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ファイナンシャルプランナー試験【不動産】頻出!土地活用の手法〈自己建設方式・事業受託方式・等価交換方式・定期借地権方式・建設協力金方式〉完全攻略ガイド

ファイナンシャルプランナー試験【不動産】頻出!土地活用の手法〈自己建設方式・事業受託方式・等価交換方式・定期借地権方式・建設協力金方式〉完全攻略ガイド

Contents

この記事を読むメリット

  • 出題頻度の高い5方式の要点をまとめて理解できる
  • 最新の過去問傾向をもとに勉強優先度が分かる
  • 覚えにくい比較ポイントを図解・語呂合わせで暗記
  • 実技対策・当日テクニックまで一気通貫で学べる

なぜ「土地活用の手法」がFP試験の鬼門になるのか

不動産分野は学科・実技ともに配点が大きく、特に土地活用の手法はほぼ毎回1〜2問出題されます。5方式の特徴を混同しやすいため正答率が伸び悩みがちですが、裏を返せばここを落とすと合格が遠のくとも言えます。この記事では比較→暗記→演習の順で効率よく得点源へ変える手法を解説します。

土地活用5方式の超速マスター法

① 自己建設方式 ― 「全部自分でやる」

  • 資金調達・建築・運営を土地オーナーが担う
  • 建物減価償却や貸家建付地評価など節税メリット大
  • 借入金リスク&管理負担が最大級

過去問ポイント:「オーナー自身で賃貸する場合は宅建業免許不要か?」→不要

② 事業受託方式 ― 「資金だけ自分、運営はお任せ」

  • 建設資金はオーナー負担、運営はデベロッパーが代行
  • 土地・建物名義はオーナーのまま
  • サブリース契約で家賃保証が付くケース多し

誤答注意:「資金負担なし」とする選択肢は×

③ 等価交換方式 ― 「土地と建物を交換」

  • オーナーは土地を提供、デベロッパーは建設費を提供
  • 完成後に出資比率で土地・建物を取得
  • 資金負担ゼロで大規模再開発が可能

頻出計算:土地6億円・建物4億円の場合 ⇒ 所有権割合6:4

④ 定期借地権方式 ― 「土地は貸すだけ」

  • 土地を一定期間賃貸し、建物は借地人所有
  • 契約期間と書面要件で3類型(一般50年超/事業用10〜50年/建物譲渡特約付30年超)
  • 地代収入以外のリスクは最小、収益性は控えめ

ひっかけ:「建物所有名義=土地所有者」と書かれていたら×

⑤ 建設協力金方式 ― 「テナント資金で建てて貸す」

  • 入居予定テナントから建設協力金を預かり建物を建設
  • 建物名義はオーナー、賃料から協力金を5〜20年で償却返済
  • ロードサイド店舗やコンビニで実務例が豊富

要暗記:借地権は設定しない点が差別化キーワード

5方式を一発で覚える比較フレーム

  • 資金の出どころ
    じこ(自己建設)=自分
    じたく(事業受託)=自分+業者委託
    と(等価交換)=土地⇔建物交換で0円
    てい(定期借地)=借主
    け(建設協力金)=テナント
  • 建物名義
    「て」だけ借主、その他はオーナーか共有
  • 事業主体
    全部自分→じこ/資金以外業者→じたく/ディベロッパー主導→と/借主主導→てい/テナント主導→け

語呂合わせ例:「じじとてけ」
(ジコ建設・ジタク受託・トウカ交換・テイキ借地・ケンセツ協力金)で順番&特徴を一気に思い出せます。

過去10年の出題傾向と頻度

未対策のまま本番に行くと60%以上の受験者が失点した年度もあります。頻出順は等価交換>建設協力金>定期借地>事業受託>自己建設
最新の本試験(2025年5月FP2級 学科)でも問50で建設協力金方式の資金返済構造が出題されました。

攻略ロードマップ:学習ステップ&スケジュール例

STEP1:知識インプット(1週間・5時間)

STEP2:過去問演習(2週間・15時間)

  • ○×形式 → 表形式 → 計算問題の順に3周
  • 間違えた問題は「なぜ×か」を1行メモ
  • 「手法×資金負担」などよく混同する組み合わせに色マーカー

STEP3:実技シミュレーション(1週間・5時間)

  • 資産評価・キャッシュフロー問題で土地活用を絡めた設問を集中演習
  • 建蔽率・容積率計算→貸家建付地評価→選択肢比較の流れを習慣化

STEP4:直前総仕上げ(試験7日前〜当日)

  • 語呂合わせカードを眺めて脳内反射レベルへ
  • 朝学習:比較表/夜学習:一問一答で記憶固定
  • 当日は選択肢に「資金負担」「名義」ワードがあれば即確認

よくある誤答パターンと対策

  • 建物名義の混同:定期借地は借主、その他はオーナー。
    →「テイ(定期)はテ=借り手」と暗記。
  • 資金負担の勘違い:等価交換はゼロ負担
    →「交換=お金交換せず」をイメージ。
  • 事業受託=資金不要と誤解:×。
    →「受託=受けるのは業務、資金は自腹」。

学習を加速するおすすめリソース

まとめ:5方式を比較→語呂→過去問で得点源に

土地活用の手法は「数字が少なく覚えやすい」反面、名前が似ていて混同しやすいのが落とし穴。
まずは資金・名義・主体の3軸で表比較し、「じじとてけ」の語呂で一気に暗記。
その後は過去問で選択肢のひっかけ傾向を体で覚える──この王道を踏めば、学科でも実技でも確実に点が取れます。

次のアクション

「土地活用の手法」を確実な得点源に変えて、あなたのFP試験合格を最短距離で掴み取りましょう

オリジナル練習問題

問題1 自己建設方式の減価償却

自己建設方式では、土地所有者が建物の所有権を持つため、建物の減価償却費は土地所有者の不動産所得の必要経費となる。

解答:◯

解説:自己建設方式は土地所有者が自ら建設し所有するため、建物の減価償却を計上できる。

問題2 事業受託方式における建物所有権

事業受託方式では、事業受託者(デベロッパー)が建物の所有権を持ち、土地所有者は完成後に賃料を受け取るだけである。

解答:×

解説:事業受託方式でも建物所有権は土地所有者に帰属し、デベロッパーは企画・建設・運営を受託する立場である。

問題3 等価交換方式の譲渡所得課税

等価交換方式で土地を提供した場合、その土地の譲渡については原則として譲渡所得課税の対象となる。

解答:◯

解説:土地を等価交換で提供すると資産の譲渡とみなされ、原則として譲渡所得が課税される(租税特例の適用がない限り)。

問題4 定期借地権方式の終了時処理

一般定期借地権方式では、契約期間満了時に建物は原則として借地人が解体・撤去し、更地で返還することが求められる。

解答:◯

解説:定期借地権は期間満了で確定終了し、建物買取請求権が認められないため、借地人側で建物を処分して更地返還するのが原則。

問題5 建設協力金方式の会計処理

建設協力金方式で受け入れた建設協力金は、土地所有者の貸借対照表上で「敷金等」として処理し、負債計上しなくてもよい。

解答:×

解説:建設協力金は返還義務のある預り金であり、長期借入金(または長期預り金)として負債に計上するのが一般的。

問題6 事業受託方式の空室リスク

事業受託方式では、運営を委託した事業受託者が賃料保証を行うため、空室リスクは事業受託者が負担する。

解答:×

解説:賃料保証契約を結ばない限り、運営・空室リスクは土地所有者が負担し、事業受託者は管理報酬を受け取るのみである。

問題7 自己建設方式と消費税

自己建設方式で建設した建物を課税賃貸(テナント賃貸)に供する場合、建物新築時に支払った消費税は原則として仕入税額控除の対象となる。

解答:◯

解説:貸付が消費税課税取引(事業用賃貸)であれば、建設費にかかる消費税は仕入税額控除を受けられる。

問題8 等価交換方式と区分所有権

等価交換方式では、完成した建物の一部を土地所有者が取得し、その持分は区分所有権として登記される。

解答:◯

解説:土地所有者は建物の専有部分(住戸・オフィスフロアなど)を持分として取得し、区分所有登記が行われるのが一般的。

問題9 一般定期借地権の最短契約期間

一般定期借地権の契約期間は、法律上20年以上であれば設定できる。

解答:×

解説:一般定期借地権は最低50年以上の設定期間が法律で定められている(借地借家法)。

問題10 建設協力金方式の利息支払

建設協力金方式で土地所有者がテナントに支払う利息(協力金利息)は、不動産所得の必要経費として損金算入できる。

解答:◯

解説:建設協力金は借入金に類するため、その利息相当額は必要経費(損金)として計上可能である。

よくある質問

  • Q. 土地活用の5方式は全部暗記しないと合格できませんか?
    A. 学科は比較表+○×で出題されるため主要ポイントだけ押さえれば十分です。まず本記事の早見表で全体像をつかみ、過去問で不足分を補強しましょう。
  • Q. 等価交換方式の出資比率計算が苦手です。効率的な練習方法は?
    A. 出資割合を切り分ける問題が鉄板なので、FP試験「不動産」超徹底攻略!の計算ドリルで数字を変えて繰り返し解くと秒で解けるようになります。
  • Q. 定期借地権の期間(50年・30年など)を毎回混同します。覚え方は?
    A. 語呂「ごじご たみそ」=「一般50・事業10〜50・建物譲渡30」で一気に暗記し、借地借家法の条文も合わせて確認しましょう。
  • Q. 実技試験で時間が足りません。スピードを上げるコツは?
    A. 合格率を劇的に上げる完全攻略ガイドで紹介している「条件反射メソッド」を使い、貸家建付地評価や容積率計算を電卓ショートカットで自動化してください。
  • Q. 2カ月スケジュールだけで合格できるか不安です。全科目の配分は?
    A. 当記事の2カ月プランに加え、6科目徹底攻略記事のタイムテーブルを参考に科目ごとの強弱をつけると無理なく完走できます。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 建物名義:登記簿上で建物の所有権を持つ者。試験では「借地人か土地所有者か」を区別できるかがカギ。
  • 資金負担者:建設費を誰が出すかを示す用語。方式ごとにオーナー・デベロッパー・テナントで変わる。
  • 定期借地権:契約更新がない期間限定の借地権。一般(50年以上)・事業用(10年以上50年未満)・建物譲渡特約付(30年以上)の3種類がある。
  • 貸家建付地:貸家が建つ宅地。相続税評価で自用地より減額されるため実技の計算で頻出。
  • 容積率/建蔽率:延床面積と建築面積の上限比率を示す都市計画法上の規制。実技での数値計算は要暗記。
  • 建設協力金:テナントが店舗建設のために土地オーナーへ預ける資金。賃料相殺で返済し、利息のみ必要経費になる。
  • 等価交換:土地と建物を出資比率で「等価」に持ち合う再開発手法。出資割合の計算問題が定番。
  • 特定事業用資産の買換え特例:等価交換などで譲渡した土地の課税を繰り延べできる国税の制度。
  • サブリース:管理会社が建物を一括借り上げし、オーナーに一定賃料を保証する仕組み。事業受託方式で登場。
  • 減価償却:建物の取得費を耐用年数で按分し毎年経費化する会計処理。自己建設方式の節税で必須概念。

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。
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