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ファイナンシャルプランナー試験・FP試験「収益還元法(直接還元法/NPV法/IRR法)」完全対策ガイド:過去問傾向・高得点勉強法・当日テクニックまで一挙公開

ファイナンシャルプランナー試験・FP試験「収益還元法(直接還元法/NPV法/IRR法)」完全対策ガイド:過去問傾向・高得点勉強法・当日テクニックまで一挙公開

この記事ではファイナンシャルプランナー試験(FP2級・CFP)を受験する方が苦手にしやすい「収益還元法(直接還元法/NPV法/IRR法)」の論点を網羅的かつ分かりやすく解説します。

Contents

この記事から得られるメリット

  • 過去10年の出題傾向から導いた頻出ポイントを把握できる
  • 苦手意識を生む計算式と判定基準をスッキリ理解できる
  • 明日から真似できる学習プランと当日テクニックを入手できる
  • 合格者の声・公式データでモチベーションが継続する

ファイナンシャルプランナー試験の収益還元法とは?基礎定義を30秒で整理

そもそも収益還元法は「将来収益の現在価値」

収益還元法は不動産が将来生み出す純収益の現在価値を合計し、価格(収益価格)を求める鑑定手法です。FP試験では「価格の三面性」のうち収益性に該当し、自用不動産でも賃貸を想定すれば適用可能と覚えましょう。

2大系統:直接還元法とDCF法(NPV/IRR を内包)

  • 直接還元法
    一期間(通常1年)の純収益 ÷ 還元利回りで価格を一発算出。式がシンプルゆえ計算問題の定番です。
  • DCF法
    複数期間のキャッシュフローと売却時復帰価格を割引率で現在価値へ換算し合計。
     ├─ NPV法:現在価値合計 − 投資額=NPV。プラスなら投資有利
     └─ IRR法:NPV=0となる割引率(内部収益率)。IRR > 期待収益率で投資有利。

FP試験・収益還元法の過去問出題傾向と難易度

出題頻度は「ほぼ毎回」— 問41〜問50周辺を要チェック

FP2級学科はここ10年、5月・9月・1月試験のいずれも不動産パート中盤で収益還元法を出題。
たとえば2024年5月・問41で直接還元法の定義、2024年9月・問50でNPV/IRRの判定基準が出題されています。
よって「必ず1問は来る」と想定して学習するのが得策です。

正答率データで見る「難所」

  • 2024年5月・問50 ― 正解肢28.9%:NPV判定を逆に読ませるひっかけ
  • 2022年1月・問42 ― 正解肢28.1%:総収入と純収益を取り違えさせる問題

いずれも定義と判定基準を正確に覚えれば即得点できるため、攻略コスパが高い分野です。

直接還元法:公式丸暗記+電卓練習で満点を狙う

計算式は「純収益 ÷ 還元利回り」だけ

例題:年間家賃収入1,500万円、諸経費200万円、還元利回り5%。
純収益=1,500−200=1,300万円
収益価格=1,300 ÷ 0.05 = 2億6,000万円

よくあるひっかけ

  • 「総収入」を使うと書かれている肢 → ❌ 純収益で解く
  • 還元利回りは高いほど優良と誘導 → ❌ 価格は下がる(リスクが高い)

NPV法:プラス/マイナス判定を一発で覚えるコツ

“正味いくら儲かるか” で理解

NPV=収益の現在価値合計 − 投資額の現在価値合計。プラスなら Go、マイナスなら No
100万円投資し現在価値120万円の収益 → NPV+20万円 ⇒ 投資有利。

頻出ひっかけ

  • 「投資額が収益を上回ると有利」→ 逆なので誤り
  • 割引率の使い間違い(年数をずらす、複利現価率表読み違い)

IRR法:内部収益率と期待利回りを比較するだけ

定義は「NPV を 0 にする割引率」

IRR > 期待収益率 ⇒ 投資有利。
IRR < 期待収益率 ⇒ 投資不利。
数値が大きいほど魅力的という単純比較で覚えるとミスが減ります。

最短合格を実現する学習スケジュール例

前提:総学習150時間を8週間で配分

  • Week1-2(30h)基礎理解
     ・教科書+YouTubeで全体像
     ・直接還元法の公式暗記
  • Week3-5(60h)演習深化
     ・過去問5年分を2周
     ・DCF/NPV/IRRの計算を電卓で反復
  • Week6-7(40h)アウトプット特化
     ・模試2回+復習
     ・ひっかけ選択肢コレクションを自作
  • Week8(20h)総仕上げ
     ・弱点ノート見直し
     ・当日想定タイムマネジメント

時間確保が難しい方は朝30分+通勤30分+夜30分のスキマ学習でOK。家族サービスと両立する受験生も多く、無理なく続けられます。

よくある間違いと即修正チェックリスト

  • 直接還元法とDCF法を混同していないか
  • NPV判定を逆に読んでいないか
  • 復帰価格を現在価値に割り引き忘れていないか
  • 雑費・固定資産税を純収益計算に含めたか
  • 複利現価率を年度ごとに変更したか

試験当日の高得点テクニック

時間配分は「1問2分」の意識

計算問題で詰まったら2分で捨てて次へ。戻る時間は最後に10分確保。

捨て問を決める勇気

  • 利回り・税効果など多層式のレア計算は後回し
  • 不動産鑑定理論の細かい用語定義は消去法で対応

マークミスゼロ作戦

計算結果をチェックシートやスマホのメモ(休憩中)で再確認し、数字の転記ミスを防止します。

おすすめ内部リンクで学習を加速

信頼性を高める外部リンク

まとめ:収益還元法は「定義+計算+判定」を押さえれば怖くない

最後にもう一度ポイントを整理します。

  • 直接還元法=純収益 ÷ 還元利回り。純収益と総収入の区別が命。
  • NPV法はプラス判定IRR法は期待収益率との大小比較
  • 過去問でひっかけ選択肢を収集&暗記すれば正答率は一気に上昇。
  • 150時間を8週間で割り、インプット→演習→仕上げと段階的に学習。

ここまでマスターできたあなたは、収益還元法でほぼ落とさないレベルに到達しています。次のステップとして、上記の内部リンク記事を読み込み、不動産分野や他科目の総合力を底上げしましょう。さらに実践的な過去問演習はこちらの体験記で詳しく紹介しています。

合格は「知っているか、知らないか」だけ。この記事で得た知識を今すぐアウトプットに移し、ファイナンシャルプランナー試験合格を勝ち取りましょう!

オリジナル練習問題

問題1 キャップレートの定義

直接還元法における総合還元利回り(キャップレート)は、純収益を物件価格で除して求める指標である。

解答:◯

解説:キャップレート=純収益 ÷ 価格。市場で観察した利回りを使って価格を逆算するのが直接還元法の基本。

問題2 操作純収益の算入

直接還元法では、取得費用(登記費用や仲介手数料など)は純収益の算定に含めて評価する。

解答:×

解説:純収益に含めるのは賃料収入から運営費や空室損失を控除した金額であり、取得時に発生する一時費用は含めない。

問題3 NPV法の意思決定ルール

NPV(正味現在価値)がゼロより大きい投資案は、資本コストを上回る収益性があると判断される。

解答:◯

解説:NPV>0は割引率(資本コスト)で現在価値を求めたときに余剰価値が生じることを意味し、投資採択の基準となる。

問題4 NPVの割引率

NPV法で用いる割引率は、常に国債利回りなどの無リスク利子率を用いる。

解答:×

解説:割引率には投資対象のリスクを反映した資本コスト(WACCや期待収益率など)を用いるのが原則で、無リスク利子率のみを使うわけではない。

問題5 IRRと割引率の関係

IRR(内部収益率)が資本コストより低い場合、NPVは必ずマイナスになる。

解答:◯

解説:IRRはNPVをゼロにする割引率。資本コストがIRRを上回れば、NPVは負になる。

問題6 IRRの複数解

全ての投資案件について、IRRは常に一つしか存在しない。

解答:×

解説:キャッシュフローに符号の変化が複数回ある場合、IRRが複数存在することがあり得る。

問題7 直接還元法の適用対象

直接還元法は、安定した収益が見込める賃貸用不動産の評価に適している。

解答:◯

解説:キャップレートは単年度の純収益を前提とするため、収益が安定している既成物件の評価で有効。

問題8 NPV法の期間

NPV法では、評価期間の最終年キャッシュフローに残存価格を加味する必要はない。

解答:×

解説:保有終了時に予想される売却額(残存価格)を最終年キャッシュフローに加え、現在価値を計算する。

問題9 IRRと資本回収

IRRは平均投資期間中に資本が何回回収できるかを示す指標である。

解答:×

解説:IRRは資本回収の回数を示すものではなく、投資キャッシュフローから計算される年平均利回り(複利)を表す。

問題10 直接還元法の限界

直接還元法は将来の賃料変動や大規模修繕費の影響を詳細に反映できるため、長期的な投資判断に最も適している。

解答:×

解説:直接還元法は単年度の純収益とキャップレートのみで価格を求めるため、将来の収支変動を詳細に織り込むことが難しく、長期的な投資判断にはDCF法(NPV法)がより適切とされる。

よくある質問

  • 収益還元法の計算が苦手です。最短でマスターするコツは?
      まずは「不動産価格=純収益÷還元利回り」の1行公式を完璧に暗記しましょう。そのうえで FP試験完全攻略ガイド の直前対策パートに沿って、数字を変えた“電卓ドリル”を毎日5問解くと計算スピードが飛躍的に上がります。
  • NPV法とIRR法、試験ではどちらを優先的に覚えるべき?
      定義問題はNPV>0=投資有利の判定基準が頻出です。一方、IRRはNPV=0になる割引率を導く計算問題で差がつくため、余裕があれば「IRR>期待収益率→投資GO」のロジックも押さえておくと安心です。
  • 電卓はどの機種がおすすめですか?
      金融電卓は不要で、関数キー付きの一般的な電卓で十分です。キー配列が広くメモリ機能が付いたものを選ぶとDCF計算がスムーズに行えます。
  • 学習時間を確保できない社会人です。効率的な勉強方法は?
      通勤時間に 収益還元法の解説動画 を倍速視聴し、帰宅後に5分だけ過去問を1問解く“スキマ学習×毎日継続”が最も効果的です。
  • 過去問は何年分解けば十分?
      直近10回分(5年分)を2周すると出題パターンをほぼ網羅できます。時間がない場合でも直近3回分は必ず解きましょう。
  • 試験当日に計算ミスを防ぐコツは?
      計算式を書いてから数字を入れる“枠組み先行”がおすすめです。また、還元利回りを%でなく小数に直してから入力する癖をつければ、割り算ミスを大幅に減らせます。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 収益還元法:将来得られる純収益をもとに不動産価格を算出する評価手法の総称。
  • 直接還元法:1年間の純収益を還元利回りで割り、瞬時に価格を求める計算方法。
  • DCF法:複数年にわたる純収益と復帰価格を現在価値に割り引き合計する精緻な評価手法。
  • NPV(正味現在価値):投資によるキャッシュフローの現在価値合計から投資額を差し引いた値。プラスなら投資有利。
  • IRR(内部収益率):NPVをゼロにする割引率。期待収益率を上回れば投資有利。
  • 純収益(NOI):賃料収入など総収入から管理費・税金など総費用を差し引いた年間利益。
  • 還元利回り(キャップレート):純収益を不動産価格に還元する際に用いる利回り。低いほど高価格を示す。
  • 復帰価格:DCF法で保有期間終了時に想定する売却価格(終価)。
  • 現在価値:将来の金銭価値を割引率で「今の価値」に換算した金額。
  • レバレッジ効果:借入を利用して自己資本収益率を高める仕組み。収益率が借入金利を上回るとプラスに働く。

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ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。当ブログでは、ファイナンシャルプランナー試験に関するあらゆるお悩みにお応えします。

無料とはいえ、もちろんファイナンシャルプランナー試験の資格の保有者である著者が直接お答えさせていただきます。

初学者から再受験を目指す方まで幅広く対応していますので、どうぞお気軽にご相談ください。無料で学習のコツやスケジュールの立て方などをアドバイスさせていただきます。あなたの合格を全力でサポートいたしますので、一緒に合格への最短ルートを走り抜きましょう!FP試験に関する無料相談はこちら

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。
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