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ファイナンシャルプランナー試験「相続」超完全攻略ガイド|課税・非課税財産/法定相続人の数/債務控除/相続税の基礎控除

Contents

この記事はこんな方におすすめ

  • FP2級・3級の学科/実技で相続分野を確実な得点源にしたい
  • 「墓石は非課税って覚えたけど、未払金は債務控除できる?」などひっかけ問題に悩んでいる
  • 法定相続人の数の養子制限や相続放棄の扱いで毎回迷う
  • 基礎控除や保険金の非課税枠を秒速で計算できるようになりたい
  • 限られた勉強時間まとめてインプットしたい

この記事を読み終える頃には、相続分野の「数字・暗記・計算パターン」を体系的にインストールでき、過去問を解く手が止まらなくなります。

相続分野の出題頻度ランキングと配点イメージ

頻出TOP5

  • 基礎控除の計算(毎回)
  • 死亡保険金・死亡退職金の非課税枠
  • 法定相続人の数え方(養子・放棄・代襲)
  • 債務控除の可否判定(墓石ローン・香典返戻費用)
  • 弔慰金の課税判定(業務上3年分/業務外半年分)

2級学科は配点60点中<相続7問=14点>。ここで12点以上取れると合格が一気に近づきます。

課税財産 vs 非課税財産 ― 早見表で瞬時に判定

ポイント整理

  • 非課税:祭祀財産(墓地・墓石・仏壇・位牌)、生命保険金の非課税枠、死亡退職金の非課税枠、弔慰金(上限内)、公益法人への寄付財産、心身障害者扶養共済金
  • 課税:投資目的の宝石付き仏像、骨董価値のある仏壇、相続放棄者が受取人の生命保険金(枠適用なし)

非課税財産のひっかけ例

  • 骨董的価値のある仏具 → 課税
  • 墓地購入費のローン残債 → 債務控除不可
  • 業務外死亡・弔慰金が5か月分 → 全額非課税(半年以内)
  • 死亡退職金を相続放棄者が受取 → 非課税枠適用不可

死亡保険金&退職金 ― 500万円ルール完全対応

計算手順

  1. 法定相続人の数を確定(放棄者も含む・養子制限を適用)
  2. 500万円×(1より決定した人数)=非課税限度額
  3. 実際の受取額が限度額を超えた分だけ課税価格へ

トラップ対策:3大NG

  • 相続放棄者が受取人 → 超えた分どころか全額課税
  • 内縁の妻は法定相続人でない → 非課税枠そもそも適用なし
  • 養子3人で実子1人 → 法定相続人に計上できる養子は1人

法定相続人の数え方を極める

基本ルール(民法)

  • 配偶者は常に相続人
  • 順位:子 → 直系尊属 → 兄弟姉妹
  • 代襲相続は子・兄弟姉妹で発生

相続税計算上の特則

  • 相続放棄者も“いなかったもの”にしない
  • 養子制限:実子あり=養子1/実子なし=養子2
  • 特別養子は実子扱いで制限にカウントせず

例題:法定相続人クイズ

配偶者・実子2人・養子2人(特別養子1)で長男が相続放棄。
相続税法上の法定相続人は?

  • 配偶者 1
  • 実子(放棄)1 → 数える
  • 実子 1
  • 養子(特別)1 → 制限対象外
  • 養子(普通)1 → 制限枠1人以内

計:5人(この人数で基礎控除・保険金非課税枠を算出)

債務控除 ― マル・バツ判定チャート

控除可

  • 銀行ローン(団信なし)
  • クレカ未払金
  • 準確定申告で納める税金
  • 未払医療費・入院費
  • 連帯債務(被相続人の負担部分)

控除不可

  • 団信付住宅ローン(保険金で完済)
  • 祭祀財産の未払金
  • 香典返礼費用・法要費用
  • 保証債務(主債務者が返済可能)

ポイント!「非課税財産に関連する債務」「相続開始後に発生する費用」は基本アウト。

基礎控除を電卓レスで瞬殺

語呂合わせ「遺産はサブロー」

  • サブ=3,000万円
  • ロー=600万円
  • 基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人

シミュレーション例

  • 法定相続人1人:3,000+600=3,600万円
  • 2人:4,200万円
  • 5人:6,000万円

課税価格がこれ以下なら相続税0円なので、試験では「基礎控除以下か?」をまず確認して時短します

【実戦強化】最新過去問3題×分解解説

2024年1月FP2級学科 問56(基礎控除)

養子制限+放棄者を含む複雑ケース。正誤ポイントは「制限内の養子は1人まで・放棄者も数える」の2点。公式に数字を代入するだけで満点。

2023年5月FP2級学科 問55(債務控除)

墓石ローン・法要費用・未払固定資産税・税理士報酬を選択。祭祀関連は控除不可、税理士報酬(準確定申告)は控除可を押さえればOK。

2021年9月FP3級学科 問29(基礎控除暗記)

公式そのまま。暗記系は語呂合わせ+過去問反復で確実に取れます。

20時間で満点ゾーンへ!超具体的学習ロードマップ

STEP1:暗記インプット(5時間)

  • 本記事を音読+暗記カードで3周
  • 語呂合わせ・非課税枠・公式を声に出して確認

STEP2:過去問→テキスト往復(10時間)

  • 直近6回分×2周(学科+実技)
  • ミス問題を間違いノート
  • テキスト該当ページを付箋&再読

STEP3:実技シミュレーション&タイムアタック(5時間)

  • 総合問題を25分/セットで解く
  • 解説を読んで時短テクをメモ
  • 電卓ショートカット(M+・GTキー)を練習

このプランで平均8割超の合格者が多数。忙しい社会人でも週末2回+平日夜30分で消化できます。

暗記ゴロ合わせ集(保存版)

  • 基礎控除:「遺産はサブロー」(3,000+600)
  • 保険金非課税:「ゴヒャックで保険かい?」(500万×人数)
  • 弔慰金:「業務上ささ(3×12)・外ム(6)」
  • 期間3・4・10:承認放棄3か月、準確定4か月、相続税申告10か月

チェックテスト|10問で理解度セルフ診断

  1. 祭祀財産に係るローン残債は債務控除できる?(できない)
  2. 業務外死亡・弔慰金7か月分は全額非課税?(超過部分課税)
  3. 養子が3人・実子2人。法定相続人に算入できる養子は何人?(1人)
  4. 相続放棄者が受け取る死亡保険金は非課税枠適用あり?(なし)
  5. 基礎控除の旧制度は5,000万円+何万円×人数?(1,000万円)
  6. 保証債務は原則債務控除できる?(できない)
  7. 代襲相続人2人は法定相続人の数で2人と数える?(数える)
  8. 団信付き住宅ローンは債務控除?(不可)
  9. 生命保険非課税枠は配偶者が受取人でなくても適用?(受取人が法定相続人ならOK)
  10. 公益法人への寄付財産は課税財産?(非課税)

8問以上正解なら合格力は十分!

学習モチベーションを維持する3つのコツ

  • 小目標:1日1公式覚える→SNSでアウトプット
  • 成果の可視化:過去問スコアをスプレッドシートでグラフ化
  • 環境づくり:FP仲間と勉強会 or 音声配信で学習報告

 

おすすめ記事&外部リソース

まとめ:相続分野は「数字×パターン」で攻略せよ!

  • 祭祀財産・弔慰金・保険金の非課税ラインを暗記
  • 法定相続人は放棄者も含む+養子制限を忘れない
  • 債務控除は「非課税財産関連はNG」の一言で瞬時に判定
  • 基礎控除は「遺産はサブロー」で秒速計算
  • 過去問→テキスト往復で20時間あれば合格点

相続分野を制す者がFP試験を制す――。今日からこの記事を暗記カード代わりにして、1問でも多く得点を積み上げてください。
あなたの合格を心から応援しています!

オリジナル練習問題

問題1 墓石の課税関係

被相続人が生前に購入していた墓石は、相続税の課税価格に算入される財産である。
解答:×
解説:墓地・墓石・仏壇などの祭祀財産は相続税の非課税財産とされ、課税価格に含めない(相法12)。

問題2 弔慰金の課税範囲

被相続人が勤務先から受け取った弔慰金のうち、死亡当時の普通給与6か月分を超える部分は相続税の課税対象となる。
解答:◯
解説:弔慰金の非課税限度額は、業務外死亡の場合で普通給与6か月分まで(業務上死亡の場合は普通給与3年分まで)。超過額はみなし相続財産として課税される(相続税法基本通達3-20)。

問題3 法定相続人の数え方(保険金非課税枠)

死亡保険金の非課税限度額「500万円×法定相続人の数」を計算する際、相続を放棄した者は法定相続人の数に含めない。
解答:×
解説:放棄した者も「相続開始時における法定相続人」に該当するため数に含める(措法70①二)。

問題4 相続税の基礎控除額

相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」である。
解答:◯
解説:平成27年以降の改正後もこの算式が適用される(相法15)。

問題5 養子の取扱い

被相続人に実子がいる場合でも、相続税の基礎控除の計算上は養子を2人まで法定相続人に含めることができる。
解答:×
解説:実子がいる場合に基礎控除で数えられる養子は1人まで(相法15②)。実子がいなければ2人まで。

問題6 未払医療費の債務控除

被相続人の入院費や治療費で死亡時までに未払いとなっているものは、債務控除の対象となる。
解答:◯
解説:相続開始時に確定している未払債務は債務控除できる(相基通13-1)。

問題7 葬式費用の取扱い

葬儀費用は相続税の課税価格から控除することができない。
解答:×
解説:葬式費用は「債務及び葬式費用の控除」として課税価格から差し引ける(相法13)。

問題8 法要費用の可否

四十九日法要後の会食費用は、葬式費用として相続税の課税価格から控除できる。
解答:×
解説:控除できるのは通夜・告別式等に直接要した費用までで、四十九日法要などの後飾り・法要費用は控除対象外(相基通13-4)。

問題9 胎児の扱い

被相続人の死亡時に胎児であった子は、出生して生存すれば法定相続人の数に含めて基礎控除額を計算する。
解答:◯
解説:胎児は生まれて生存すれば「相続に関しては既に生まれたもの」とみなされる(民法886②)。

問題10 受取人指定の死亡保険金

死亡保険金で受取人があらかじめ指定されている場合、その保険金は相続税の課税対象外となる。
解答:×
解説:受取人固有の財産となるが、みなし相続財産として相続税の課税対象。保険金非課税枠の適用も可能(相法3①)。

よくある質問

  • Q. 相続税の基礎控除額はどう計算しますか?
    A. 3,000万円+600万円×法定相続人の数で算出します。法定相続人の人数に相続放棄者も含める点がポイントです。詳しくは国税庁タックスアンサー4108を確認してください。
  • Q. 生命保険金の非課税枠はいくらまでですか?
    A. 受取人が法定相続人である場合、500万円×法定相続人の数まで非課税です。相続放棄者や法定相続人以外が受け取ると適用外になるので注意してください。(参考:国税庁タックスアンサー4120
  • Q. 相続放棄した人は法定相続人の数に含めますか?
    A. 含めます。相続税法では「放棄がなかったもの」とみなして人数を数えるため、基礎控除や非課税枠の計算に影響します。
  • Q. 墓石のローン残高は債務控除できますか?
    A. できません。墓石・仏壇などの祭祀財産は非課税財産であり、それに伴う未払い金は債務控除の対象外です。(参考:国税庁タックスアンサー4114
  • Q. 弔慰金は課税されますか?
    A. 原則非課税ですが、業務上死亡は給与3年分、業務外死亡は給与6か月分を超えた部分は課税対象(死亡退職金扱い)になります。
  • Q. 相続分野を効率的に勉強するコツは?
    A. ①語呂合わせで数字を暗記→②過去問3回分を3周→③総合計算問題で演習、の3ステップがおすすめです。詳細は「独学でも最短合格!FP試験の“合格率を劇的に上げる”完全攻略ガイド」を参照してください。

初心者のための用語集

  • 相続開始:被相続人が死亡し、相続が発生した瞬間のこと。ここから各種申告・手続きの期限がカウントされます。
  • 法定相続人:民法で定められた相続順位に基づき、自動的に相続権を持つ人。配偶者は常に相続人で、子→直系尊属→兄弟姉妹の順に優先されます。
  • 代襲相続:本来の相続人(子など)が死亡・欠格・廃除で相続権を失った場合に、その直系卑属(孫など)が代わって相続すること。
  • 祭祀財産:墓地・墓石・仏壇・位牌など、先祖をまつる目的で日常礼拝に供される財産。相続税は非課税で、購入ローン残高も債務控除できません。
  • 弔慰金:雇用主から遺族に支給される見舞金。業務上死亡は給与3年分、業務外死亡は6か月分まで非課税です。
  • 死亡退職金:被相続人が勤務先から支給される退職金で、一定額まで相続税が非課税(保険金と合わせて500万円×法定相続人の数)。
  • 基礎控除:課税遺産総額を計算するとき、まず差し引ける非課税枠。「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算定します。
  • 債務控除:被相続人が死亡時に負っていた借入金や未納税金などを相続財産から差し引ける制度。ただし祭祀財産関連の未払い金は除外。
  • 相続放棄:家庭裁判所へ申述し、相続権を放棄する手続き。税法上は「放棄がなかったもの」として人数カウントのみ残る点が特徴です。
  • 準確定申告:被相続人の死亡日までの所得を、相続開始から4か月以内に行う確定申告。納税額は債務控除の対象になります。

参考サイト

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。
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