本日(2025年3月14日)の日本株式市場は、日経平均株価が前日比で大きく上昇して取引を終えました。朝方は米国株の下落を受け軟調に始まりましたが、その後は円安やハイテク株への買いが下支えとなり、最終的に3万7,000円台を維持する展開です。
このブログ記事では、日経平均・TOPIX・グロース指数など主要な株価指数の動向や、セクター別の売買状況、そして注目銘柄である住友電気工業(5802)の詳細を取り上げ、明日以降のトレード戦略にお役立ていただくための情報を網羅的に解説します。
Contents
2. 今日の日本株式市場の動向
(a) 主要指数
- 日経平均株価
・始値:36,606.78円
・高値:37,154.39円(13:48)
・安値:36,594.04円(09:01)
・終値:37,053.10円
・前日比:+263.07円(+0.72%)
・売買代金:4兆8,369億円 - TOPIX(東証株価指数)
・終値:2,715.85
・前日比:+17.49(+0.65%) - グロース市場250指数
・終値:659.26
・前日比:+9.54(+1.47%)
本日は、前日の米国株安を受けて寄り付き直後は売りが先行しましたが、為替市場で円安が進行したことを追い風に、日経平均は後場にかけて徐々に上昇。大引けでは3万7,000円台を回復し、+263円高となりました。
(b) セクター別の動き
東京証券取引所33業種のうち、上昇した業種は非鉄金属、保険業、輸送用機器、銀行業、機械などが目立ちました。一方、空運業、サービス業、陸運業、ゴム製品、海運業は下落率の上位となっています。
**上昇率上位業種**
1. 非鉄金属
2. 保険業
3. 輸送用機器
4. 銀行業
5. 機械
**下落率上位業種**
1. 空運業
2. サービス業
3. 陸運業
4. ゴム製品
5. 海運業
(c) 個別銘柄ニュース
- 値上がり率上位
・バリューC (9238):1,414円(+26.9%)
・モブキャスト (3664):43円(+16.2%)
・ハートシード (219A):2,068円(+13.6%)
・HOUSEI (5035):633円(+12.4%)
・ジィ・シィ (4073):898円(+11.4%) - 値下がり率上位
・ジャパンMA (9236):1,212円(-15.2%)
・WSCOPE (6619):232円(-14.7%)
・3DM (7777):137円(-13.8%)
・ランド (8918):7円(-12.5%)
・タメニー (6181):145円(-9.4%) - 日経平均株価押し上げ上位:アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、フジクラ、ファナック
- 日経平均株価押し下げ上位:リクルート、ニトリHD、セブン&アイ、ダイキン
- 話題になった銘柄:
・ビジョナル(4194):BizReach事業好調で上期増収増益、株価が大幅上昇
・フジクラ(5803):データセンター関連需要増加で4.5%高
日経平均 のチャート分析

日経平均は本日、寄り付きこそ昨日の安値を割り込む場面がありましたが、その後は強い動きを見せ、終始ロング基調で推移しました。終値は5日移動平均線(5MA)を上回る37,052円で引けています。
今週の日経平均は重要な節目となりました。週初めに37,724円の重要レベルを下抜けてスタートしたものの、週足では下ひげの長いピンバー(hammer pattern)を形成して終了し、値を戻す展開となりました。
今後の注目ポイントは次の通りです:
- 重要な節目である37,724円のレジスタンスライン
- 現在のサポートとなっている5日移動平均線(5MA)
- RSIは30付近から回復基調にあり、短期的な反発を示唆
来週以降の想定シナリオは以下の2つです:
【上昇継続シナリオ】
5MA上での推移が続き、再度37,724円の節目を試す展開。
- エントリーポイント:5MAの上でのプライスアクション強化(陽線の連続など)
- ターゲット:まず37,724円、突破後は38,500円を目指す
- 損切りライン:5MA割れ確定時(現在の5MAは約36,800円付近)
【下落再開シナリオ】
再度5MAを下回り、ショートトレンドに回帰する展開。
- エントリーポイント:5MA下での陰線確認後
- ターゲット:直近安値の36,500円、さらに下落した場合は36,000円の心理的節目
- 損切りライン:37,724円の上抜け確認時
週足でのピンバー形成は短期的な反発の兆候と捉えることができますが、グローバル市場の不安定さを考慮すると、慎重な姿勢が必要です。
来週は特に寄与度ランキングの高い銘柄(日経平均への影響力が大きい銘柄)の動向に注目しながら、上記の重要ポイントを確認することが効果的です。特にハイテクセクターの動向は、日経平均の方向性を左右する重要な要素となるでしょう。
5MAを維持できるかどうかが当面の注目ポイントとなり、この水準をキープできれば、週足ピンバーの示唆通り上昇トレンドの再開期待が高まります。一方、再度5MAを割り込むようであれば、下落トレンドの継続を意味し、慎重な対応が必要です。
3. 今日の日本株式市場に影響を与えたニュース・トピックス
- 前日の米国市場では、関税政策を巡る警戒感から<S&P500>が10%以上の下落となり調整局面入りしたとの見方が広がり、日本市場も朝方は売りが先行。
- 一方で、円安ドル高が進行し、輸出関連銘柄への買いが強まったことや、後場にかけて先物主導で買い戻しが入り、相場全体を押し上げる展開となった。
- 株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(SQ)値は36,483.79円で算出され、その水準を大きく下回らずに取引を終えたことも投資家心理を下支えした。
本日の売買代金は4兆8,369億円と高水準であり、国内外のヘッジファンドや機関投資家を巻き込んだ活発な売買が行われたことが推察されます。
4. 今晩の米国株式市場の注目ポイント
(a) ダウ平均、S&P500、ナスダックの前日終値
- ダウ平均:40,813.57ドル(-537.36ドル、-1.30%)
- S&P500:5,521.53(-77.78、-1.39%)
- ナスダック:17,303.01(-345.44、-1.96%)
米国株式市場は関税関連ニュースや地政学リスクの高まりを受け、3指数そろって大きく下落して引けました。特にハイテク株への売りが強く、ナスダックは2%近い下落率となっています。
(b) 重要経済指標・イベントの予定
- 3月17日:小売売上高(2月分)
日本時間21時30分発表予定 - 3月20日:新規失業保険申請件数(3月15日までの週)
日本時間21時30分発表予定 - 3月下旬~4月上旬:FOMC会合結果やGDP速報値発表、ISM製造業景況指数など
これらの指標は米国の個人消費動向や景気認識を示すため、為替や日本株への影響も大きいと見られます。
(c) 為替動向と日本株への影響
- ドル円相場:本日夕方時点で1ドル=148円台半ば
- 米国株安のリスクオフ要因にもかかわらず、日米金利差を背景にドル買いが継続
- 輸出企業の採算が改善するため、日本株の下支え要因となりやすい
- 地政学リスク:ウクライナ情勢や米中貿易摩擦に加え、トランプ前大統領の追加関税示唆などが常に警戒材料
- 関税問題:米中以外にも、カナダ・メキシコ・EUとの摩擦拡大の恐れがあり、グローバルな景気後退リスクを意識する必要がある
S&P500指数のチャート分析

S&P500指数は強烈な下落局面に入っており、直近では大きな陰線を連続して形成しています。上値は5日移動平均線(5MA)に明確に抑えられており、短期的な反発の兆候が見られません。
現在のチャート状況から見て、安易なエントリーは控えるべきタイミングです。確かにRSIは30を下回り売られすぎの水準まで下落していますが、このような強い下げトレンド中はテクニカル指標だけに頼ったエントリーは危険です。
市場心理が極度に悲観的な状況では、次の点に注目すべきです:
- 5500ドル付近の心理的サポートライン
- 過去の重要な高値である5400ドル前後の水準
- 出来高の急増(セリングクライマックスのサイン)
今後考えられるシナリオは以下の通りです:
【ショート継続シナリオ】
現在の下落トレンドが継続し、5400ドルを割り込む場合は、さらなる下落の可能性があります。
- 注目ポイント:5400ドル、5200ドル
- 下落継続の場合の目標値:5000ドル(重要な心理的節目)
【反発シナリオ】
ロングで入る場合は、明確な反転サインを待つことが重要です:
- セリングクライマックス(急激な下落後の出来高急増と反転)
- 5MAを上抜ける動き
- 強い陽線の出現(前日比1%以上の上昇)
プライスアクションと波形を重視し、あくまで確かな根拠が見られてからエントリーするのが賢明です。現在のような急激な下落局面では、焦らずに市場が落ち着くまで待機するのも一つの選択肢です。
反発が始まった場合の第一目標は5700ドル付近(最近の下落の38.2%フィボナッチリトレースメント)となります。ただし、全体のトレンドは弱含みのため、反発はあくまで調整局面として捉えるべきでしょう。
日経平均です。寄り付きこそ、昨日の安値を割ったものの、今日は大変強く終始ロング基調。終わってみれば5MAもブレイクした37052円で引けました。
今週1週間は節目であった。37724を下抜けてスタートしたものの、終わってみれば週足で下ひげピンバーで終え、値を戻す1週間になりました。来週以降、この節目の37724を再度試しに行くのか、それとも、再度5MAを下に割り込み、ショートトレンドに戻るのか、この辺を確認しながら寄与度ランキングが高い銘柄を狙っていくと良いでしょう。
5. 注目銘柄:住友電気工業(5802)
(a) 事業内容
住友電気工業(5802)は、電力ケーブルや光通信関連機器、自動車向けワイヤハーネスなどを主力とする大手総合電線メーカーです。環境エネルギーから情報通信、自動車部品、エレクトロニクス材料など、幅広い領域で事業を展開しており、脱炭素社会・情報化社会の進展に伴う需要拡大が期待されています。
(b) 企業概要・業績
- 2025年3月期第3四半期(2024年4月~12月)実績
・売上高:3兆4,412億円(前年同期比+6.8%)
・営業利益:2,068億円(前年同期比+39.4%)
・経常利益:1,979億円(前年同期比+42.0%)
・純利益:1,136億円(前年同期比+47.3%) - 2025年3月期通期予想(会社修正後)
・売上高:4兆6,000億円(前期比+4.5%)
・営業利益:2,800億円(前期比+23.6%)
・経常利益:2,660億円(前期比+23.5%)
・純利益:1,600億円(前期比+6.9%) - 主要指標(2025年3月14日終値ベース)
・PER(予想):12.94倍
・PBR(実績):0.90倍
・配当利回り(予想):2.90%
・自己資本比率:50.6%
高水準の増益予想と、光ファイバーや自動車電装品の旺盛な需要が業績を牽引しているのが特徴です。
(c) 株価推移
- 2025年3月14日終値:2,655.0円(前日比+41.0円、+1.57%)
- 始値:2,614.5円
- 高値:2,666.5円(14:55)
- 安値:2,609.0円(09:01)
- 出来高:3,233,700株
自動車関連や情報通信インフラ投資の拡大を背景に、同社の業績期待とともに買いが入りやすい状況です。なお、PBRが1倍を下回っている点や、配当利回りも2%台後半で推移していることから、バリュエーション的な妙味を感じる投資家も多い模様です。
(d) 今後の見通しやリスク要因
- ポジティブ要因
・5G/6G向け光通信関連製品やレドックスフロー電池など、新規事業領域の拡大
・自動車電装化需要(EV化やADAS関連)によるワイヤハーネス売上増
・原材料価格の上昇を適切に転嫁できる体制の整備 - リスク要因
・銅など原材料価格の極端な変動
・米中貿易摩擦や世界的な景気後退による設備投資減少
・海外生産拠点での地政学リスクや為替リスク
総合電線メーカーとしての技術力と、幅広い製品ポートフォリオによる安定感が評価されていますが、為替や資源価格、世界経済の動向を注視する必要があります。
住友電気工業(5802)のチャート分析・シナリオ

住友電気工業(5802)は、本日寄り付きから強い値動きを見せ、綺麗な陽線で1日を終えました。日足チャートを見ると、安値が5日移動平均線(5MA)にきれいに支えられており、短期的な反発力を示しています。
特に注目すべきは2723円近辺の重要な節目です。このポイントには複数の重要な指標が集中しています:
- 75日移動平均線(75MA)が接近
- 5日移動平均線(5MA)と25日移動平均線(25MA)も収束中
- 過去の高値・安値から形成された抵抗帯
こういう明確な節目が確認できる場合は、その水準での値動きを確認し、方向性に従ったトレードが効果的です。
現在の状況から考えられる2つのシナリオは以下の通りです:
【ショートシナリオ】(優位)
日足では下降トレンドが続いているため、ショート方向に優位性があります。
- エントリー条件:2723円付近で5MAと25MAが収束後、下方向に拡散
- 損切りライン:2750円(節目の少し上)
- 目標値:2600円→2500円→2400円
【ロングシナリオ】(要注意)
- エントリー条件:2723円を上抜け、5MAと25MAがゴールデンクロス
- 損切りライン:2680円(節目の下)
- 目標値:2850円→3000円
ファンダメンタル面では、自動車関連や通信インフラ需要の回復が期待される住友電気工業。EVシフトによるワイヤーハーネス需要増加や5G関連の光ファイバー需要も追い風となる可能性があります。
しかし短期的には、明確な2723円の攻防ラインを注視することが重要です。この価格帯を上抜けるか下抜けるかで、今後の方向性が決まるでしょう。日足の大きな流れではショート優位ですが、明確な上抜けが確認された場合は、トレンド転換の可能性も視野に入れてください。
いずれのシナリオでも、節目がはっきりしているため損切りラインが設定しやすく、リスク管理がしやすい銘柄といえます。
6. 明日以降の戦略とまとめ
(a) 明日以降の注目指標発表予定
- 3月15日:国内の重要経済指標の大きな発表予定は見当たらず
- 3月17日:米2月小売売上高
- 3月20日:米新規失業保険申請件数
米国の個人消費関連データは為替や日本株に影響しやすいため要注意です。
(b) 投資家へのアドバイス
- 米国株が調整局面に入っていることを踏まえ、米国市場のボラティリティには十分警戒する
- 円安メリットを享受できる輸出関連銘柄や、電気自動車・再生可能エネルギー関連など成長領域に注目
- 業績上方修正や高配当利回りの個別銘柄を中心にスクリーニングし、相場急変時にも保有しやすい銘柄を厳選
(c) 総括コメント
本日の日本株は、米国株安から始まった流れを跳ね返し、日経平均が3万7,000円台を取り戻す力強い展開となりました。非鉄金属や保険など景気敏感セクターが買われた反面、空運やサービス、陸運など内需系の一部は軟調です。
今晩の米国市場もボラティリティの高さが予想されるため、翌日の寄り付きには注意が必要です。特に為替の動向次第で相場の方向が急変する可能性があるため、慎重なリスク管理が求められます。一方で、住友電気工業(5802)のような業績や技術力に裏付けられた中長期的な成長期待のある銘柄に対しては、押し目を狙う投資家の買い意欲も旺盛と言えるでしょう
7. 免責事項・無料相談
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を行うものではありません。株式投資における最終的な売買判断は、すべて自己責任で行ってください。また、相場状況や経済指標は日々変化しますので、常に最新の情報を確認することが大切です。
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参考リンク
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以上、「今日の日本株式市場のまとめ(注目銘柄あり)」でした。明日以降の投資・トレード戦略の参考になれば幸いです。
今後も「日本株」や「日経平均」「株式投資」「住友電気工業(5802)」などに関する最新情報を随時配信していきますので、引き続きご覧ください。
初心者向け用語集
- S&P500:アメリカの代表的な株価指数の一つ。大型企業を中心に500銘柄を対象としており、市場全体の動向を把握する際に重要視されます。
- 調整局面:株価が一定の上昇トレンドから一時的に下落したり、需給バランスが崩れて大きく値動きする状況のこと。通常は高値圏から10%程度下落した状態を指します。
- 関税政策:貿易対象国との取引で輸入品などに対して課される税金(関税)の方針。関税が引き上げられると貿易コストが増大し、企業収益や株価に影響します。
- 円安ドル高:日本円の価値が相対的に下がり、米ドルの価値が高くなっている状況。輸出企業は円安によって海外売上高が増えるため、株価には追い風となりやすいです。
- 先物主導:株価指数先物の取引で大きな買い(または売り)が入ることで、現物市場の株価にも連動した動きをもたらすことを指します。
- SQ(特別清算指数):株価指数先物やオプション取引の満期(または期日)に算出される決済価格。オプションや先物の取引が多いと、SQの前後で株価が大きく変動することがあります。
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