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【FP試験・金融資産運用の税金】完全攻略ガイド|利子・配当・特定口座を徹底解説 – ファイナンシャルプランナー試験対策

ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)の「金融資産運用に係る税金」と「特定口座・一般口座の違い」で高得点を狙うための完全ガイド。利子所得・配当所得の課税方式、特定公社債や上場株式と一般公社債・一般株式の違いなどを具体例と過去問の傾向からわかりやすく解説します。

Contents

この記事を読むメリット

この記事では、ファイナンシャルプランナー試験(以下、FP試験)の「金融資産運用に係る税金」にフォーカスし、特に利子所得・配当所得に関する課税方式の理解や、特定口座・一般口座の違いを中心に解説していきます。以下のメリットを得られます。

  • 難解な金融商品の課税ルールが整理できる
  • 申告分離課税や源泉分離課税の仕組みを実例で理解できる
  • 特定公社債・上場株式と一般公社債・一般株式の違いを把握でき、試験のひっかけを回避できる
  • 特定口座・一般口座の特徴を押さえ、確定申告の要否損益通算を正しく理解できる
  • 過去の出題傾向や攻略法を知って、短期間で効率よく点数アップを図れる

これを読めば、FP試験の金融資産運用に係る税金分野の悩みが解決し、過去問対策もしやすくなります。ぜひ最後までお読みください。

ファイナンシャルプランナー試験・FP試験における「金融資産運用に係る税金」の重要性

FP試験ではライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継の6科目が出題範囲です。その中でも「金融資産運用」は、株式や投資信託、債券といった投資商品を扱うことが多く、税金の知識が頻出テーマになっています。

特に、利子所得・配当所得の課税方法証券口座(特定口座・一般口座)の選択は、受験生が苦手としがちな論点です。実技試験でも実際の計算問題や事例問題として出題されやすいため、得点源とするには体系的に理解しておくことが欠かせません。

金融資産運用に係る税金:利子所得と配当所得の扱いをおさらい

利子所得の課税方式

利子所得は、銀行の預貯金や国債など公社債の利子から生じる所得です。基本的に源泉分離課税として、金融機関が利子の受取時に約20.315%(所得税+住民税)を源泉徴収します。

  • 預貯金の利子:源泉徴収のみで完結(確定申告は不要)
  • 一般公社債(特定公社債に該当しない公社債)の利子:基本的に源泉分離課税
  • 特定公社債の利子:申告分離課税を選択できる(後述)

なお、預貯金の利子以外に、懸賞金付き預貯金の懸賞金や外貨建て預金の為替差益も源泉分離課税になる点は要注意です。

配当所得の課税方式

配当所得は、株式や投資信託の分配金などに由来する所得です。FP試験では特に「上場株式等の配当」について、以下の3パターンから選択できる点が頻出です。

  • 総合課税:他の所得と合算し、配当控除が可能。ただし上場株式の譲渡損失とは損益通算できない。
  • 申告分離課税:他の所得と分離して課税し、譲渡損失と損益通算できるが配当控除は受けられない。
  • 申告不要(源泉徴収):証券会社等で源泉徴収され、確定申告をしない。譲渡損失との損益通算は不可。

多くの受験生が混乱するポイントは、「配当控除が受けられるのは総合課税を選択した場合だけ」という点、そして申告分離課税を選択すれば配当控除は受けられないことです。試験でもよくひっかけが出ますので、しっかり覚えておきましょう。

特定公社債と一般公社債、上場株式と一般株式の違い

特定公社債と一般公社債の区分

公社債は国債や地方債、社債などの総称ですが、FP試験では税制上「特定公社債」と「一般公社債」に分かれる点が重要です。ざっくり整理すると以下の通りです。

  • 特定公社債:国債、地方債、公募公社債投資信託など(多くの公社債がこれに該当する)
  • 一般公社債:上記に当てはまらないもの。私募債などが該当

特定公社債は申告分離課税で他の特定公社債等と損益通算ができます。一方で、一般公社債は源泉分離課税しか選べず損益通算ができない場合があるため、問題文において「その公社債が特定公社債かどうか」を見落とさないようにしましょう。

上場株式と一般株式(非上場株式)の違い

株式の配当や譲渡益の課税方式を考える際、「上場か非上場か」は非常に重要なキーワードです。

  • 上場株式:配当は総合課税・申告分離課税・申告不要の3つから選択可。譲渡益は申告分離課税。
  • 一般株式(非上場株式):配当は総合課税が原則(申告不要は利用できない)。譲渡益は譲渡所得として原則非上場株式用の計算。

上場株式等の配当は課税方式を複数選択できる点が大きな特徴です。損益通算を行いたい場合や配当控除を受けたい場合など、実務的にも重要な知識となります。

特定口座と一般口座の違い:確定申告が必要かどうかが鍵

証券口座には大きく「特定口座」と「一般口座」があり、さらに特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。ここを正しく理解することが、FP試験での得点アップにつながります。

特定口座(源泉徴収あり)

  • 証券会社が取引ごとの損益計算を行い、税金を源泉徴収する
  • 基本的に確定申告不要
  • 他の金融機関の損益との通算配当控除を受ける場合などは、申告が必要

「会社員で給与所得以外に株式の利益があるけれど、確定申告は面倒」という方には、源泉徴収ありの特定口座は非常に便利です。試験でもメリットとして問われることがあります。

特定口座(源泉徴収なし)

  • 取引明細は証券会社が作成し、年間取引報告書が交付される
  • 税金は引かれないので、利益があれば自己申告で納税が必要
  • 逆に損失が出た場合は、ほかの所得との損益通算がしやすい

「源泉徴収あり」に比べると、利益が少ない年には税金を過剰に払わずに済む利点があります。しかし、利益が20万円を超えると確定申告が必要なので要注意です。

一般口座

  • 年間取引報告書は作成されず、すべて投資家自身で損益計算する
  • もちろん税金の源泉徴収はなし
  • 確定申告が必要になるケースが多い

「昔から持っていた株式を売却した」「特定口座が利用できない非上場株式を扱っている」などの場合、一般口座を使わざるを得ない場合があります。計算ミスのリスクなど管理が大変ですが、古くからの取引が一般口座に入っているパターンがよく見受けられます。

試験で頻出のポイントと過去問対策

よくある出題テーマ

  • 利子所得の課税方式(源泉分離課税 vs 申告分離課税)
  • 配当所得の3つの課税パターン(総合課税・申告分離課税・申告不要)
  • 特定公社債と一般公社債の区分と損益通算の可否
  • 特定口座と一般口座の違い、源泉徴収ありとなしの違い
  • NISA口座での非課税、譲渡損失の扱い(損益通算できない)

過去問例:特定口座をめぐる典型的な出題

たとえば、日本FP協会実施の実技試験(資産設計)では次のような選択肢が出されることがあります。

  • 特定口座(源泉徴収あり)で得た株式譲渡益は、確定申告が必要か
  • 「他行の特定口座で生じた損失と相殺するには確定申告が必要か
  • NISA口座内の譲渡損失は、ほかの口座の譲渡益と通算できるか

実際の試験問題では、選択肢の中に誤った情報が混じっています。例えば「NISA口座で出た損失は他の口座と通算できる」という記述があれば誤りです。2022年9月の実技試験でも同様の問題が出題され、間違いやすいポイントとなっていました。

損益通算と繰越控除のトラップ

申告分離課税の株式等譲渡所得は、他の申告分離課税の所得(上場株式、特定公社債など)の損益と通算できます。また、損失が出た場合は最大3年間繰り越せる繰越控除のしくみもあります。ただし、NISA口座内で生じた損失は損益通算ができないのが頻出ひっかけです。

さらに、配当所得を申告分離課税で申告した場合、譲渡損失と通算できるメリットがある一方、配当控除は使えない点が試験で狙われます。どちらを選んだ場合にどんなメリット・デメリットがあるかを整理しておくと良いでしょう。

勉強の進め方:過去問+テキストで対策しよう

ここまで解説してきた「金融資産運用に係る税金」と「口座の違い」は、いずれも過去問演習が非常に効果的です。まずはテキストで基本を押さえたら、過去問をどんどん解いてパターンをつかみましょう。

  • 最新3~5回分の学科・実技試験問題を繰り返し解く
  • 間違えた問題はテキストに戻って徹底的に復習する
  • 改正情報(NISA制度改正など)も押さえる

2024年からの新NISA制度(成長投資枠など)に関しては詳細が試験範囲に含まれることもあるため、日本FP協会や金融庁のサイトで最新情報を確認すると安心です。
参考:金融庁:NISA(少額投資非課税制度)

具体的な学習スケジュール例

1日目~3日目:基礎知識インプット

  • テキストで利子所得・配当所得・口座の種類をざっと読む
  • 過去問を問題ジャンル別に確認(「税金」パートだけ)
  • わからない単語は国税庁サイトなどで調べ、ノートにまとめる
    参考:国税庁:税の情報

4日目~5日目:過去問実践&弱点補強

  • 直近3~5回分の過去問を実際に解く
  • 特に間違えやすい論点(NISA、特定公社債、配当の課税方式)をテキストに戻って再確認
  • 疑問点は、経済産業省や金融庁などの公的機関の資料や、受験用教材の解説を参照する

6日目~7日目:総仕上げ&実技対策

  • 実技試験の過去問を中心に、計算問題・事例問題を解く
  • 間違いがちな所得区分(利子所得・配当所得・雑所得など)を再チェック
  • 時間があれば模試形式で制限時間を測り、試験本番のシミュレーションを行う

よくある間違いと解決策

  • 配当所得を総合課税で申告すれば損益通算できる誤り。総合課税なら配当控除OKだが、損益通算は不可。
  • NISA口座の損失を他の特定口座と通算できる誤り。NISAは非課税枠であり、損益通算不可。
  • 特定口座(源泉徴収なし)でも申告不要誤り。利益が20万円超なら確定申告が必要。
  • 特定公社債以外の公社債も申告分離課税を選択できる誤り。一般公社債の利子は基本源泉分離課税。

上記のような誤解に注意しながら、問題演習を行うと効果的です。

おすすめ記事のご紹介(内部リンク)

さらに深く学習したい方は、以下の関連記事もぜひご覧ください。

これらの記事では、学習スケジュールの組み立て方や他の科目とのバランスの取り方なども解説しています。あわせてご活用ください。

まとめ:金融資産運用の税金分野は攻略可能!

ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)において、「金融資産運用に係る税金」の分野は、一見複雑に思えます。しかし、抑えるべき論点は以下の通りです。

  • 利子所得や配当所得の課税方式(源泉分離課税・申告分離課税・総合課税)
  • 特定公社債と一般公社債、上場株式と一般株式の違い
  • 特定口座(源泉徴収あり・なし)、一般口座、NISA口座の仕組み
  • 損益通算配当控除が使えるかどうか、どの課税方式を選ぶとメリットがあるか

ポイントを押さえれば、過去問演習で比較的スムーズに点数が伸びる科目とも言えます。ぜひ今回の解説を参考に、基礎のインプットと過去問演習を繰り返してみてください。税金分野は毎年出題が安定しているので、確実に得点源にして合格を引き寄せましょう!

次のアクション:さらに学習を深めよう

  • まずは本記事の内容をノートや表にまとめ、理解を固める
  • 直近3~5回分の過去問(学科・実技)を分野別に集中的に解く
  • わからない点や間違えた箇所は、必ずテキストや公的機関のサイトで再確認する

また、他の科目(リスク管理、タックスプランニングなど)との知識融合も進めると、試験当日の応用問題にも対応しやすくなります。「金融資産運用の税金」はタックスプランニングや相続など他科目にもリンクしやすいので、そこまで視野を広げれば合格ラインをしっかり超える力が身につきます。

あなたがこの記事をきっかけに、ファイナンシャルプランナー試験の合格へ大きく前進できることを願っています。ぜひスキマ時間を活用しながら効率よく学習を進め、実務にも役立つ知識を身につけてください。

最後に、合格後の実務やキャリアに興味をお持ちの場合は、日本FP協会や各金融機関のホームページもこまめにチェックして最新の情報を入手してみましょう。制度改正や各種手続きの情報を得ることで、試験対策だけでなく実務感覚も身につきます。

それでは、FP試験本番に向けてがんばってください!

<参考リンク(一部)>

  • 国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/
  • 金融庁「NISA(少額投資非課税制度)」:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/
  • 日本FP協会:https://www.jafp.or.jp/

※本記事内で引用・参照した内容の詳細は、上記リンクや関連する公的機関のページも併せてご確認ください。

【ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)合格体験記など他の記事】

以上、ファイナンシャルプランナー試験・FP試験の「金融資産運用に係る税金」分野と、特定口座・一般口座の違いの解説でした。ぜひ、本記事の知見を活かして、高得点を狙ってください!

参考サイト

初心者のための用語集

  • 利子所得:銀行預金の利子や国債など、公社債から得られる所得。必要経費が認められず、受け取った金額がそのまま所得となる。
  • 配当所得:株式や株式投資信託から得られる配当金による所得。総合課税、申告分離課税、または申告不要の方式を選択できる。
  • 申告分離課税:株式の譲渡益や一部の配当所得に適用され、他の所得と分離して税金を計算する方式。確定申告が必要で、譲渡損失との損益通算が可能。
  • 源泉分離課税:預貯金の利子や一般公社債の利子などに適用され、金融機関が税金を源泉徴収する方式。原則、確定申告は不要となる。
  • 総合課税:全ての所得を合算して税金を計算する方式。配当控除などの優遇措置が適用されるが、損益通算ができない場合もある。
  • 特定口座:金融機関が取引記録や税金の計算、源泉徴収などを自動で行う口座。源泉徴収ありとなしの選択が可能。
  • 一般口座:金融機関が自動で取引報告書を作成せず、投資家自身が損益計算や確定申告を行う必要がある口座。
  • NISA口座:投資による利益が非課税となる口座。ただし、譲渡損失の損益通算ができないなどの注意点がある。
  • 損益通算:複数の金融商品の利益と損失を合算し、税金計算の際に損失を相殺する制度。特に申告分離課税の場合に有効。
  • 譲渡損失:株式や債券の売却により発生する損失。一定条件下で他の利益と相殺できる場合がある。
  • 配当控除:総合課税を選択した場合に適用される制度で、株式等の配当所得に対する税負担を軽減する。

オリジナル練習問題

問題1

銀行の普通預金の利子にかかる税金は、源泉分離課税の対象となり原則として20.315%(国税15.315%、地方税5%)が源泉徴収される。
答え:◯
解説:銀行の普通預金や定期預金の利子は源泉徴収で完結する源泉分離課税となり、確定申告を行わないのが原則である。

問題2

上場株式の配当所得は必ず総合課税扱いとし、申告分離課税を選択することはできない。
答え:×
解説:上場株式の配当所得は、総合課税か申告分離課税かを選択できる。配当控除の適用を受けたい場合などは総合課税、株式譲渡益などと通算したい場合は申告分離課税を選ぶケースが多い。

問題3

特定公社債の利子は申告分離課税の対象となり、上場株式の譲渡損失と損益通算が可能である。
答え:◯
解説:特定公社債(国債・地方債・上場企業の社債など)の利子は申告分離課税扱いであり、上場株式などと同一の申告分離課税制度において損益通算が認められる。

問題4

一般公社債の利子は、特定口座(源泉徴収あり)の扱いでは課税関係が自動的に完結するため、確定申告する必要はない。
答え:×
解説:一般公社債は特定口座の対象にならず、特定口座内での源泉徴収や損益通算もできない。したがって、源泉分離課税の対象か、または申告が必要な場合もあり、特定口座での自動処理は行われない。

問題5

特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があり、「源泉徴収あり」の場合は原則として確定申告を不要とすることができる。
答え:◯
解説:特定口座(源泉徴収あり)を選択すると、売却益などにかかる税金が口座内で自動的に源泉徴収されるため、原則として確定申告不要となる。ただし医療費控除など別の理由で確定申告する場合は合算も検討される。

問題6

一般口座は証券会社から年間取引報告書が交付されるだけで、取引に係る損益通算や税計算は投資家自身で行わなくてはならない。
答え:◯
解説:一般口座の場合、証券会社は損益計算や税額計算を行わないため、確定申告が必要な場合は投資家自身が1年分の取引を整理して申告する。

問題7

上場株式の配当所得で申告分離課税を選択した場合でも、配当控除を併せて適用することができる。
答え:×
解説:上場株式の配当を申告分離課税で申告する場合は配当控除の適用は受けられない。配当控除は総合課税を選んだ場合のみ適用される。

問題8

特定口座(源泉徴収あり)を利用している投資家が、上場株式の譲渡損失を翌年以降に繰り越したい場合は確定申告を行う必要がある。
答え:◯
解説:損失の繰越控除を受けるには確定申告が必須となる。特定口座の源泉徴収ありであっても、譲渡損失の繰越を希望するなら確定申告をする必要がある。

問題9

特定公社債の譲渡益は上場株式等の譲渡益と同様に申告分離課税の対象であり、損益通算も可能である。
答え:◯
解説:特定公社債の譲渡益は、上場株式等と同じく申告分離課税扱いとなるため、株式譲渡損益と通算することができる。

問題10

非上場株式の配当所得は、必ず特定口座を利用して源泉徴収することが認められている。
答え:×
解説:非上場株式は特定口座の対象外である。非上場株式の配当を受ける場合は、源泉徴収の有無や課税方法が異なるため、個別に確認・申告が必要となる。

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