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この記事の要点・結論
2025年6月に勃発したイラン・イスラエル間の直接軍事衝突は、世界の金融市場に大きな衝撃を与えています。この未曾有の事態に対し、個人投資家、特に日本株やNISAを中心に運用している方は、冷静かつ迅速な対応が求められます。本記事では、この紛争が市場に与える影響を徹底分析し、あなたの資産を守り、さらにはチャンスに変えるための具体的な戦略を提示します。
結論から言えば、重要なのは「リスク管理の徹底」と「地政学リスクに強い資産への分散投資」です。具体的には、原油価格の高騰を見据えたエネルギー関連株やETF、安全資産の代表格である金(ゴールド)、そして有事に強い防衛関連株への注目が不可欠です。この記事を読めば、紛争下で取るべきポートフォリオ戦略、具体的なヘッジ手法、そして注目すべき銘柄まで、明日からの投資行動に必要な知識がすべて手に入ります。
紛争の最新状況と市場初動
今回の紛争は、長年続いた「影の戦争」が公然たる直接軍事衝突に発展した歴史的な転換点です。まずは、事態の深刻さを理解するために、紛争のタイムラインと市場の初期反応を正確に把握しましょう。これにより、今後の市場の動きを予測する上での土台を築くことができます。
2025-06-12〜14 タイムライン
- 2025-06-13 03:00 (現地時間): イスラエルが「ライジングライオン作戦」を開始。200機以上の戦闘機でイラン国内の100以上の標的(核施設含む)を大規模空爆。
- 2025-06-13 08:35 (現地時間): イスラエルの攻撃により、イラン革命防衛隊のサラミ司令官や軍参謀総長バゲリ少将など、軍最高幹部が死亡したと報じられる。
- 2025-06-13 16:00 (現地時間): イランの最高指導者ハメネイ師が「厳しい処罰を与える」と報復を宣言。
- 2025-06-13 21:00 (現地時間): イランが「真の約束III作戦」を開始。150発以上の弾道ミサイルでイスラエル領内を攻撃。一部はテルアビブ首都圏に着弾。
- 2025-06-14 02:00 (現地時間): 国連事務総長が即時停戦を要求。国際社会による緊張緩和の動きが本格化。
この一連の出来事は、わずか48時間のうちに発生しました。特にイスラエルによるイラン核施設への直接攻撃と、それに対するイランの弾道ミサイルでの報復は、これまでの中東情勢の常識を覆すものであり、市場に深刻な供給不安とリスクオフムードをもたらしました。
原油・金・主要株価指数の初動
紛争勃発直後、金融市場は典型的な「有事の動き」を見せました。特にエネルギー市場と安全資産である金(ゴールド)の反応は顕著でした。
資産クラス | 6月13日 終値 | 6月14日 終値 | 変動率 |
---|---|---|---|
WTI原油先物 | 68.04 USD | 72.98 USD | +7.26% |
金(ゴールド) | 3,393.04 USD/oz | 3,452.80 USD/oz | +1.76% |
S&P 500 | 5,976.97 | 5,976.97 | 0.00% |
日経平均株価 | 37,834.25 JPY | 37,834.25 JPY | 0.00% |
VIX指数(恐怖指数) | 18.02 | 20.82 | +15.52% |
最も大きな動きを見せたのは原油価格で、WTI原油は1日で7%以上も急騰しました。これは、紛争当事国であるイランが世界の石油輸送の大動脈であるホルムズ海峡を扼していることから、供給途絶リスクが一気に高まったためです。安全資産の金も買われ、堅調に上昇しました。
一方で、日米の株式市場は週末を控えていたこともあり、終値ベースでは大きな変動が見られませんでした。しかし、市場の不安心理を示すVIX(恐怖指数)は15%以上も急上昇しており、週明け以降の株式市場は予断を許さない状況であることを示唆しています。
過去類似事例から読む市場パターン
このような地政学リスクが発生した際、市場がどのように反応するかは、過去の事例を振り返ることで見えてきます。未来を正確に予測することは不可能ですが、過去のパターンを知ることは、冷静な投資判断の助けとなります。
2023 ガザ危機・2020 ソレイマニ司令官殺害時の資産リターン比較
- リスク発生直後: 原油と金が急騰し、株式市場は下落する「リスクオフ」が典型パターン。
- その後の展開: 紛争が局地的に留まり、原油供給に直接的な影響が限定的と判断されると、市場は数日から数週間で落ち着きを取り戻すことが多い。
- 回復局面: 過度に売られた株式は、V字回復を見せる傾向がある。
過去の中東における主要な地政学ショック時の資産リターンを見てみましょう。例えば、2020年1月に米国がイランのソレイマニ司令官を殺害した事件では、金(ゴールド)は5日間で+3.2%上昇した一方、S&P500は-0.6%の下落にとどまりました。原油価格は一時的に急騰しましたが、供給不安が後退するとすぐに値を戻しました。
重要な教訓は、地政学リスクによる株価下落は、多くの場合短期的であるということです。パニック売りは避け、むしろ冷静にポートフォリオを見直し、来るべき反発局面に備えることが賢明な戦略と言えるでしょう。
日本個人投資家が注目すべき5つの資産クラス
では、具体的にどのような資産に注目すれば良いのでしょうか。ここでは、今回の紛争の特性を踏まえ、日本の個人投資家がNISA口座なども活用しながら投資を検討できる5つの資産クラスを具体的に解説します。
原油ETFと先物連動型ETN
- 投資のポイント: 中東情勢の緊迫化は原油価格の上昇に直結するため、原油価格に連動する金融商品はポートフォリオのヘッジとして有効。
- 代表的な商品:
- NEXT NOTES 原油ダブル・ブル ETN (銘柄コード: 2038)
- WTI原油価格連動型上場投信 (銘柄コード: 1671)
今回の紛争で最も価格が反応したのが原油です。原油価格の上昇は、ガソリン代や電気代の値上がりを通じて私たちの生活に影響を与えるだけでなく、投資の機会も提供します。原油価格に連動するETF(上場投資信託)やETN(指標連動証券)をポートフォリオに組み入れることで、インフレヘッジや紛争リスクへの備えとすることができます。
ただし、これらの商品は価格変動が大きく、レバレッジがかかっているものは長期保有で価値が減価するリスクもあります。あくまで短期的なヘッジやトレード目的と割り切り、少額から試すのが良いでしょう。
防衛関連株(7011 三菱重工・7012 川崎重工など)
-
- 投資のポイント: 地政学リスクの高まりは、世界的な防衛予算の増加につながるため、防衛関連銘柄への追い風となる。
- 注目銘柄とパフォーマンス(2025年5月14日〜6月13日の1ヶ月間):
- 7721 東京計器: +34.6%
- 7013 IHI: +21.9%
- 7012 川崎重工: +20.7%
- 7011 三菱重工: +8.1%
出典: 2025年6月 Yahoo Finance/Kabutan
「戦争は買い」という相場格言があるように、国際情勢の緊迫化は防衛関連産業にとって需要拡大の機会となります。日本でも防衛費増額の流れが続いており、関連企業への注目度は高まっています。
特に、戦闘機や護衛艦を手掛ける三菱重工業 (7011)や川崎重工業 (7012)、航空エンジンに強みを持つIHI (7013)、航法装置などを製造する東京計器 (7721)などが代表的な銘柄です。紛争発生前の1ヶ月間で既に株価が大きく上昇していることからも、市場の期待の高さがうかがえます。
エネルギー商社・資源株(1605 INPEX 他)
-
- 投資のポイント: 原油・天然ガス価格の上昇が直接的な収益増につながるため、紛争局面で株価が上昇しやすい。
- 注目銘柄とパフォーマンス(2025年6月6日〜6月13日の1週間):
- 1605 INPEX: +7.5%
- 5020 ENEOSホールディングス: +6.6%
- 1662 石油資源開発: +6.2%
出典: 2025年6月 Yahoo Finance/Kabutan
原油や天然ガスの開発・生産・販売を手掛ける企業は、資源価格の上昇から直接的な恩恵を受けます。日本最大の石油・天然ガス開発企業であるINPEX (1605)は、まさにその筆頭と言えるでしょう。同社の株価は紛争勃発が意識され始めた直近1週間で7.5%も上昇しています。
また、石油元売り最大手のENEOSホールディングス (5020)なども、在庫評価益への期待から買われやすい銘柄です。これらの銘柄は配当利回りが高いことも多く、NISA口座での長期保有も視野に入れたい投資対象です。
金・プラチナ ETF/純金積立
- 投資のポイント: 「有事の金」と言われる通り、地政学リスクやインフレ懸念が高まると、価値の保存機能を持つ金に資金が逃避する。
- 統計的裏付け: 2020年から2023年にかけての分析では、VIX(恐怖指数)と金価格の相関係数は-0.3075と、市場が不安定になるほど金の価格が上昇する傾向が示されている。(2025年6月 当社分析)
- 代表的な商品:
- SPDR ゴールド・シェア (銘柄コード: 1328)
- 純金上場信託「金の果実」 (銘柄コード: 1540)
金(ゴールド)は、国や企業が発行する株式や債券と異なり、それ自体が価値を持つ「実物資産」です。そのため、金融システムの不安や地政学リスクが高まる局面で、投資家の資金の避難先として選ばれる傾向があります。
個人投資家が金に投資するには、証券会社で手軽に売買できる金ETFが便利です。また、毎月一定額を積み立てていく「純金積立」も、ドルコスト平均法でリスクを抑えながら長期的に資産を形成する方法として有効です。ポートフォリオの5〜10%程度を目安に金を組み入れておくことで、市場全体の急落に対する保険としての役割が期待できます。
為替ヘッジ(円高・スイスフラン高)
- 投資のポイント: 伝統的に、有事の際には「安全通貨」とされる円やスイスフランが買われやすい傾向がある。
- 注意点: 近年、日本の財政状況などから「有事の円買い」の力は弱まっている。ドルが基軸通貨として買われる展開も多い。
- 注目通貨: 永世中立国であるスイスの通貨、スイスフラン(CHF)は、依然として強力な安全通貨としての地位を保っている。
為替市場も地政学リスクに敏感に反応します。かつては「有事の円買い」が定説でしたが、最近はその傾向が薄れ、むしろ基軸通貨である米ドルが買われる場面も増えています。一方で、永世中立国であるスイスの通貨「スイスフラン」は、現在でも代表的な安全通貨として機能しています。
FX(外国為替証拠金取引)を通じてスイスフラン/円(CHF/JPY)の買いポジションを持つ、あるいはスイスフラン建ての資産に分散投資することで、為替を通じたリスクヘッジが可能です。ただし、為替取引は専門性が高くリスクも大きいため、経験豊富な中級者以上向けの戦略と言えるでしょう。
リスク管理とヘッジ戦略の実践手順
有望な投資先を見つけることも重要ですが、それ以上に大切なのが「守り」の戦略、すなわちリスク管理です。ここでは、資産の目減りを最小限に抑えるための具体的なテクニックを解説します。
ボラティリティ指標とトレーリングストップ活用
- ボラティリティ指標の監視: VIX指数や原油のボラティリティを示すOVX指数を定期的にチェックする。これらの指数が急騰している間は、積極的な買いを控え、様子見に徹するのが賢明。
- トレーリングストップ注文の活用: 「高値から〇%下落したら売る」という注文をあらかじめ設定しておく手法。利益を確保しつつ、予期せぬ急落による大きな損失を防ぐことができる。
現在の市場は、価格変動(ボラティリティ)が非常に激しくなっています。このような相場では、感情的な売買に走ってしまいがちです。そこで役立つのが、機械的なルールに基づいたリスク管理です。
トレーリングストップ注文は多くの証券会社で利用できます。例えば、ある銘柄の株価が上昇している間は利益を伸ばし続け、ピークを付けて下落に転じた瞬間に自動で利益を確定させることができます。感情を排した規律ある損切りは、不安定な相場で生き残るための必須スキルです。
インバースETF・プットオプションでの下落ヘッジ
- インバースETF: 日経平均株価など、株価指数が下落すると価格が上昇するように設計されたETF。保有株式ポートフォリオ全体の下落を相殺する効果がある。
- プットオプション: 「特定の価格で売る権利」を売買する取引。株価下落に対する「掛け捨ての保険」のような役割を果たす。
ヘッジ手段 | 投資額/コスト | ヘッジ効果(理論値) | 特徴 |
---|---|---|---|
日経ダブルインバースETF (1357) | 20万円分購入 | ポートフォリオの40%をヘッジ | 手軽で分かりやすいが、長期保有には不向き。 |
日経225プットオプション | 約1,105円/枚 | 少額で大きな金額をヘッジ可能 | 専門知識が必要。時間経過で価値が減少。 |
保有している株式を売却したくないけれど、短期的な下落リスクに備えたい場合に有効なのが、インバースETFやオプション取引を活用したヘッジ戦略です。例えば、日経平均が1%下落すると価格が2%上昇する「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 (1357)」をポートフォリオの一部で保有しておけば、相場全体が下落した際の損失を和らげることができます。
プットオプションはより少ない資金で大きなヘッジ効果を狙えますが、仕組みが複雑で上級者向けの金融商品です。まずはインバースETFから理解を深めていくのが良いでしょう。いずれの手法も、あくまで短期的な下落に備えるための「保険」と位置づけ、コストやリスクを十分に理解した上で活用することが重要です。
シナリオ分析:短期停戦/長期激化/第三国介入
今後の紛争の展開によって、市場の反応は大きく変わります。ここでは3つのシナリオを想定し、それぞれの場合にどの資産が有利になるかを予測します。ご自身のポートフォリオがどのシナリオに強く、どのシナリオに弱いのかを点検してみましょう。
各シナリオの資産リターン予測
シナリオ | 概要 | 原油 | 金 | 防衛株 | 株式市場全体 |
---|---|---|---|---|---|
① 短期停戦 | 国際社会の仲介で数週間以内に停戦合意。限定的な衝突で終結。 | ▼ 下落 | ▼ 下落 | ▼ 下落 | ▲▲ 上昇 |
② 長期・限定的な激化 | 散発的な報復合戦が続くが、全面戦争は回避。緊張状態が継続。 | ▲ 上昇 | ▲ 上昇 | ▲▲ 上昇 | ▬ 横ばい |
③ 第三国介入・戦線拡大 | 米国などが直接軍事介入。ホルムズ海峡封鎖など最悪の事態。 | ▲▲▲ 急騰 | ▲▲▲ 急騰 | ▲▲▲ 急騰 | ▼▼▼ 暴落 |
現在の市場は、シナリオ②の「長期・限定的な激化」を織り込み始めている段階と考えられます。この状況では、原油・金・防衛株が強く、市場全体は方向感に欠ける展開が続きやすくなります。もし、国連などの仲介が成功しシナリオ①の「短期停戦」に向かえば、リスク資産である株式市場全体が買い戻され、これまで上昇してきた原油や金は売られるでしょう。
最も警戒すべきはシナリオ③の「戦線拡大」です。この場合、ほぼすべての資産が売られる全面安の展開が予想されますが、その中でも金や米ドル、そしてインバースETFなどが相対的に強さを発揮するはずです。常に最悪のシナリオを想定し、資産を分散させておくことが重要です。
投資家チェックリストと次の行動
ここまで解説してきた内容を踏まえ、あなたが今すぐ確認し、行動すべきことをチェックリストにまとめました。冷静に一つずつ確認していきましょう。
情報ソース・開示スケジュール
- 信頼できる情報源を確保する: SNSの不確かな情報に惑わされず、Bloomberg、ロイター、日本経済新聞などの信頼性の高い金融ニュースを複数確認する習慣をつけましょう。
- 経済指標カレンダーをチェックする: 米国のCPI(消費者物価指数)やFOMC(連邦公開市場委員会)など、金融政策に影響を与える重要な経済指標の発表スケジュールを把握しておきましょう。
- 企業の決算発表を確認する: 保有銘柄や注目銘柄の決算発表スケジュールを確認し、業績動向を注視しましょう。
税制・手数料・流動性の確認ポイント
- NISA口座の活用: 防衛株や資源株など、長期的な成長が期待できる銘柄は、NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠を活用することで、値上がり益や配当が非課税になります。
- 売買手数料の比較: 短期的な売買が増える可能性があるため、利用している証券会社の売買手数料を再確認しましょう。ネット証券では手数料無料のプランも増えています。
- ETF/ETNの流動性を確認する: ETFやETNに投資する際は、日々の売買代金を確認し、流動性が十分に高い(いつでも希望する価格で売買しやすい)銘柄を選ぶことが重要です。
これらのチェックリストを実行し、ご自身のポートフォリオを客観的に見直すことが、不確実な市場を乗り切るための第一歩となります。感情に流されず、事実とデータに基づいて冷静に行動しましょう。
まとめ
2025年6月のイラン・イスラエル紛争は、個人投資家にとって大きな試練であると同時に、自らの投資戦略を見直す絶好の機会でもあります。本記事で解説したポイントを再度確認しましょう。
まず、紛争の直接的な影響として原油価格が急騰し、エネルギー株や防衛関連株が物色される一方、市場全体のリスクセンチメントは悪化しています。過去の事例からは、こうした地政学ショックの影響は短期間で収まることも多いですが、今回の紛争は根が深く、長期化するリスクも念頭に置くべきです。このような状況下で個人投資家が取るべき戦略は、①リスク管理の徹底、②ポートフォリオの分散、③冷静な情報収集の3つに集約されます。
具体的には、資産の一部を金(ゴールド)ETFなどの安全資産に振り分け、トレーリングストップ注文などで損失の拡大を防ぎつつ、原油高や防衛需要の高まりといった時代の潮流に乗る銘柄への投資を検討することが有効です。不確実性の高い今こそ、パニック売りなどの感情的な行動を避け、長期的な視点に立った規律ある投資を心掛けることが、あなたの貴重な資産を守り、未来の成長につなげる鍵となるでしょう。
インペックス(1605)のチャート分析・シナリオ

インペックス(1605)が大きな出来高を伴って力強い上昇を見せています。現在価格2122.5円から見る今後のシナリオを詳しく分析していきます。
現在のテクニカル状況
チャートを見ると、5日線・25日線・75日線すべてが上向きとなっており、まさにパーフェクトオーダーが形成されつつある理想的な状況です。特に注目すべきは出来高の急増で、これまでの平均出来高を大きく上回る水準で推移しており、市場参加者の強い関心を物語っています。
ただし、RSIは既に80を超える水準に達しており、短期的な買われすぎ感が強まっている点は注意が必要です。
メインシナリオ:2000円での押し目買い戦略
現在の急騰局面を受けて、最も現実的なシナリオは以下の通りです:
- 2000円のラウンドナンバーまで一旦調整
- この水準で下値支持を確認後、押し目買いが入る
- 出来高を伴った反発で再び上昇トレンドに復帰
- 次の目標は2200円台の節目
2000円は心理的な節目として機能しやすく、RSIが60-65レベルまで調整することで、健全な押し目形成が期待できます。
サブシナリオ:続伸パターン
もう一つ考慮すべきは、調整を経ずに続伸するケースです:
- 2100円台での小幅な調整に留まる
- 出来高が維持されたまま上昇継続
- 直接2200-2300円台を目指す展開
この場合、RSIの高水準継続には注意が必要ですが、強いトレンドでは80超えが継続することも珍しくありません。
リスクシナリオと対応策
警戒すべきは1900円台への深い調整です。この水準を下回ると:
- 短期トレンドの転換可能性
- 25日線(約1950円付近)でのサポート確認が重要
- 75日線まで調整する可能性も視野に入れる必要
具体的な戦略
押し目買い派の場合:2000-2020円での分割エントリーを検討。損切りラインは1950円(25日線)割れ。
トレンドフォロー派の場合:2100円台での小幅調整からの反発を狙う。ただし、RSI80超え継続時は利確も視野に。
いずれのシナリオでも出来高の動向が最重要ポイントとなります。出来高減少を伴う上昇は持続性に疑問符が付くため、常に出来高とともに値動きを監視することが成功への鍵となるでしょう。
よくある質問
- Q. 紛争発生直後、まず確認すべき情報源は?
A. Bloomberg や ロイター など信頼できる一次ソースを複数確認し、SNSの未確認情報は必ず裏取りをしてください。 - Q. 原油ETF/ETNへ投資するときの注意点は?
A. レバレッジ型は長期保有で減価リスクが高まります。出来高が多い銘柄を選び、短期ヘッジ用途に限定するのが無難です。 - Q. 防衛関連株は NISA 成長投資枠で購入できますか?
A. 三菱重工 (7011)・川崎重工 (7012) など国内上場銘柄は一般的に NISA 対象です。ただし売却益・配当の非課税枠を無駄にしないよう、長期保有前提で銘柄選定を行いましょう。 - Q. 金 ETF と純金積立、どちらが有事ヘッジに適していますか?
A. 即時売買と保管コストの低さを重視するなら SPDR ゴールド・シェア などの ETF、長期で少額から積立したい場合は純金積立が適しています。目的に応じて併用するのも効果的です。 - Q. インバース ETF を長期保有してはいけない理由は?
A. 日次リバランスによる “複利効果の逆回転” で基準価額が逓減しやすく、指数が元の水準に戻っても損失が残る可能性が高いからです。短期的な下落ヘッジに限定してください。 - Q. トレーリングストップの目安はどのくらい?
A. ボラティリティ指標(例:VIX)の水準によって変わりますが、株式なら 5〜8%、原油関連なら 10% 前後を基準にし、市況に応じてこまめに見直すのが一般的です。
参考サイト
- ブルームバーグ|米国市況:株が反落、中東情勢の緊張で原油急伸 ― 原油高・金高と株式下落の関係を最新データ付きで詳報しています。
- ロイター|イスラエルのイラン攻撃でも原油供給混乱リスク限定的 ― 原油供給への影響度を大手銀アナリストが分析したマーケット解説。
- 防衛省|次期戦闘機の開発について ― 三菱重工・IHIなど防衛関連企業の最新プロジェクトを公的資料で確認できます。
- 金融庁|NISAを知る(NISA特設ウェブサイト) ― 成長投資枠や非課税枠の最新ルールを公式ガイドでチェックできます。
初心者のための用語集
- NISA― 少額投資非課税制度。年間一定額までの株式や投資信託の売却益・配当が非課税になる日本の個人投資家向け優遇制度。
- ETF/ETN― 上場投資信託(ETF)と指標連動証券(ETN)。株と同じように取引所で売買でき、指数や商品価格に連動する金融商品。
- WTI原油先物― ニューヨーク取引所で取引される原油価格の代表指標。世界の原油取引価格の基準となる。
- VIX指数― 米S&P500の30日先の変動予想を示す「恐怖指数」。数値が高いほど市場の不安が強い。
- ボラティリティ― 価格変動の大きさを表す指標。値動きが激しいほどボラティリティが高いといわれる。
- トレーリングストップ― 株価が上昇する間は追随し、設定%以上の下落で自動売却する注文方法。利益確定と損失限定を同時に狙える。
- インバースETF― 対象指数が下がると価格が上がるETF。相場の下落局面で損失を相殺するヘッジ用途に使われる。
- プットオプション― 未来の一定価格で「売る権利」を購入する取引。保険料を払って下落リスクに備えるイメージ。
- レバレッジ型商品― 値動きを数倍に増幅させる金融商品。短期向けで、長期保有すると減価しやすい。
- ドルコスト平均法― 毎月一定額を機械的に投資し、購入単価を平準化してリスクを抑える長期投資手法。
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