株式投資・市況

【2025年2月28日 日本株市況】日経平均は年初来最大の下げ幅、注目銘柄アドバンテストは8%超安

はじめに

本日2025年2月28日(金)の日本株式市場は、米国株安や半導体関連株への売りが重しとなり、大きく下落しました。日経平均株価は今年最大の下げ幅を記録しており、投資家心理が大きく冷え込んだ1日でした。ここでは主要指数の動向や注目のニュース、今晩の米国市場の注目点、さらに本日の注目銘柄「アドバンテスト(6857)」について詳しく解説します。

1.本日の日本株式市場の概況

  • 日経平均株価:終値 37,155.50円(前日比 -1,100.67円、-2.88%)
    • 始値:37,853.48円
    • 高値:37,925.28円(09:02)
    • 安値:36,840.12円(12:50)

    日中早い段階から下げ幅を広げ、後場に一時36,840.12円まで下落。終値ベースでは2月3日の下落幅(-1,052.40円)を上回り、今年最大の下落幅となりました。昨年9月30日の-1,910.01円以来、5カ月ぶりの大幅安です。

  • TOPIX(東証株価指数):終値 2,682.09ポイント(前日比 -54.16ポイント、-1.98%)
  • 東証グロース250指数:終値 653.77ポイント(-2.21%) ※7日続落
  • 出来高:27億0921万株(東証プライム概算)
  • 売買代金:6兆2109億円(東証プライム概算)

日経平均の下げ幅は1,000円超と大きく、投資家のリスク回避姿勢が鮮明となりました。米国半導体株安や円高方向への為替変動などが重石となり、特にハイテク株を中心に売りが膨らみました。

セクター別動向

東証33業種中、鉱業や電気・ガスなど一部の業種を除いた多くのセクターが軟調でした。特に非鉄金属、機械、電気機器といった輸出関連セクターが大きく売られ、半導体関連を含む電気機器の下落が顕著だったことが全体指数を押し下げる一因となりました。

個別銘柄

  • 値下がり率上位はミガロHD(5535)ディスコ(6146)アドバンテスト(6857)タツモ(6266)ローツェ(6323)など半導体関連が多数ランクイン。
  • 東京エレクトロン(8035)は4%超安、ソフトバンクグループ(9984)は6%安と大型ハイテク銘柄にも売りが波及。
  • この日新規上場したTENTIALは公開価格を30%上回る2,600円で初値を付け、その後2,879円まで上昇して2,751円で取引を終えました。

東証プライム全体では値上がり銘柄数312、値下がり銘柄数1283と、下げ優勢の展開でした。

日経平均のチャート


大きな大陰線をつけて37,155円で引けています。一時、前日比で1,000円以上下げ市場全体を驚かせました。今日は寄り付きから一気に下落し、その後回復することはありませんでした。とにかく不気味なのは週足で、今週1週間、非常に不気味な大陰線をつけて終わったため、来週以降大きく下がってくる可能性があります。

2.今日のニュース・ヘッドライン

  • 米国株式市場の下落を受け、半導体関連株を中心に売りが先行。エヌビディア(NVDA)の株価急落やSOX指数の下げが、日本の半導体装置株に波及しました。
  • 為替相場の円高進行も重石に。輸出企業の収益減が懸念され、機械・電機セクターに広範な売りが出ました。
  • トランプ前大統領が関税を再び強化する構えを見せたとの報道が広がり、リスクオフ要因となりました。
  • 2025年2月の東京都区部消費者物価指数(東京CPI)は総合が前年同月比2.9%上昇、生鮮食品を除くコアCPIが2.2%上昇と前月比で伸びが鈍化。物価上昇ペース鈍化が確認された一方、企業へのコスト転嫁圧力は続いています。

3.今晩の米国市場の注目ポイント

  • 米国株式市場の直近動向
    • ダウ平均:43,239.50ドル(-193.62)
    • S&P500:5,861.57(-94.49)
    • ナスダック総合:18,544.41(-530.84、-2.78%)

    エヌビディアの急落を受けて半導体セクター全般に売りが波及。決算内容自体は概ね好調ながら、想定より低い粗利益率見通しなどが嫌気されました。米長期金利の上昇基調もハイテク株の重石となっています。

  • 政策・リスク要因
    • トランプ前大統領の関税発動計画
    • 各国の対抗措置への思惑
    • FRBの金融政策:足元では追加利上げ観測が後退せず、インフレ抑制姿勢が続く見通し
  • 主要経済指標・イベント
    • 消費関連の経済指標(個人所得・個人消費支出、PCE物価指数など)発表予定
    • FRB高官の講演やパウエル議長の発言機会
    • 主要企業決算:マイクロソフト、メタ、テスラなどは4月下旬〜5月に控えており、来週以降のガイダンスにも要注目

米国市場が今晩も軟調なら、来週の日経平均の戻りを抑制する要因となる可能性があります。逆にエヌビディアを含むハイテク株の買い直しが入れば、日本株式市場も巻き返しが期待されます。

米国株指数のチャート

【ダウ】


前日、上ひげをつけた陰線で終了。非常に不気味な展開を見せており、このまま下落しそうな勢いです。ただ、現在の43,200ポイント近辺抵抗帯があるため、ここを抜けると一気に42,000ポイントまで急落する可能性があるので注意してください。

【ナスダック100】


急落していますエヌビディアの決算後ということもあり、非常に大きな影響が出て、現在は20,550ポイントとなっています。いつもは20,500ポイントという抵抗帯まで落ちてきましたが、今晩の結果次第ではさらに急落する恐れがあるため、個別株を保有している方は注意してください。私としては、しばらくは手を出せない相場感です。

【S&P500】


現在、5,861ポイント。大きな陰線をつけました。75日線も下向きになっているため、このままショートトレンドに突入する可能性が十分に高いです。Xで見たところ、S&P500指数を積み立てていた方の中で含み損となっている方が急増しているそうです。ここから狼狽売りも入るため、しばらくは手を出さないほうが賢明でしょう。ただし、積み立てをしている方はあまり気にせず、ご自身のペースで積み立てていくのが正解です。そもそもそれが基本の手法です。

4.今日の注目銘柄:アドバンテスト(6857)

本日の値下がり率上位銘柄のひとつとしてアドバンテストが大きく売られました。終値は前日比で8%超下落し、半導体関連の急落を象徴する動きとなっています。以下では事業概要や業績、さらに株価・株式情報の最新データを整理します。

【株価・株式情報(2025年2月28日時点)】

(株)アドバンテストの株価・株式情報

  • 前日終値:8,897円(02/27)
  • 始値:8,200円(09:12)
  • 高値:8,285円(09:12)
  • 安値:8,005円(09:24)
  • 出来高:18,095,400株(15:30)
  • 売買代金:146,602,136千円(15:30)
  • 値幅制限:7,397~10,400円(02/28)

参考指標

  • 時価総額:6,218,002百万円(15:30)
  • 発行済株式数:766,141,256株(02/28)
  • 配当利回り(会社予想):0.48%(15:30)
  • 1株配当(会社予想):39.00円(2025/03)
  • PER(会社予想):(連)35.77倍(15:30)
  • PBR(実績):(連)12.01倍(15:30)
  • EPS(会社予想):(連)226.92円(2025/03)
  • BPS(実績):(連)675.68円(2025/03)
  • ROE(実績):(連)15.57%(2024/03)
  • 自己資本比率(実績):(連)64.2%(2024/03)
  • 最低購入代金:811,600円(15:30)
  • 単元株数:100株
  • 年初来高値:10,430円(2025/01/10)
  • 年初来安値:4,473円(2024/01/04)

4-1.事業内容・市場における地位

  • 半導体テスト装置分野で世界シェア58%(2023年時点)を誇るリーディングカンパニー
  • 主力製品はSoC(システムオンチップ)向けテスター、メモリテスター
  • 近年はAI向け高性能半導体の検査需要増に対応し、競合米テラダインとの差を拡大中
  • 研究開発からサービス、ソフトウェアまでトータルソリューションを提供し、テスト工数の削減や品質向上で顧客を支援

4-2.業績・決算の状況

  • 生成AI・データセンター向け半導体の需要拡大が寄与し、業績は大幅な改善を見込む。第3四半期時点で既に過去最高水準との報道もあり、会社計画や市場予想をさらに上振れる可能性を示唆。
  • 半導体市況の回復基調が続けば、更なる受注増加も期待される一方、景気後退局面や利上げ長期化が需要を冷やす懸念も無視できない。

4-3.強みとリスク要因

  • 強み:世界トップクラスの市場シェア、長年培った技術ノウハウ、一度導入すると競合へ切り替えが難しいロックイン効果
  • リスク
    • 半導体設備投資の波(シリコンサイクル)の影響を受けやすい
    • 米中対立や地政学リスクによる需要急減リスク
    • 競合他社の新技術進展、または顧客内製化への警戒

4-4.株価動向と見通し

  • 本日(2/28)は8%超の急落。米国株安・半導体セクターの地合い悪化の煽りを受けた格好
  • 今年に入ってからは一時9,600円台まで買われる場面があり、大幅上昇後の利益確定売りも出やすい展開
  • 半導体需要見通しは依然明るく、AI・自動車向けなど複数の成長ドライバーあり。市場シェア58%という高い競争優位性を背景に、中長期的には成長が続く可能性
  • ボラティリティが高い銘柄で、PER約35倍・PBR約12倍とバリュエーションは割高感もあるため、短期の値動きには注意が必要

総じて、世界の半導体需要拡大というメガトレンドを享受できるアドバンテストは、業績拡大余地が大きい魅力的な銘柄です。しかし、外部環境の急変や市況サイクルには要注意。短期的な大きな値動きに振り回されず、中長期の成長性を見据えた投資判断が肝要と言えるでしょう。

アドバンテストのチャート

半導体株全体が引きずられるように一気に値を下げました。ただし、ちょうど調整局面のような形8116円で引けています。確かにここから買うにはかなりの勇気が必要ですが、売りが一巡した場合、買いのチャンスにもなる可能性があります。しかし、今は焦るべきではありません。もし買うとしても、必ず最低限、5日線が上向きで、ローソク足が上にブレイクしてから行うようにしてください。さもないと、逆張りの買いを急いでもそのまま引きずられる可能性があります。

5.まとめと明日以降のトレード戦略

  • 日経平均は前日比-1,100.67円安の37,155.50円で今年最大の下げ幅を記録し、大幅安となりました。米半導体関連株の急落や円高進行、トランプ前大統領の関税再強化リスクなど外部要因が重なり、投資家のリスク回避姿勢が強まりました。
  • 全体として半導体関連株が大きく売られ、アドバンテスト(6857)は8%超下落。同社は世界トップクラスの半導体テスト装置メーカーとして中長期的には高い成長が期待されますが、足元の相場急落に巻き込まれる形となりました。
  • 今晩の米国市場でハイテク株が持ち直すかどうかが、来週の日本株相場の一つのカギとなります。米国ではFRBの利上げ動向や主要企業の決算が引き続き注目ポイント。特に半導体銘柄の需給や地合いが落ち着けば、日本のハイテク株も再評価されやすいでしょう。

明日以降のトレード戦略としては、外部環境の不透明感が高まっているため、短期では逆張りの押し目買いに際し慎重な資金管理が求められます。中長期では半導体関連AI関連といったテーマの成長性を改めて見直す好機となる可能性があります。ただし米国市場の金利動向や関税リスクなど、下振れリスクも十分に織り込んだ上で投資判断を行いましょう。

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