この記事を読めば、こんな悩みが解決します!
- ファイナンシャルプランナー(FP)試験の相続分野、「宅地・建物の評価」が複雑すぎて理解できない…
- 自用地、借地権、貸宅地、貸家建付地の違いがごちゃごちゃになってしまう…
- 計算問題が苦手で、いつも失点してしまう…
- 効率的な勉強法や、どこを覚えれば良いのかが分からない…
この記事では、FP試験の合格を左右する重要論点「宅地・建物の評価」を、専門用語を噛み砕きながら、ゼロから丁寧に解説します。最後まで読めば、あなたの苦手意識は「得点源」へと変わっているはずです!。
ファイナンシャルプランナー(FP)試験の学習、順調に進んでいますか?
数ある科目の中でも、多くの受験生が「最大の壁」と感じるのが、相続分野の「宅地・建物の相続税評価」ではないでしょうか。
「自用地」「借地権」「貸宅地」「貸家建付地」…似たような言葉が並び、複雑な計算式を前に、頭を抱えてしまう気持ち、本当によく分かります。
しかし、ご安心ください。
この分野は、正しい順序で、ポイントを押さえて学習すれば、誰でも確実に得点できるようになります。むしろ、多くの人が苦手とするからこそ、マスターすれば大きなアドバンテージになる「おいしい分野」なのです。
この記事では、過去10年間の出題傾向を徹底分析し、FP試験合格者が実践した「本当に使える攻略法」だけを凝縮しました。
この記事を読み終える頃には、
- 複雑な宅地の権利関係が、スッキリと整理されている
- 難解な評価額の計算式が、スラスラと解けるようになっている
- 過去問の「ひっかけパターン」を見抜けるようになっている
状態になっていることをお約束します。さあ、一緒に合格への最短ルートを駆け上がりましょう!
Contents
- 1 ファイナンシャルプランナー試験「相続」分野の最難関!宅地・建物の評価問題の重要性とは?
- 2 【完全図解】ファイナンシャルプランナー試験「宅地の評価」をゼロから理解!自用地から貸家建付地まで徹底解説
- 3 FP試験で問われる「建物の評価」はシンプル!自用家屋と貸家の評価をマスターしよう
- 4 【暗記必須】ファイナンシャルプランナー試験「宅地・建物の評価」頻出計算式と攻略法
- 5 FP試験「宅地・建物の評価」過去問分析から見る出題傾向と頻出論点
- 6 【合格者が実践】ファイナンシャルプランナー試験「宅地・建物の評価」の具体的な勉強法と学習スケジュール
- 7 試験当日に役立つ!解答テクニックと時間配分
- 8 まとめ:宅地・建物の評価を制する者がFP試験を制す!
- 9 オリジナル練習問題
- 10 よくある質問
- 11 参考サイト
- 12 初心者のための用語集
- 13 ファイナンシャルプランナーの勉強に関する無料相談、随時受付中!
ファイナンシャルプランナー試験「相続」分野の最難関!宅地・建物の評価問題の重要性とは?
まずは、なぜこの「宅地・建物の評価」がFP試験でそれほど重要なのかを確認しておきましょう。
理由は主に2つあります。
- 出題頻度が非常に高い:宅地・建物の評価は、学科試験・実技試験を問わず、毎回のように出題される超頻出テーマです。特に、FP2級では定番の問題となっています。
- 合否を分ける差がつくポイント:計算が絡むため、苦手意識を持つ受験生が多く、ここで得点できるかどうかで合否が分かれるケースが少なくありません。
実際に、過去の試験データを見ると、この論点の正答率が極端に低い回もあります。例えば、2021年5月のFP2級学科試験(問56)の正答率は、なんと16.4%でした。これは、いかに多くの受験生がこの分野でつまずいているかを示しています。
しかし、裏を返せば、ここをマスターすれば、他の受験生に大きく差をつけることができるということです。これから解説するポイントを一つひとつ押さえて、あなたの強力な武器にしていきましょう。
【完全図解】ファイナンシャルプランナー試験「宅地の評価」をゼロから理解!自用地から貸家建付地まで徹底解説
「宅地の評価」と聞いて、まず押さえるべきは4つの基本的な土地の権利区分です。この4つの違いと関係性を理解することが、すべての基本となります。
ここでは、言葉だけでなく、頭の中にイメージが湧くように解説していきます。
全ての基本!「自用地」の評価
土地の所有者が自分で使用している土地のこと。駐車場や庭なども含みます。相続税評価における、すべての土地評価の基本となる「100%の状態」の土地です。
評価方法は、その土地が面している道路に「路線価」が定められているかどうかで決まります。
- 路線価方式:市街地などで使われる方法。路線価(1㎡あたりの価格)に土地の面積や形状に応じた補正率を掛けて計算します。
- 計算式:路線価 × 奥行価格補正率など × 宅地面積
- 倍率方式:路線価が定められていない郊外や農村部で使われる方法。固定資産税評価額に国税庁が定める倍率を掛けて計算します。
- 計算式:固定資産税評価額 × 倍率
ポイント! FP試験では、まずこの「自用地評価額」を計算するところからスタートします。この自用地評価額が、この後のすべての計算の基礎となります。
土地を借りる権利「借地権」の評価
建物を建てる目的で、他人から土地を借りる権利のことです。地代を払って土地を借りている人(借地人)の権利を指します。
借地権の評価額は、自用地としての評価額に、その地域ごとに定められた「借地権割合」を掛けて計算します。
- 計算式:自用地評価額 × 借地権割合
借地権割合は、路線価図にA(90%)~G(30%)の記号で示されており、都心部ほど高くなる傾向があります。例えば、借地権割合が60%の地域なら、自用地評価額の60%が借地権の価値となります。
大きな四角いケーキ(自用地)を想像してください。このケーキの価値が100%です。
借地権割合が60%なら、ケーキの上から60%の部分を「借地権」として切り分けるイメージです。
土地を貸している側の権利「貸宅地」の評価
上記の「借地権」が設定されている土地、つまり、地主(土地の所有者)側が持つ権利(底地権とも言います)のことです。
貸宅地の評価は、自用地評価額から借地権の価値を差し引いて計算します。
- 計算式:自用地評価額 × (1 – 借地権割合)
先ほどのケーキの例で言えば、借地権として切り分けた上部60%以外の、残りの下部40%が「貸宅地」の価値となります。当然ですが、「借地権」と「貸宅地」の価値を足すと、元の「自用地」の価値に戻ります。
注意!よくあるひっかけ問題
親の土地を子が無償(タダ)で借りて家を建てる「使用貸借」の場合、借地権は発生しません。この場合、親の土地は「貸宅地」ではなく「自用地」として評価されるので注意しましょう。これは頻出の論点です。
最も複雑で最も重要!「貸家建付地」の評価
土地の所有者が、その土地の上に自分でアパートや貸家を建てて、他人に貸している場合の、その土地のことです。
これが一番ややこしいですが、試験では最重要です。
貸家建付地は、土地の所有者自身が自由に使えない(入居者がいるため)という制約があるため、自用地よりも評価額が低くなります。
- 計算式:自用地評価額 × (1 – 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
それぞれの要素を分解して見ていきましょう。
- 借地権割合:先ほどと同じ、地域ごとに定められた割合です。
- 借家権割合:建物を借りている人(借家人)の権利の割合です。これは全国一律30%と決められています。必ず暗記してください。
- 賃貸割合:アパートなどの貸家のうち、実際に賃貸されている部分の割合(床面積ベース)です。満室なら100%です。
自用地(100%)から、どれだけ価値が下がるかを計算するのがこの式です。
下がる割合は「借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合」で計算します。これは「土地を自由にできない度合い」と「建物を自由にできない度合い」を掛け合わせているイメージです。
(補足)さらに複雑な「貸家建付借地権」とは?
FP2級では稀ですが、1級などでは問われる可能性のある権利です。
これは、「他人から借りた土地(借地権)の上に、自分でアパートを建てて貸している」場合の権利です。
計算式は、借地権の評価額 × (1 – 借家権割合 × 賃貸割合) となります。
FP試験で問われる「建物の評価」はシンプル!自用家屋と貸家の評価をマスターしよう
土地の評価に比べれば、建物の評価は非常にシンプルです。2つのパターンだけ覚えましょう。
自分で使っている家「自用家屋」の評価
- 計算式:固定資産税評価額 × 1.0
つまり、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。これは簡単ですね。
他人に貸している家「貸家」の評価
アパートや貸家など、他人に貸している建物の評価です。入居者がいるため、自用家屋より評価が下がります。
- 計算式:固定資産税評価額 × (1 – 借家権割合 × 賃貸割合)
ポイント! この式、どこかで見覚えがありませんか? そう、貸家建付地の計算式の一部と同じです。ここでも借家権割合は全国一律30%、賃貸割合は実際の入居状況で計算します。
(補足)建築中の家屋の評価
まだ完成していない家屋の評価も問われることがあります。
- 計算式:費用現価 × 70%
「費用現価」とは、相続開始時までにかかった建築費用のことです。この70%で評価すると覚えておきましょう。
【暗記必須】ファイナンシャルプランナー試験「宅地・建物の評価」頻出計算式と攻略法
ここまで見てきた計算式は、残念ながら暗記必須です。しかし、やみくもに覚えるのは非効率。ここでは、記憶に定着させるためのテクニックをご紹介します。
最強の語呂合わせで「貸家建付地」を攻略!
最も複雑な貸家建付地の評価式は、この語呂合わせで一発で覚えましょう!
これがどう対応しているかと言うと…
- 嬢ちゃん → 自用地評価額
- 言っちまいな → × (1 – … )
- シャチか → 借地権割合
- 釈迦か → 借家権割合
- チーターか → 賃貸割合
これで、「自用地評価額 × (1 – 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)」の式が、呪文のように頭に刻み込まれるはずです。
図解で理解する「権利関係の整理法」
計算式を丸暗記するだけでなく、なぜその計算になるのかを「長方形の図」で理解すると、応用力が格段にアップします。
- まず、白紙に大きな長方形を書きます。これが「自用地(100%)」です。
- 借地権割合が60%なら、上から60%のところに線を引きます。この上半分が「借地権」の価値です。
- 残った下半分(40%)が「貸宅地」の価値になります。
この図を自分で何度も書くことで、「自用地 = 借地権 + 貸宅地」という関係性が視覚的にインプットされ、忘れにくくなります。
FP試験「宅地・建物の評価」過去問分析から見る出題傾向と頻出論点
理論をインプットしたら、次は過去問でアウトプットです。近年のFP試験では、どのような点が狙われているのでしょうか。
頻出!受験者が間違えやすい「ひっかけ選択肢」3選
「建物のない青空駐車場として貸している土地は、貸宅地として評価する」→ ブブー!不正解!
正解は「自用地」です。借地権は「建物の所有」を目的とする場合に発生します。建物のない青空駐車場は、単なる土地の賃貸借であり、借地権が発生しないため、自用地として評価されます。
「親の土地を子がタダで借りて家を建てている。この土地は貸宅地として評価する」→ ブブー!不正解!
正解は「自用地」です。前述の通り、無償の貸し借りである「使用貸借」では、権利金等の授受がないため借地権は発生しません。したがって、土地の評価は自用地評価額のままです。
「貸家の評価額は、自用家屋としての価額に借家権割合と賃貸割合を乗じて計算する」→ ブブー!不正解!
正解は「自用家屋としての価額 × (1 – 借家権割合 × 賃貸割合)」です。(1 – …)を忘れてしまう間違いが非常に多いです。評価額が下がる、というイメージをしっかり持っておきましょう。
これらのひっかけパターンは、何度も繰り返し出題されています。過去問を解く際には、「なぜこの選択肢は間違いなのか」を自分の言葉で説明できるようになるまで、徹底的に復習しましょう。
法改正にも注意!「配偶者居住権」
近年の法改正で創設された「配偶者居住権」に関する評価も、今後出題が増える可能性があります。配偶者が亡くなった後も、住み慣れた家に住み続けられるようにするための権利で、相続財産として評価されます。余裕があれば、テキストで概要を確認しておくと安心です。
【合格者が実践】ファイナンシャルプランナー試験「宅地・建物の評価」の具体的な勉強法と学習スケジュール
では、この難解な分野を、どのように学習計画に落とし込んでいけばよいのでしょうか。合格者が実践してきた効率的な勉強法をご紹介します。
学習時間の目安は?
FP2級全体の学習時間は150~300時間が目安とされていますが、その中でも「相続」分野、特に宅地・建物の評価には、集中的に時間を投下する価値があります。
経験者であれば相続分野全体で70~90時間、初学者であれば130~150時間というデータもありますが、まずは最低でも20~30時間はこの分野の理解と演習に充てるつもりで計画を立てましょう。
おすすめの学習ステップ
- 【ステップ1】全体像の理解(インプット)
- まずはこの記事やテキストを読み、自用地・借地権・貸宅地・貸家建付地の4つの関係性をざっくりと理解します。完璧でなくてOKです。
- 【ステップ2】計算式の暗記と「白紙再現法」(インプット&アウトプット)
- 語呂合わせなどを活用して計算式を覚えます。
- そして、何も見ずに白紙の紙に、4つの権利関係の図と計算式をすべて書き出せるか試します。これが「白紙再現法」です。書けなかった部分が、あなたの弱点です。完璧に再現できるまで繰り返しましょう。
- 【ステップ3】過去問の「横解き」(アウトプット)
- 過去問を、分野別に解く「横解き」を行います。直近3~5回分の試験から「宅地・建物の評価」の問題だけを抜き出して、一気に解いてみましょう。
- これにより、出題パターンや自分の間違いのクセが明確になります。
具体的な学習スケジュール例
【週末集中型プラン】
- 土曜日 午前:この記事とテキストで全体像をインプット
- 土曜日 午後:「白紙再現法」で計算式と図を完璧に暗記
- 日曜日 午前:過去問3回分を「横解き」。間違えた問題を徹底的に復習。
- 日曜日 午後:さらに過去問2回分を追加で「横解き」。もう一度「白紙再現法」で最終確認。
このように、週末などを使って短期集中で一気に知識を詰め込むと、記憶が定着しやすくなります。
試験当日に役立つ!解答テクニックと時間配分
最後に、試験本番で実力を100%発揮するためのテクニックです。
問題文から読み取るべきチェックリスト
問題文を読んだら、以下の点にマルをつけながら確認しましょう。
- □ 土地の評価方法は?(路線価方式 or 倍率方式)
- □ 土地の所有者は誰?建物の所有者は誰?(同一人物か?)
- □ 土地の貸し借りは有償?無償?(賃貸借 or 使用貸借)
- □ 建物は自分で使っている?貸している?(自用家屋 or 貸家)
- □ 借地権割合、借家権割合、賃貸割合の数値は?
このチェックを行うだけで、ケアレスミスが劇的に減ります。
時間配分
宅地・建物の評価問題は、計算に少し時間がかかります。しかし、パターンが決まっているので、慣れれば素早く解けるようになります。1問あたり3~4分を目安に解けるように練習しておきましょう。もし、それ以上かかりそうなら、一旦飛ばして他の問題に進む勇気も大切です。
まとめ:宅地・建物の評価を制する者がFP試験を制す!
今回は、FP試験の最難関である「宅地・建物の評価」について、徹底的に解説しました。最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 宅地の評価は4つの区分を理解することから!
- 自用地:評価の基本(100%)
- 借地権:借りる権利 → 自用地 × 借地権割合
- 貸宅地:貸す権利 → 自用地 × (1 – 借地権割合)
- 貸家建付地:自分で建てて貸す土地 → 自用地 × (1 – 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
- 建物の評価は2パターン!
- 自用家屋:固定資産税評価額 × 1.0
- 貸家:固定資産税評価額 × (1 – 借家権割合 × 賃貸割合)
- 重要数値を暗記!
- 借家権割合は全国一律30%!
- 頻出のひっかけに注意!
- 「青空駐車場」と「使用貸借」は自用地評価!
- 学習法の王道は「白紙再現法」と「過去問の横解き」!
一見すると複雑で難解なこの分野も、分解して、一つひとつ丁寧に理解していけば、必ずあなたの得点源になります。この記事をブックマークして、何度も見返しながら学習を進めてみてください。
あなたの努力が、合格という最高の結果に結びつくことを心から応援しています!
さらに学習を深めたいあなたへのおすすめ記事
この記事で相続分野の基礎が固まったら、次はFP試験全体の攻略法や、他の科目の対策も進めていきましょう。以下の記事も、あなたの合格を力強くサポートします。
- 独学でも最短合格!FP試験の“合格率を劇的に上げる”完全攻略ガイド:学習スケジュールから過去問活用まで徹底解説
- 初心者でも最短合格!FP試験の“6科目徹底攻略”と合格率UPの秘訣を完全公開
- FP試験「相続」超徹底攻略!初心者から最短合格へ導く決定版ガイド
また、最新の路線価や財産評価に関する公式な情報は、国税庁のウェブサイトで確認することができます。一次情報に触れることも、深い理解につながります。
オリジナル練習問題
問題1:路線価方式と倍率
路線価方式による自用地の評価では、固定資産税評価額に国税庁が公表する倍率を乗じて求める。
解答:×
解説:路線価方式は、路線価(1平方メートル当たりの価額)に地積を掛け、形状・奥行などの補正率を乗じて算定する。倍率は用いない。
問題2:倍率方式
倍率方式による自用地の評価では、固定資産税評価額に国税庁が指定する倍率を乗じて求める。
解答:〇
解説:倍率方式は、固定資産税評価額に地域ごとに定められた評価倍率を掛けて計算する方式である。
問題3:借地権の価額
借地権の価額は、自用地として評価した価額に借地権割合を乗じて算定する。
解答:〇
解説:借地権は土地の使用収益権であり、その価額は自用地価額×借地権割合で求める。
問題4:貸宅地の価額
貸宅地の価額は、自用地価額に借地権割合を乗じて算定する。
解答:×
解説:貸宅地は「自用地価額×(1−借地権割合)」で評価する。借地権割合を直接掛けると借地権価額になってしまう。
問題5:借地権割合の地域差
借地権割合は全国一律に30パーセントと定められている。
解答:×
解説:借地権割合は路線価図ごとに定められており、地域や沿道の用途地域によってA(90%)からG(30%)まで幅がある。
問題6:貸家建付地の評価式
貸家建付地の価額は、自用地価額に〔1 − 借地権割合 × 借家権割合〕を乗じて求める。
解答:〇
解説:貸家建付地では、土地の一部が借地権・借家権により利用制限を受けるため、その減価分を控除した式で評価する。
問題7:借家権の価額
建物の借家権の価額は、自用家屋価額に借家権割合を乗じて計算する。
解答:〇
解説:借家権は建物を使用収益する権利であり、建物自体の評価額×借家権割合(通常30%)で求める。
問題8:貸家の評価
貸家の価額は、自用家屋価額から借家権相当額を控除して求める。
解答:〇
解説:貸家は所有者が使用できないため、借家権相当の減価(通常30%)を差し引き「自用家屋価額×(1−借家権割合)」で評価する。
問題9:自用家屋の減価補正
自用家屋の評価においては、築年数による減価補正を別途行う必要がある。
解答:×
解説:自用家屋は固定資産税評価額をそのまま用い、同評価額には既に減価が織り込まれているため追加補正は不要。
問題10:駐車場として賃貸中の土地
建物が存在しない舗装済み駐車場として賃貸されている土地であっても、地上権や存続期間1年以上の土地賃貸借契約が設定されている場合は、相続税評価上、貸宅地として区分される。
解答:〇
解説:貸宅地は、地上権または存続期間1年以上の土地賃貸借契約により他人に使用収益させている宅地をいう(財産評価基本通達24)。短期契約(例:月極・時間貸し等)で随時返還を求められる場合は自用地評価となる点に注意する。
よくある質問
- 宅地の評価では路線価方式と倍率方式のどちらが本試験で多く出題されますか?
FP2級では市街地を想定した路線価方式が圧倒的に多いですが、倍率地域の計算も実技で年1回ほど出るため両方マスターしましょう。 - 借家権割合30%はどうやって覚えると効率的ですか?
語呂合わせ「サン(3)マル(0)=30%」と暗記カードを併用し、毎日3回声に出して確認すると定着が早まります。 - 青空駐車場の評価を貸宅地と間違えないコツは?
「建物なし=借地権なし=自用地評価」とセットで覚えるとミスを防げます。 - 試験1か月前の学習で重点を置くべき計算問題は?
貸家建付地と貸家建付借地権を中心に、3年分の過去問を横解きすると得点効率が上がります。 - 小規模宅地等の特例は覚える面積と減額割合が多くて混乱します。
まず特定居住用=330㎡80%減、次に貸付事業用=200㎡50%減を暗記し、その後に他の区分を上乗せすると整理しやすいです。 - おすすめの無料教材はありますか?
お金の寺子屋の動画講座と、FP2級ドットコムの分野別過去問が定番です。 - 過去問を解く順番はどうしたら良いですか?
最新回→古い回の順で解き、傾向の変化を体感してから、頻出ポイントをまとめると効果的です。 - 合格者の勉強時間の平均は?
未経験者で150〜180時間、宅建など関連資格保持者は70〜90時間が目安です。詳細はFP試験完全攻略ガイドを参照してください。
参考サイト
- 国税庁:路線価と倍率の基礎知識(タックスアンサー4603) – 路線価方式と倍率方式の概要を公式に確認できます。
- 国税庁:貸家建付地の評価(タックスアンサー4614) – 本試験頻出の貸家建付地評価式を解説するページ。
- 国税庁:小規模宅地等の特例(タックスアンサー4124) – 330㎡80%減額など特例の公式要件を確認。
- 国税庁:路線価図・評価倍率表の閲覧手順 – 試験の計算練習に必須の路線価図をオンラインで閲覧可能。
- 国土交通省:地価公示とは – 路線価の基礎となる公示地価の仕組みを解説。
- 日本FP協会:FP試験過去問題(学科・実技) – 公式が公開する過去問PDFで実戦演習が可能。
初心者のための用語集
- 路線価:国税庁が毎年発表する、道路(路線)に面した宅地1㎡あたりの価格。相続税・贈与税の計算基準になる。
- 倍率方式:固定資産税評価額に国税庁が定める「評価倍率」を掛けて土地の相続税評価額を求める方法。主に路線価が設定されていない地域で使う。
- 自用地:土地所有者自身が使用している宅地。評価額は原則として路線価または倍率方式で計算した額になる。
- 借地権:建物を建てる目的で他人の土地を借りる権利。評価額は「自用地評価額×借地権割合」で算出。
- 貸宅地(底地):借地権が設定されている土地を地主側から見た権利。評価額は「自用地評価額×(1−借地権割合)」。
- 貸家建付地:土地所有者が自分の土地に賃貸用建物を建てて貸している場合の宅地。評価式は「自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」。
- 建屋貸付借家権(貸家建付借地権):借りた土地に建物を建て、その建物をさらに他人に貸しているときの借地権。二重に賃貸しているため評価手順が複雑。
- 借地権割合:地域ごとに路線価図でA(90%)〜G(30%)の記号で示される割合。借地権の価値を計算する際に使う。
- 借家権割合:貸家の評価減に用いる全国一律30%の割合。賃貸により建物所有者の利用が制限される分を反映。
- 賃貸割合:建物や土地のうち実際に賃貸されている部分の床面積(または地積)割合。満室なら100%。
- 小規模宅地等の特例:一定の条件を満たす宅地を相続した際、評価額を最大80%減額できる制度。特定居住用330㎡、貸付事業用200㎡など区分ごとに上限あり。
- 配偶者居住権:相続開始後も配偶者が自宅に住み続けられる権利。2020年の民法改正で新設され、相続税評価の対象となる。
- 相続登記義務化:2024年4月施行。相続で不動産を取得した場合、原則3年以内に登記しないと過料が科される。
- 奥行価格補正率:路線価方式で、土地の奥行(奥行距離)に応じて価格を補正する率。細長い土地ほど補正率が低下する。
- 路線価図:全国の路線価と借地権割合・地域倍率が記載された図面。国税庁ホームページで公開されている。
ファイナンシャルプランナーの勉強に関する無料相談、随時受付中!
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。当ブログでは、ファイナンシャルプランナー試験に関するあらゆるお悩みにお応えします。
無料とはいえ、もちろんファイナンシャルプランナー試験の資格の保有者である著者が直接お答えさせていただきます。
初学者から再受験を目指す方まで幅広く対応していますので、どうぞお気軽にご相談ください。無料で学習のコツやスケジュールの立て方などをアドバイスさせていただきます。あなたの合格を全力でサポートいたしますので、一緒に合格への最短ルートを走り抜きましょう!
