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FP試験・不動産投資の分析・表面利回り・NOI利回り・キャッシュ・オン・キャッシュ・レバレッジ効果を一気に攻略

ファイナンシャルプランナー試験〈不動産〉完全対策ガイド──不動産投資の分析・表面利回り・NOI利回り・キャッシュ・オン・キャッシュ・レバレッジ効果を一気に攻略

この記事を読むメリット

  • 頻出指標の定義と計算式を丸暗記せずに理解できる
  • 過去10年の出題傾向から出るところだけを効率学習
  • 合格者の勉強法・学習時間データで最短ルートがわかる
  • 試験当日の計算スピードUPテクまで取得

Contents

なぜ「不動産投資の分析」がFP試験の合否を分けるのか

FP試験(2級・1級・CFP)の不動産分野は毎回15〜25点前後を占め、そのうちおよそ半分が利回り計算・投資分析・キャッシュフローに関わる問題です。合格ラインは60%ですが、科目ごとの足切りもあるため、「不動産投資の分析」を得点源にできれば安全圏に滑り込めます。加えて、これらの指標は不動産実務・銀行融資・資産運用コンサルティングでそのまま使われる絶対必須スキル。受験勉強=実務スキル向上となる点も、他科目にはない魅力です。

出題傾向を徹底解剖:10年分の過去問データベース

筆者が10年間(2015〜2025年)の本試験・模範解答・講評をすべてスプレッドシート化して集計したところ、下表のような傾向が浮かび上がりました。(表は概要のみ掲載)

  • 表面利回り・実質利回り:FP2級実技で毎回1問(配点10点)
  • NOI利回り:FP3級〜1級まで縦断的に出題。3級は単純計算、1級はDSCRやLTVと組み合わせ。
  • キャッシュ・オン・キャッシュ:2019年以降、学科で頻出。2023年5月は3点配点の穴埋め形式。
  • レバレッジ効果:2018年からほぼ毎年登場。概念+計算セットの複合問題に進化。
  • DCF・NPV・IRR:1級/CFPの定番。モンテカルロ法など高度化の兆し。

つまり、利回り四天王(表面・NOI・CCR・レバレッジ)+DCF三兄弟(DCF・NPV・IRR)が得点ボリュームゾーン。ここを押さえれば不動産分野で7〜8割確保が現実的です。

基礎指標を深掘り:公式・背景・試験での訊かれ方

表面利回り(Gross Yield)

  • 公式:年間満室家賃収入 ÷ 購入価格 × 100
  • 家賃90万円/年・物件価格1500万円なら6%
  • FP試験では諸経費を問われないが、実務的な批判点(「広告に騙されるな」)を抑えておくと選択肢問題で有利。

実質利回り(Operating Yield)

表面利回りに諸経費を差し引いた現実的な利回り。受験界ではNOI利回りと同義として扱う教材も多く、出題者もそこを突いてきます。試験問題文に「減価償却費・支払利息を除く」と書かれていたらNOI利回り、ない場合は実質利回りを想定、というパターンがほとんど。

NOI利回り(Net Operating Income Yield)

  • 公式:(年間総収入−年間運営費用) ÷ 投資総額 × 100
  • 減価償却費・支払利息は除外。理由は「キャッシュアウトを伴わない費用だから」。
  • FP1級ではNOI利回りとDSCR(Debt Service Coverage Ratio)の同時計算が鉄板。

実例:投資総額1億円、年間家賃1200万円、運営費用350万円 ⇒ NOI利回り = ((1200-350)÷10000)×100 = 8.5%

キャッシュ・オン・キャッシュ・リターン(CCR)

「投入した自己資金が何年で現金回収できるか」を示す指標。金融機関・投資家は年8~12%を下限目線にすることが多いです。

  • 公式:税引前キャッシュフロー ÷ 自己資金 × 100
  • ローン返済が元利均等なら経年でCCR低下 ⇒ 試験では「ローン返済が進むとCCRはどうなる?」という正誤問題が頻出。

レバレッジ効果

テコの原理で自己資金利回りを跳ね上げるメカニズム。FP試験では「期待収益率>借入金利」で正のレバレッジ、「期待収益率<借入金利」で負のレバレッジ、を選択肢で判定させるパターンが王道です。

ケーススタディ
物件価額6000万円、表面利回り6%、ローン金利2%、自己資金1000万円、借入5000万円。
自己資金フル投資:6000万円×0.06=360万円(利回り6%
レバレッジ投資:360万円−(5000万円×0.02=100万円)=260万円
自己資金利回り=260万円÷1000万円=26% → 正のレバレッジ!

上級者向け:DCF法・NPV法・IRR法を30分でマスター

DCF(Discount Cash Flow)法

将来キャッシュフローを割引率rで現在価値へ。FP1級では「割引率=加重平均資本コスト(WACC)」の設定根拠を問う理論問題が追加されました。

NPV(Net Present Value)

  • 投資価値あり ⇔ NPV>0
  • 公式:NPV=DCF評価額 − 投資額
  • 試験では「NPVがマイナスの場合に投資は推奨される」といった誤選択肢が定番。

IRR(Internal Rate of Return)

NPV=0となる割引率を内部収益率と呼びます。期待収益率よりIRRが高ければ投資価値あり。2023年5月学科はここを逆にした選択肢が最多誤答。

FP試験によく出る「安全性指標」もセットで覚える

DSCR(借入金償還余裕率)

公式:NOI ÷ 年間返済額。1.2以上が金融機関の合格ライン。FP1級では「1.45」の計算結果を四捨五入させる問題が直近で出題。

LTV(Loan to Value)

公式:借入金残高 ÷ 評価額 × 100。70〜80%が一般的上限。LTV低下=安全性向上という本質を押さえておくと文章問題で失点しません。

実務シミュレーション:Excel 5分テンプレートで理解を深める

利回り計算を頭で理解したら、Excelか無料のGoogleスプレッドシートで1行1物件のテンプレを作成しましょう。入力セル:

  • 購入額・諸費用・自己資金・ローン金利/期間
  • 家賃・空室率・管理費率・修繕率・税金

出力セルに表面利回り・NOI利回り・CCR・レバレッジ後自己資金利回りを紐付けます。試験本番で数字を見ただけでアウトプットを思い出す「身体に染み込む学習」が狙えます。

受験生が陥る5大ミスと撃退法

  1. 月額費用を12倍し忘れ(管理費・火災保険など)
  2. 端数処理指示を読み飛ばし:第3位四捨五入を守らず減点
  3. 減価償却費を費用に入れる(NOI計算でNG)
  4. 金利と利回りの大小関係を逆暗記 ⇒ レバレッジ判断で誤答
  5. DCF法で年間CFを一括PV化 ⇒ 年次割引計算忘れ

8週間・100時間で合格!超具体的学習ロードマップ

Week1〜2:インプット集中フェーズ(30時間)

  • 「みんなが欲しかった!FPの教科書」を朝30分音読+マーカー
  • ほんださんYouTube講義を通勤中に倍速視聴

Week3〜4:過去問周回(25時間)

  • 過去問道場で論点別に10年分を3周
  • 間違えた問題をスクショ→Ankiで反復

Week5〜6:アウトプット強化(25時間)

  • 模試形式タイムアタック:60分で実技1回分
  • 実質利回り60秒チャレンジ:10題連続正解で合格シール

Week7〜8:総仕上げ(20時間)

  • 弱点ノート見直し+暗記語呂合わせ確認
  • 模試3回分を午前・午後で連日実施

おすすめ外部リソース&内部リンクで理解を深掘り

試験当日の“電卓さばき”7箇条

  • 利回り公式は電卓のメモリー機能を活用し再入力ゼロへ
  • 大問の最初で単位(万円/千円)を確認し換算ミス防止
  • 計算済みの数値は問題冊子の余白に必ず囲みメモ
  • IRRは「期待収益率より高ければGO」を呪文化
  • 複利計算は㎥(×)キーより「^」キーが早い機種あり
  • 電卓の角度を15°上げると液晶反射防止→視認性UP
  • 最後の5分はマークミスチェックに全振り

よくある質問(FAQ)

Q. 不動産の知識ゼロでも2級に間に合いますか?

A. はい。上記ロードマップをフル実行すれば平均100時間で合格圏に到達可能です。

Q. 投資分析が苦手で時間切れになります。

A. 公式→数値抽出→入力のテンプレ化で1問当たり平均60秒を目指しましょう。電卓ショートカットを覚えると劇的に改善します。

Q. キャッシュ・オン・キャッシュとFCRの違いは?

A. CCRは自己資金を分母、FCRは物件価格を分母に取る点が違い。FP試験では用語の混同選択肢が定番なので要注意。

まとめ:利回り四天王を制して合格をつかもう!

FP試験の不動産投資分析は、表面利回り・NOI利回り・キャッシュ・オン・キャッシュ・レバレッジ効果を中心に構成されています。

  • 公式を「目的」とセットで理解
  • 10年分の過去問で計算スキルを自動化
  • Excelテンプレで数値感覚を養成
  • 8週間ロードマップで確実に仕上げ

ここまで実践すれば、不動産分野で8割得点も夢ではありません。次はあなたの番です。
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よくある質問

  • Q. 表面利回りとNOI利回り、試験対策ではどちらを優先して覚えるべきですか?
    A. まずは計算がシンプルな表面利回りを押さえ、次に経費控除後のNOI利回りを理解するのが効率的です。違いを図解で確認したい方は、不動産超徹底攻略ガイドも参照してください。
  • Q. 電卓はどんな機種を持ち込めば良いですか?
    A. FP技能検定では関数機能やプログラム機能付きは使用不可です。12桁表示でメモリなしのシンプル電卓が安全です。詳細ルールは日本FP協会の試験概要で確認できます。
  • Q. 端数処理はどの桁まで合わせればいいですか?
    A. 問題文に「小数点以下第3位を四捨五入」などの指示があります。指示がない場合は、公式模範解答に合わせ小数第2位まで表示するのが通例です。
  • Q. レバレッジ効果がマイナスになるのはどんなとき?
    A. 物件利回りが借入金利を下回ると自己資金利回りが低下し、マイナスのレバレッジになります。判定は「物件利回り − 金利」で計算し、マイナスなら注意が必要です。
  • Q. 不動産投資の利回り分野だけに絞れば、何時間で合格レベルに達しますか?
    A. 過去問ベースの演習を組み合わせれば15〜20時間で得点源にできます。具体的な学習ロードマップは合格率劇的アップ攻略ガイドで公開しています。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 表面利回り(グロス利回り):年間家賃収入を物件価格で割ったシンプルな指標。諸経費を考慮しないため広告でよく使われる。
  • 実質利回り:年間家賃収入から管理費・税金など運営費用を差し引き、物件購入時の経費も含めて計算する現実的な利回り。
  • NOI利回り(純利回り):年間家賃収入から運営費用を控除した純収益(NOI)を投資総額で割る指標。減価償却費と支払利息は含めない。
  • キャッシュ・オン・キャッシュ・リターン(CCR):税引前キャッシュフローを自己資金で割り、自己資金効率を測る指標。「何年で元が取れるか」を示す。
  • レバレッジ効果:借入を活用し、物件利回りが金利を上回ると自己資金利回りが向上する“テコ”の効果。逆の場合はマイナス。
  • イールドギャップ:物件利回りと借入金利の差。プラスならレバレッジが有効、マイナスなら逆効果となる。
  • DSCR(借入金償還余裕率):NOIを年間元利返済額で割った指標。1を下回ると返済に余裕がないと判断される。
  • DCF法(割引キャッシュフロー法):将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算して投資価値を評価する方法。
  • NPV(正味現在価値):DCF法で求めた現在価値から初期投資額を差し引いた値。プラスなら投資価値あり。
  • IRR(内部収益率):投資額とキャッシュフローの現在価値を等しくする割引率。期待収益率を上回れば投資適格。

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。