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【FP試験完全攻略】相続税の計算と配偶者控除・未成年者控除、2割加算を制覇する勉強法|出題傾向と対策

【FP試験完全攻略】相続税の計算と配偶者控除・未成年者控除、2割加算を制覇する勉強法|出題傾向と対策

ファイナンシャルプランナー(FP)試験の合格を目指すあなたへ。

「相続分野、特に相続税の計算が複雑で手につかない…」
「配偶者控除や未成年者控除、2割加算のルールがごちゃごちゃで覚えられない…」
「計算問題でいつも時間を取られて、得点できない…」

こんな悩みを抱えていませんか?

FP試験の「相続・事業承継」は、多くの受験者が苦手とする分野です。特に、相続税の総額計算、配偶者の税額軽減(配偶者控除)、未成年者控除、そして相続税額の2割加算は、計算と制度理解の両方が問われる最重要論点。ここを得点源にできるかどうかが、合否を大きく左右するといっても過言ではありません。

ご安心ください。この記事を最後まで読めば、あなたの悩みはすべて解決します。

この記事では、複雑な相続税計算を、誰にでも分かるようにステップ・バイ・ステップで解説します。

Contents

この記事を読めば分かること

  • FP試験における相続税計算の全体像と具体的な手順
  • 配偶者控除、未成年者控除、2割加算の最新の出題傾向と攻略法
  • 合格者が実践した効率的な勉強スケジュールとおすすめ教材
  • 計算ミスやひっかけ問題を防ぐための具体的なテクニック
  • 暗記が苦手な方でも覚えられる語呂合わせや記憶術

この記事は、単なるテキストの丸写しではありません。あなたが「なるほど!」と膝を打ち、明日からの学習にすぐに役立てられる「合格直結の情報」だけを詰め込みました。さあ、一緒に相続分野を得意科目に変え、FP試験合格への最短ルートを駆け抜けましょう!

FP試験「相続」分野の重要性と【相続税の計算と配偶者控除や未成年者控除、2割加算】の出題傾向

まずは、なぜFP試験において相続税の計算が重要なのか、そして近年どのような形で出題されているのかを把握しましょう。敵を知ることが、勝利への第一歩です。

なぜ「相続税計算」が合否を分けるのか?

FP試験の6つの科目の中でも、「相続・事業承継」は特に実務的な知識が問われる分野です。その中でも中核をなすのが「相続税の計算」。このテーマが合否を分ける理由は3つあります。

  1. 配点が高い: 学科試験はもちろん、特に実技試験では、相続税の総額を計算させる大問が頻出します。ここを丸ごと落とすと、合格が非常に厳しくなります。
  2. 複合的な知識が問われる: 相続税計算は、単一の知識だけでは解けません。法定相続人の確定、各財産の評価、基礎控除、各種税額控除、2割加算といった複数の知識を組み合わせて正解を導き出す必要があります。
  3. 受験者が苦手としやすい: 計算プロセスが複雑で、覚えるべき数字や要件が多いため、多くの受験者が「苦手分野」として後回しにしがちです。だからこそ、ここをマスターすれば他の受験者と大きく差をつけることができます。

【FP試験】最新の出題傾向を分析!相続税の計算と配偶者控除や未成年者控除、2割加算はこう問われる

近年のFP試験では、相続税関連の問題はより実務に近い、具体的な事例形式で出題される傾向が強まっています。過去の出題実績を見てみましょう。

  • 2024年5月 FP2級実技(FP協会): 複数の財産(小規模宅地等の特例適用後の土地、生命保険金など)と債務を元に、各相続人の課税価格を計算させる問題が出題されました。相続放棄した者が受け取る生命保険金の非課税枠の扱いは、受験者が間違いやすいポイントです。
  • 2024年1月 FP2級実技(金財): 相続税の総額を計算させる典型的な問題が出題。基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の計算と、法定相続分に応じた税額計算が問われました。
  • 2023年9月 FP3級学科: 配偶者の税額軽減の控除限度額(1億6,000万円)や、2割加算の対象者(兄弟姉妹が含まれること)など、基本的な知識を問う問題が出題されています。
  • 2020年9月 FP3級学科: 未成年者控除の計算式「(18歳-相続開始年齢)×10万円」そのものが問われました。これは民法改正による成年年齢引き下げ(20歳→18歳)に対応した重要なポイントです。

このように、学科試験では各制度の要件や金額の正誤が、実技試験ではそれらの知識を総動員して電卓を叩く計算力が求められています。

【関連情報】FP試験「相続」分野の全体像を把握したい方へ
相続分野全体の出題傾向や頻出論点について、より詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
FP試験「相続」超徹底攻略!初心者から最短合格へ導く決定版ガイド

【FP試験対策】相続税計算の全体像を5ステップで完全理解

「相続税の計算って、どこから手をつけていいか分からない…」という方、大丈夫です。相続税の計算は、以下の5つのステップに沿って進めれば、必ずゴールにたどり着けます。この流れを頭に叩き込みましょう。

相続税計算の5ステップ

  1. STEP1:課税価格の合計額を出す(各人の財産+みなし財産-非課税財産-債務・葬式費用)
  2. STEP2:課税遺産総額を計算する(課税価格の合計額-基礎控除)
  3. STEP3:相続税の総額を算出する(課税遺産総額を法定相続分で仮計算)
  4. STEP4:各人の算出税額を計算する(相続税の総額を実際の相続割合で按分)
  5. STEP5:各人の納付税額を確定する(算出税額から各種税額控除を引き、2割加算対象者は加算)

それでは、各ステップをFP試験で問われるポイントに絞って詳しく見ていきましょう。

STEP1:課税価格の合計額を出す(みなし相続財産・非課税財産に注意)

まず、個々の相続人がどれだけの財産を取得したのかを計算します。

課税価格 = 本来の相続財産 + みなし相続財産 - 非課税財産 - 債務・葬式費用

ポイント!

  • みなし相続財産: 死亡保険金や死亡退職金が代表例です。これらは民法上の相続財産ではありませんが、税法上は相続財産とみなして課税対象になります。
  • 生命保険金の非課税限度額: 受取人が相続人の場合、「500万円 × 法定相続人の数」までは非課税となります。この非課税枠を差し引いた後の金額を課税価格に加えます。
    • 注意:相続放棄した人は、法定相続人の数には含めますが、自身が受け取る保険金については非課税枠を使えません。
  • 死亡退職金の非課税限度額: こちらも「500万円 × 法定相続人の数」が非課税限度額です。
  • 相続開始前贈与の加算: 原則として、相続開始前3年以内(2024年1月1日以降の贈与からは段階的に7年以内に延長)の贈与財産は、相続財産に加算して計算します。

STEP2:課税遺産総額を計算する(基礎控除がカギ)

次に、全員の課税価格を合計し、そこから「基礎控除」を差し引きます。この基礎控除を引いた後の金額が、実際に相続税がかかる対象となります。

課税遺産総額 = 課税価格の合計額 - 基礎控除額

ポイント!

  • 基礎控除額の計算式: これは絶対に暗記してください。「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」です。語呂合わせは「サンゼン・ロッピャク・かける・法定相続人」で覚えましょう!
  • 法定相続人の数え方:
    • 相続放棄した人も、数に含めます。
    • 養子は、実子がいる場合は1人まで、いない場合は2人まで含めます。

STEP3:相続税の総額を算出する(法定相続分で仮計算)

ここが少しトリッキーな部分です。実際の分割内容にかかわらず、一度「もし法律で定められた割合(法定相続分)で遺産を分けたら」と仮定して、相続税の合計額を計算します。

  1. 課税遺産総額を、各法定相続人の法定相続分で分けます。
  2. それぞれが取得したとされる金額に、定められた税率(速算表を使用)を掛けて、各人の仮の税額を計算します。
  3. 全員の仮の税額を合計します。これが「相続税の総額」です。

ポイント!

この段階では、実際の遺産分割の割合は一切考慮しません。「法定相続分」で機械的に計算することを徹底してください。

STEP4:各人の算出税額を計算する(実際の相続割合で按分)

STEP3で計算した「相続税の総額」を、今度は「実際に財産を取得した割合」で按分します。これにより、各相続人が負担すべき税額の元となる「算出税額」が分かります。

各人の算出税額 = 相続税の総額 × (その人が実際に取得した課税価格 ÷ 課税価格の合計額)

STEP5:各人の納付税額を確定する(税額控除と2割加算)

いよいよ最終ステップです。STEP4で計算した各人の算出税額から、適用できる税額控除を引き、対象者であれば2割加算を行って、最終的な納税額を確定させます。

各人の納付税額 = (算出税額 × 1.2 ※対象者のみ) - 各種税額控除

ここで登場するのが、配偶者の税額軽減、未成年者控除、そして2割加算です。これらはFP試験の超頻出論点なので、次の章から一つずつ徹底的に解説します。

FP試験の最重要ポイント!「配偶者の税額軽減」を徹底攻略

FP試験の相続分野で、これを知らずに合格はあり得ないと言われるのが「配偶者の税額軽減」、通称「配偶者控除」です。制度の趣旨は、残された配偶者の生活保障と、夫婦で築いた財産の維持にあります。

制度の概要と控除額(1億6,000万円 or 法定相続分)

配偶者が取得した財産については、以下のいずれか多い方の金額までは相続税がかかりません。

  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分相当額

例えば、遺産総額が3億円で、法定相続人が配偶者と子2人(配偶者の法定相続分は1/2)の場合、法定相続分相当額は1億5,000万円です。このケースでは、1億6,000万円の方が多いため、配偶者は1億6,000万円まで財産を取得しても相続税はかかりません。

【FP試験】適用要件のひっかけに注意!相続税と贈与税の違いも

FP試験では、控除額そのものよりも「適用要件」が問われることが非常に多いです。特に間違えやすいポイントをしっかり押さえましょう。

配偶者の税額軽減 3つの重要要件

  1. 法律上の婚姻関係があること:戸籍上の配偶者に限られます。内縁の妻・夫は対象外です。
  2. 婚姻期間の要件はなし:贈与税の配偶者控除(婚姻期間20年以上)と混同しないように!相続税の配偶者控除は、たとえ婚姻期間が1日でも適用されます。これが頻出のひっかけポイントです。
  3. 申告が必須:この特例を使って納税額が0円になったとしても、必ず相続税の申告書を税務署に提出しなければなりません。申告しなければ、特例は適用されません。

過去問での問われ方と計算例

【過去問例】
(問)配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けるためには、被相続人との婚姻期間が20年以上でなければならない。
(答)×(誤り)。婚姻期間の要件はありません。

実技試験では、STEP5の最終計算でこの控除を適用させる問題が出ます。各人の算出税額から、このルールに則って計算した軽減額を差し引きます。

【FP試験】「未成年者控除」と「障害者控除」の計算と要件

未成年者や障害者が相続人となる場合、その後の生活などを考慮して税負担を軽くする制度があります。これも計算問題でよく登場します。

未成年者控除の計算式と注意点(18歳基準への改正)

相続人が18歳未満の場合に適用されます。計算式は必ず覚えましょう。

未成年者控除額 = (18歳 - 相続開始時の年齢) × 10万円

ポイント!

  • 18歳基準: 2022年4月1日の民法改正により、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。FP試験もこれに対応しており、計算基準は「18歳」です。古い教材を使っている方は特に注意してください。
  • 年齢の端数: 相続開始時の年齢に1年未満の端数がある場合は、切り捨てて計算します。(例:15歳11ヶ月 → 15歳として計算)

障害者控除の計算方法

相続人が85歳未満の障害者である場合に適用されます。

  • 一般障害者: (85歳 - 相続開始時の年齢) × 10万円
  • 特別障害者: (85歳 - 相続開始時の年齢) × 20万円

未成年者控除と同様、年齢の端数は切り捨てます。

控除しきれない場合の「扶養義務者からの控除」

未成年者控除や障害者控除の額が、その本人の相続税額よりも大きくて控除しきれない場合があります。その場合、余った控除額は、その未成年者(または障害者)の扶養義務者(親や兄弟など)の相続税額から差し引くことができます。この点も試験で問われる可能性があります。

受験者が混乱しやすい「相続税額の2割加算」の対象者をFP試験向けに解説

「2割加算」は、多くの受験者が「誰が対象で、誰が対象じゃないの?」と混乱するポイントです。しかし、ルールは至ってシンプル。ここを整理すれば、安定した得点源になります。

2割加算とは?制度の趣旨を理解する

相続税の2割加算とは、被相続人から見て関係性が比較的遠い人が財産を取得した場合に、相続税額を2割増しにするという制度です。なぜこのような制度があるかというと、配偶者や子といった近い親族への財産承継を税制上優遇し、それ以外の人への承継とは差をつけるという考え方が根底にあります。

【図解】対象になる人・ならない人を一発で覚える方法

覚えるべきは「対象にならない人」です。それ以外は全員対象と覚えましょう。

【2割加算の対象にならない人】= 配偶者 + 一親等の血族

  • 配偶者
  • (一親等の血族)
  • 父母(一親等の血族)

つまり、これ以外の人が財産を取得すると2割加算の対象になります。

【2割加算の対象になる人(具体例)】

  • 兄弟姉妹(二親等の血族)
  • 祖父母(二親等の血族)
  • 甥・姪(三親等の血族)
  • 内縁の配偶者、友人など(親族でない人)

特に注意すべき「孫」のケース(代襲相続人 vs 孫養子)

FP試験で最もひっかけ問題として狙われるのが「孫」の扱いです。

  • 代襲相続人である孫:本来相続人であった子(被相続人から見て)が先に亡くなっているために、その子に代わって相続人になった孫のこと。この孫は「亡くなった子と同じ立場」とみなされるため、2割加算の対象外です。
  • 孫養子:被相続人が自分の孫と養子縁組をしたケース。この場合、戸籍上は「子」ですが、税法上は「一親等の血族」とはみなされず、2割加算の対象となります。

この違いは、実技試験の計算問題でも非常に重要なポイントとなります。

【最重要】2割加算と税額控除の適用順序

これが究極のひっかけポイントです。計算の順番を間違えると、答えが全く違ってしまいます。

正しい順番: ① 2割加算 → ② 税額控除

つまり、まず算出税額を1.2倍し、その金額から配偶者控除や未成年者控除などを差し引きます。先に控除を引いてから2割加算をしてはいけません。

FP試験合格者が実践した「相続税計算」分野の効率的な勉強法

理論は分かっても、どうやって勉強すれば点数に結びつくのか。ここでは、合格者が実践した具体的な勉強法をご紹介します。

合格に必要な勉強時間とスケジュールの立て方

FP2級全体の合格に必要な勉強時間は、一般的に150~300時間と言われています。初学者であれば300時間、FP3級合格者であれば150時間程度が目安です。

相続分野には、全体の1/6、つまり25~50時間を割り当てるのが一つの目安になります。

【学習スケジュール例(3ヶ月合格プラン)】

  • 1ヶ月目(インプット期): テキストを読み、講義動画を視聴して全体像を把握。特に相続税計算の5ステップの流れを頭に入れる。
  • 2ヶ月目(アウトプット期): 問題集や過去問を解き始める。間違えた問題はテキストに戻って徹底的に復習。計算問題を重点的に。
  • 3ヶ月目(直前期): 過去問(最低5回分)を時間を計って解く。苦手な論点をリストアップし、潰していく。暗記事項の最終確認。

【関連情報】FP試験全体の学習計画を立てたい方へ
独学での学習スケジュールや科目ごとの攻略法については、こちらの記事が非常に参考になります。
独学でも最短合格!FP試験の“合格率を劇的に上げる”完全攻略ガイド:学習スケジュールから過去問活用まで徹底解説
初心者でも最短合格!FP試験の“6科目徹底攻略”と合格率UPの秘訣を完全公開

おすすめの教材と活用法(テキスト、過去問サイト、YouTube)

多くの合格者が、テキストと問題集に加えて、Web上のリソースをうまく活用しています。

  • テキスト&問題集: 「みんなが欲しかった!FPの教科書・問題集」(TAC出版)などが定番です。図解が多く、初学者にも分かりやすいと評判です。
  • 過去問サイト: 「FP2級ドットコム(過去問道場)」は、スマホで隙間時間に一問一答形式で学習でき、解説も詳しいので必須ツールと言えます。
  • YouTube講義: 「ほんださん / 東大式FPチャンネル」などの無料講義は、テキストだけでは理解しにくい部分を視覚的・聴覚的に補ってくれるため、非常に効果的です。

暗記が苦手な人向け!語呂合わせテクニック集

複雑な数字や要件は、語呂合わせで楽しく効率的に覚えましょう。

  • 基礎控除額: 「サンゼン(3,000万)ロッピャク(600万)かける法定相続人」
  • 生命保険金・死亡退職金の非課税枠: 「死亡の非課税はゴヒャクマン(500万)かける法定相続人」
  • 相続開始前贈与の特例: 「相続税に関係ない贈与はハイチュウ(配偶者控除・住宅取得資金)今日(教育資金)結婚(結婚子育て資金)

自分の家族でシミュレーションしてみる学習法

知識を定着させる一番の方法は、自分事として捉えることです。「もし自分の家で相続が起きたら?」と、ご自身の家族構成で法定相続人や相続分、相続税額をざっくり計算してみてください。具体的なイメージが湧き、各制度の必要性が肌で感じられるようになります。

【FP試験】相続税計算で絶対に避けたい!よくある間違いと対策

知識をインプットしても、試験本番で思わぬミスをしてしまうことがあります。ここでは、先輩たちが陥った「よくある間違い」から学び、万全の対策を講じましょう。

過去問から見る典型的な「ひっかけ選択肢」パターン

  • 2割加算の対象者: 「被相続人の孫は、すべて2割加算の対象となる」→ ×(代襲相続人の孫は対象外)
  • 配偶者控除の要件: 「配偶者の税額軽減は、婚姻期間が20年以上でなければ適用できない」→ ×(婚姻期間の要件はない)
  • 控除の適用順序: 「未成年者控除などを適用した後の税額に、2割加算を適用する」→ ×(2割加算が先)
  • 生命保険金の非課税枠: 「相続を放棄した者は、生命保険金の非課税規定の適用において、法定相続人の数に含められない」→ ×(法定相続人の数には含める)

これらのひっかけパターンを事前に知っておくだけで、本番での失点を大きく減らせます。

計算ミスを防ぐためのチェックリスト

実技試験で焦らないために、計算する際は以下の点を必ずチェックする癖をつけましょう。

  • □ 法定相続人の数は正しいか?(相続放棄者、養子を含めたか)
  • □ 生命保険金・死亡退職金の非課税限度額の計算は正しいか?
  • □ STEP3では「法定相続分」、STEP4では「実際の取得割合」を使っているか?
  • □ 2割加算の対象者を正しく判定できているか?(特に孫!)
  • □ 2割加算 → 税額控除の順番を守っているか?

試験本番での時間配分と解答テクニック

相続税の計算問題は時間がかかります。分からない部分で立ち止まらず、まずは分かる部分だけでも計算を進め、部分点を狙う姿勢が大切です。最初に問題全体を眺め、計算プロセスのどの部分が問われているのかを把握してから解き始めるのがおすすめです。

まとめ:重要ポイントを再確認し、合格への一歩を踏み出そう

今回は、FP試験の合否を分ける「相続税の計算と配偶者控除や未成年者控除、2割加算」について、網羅的に解説しました。

最後に、絶対に押さえておくべき最重要ポイントをまとめます。

  • 相続税計算は5ステップ: ①課税価格 → ②課税遺産総額 → ③相続税の総額 → ④各人の算出税額 → ⑤各人の納付税額。この流れを覚える。
  • 基礎控除は最重要: 「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」は必ず暗記。
  • 配偶者控除のポイント: 「1億6,000万円 or 法定相続分」、そして「婚姻期間不問」「申告必須」の要件を覚える。
  • 2割加算は順番が命: 対象者(配偶者と一親等の血族以外)を正しく判定し、「加算が先、控除が後」を徹底する。
  • 過去問こそ最高の教材: 知識のインプットと並行して、とにかく多くの過去問を解き、出題パターンとひっかけの癖に慣れる。

相続分野は、一見すると複雑でとっつきにくいかもしれません。しかし、一つ一つのルールを正しく理解し、計算の型を身につければ、必ずあなたの強力な得点源になります。なにより、ここで学ぶ知識は、あなたやあなたの家族の将来に必ず役立つ「一生モノの財産」です。

この記事が、あなたのFP試験合格への確かな一歩となることを心から願っています。

さあ、今すぐ過去問を開いて、まずは1問、相続税の計算問題にチャレンジしてみましょう!

より深く学びたい方は、 国税庁のタックスアンサー などで最新の公式情報を確認するのもおすすめです。

オリジナル練習問題

問題1 配偶者の税額軽減の上限

相続税の配偶者控除(配偶者の税額軽減)は、配偶者の法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額まで、配偶者に課される相続税が実質ゼロになる制度である。
解答:◯
解説:法定相続分相当額と1億6,000万円を比較し、多い方までが非課税枠として適用されるため、その範囲内なら配偶者の相続税はゼロになる。

問題2 未成年者控除の計算式

未成年者控除の額は「10万円×(20歳-相続開始時の年齢)」で算定する。
解答:◯
解説:相続発生時点で20歳未満の相続人に適用され、年齢差1年につき10万円で計算される。

問題3 未成年者控除の対象者

未成年者控除は被相続人の直系卑属(子・孫)であるか否かにかかわらず、相続開始時に日本国内に住所を有する未成年の相続人すべてに適用される。
解答:◯
解説:要件は「20歳未満」かつ「国内に住所がある相続人」であり、直系卑属に限定されない。

問題4 未成年者控除の残額処理

未成年者控除額がその相続人の相続税額を上回る場合、残額は還付されず、他の相続人の税額と通算することもできない。
解答:◯
解説:控除しきれない分は消滅し、還付や通算は認められない(相法21の5)。

問題5 2割加算の対象範囲

被相続人の兄弟姉妹は相続税額の2割加算の対象となる。
解答:◯
解説:配偶者と一親等の血族(子・父母等)以外の相続人は2割加算の対象で、兄弟姉妹も含まれる。

問題6 配偶者と2割加算

配偶者には2割加算が適用されないため、配偶者の税額軽減後に2割加算を掛けることはない。
解答:◯
解説:配偶者は加算対象外であるため、計算手順においても2割加算は行わない。

問題7 障害者控除との併用

未成年者控除と障害者控除は同一相続人に対して重複適用できる。
解答:◯
解説:要件を満たせば両方の税額控除を合算して差し引くことが可能。

問題8 養子縁組と2割加算

被相続人が生前に普通養子縁組した子は法定上の直系卑属とみなされるため、2割加算の対象にはならない。
解答:◯
解説:養子は民法上の実子と同等に扱われるため、2割加算から除外される。

問題9 配偶者控除の適用手続

配偶者の相続税がゼロになる場合でも、配偶者控除を適用するためには相続税の申告書を提出する必要がある。
解答:◯
解説:控除適用を受けるには原則として申告書の提出が必要(申告がなければ軽減は認められない)。

問題10 小規模宅地等の特例との関係

配偶者が自宅の敷地について小規模宅地等の特例(330㎡まで80%減額)を受ける場合、配偶者控除と併用して利用できる。
解答:◯
解説:土台となる課税価格を小規模宅地等の特例で減額し、その後配偶者の税額軽減を適用できるため、併用に制限はない。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 正味遺産額:相続財産から借金や葬式費用を差し引いた実質的な遺産額。
  • 基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人で計算する非課税枠。これを超えた部分に相続税がかかる。
  • 課税遺産総額:正味遺産額から基礎控除を差し引いた課税対象額。
  • 法定相続分:民法で定められた相続の取り分。計算上いったんこの割合で按分する。
  • 速算表:取得金額に対応する税率と控除額を一覧にした早見表。試験問題で配布される。
  • みなし相続財産:死亡保険金や死亡退職金など、相続財産ではないが課税対象に加算される財産。
  • 代襲相続:子が被相続人より先に死亡等した場合に孫が相続人になる制度。
  • 孫養子:孫を養子にしたケース。配偶者・一親等以外なので相続税が2割加算される。
  • 相続放棄:相続人が財産も債務も一切受け継がない手続き。人数カウントには含む。
  • 未成年者控除:18歳未満の相続人に適用される減税制度。(18歳-年齢)×10万円で計算。
  • 配偶者控除(税額軽減):配偶者が相続する財産のうち〈法定相続分または1億6,000万円〉まで相続税がかからない特例。
  • 相続税額の2割加算:配偶者・一親等の血族以外の相続人の税額に20%上乗せする制度。

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。