • 基礎控除:3,000万円+600万円×法定相続人
  • 相続の承認・放棄期限:3ヶ月 / 準確定申告:4ヶ月 / 相続税申告:10ヶ月
  • 贈与税の基礎控除:110万円(受贈者ごと・毎年)
  • 相続時精算課税:2,500万円まで非課税、超過分20%課税

語呂合わせで一気に暗記

  • 「遺産はサブロー基礎控除」…3,000+600×人数
  • 「3・4・10」…承認放棄3ヶ月、準確定4ヶ月、申告10ヶ月
  • 「ソーセージ2個のカリー」…相続時精算課税2,500万・20%

よく出る計算問題の解法フロー

ステップ1:課税遺産総額の算出

  • 遺産総額-非課税財産-葬式費用-債務=課税価格
  • 課税価格 - 基礎控除 = 課税遺産総額

ステップ2:法定相続分で按分

各相続人の法定相続分に応じた取得金額を計算。

ステップ3:速算表で相続税額を計算

  • 取得金額ごとに税率・控除額を適用
  • 計算結果を合計=相続税の総額

ステップ4:各人の納付税額

総額を法定相続分で按分し、加算・控除(配偶者軽減等)を適用。

過去10年の頻出論点まとめ

  • 法定相続人の人数判定:配偶者は常に相続人/養子の数制限/代襲相続の可否
  • 基礎控除計算:法定相続人のカウントミスが最多
  • 贈与特例:教育資金1,500万・配偶者控除2,000万・住宅取得非課税…要件の違いを整理
  • 相続税2割加算:配偶者・直系卑属以外は加算/代襲孫は加算対象
  • 配偶者居住権(2020年~):評価方法と課税関係に要注意

ひっかけパターン&対策

  • 相続放棄した子…代襲相続は発生しない
  • 生命保険金…原則相続財産に含まれない(ただし特別受益判定で例外)
  • 贈与税基礎控除110万円受贈者ごと(贈与者ごとではない)

合格に直結!学習スケジュール例

試験3か月前からの逆算プラン

  • D-90~D-60:公式テキスト1周+語呂合わせ暗記
  • D-59~D-30:過去問3回分×3周 → 間違いノート作成
  • D-29~D-10:実技対策(相続税計算シミュレーション)
  • D-9~D-1:総チェックリストで知識穴埋め+最新法改正確認
  • 当日朝:数字カード・語呂合わせだけ確認し脳内ウォームアップ

おすすめ教材・学習リソース

書籍

  • 『FP2級・AFP 合格のトリセツ 速習テキスト 2024-25』‐ 最新法改正に対応
  • 『スゴい!だけじゃない!!FP2級AFP テキスト&問題集』‐ CBT対応版

無料動画

過去問サイト

内部リンクでさらに理解を深める

公的機関・一次情報で信頼度アップ

まとめ:相続分野を“得点源”に変える3ステップ

  • STEP1:必須数字と語呂合わせで土台を固める
  • STEP2:過去問3周+計算パターン演習で得点率80%へ
  • STEP3:最新法改正・ひっかけポイントを試験直前に総チェック

この3ステップを着実にこなせば、相続分野は「苦手科目」から「安定得点ゾーン」へ変わります。終盤で点を稼ぎ切るために、本記事を学習ロードマップとしてご活用ください。

次に読むべき記事

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オリジナル練習問題

問題1 配偶者の相続権

被相続人の配偶者は、他に相続人の有無を問わず常に法定相続人となる。
解答:◯

解説:民法890条により、配偶者は常に相続人であり順位から外れない。

問題2 非嫡出子の法定相続分

非嫡出子の法定相続分は、嫡出子の二分の一である。
解答:×

解説:民法改正(2013年)により、嫡出子と非嫡出子の相続分は同等となった。

問題3 代襲相続の範囲

代襲相続は被相続人の子の直系卑属(孫・曾孫など)に限られ、兄弟姉妹の子には及ばない。
解答:×

解説:民法889条2項により、被相続人の兄弟姉妹が死亡・欠格・廃除の場合、その子(甥・姪)も代襲相続人となる。ただし甥姪の子への再代襲は認められない。

問題4 相続放棄の申述期限

相続放棄は、相続の開始と自己の相続開始を知った日から原則3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければならない。
解答:◯

解説:民法915条に定められた「熟慮期間」。過ぎると単純承認したものとみなされる。

問題5 単純承認の効果

単純承認をすると、相続人は被相続人の債務についても無限責任を負う。
解答:◯

解説:限定承認や相続放棄と異なり、単純承認は財産・債務のすべてを無限に承継する。

問題6 兄弟姉妹の遺留分

兄弟姉妹にも遺留分が認められており、遺留分侵害額請求ができる。
解答:×

解説:遺留分権利者は配偶者・子・直系尊属に限られ、兄弟姉妹には遺留分がない。

問題7 遺産分割協議の自由度

遺産分割協議では、法定相続分を必ず遵守しなければならない。
解答:×

解説:相続人全員の合意があれば、法定相続分と異なる割合で分割しても有効。

問題8 遺留分侵害と遺言の効力

遺言で全財産を第三者へ遺贈し配偶者の遺留分を侵害した場合、その遺言は当然に無効となる。
解答:×

解説:遺言自体は有効で、遺留分を侵害された相続人が「遺留分侵害額請求」をしなければ効力が覆らない。

問題9 相続税の基礎控除額

相続税の基礎控除は「4,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」である。
解答:×

解説:正しくは「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」。

問題10 遺産分割前の共有持分

遺産分割が完了するまでの間、法定相続人は法定相続分に応じた共有持分で相続財産を所有している。
解答:◯

解説:民法898条により、遺産分割前は共同相続人の共有状態となる。

よくある質問

  • Q.法定相続人とは何を指しますか?
    A.民法で定められた「相続権を持つ人」を指します。配偶者は常に相続人となり、血族は子→直系尊属→兄弟姉妹の順位です。詳しくはFP試験「相続」超徹底攻略!も参考にしてください。
  • Q.相続税の申告期限(10カ月)を過ぎるとどうなりますか?
    A.延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生します。期限内に申告・納付が難しい場合は、税務署に「延納」や「物納」の相談を早めに行いましょう。
  • Q.遺留分と法定相続分の違いは何ですか?
    A.法定相続分は「遺産分割の基準となる割合」、遺留分は「最低限保証される取り分」です。兄弟姉妹には遺留分がない点に注意してください。
  • Q.限定承認はどのようなケースで選択しますか?
    A.相続財産がプラスかマイナスか判然としない場合に、プラスの範囲内で債務を負担する制度です。家庭裁判所への申述が必要で、相続開始を知った日から3カ月以内に手続きします。
  • Q.相続放棄をした場合、放棄者の子は代襲相続できますか?
    A.できません。相続放棄は本人の意思によるため、代襲相続の対象外となります(民法887条の但し書き)。
  • Q.FP試験の相続分野をマスターするための目安学習時間は?
    A.全6科目のうち15〜20%に相当する25〜50時間が目安です。学習ロードマップは独学でも最短合格!FP試験完全攻略ガイドをご覧ください。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 法定相続人:民法で定められた相続権を持つ人。配偶者は常に相続人となり、血族は子→直系尊属→兄弟姉妹の順位。
  • 法定相続分:法律が規定する遺産分割の基準割合。配偶者と子なら各1/2、配偶者と直系尊属なら2/3と1/3など。
  • 遺留分:被相続人の自由な遺産処分から一定割合を確保する相続人の最低保障分。兄弟姉妹には認められない。
  • 代襲相続:本来の相続人が死亡・欠格・廃除の場合に、その子などが相続分を承継する制度。相続放棄時は発生しない。
  • 相続税の基礎控除:相続税計算で一律に差し引ける額。3,000万円+600万円×法定相続人の数。
  • 速算表:相続税額を法定相続分ごとに簡便計算できる表。国税庁が公表。
  • 限定承認:相続財産のプラスの範囲内で債務を負担する方式。家庭裁判所へ3カ月以内に申述する。
  • 相続放棄:相続人が一切の権利義務を放棄する手続き。熟慮期間は相続開始を知ってから3カ月。
  • 配偶者居住権:2020年施行。配偶者が自宅に終身無償で住み続けられる権利で、譲渡不可・相続税非課税。
  • 特別受益:生前贈与や遺贈など、相続人が受けた特別な利益。持戻し計算で遺産分割の公平を図る。

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。