DIYでリフォームを考える方必見!壁紙やフローリング張り替えなど初心者でも挑戦できる範囲と、電気・配管・構造工事などプロに任せたい部分を徹底解説。費用・時間・リスクの三軸で判断し、失敗を防ぐヒントを解説します
Contents
DIYの魅力とリスク – なぜ境界線を知る必要があるのか
DIYが楽しい&コストダウンにつながるメリット
DIY(Do It Yourself)の最大の魅力は、自分の手で住まいを作り上げる達成感と自由度の高さです。例えば壁紙の貼り替えや簡単な棚づくりなら、専門的な知識や道具がなくても少しずつ練習しながら仕上げることができます。また、業者に依頼する費用が抑えられるため、リフォームやインテリア改造のコストダウンにもつながります。
実際に、リフォーム会社から高額な見積もりを提示され、思い切ってDIYに踏み切った結果、大幅な費用節約を実現した事例も珍しくありません。コツを押さえれば、材料費・道具代が抑えられ、施工費用をぐっと低減できるケースもあります。さらに、自分らしいデザインやアレンジを反映しやすいのもDIYの大きな強みです。
失敗リスク(構造・配管トラブル、時間オーバー、結局プロ以上の費用)
一方、DIYにはリスクも存在します。特に大がかりな作業を未経験のまま行うと、想定外のトラブルが起きる可能性が高まります。例えば、耐力壁を誤って撤去して建物の構造強度を落としてしまう、配管を破損して水漏れを引き起こすなどの事例は後を絶ちません。
また、初心者が作業に挑む場合は、思ったより時間がかかることがあります。仕事や家事の合間で取り組んでいると、いつまでもリフォームが終わらない「長期戦」になり、完成までにモチベーションが下がってしまうことも。さらに、工具や材料を買い揃えるうちに費用がかさんだり、失敗してやり直す手間で結局プロに依頼するより高くついてしまうパターンもあり得ます。
DIYを成功させるためには、あらかじめ自分でできる範囲とプロに任せるべき領域を見極め、時間や費用を計算したうえで計画を立てることが大切です。
DIYでできること – 自分でやっても比較的安全・簡単な作業
壁紙の張り替え、塗装、簡単な棚や家具の組み立てなど
DIY初心者でも比較的挑戦しやすいのが、以下のような作業です:
- 壁紙の張り替え(生のり付き壁紙を使えば簡単)
- 室内壁のペイント(下地処理・養生をきっちりすればOK)
- 既製キットの棚づくり・家具の組み立て
これらは大がかりな専門知識や資格が不要で、道具もホームセンターや通販サイトで簡単に手に入ります。例えば壁紙の貼り替えなら、カッターやローラー、ハケがあれば作業でき、生のり付き壁紙ならのり塗りの手間が省けるため初心者にも扱いやすいです。ペンキ塗りは、水性ペンキを選べば匂いも少なく初心者向き。塗料の乾燥時間や養生の仕方に注意しながら少しずつ進めると失敗も減らせます。
フローリング部分交換、ドアノブや取っ手の交換など
床材の貼り替えやドアノブ交換など、住まいの機能を少し変える作業もDIYで行いやすい分野です:
- フロアタイルやクッションフロアを重ね張りする
- タイルカーペットを敷き詰める
- ドアノブや取っ手を好みのデザインに交換する
特に、クッションフロアやフロアタイルは一部が傷んだときにも手軽に張り替えできる利点があります。ドアノブ交換も特殊な鍵付きでなければ電動ドライバーなどの基本ツールで対応可能。ただし、床下地やドア本体が損傷している場合は、補修が必要になる場合もあります。
ポイントや注意点(適切な道具&技術レベル)
DIYをするうえで押さえておきたいポイントは以下の通りです:
- 計画を立てる:やりたい作業内容と必要な道具をリスト化し、購入費や作業時間を見積もる
- 安全装備:防護メガネやマスク、手袋などを着用し、電動工具の使い方や注意点を事前に学ぶ
- 材料と道具の選び方:初心者向けの生のり付き壁紙や扱いやすい電動ドライバーを選ぶなど、無理のない範囲で用意する
- 下準備(養生や試し塗り):ペンキ塗装などは養生テープでしっかりカバーし、試し塗りで色味を確認
プロに任せたい部分 – 法律・安全・高い技術が必要な領域
電気工事、配管・給排水工事、ガス関連は資格が必須
DIYでは対応が難しく、法律や資格が関わる領域は原則プロに任せるのが無難です。具体的には以下が挙げられます:
- 電気工事:配線の取り替え、分電盤の交換、コンセント増設、照明の配線改修などは第二種電気工事士の免許が必要
- 水回り・ガス工事:配管敷設、ガス管の取り扱い、給湯器の設置や修理には国家資格や特定の技術認定が必要
- 給排水工事:排水管の工事や水道管の延長などは自治体への申請や資格を要する場合があり、自己流では水漏れ・漏水事故のリスクが大
これらの工事を無資格・自己流で行うと、漏電や火災、ガス漏れ、一酸化炭素中毒といった大事故に発展する可能性もあります。専門家へ依頼して安全を確保することが最優先です。
構造に関わる壁の撤去・穴あけ、屋根の補修や外壁塗装など
木造住宅の場合、耐力壁として建物を支えている壁を誤って撤去すると、建物の強度を大幅に損ない倒壊リスクが高まります。また、屋根の補修や外壁塗装など高所作業は足場を組む必要があり、素人が行うと転落事故を招く恐れがあります。外壁塗装は塗料の選定や下地処理も専門知識が必要で、DIYで十分な耐久性を得るのは難しいのが現実です。
建築基準法・消防法に抵触する可能性がある工事
増築や間取り変更などの大掛かりな改修には建築確認申請が必要になる場合があります。特に:
- 壁の位置を変えて部屋を増やす
- 床面積10㎡以上の増築
- 防火地域・準防火地域での屋外工事
などは専門家である建築士やリフォーム会社へ相談し、法令や自治体の規制を守った施工を行う必要があります。無許可で改修を進めると違法建築となり、トラブルに発展しかねません。
判断基準を見極めるポイント – 費用・時間・リスクの三軸
費用(DIYとプロ依頼の見積比較)
DIYかプロに依頼するかを決める際は、まず費用を比較しましょう。DIYでは:
- 材料費・工具代はかかるが、施工費用はほぼゼロ
- 失敗ややり直しのコストを考慮する必要あり
一方、プロ依頼では:
- まとまった施工費が必要
- 仕上がりの品質や保証が期待できる
壁紙や床材の貼り替え程度ならDIYで大幅なコスト削減が見込めますが、電気配線や給排水工事、外壁塗装などは確実にプロに任せたほうが費用対効果は高いでしょう。
時間(初心者がどれくらい時間をかけられるか)
DIYの大きなデメリットは、作業に時間がかかる点です。初心者ならなおさら習熟や下調べが必要で、思った以上に長期化することも少なくありません。平日働きながら週末だけDIYするケースでは完成まで数カ月かかる場合もあります。工期が伸びるほど生活に支障が出る可能性も。対して、プロは短期間で効率よく作業を進められます。時間を優先したいならプロへ依頼したほうが無難です。
リスク(安全性・法律・失敗時の復旧費用)
DIYにおいては以下のリスク面を考慮しましょう:
- 安全面:高所作業や重量物の扱いはケガや事故につながりやすい
- 法律面:増築や構造変更は建築基準法違反のリスク
- 失敗コスト:やり直し工事の追加費用、修理費や補修費がかかる場合も
特に電気・ガス・配管のミスは重大トラブルの元となるため、少しでも自信がなければプロに任せましょう。失敗リスクを回避するためにも、DIYで扱う範囲と任せる範囲を明確に分けるのがベターです。
DIYとプロの合わせ技 – コスト節約&品質確保の実例
プロに下地だけ作ってもらい、仕上げはDIY
大きなリノベーションであっても、DIYとプロ施工をうまく組み合わせれば高品質かつ費用を抑えた住まいづくりが可能です。例えば:
- 床の下地や壁の下地をプロが施工:床材の基礎をしっかり整え、耐久性や安全性を確保
- 仕上げの壁紙貼りや塗装は自分で挑戦:色や柄を自分好みにアレンジでき、費用も節約
基礎部分は専門知識が必要ですが、仕上げの装飾や塗り方は初心者でも工夫すれば十分キレイに仕上げられます。
大がかりな解体や配線は任せて、内装は自分で挑戦
古民家再生や大規模リノベでは、解体や配線、配管のような危険かつ専門的な工程をプロに依頼し、床材張りや塗装、タイル貼りなどの内装仕上げをDIYで行う事例が増えています。プロと相談しながら作業範囲を明確にし、自分ができる範囲だけ挑戦することで、高額な施工費を抑えると同時にオリジナリティを発揮できます。
複数業者・専門家との連携事例
DIYとプロ施工を組み合わせる際には、専門家とのコミュニケーションが重要です:
- リフォーム会社に全体計画を依頼し、DIY範囲を設計段階で決める
- 電気工事は電気工事士、配管は水道業者など、要所ごとに専門家を手配
- 下地施工後にDIYを進めやすいスケジュール調整を事前に行う
複数の専門家と相談しながら進めることで、途中で起きるトラブルにも対応しやすくなり、最終的なクオリティも向上します。
具体的なDIY例&失敗談 – 成功するためのヒント
初心者でも比較的簡単な壁塗りやタイル貼りの実例
DIY初心者におすすめなのが、室内の壁塗りやタイル貼りです。ペンキ塗りはテープでしっかり養生し、2度塗りすればムラを減らせます。タイル貼りも小さめのスペース(キッチンの一部や洗面台のアクセント)から始めると失敗が少なく、達成感を得やすいです。接着剤や目地材を扱う際は手袋を着用し、安全にも配慮しましょう。
上級DIYerのステップ(技術&道具)
DIYに慣れてきてもう少し難易度を上げたい場合:
- 電動のこぎり・サンダーの扱いに慣れる:大型の棚やDIY家具を設計から自作できる
- 差し金や墨出しなど大工道具を使いこなす:正確な寸法取りで仕上がりが美しくなる
- 造作壁や仕切りの新設:ただし構造部分や耐力壁はプロと相談
電動工具は安全面が最重要なので、事前に使い方を学び、防護メガネや防塵マスクでケガ・健康被害を防ぎましょう。
失敗事例(追加費用やトラブル発生)から学ぶ
DIYによるよくある失敗には:
- 耐力壁の撤去ミス:建物が傾く事態になり、緊急補強工事で高額請求
- 電気配線の誤工事:ショートや火災を引き起こし、損害保険でもカバーしきれないケース
- 水漏れやガス漏れ:配管を破損して床下浸水、大規模修理へ
こうした事故はプロへの依頼費用よりも高額な修繕費が発生することがあり、DIYの節約メリットが帳消しになる可能性も。自分の知識やスキルを冷静に見極めることが大切です。
まとめ – 自分でやる・プロに任せるの最適バランスを見つけよう
必要なスキル・資格・法律を調べてからDIY計画
DIYを進める際には、電気工事や配管工事など、資格や許可が必要な範囲を事前に把握しておきましょう。特に、増築や構造変更、ガス工事などは建築基準法や消防法、電気事業法などに触れる可能性があります。工事内容を整理し、自治体や専門家に確認してから施工に取りかかると安全で確実です。
プロとの打ち合わせで「どこまでやるか」を明確化
大規模なリノベーションや古民家再生では、プロとDIYの分担を明確に決めることが成功のカギです。以下を目安に:
- 構造・電気・ガス・配管:プロにお任せ
- 下地づくりや大規模解体:プロ主体で安全第一
- 仕上げ作業(壁紙貼り、床材張り替え、塗装、棚づくり):DIYでコスト削減&オリジナリティ
リフォーム会社や工務店と打ち合わせし、どこからどこまでをDIYで行うか、プロの工期との兼ね合いをよく調整するのがポイントです。
関連リンク(DIY基礎講座、専門家探しサイトなど)
DIYの基本を学びたい場合や、プロを探したい場合に役立つリソースをいくつかご紹介します:
- DIY専門サイト:「DIY FACTORY」「RESTA」など、初心者向け解説や商品レビューが豊富
- YouTubeチャンネル:「田舎のしゅん」「HGTV Handmade」など、視覚的に手順が学べる
- リフォーム会社検索サイト:「リフォーム評価ナビ」「リショップナビ」など、複数社への一括見積もりが便利
- 建築士事務所協会:大規模リノベーション時に建築士を探すときに有益
これらを活用して情報収集しながら、自分に合ったDIYスタイルとプロ依頼のポイントを掴んでください。
DIYは費用を抑え、住まいを自分好みに仕上げる醍醐味があります。しかし、法律や安全性が絡む作業を無理に自己流で進めるのは極めて危険です。まずは自身のスキルと時間を踏まえ、作業範囲を見極めましょう。「ここまでは自分でやってみよう」「これ以上はプロに任せよう」という境界線を明確にすることで、失敗やトラブルを最小限に抑えながら、理想の住空間を実現できるはずです。
初心者向け用語集
- 耐力壁:建物を地震や風などの横からの力に耐えられるよう支える壁のこと。構造上非常に重要で、誤って撤去すると建物の強度が大幅に低下する。
- 生のり付き壁紙:裏面にあらかじめ糊(のり)が塗布されており、水で糊を活性化するだけで貼れる壁紙。初心者でも扱いやすく、施工の手間が軽減される。
- クッションフロア:塩化ビニール素材でできた柔らかい床材。水や汚れに強く、比較的安価で簡単に貼り替えられるため、DIY床材の定番となっている。
- フロアタイル:木目や石目などをリアルに再現した合成樹脂製のタイル状床材。クッションフロアより耐久性や質感が高いが、施工難易度はやや上がる。
- 第二種電気工事士:一般住宅や小規模店舗での電気配線工事などを行うために必要な国家資格。コンセントの増設や配線変更などは資格者でないと法的に施工できない。
- キックバック:電動丸ノコなどで材料を切断中、刃が噛み込んで急激に工具が跳ね返る現象。大変危険で、正しい使い方や安全対策が不可欠。
- ガス漏れ:ガス管や接合部の不備・破損によって可燃性ガスが屋内外に漏れる状態。火災や爆発のリスクがあるため、配管工事は資格を持つプロに任せるべき。
- 建築基準法:建築物の安全性や衛生面を確保するための法律。増改築や構造変更には各種許可や申請が必要になる場合があり、無許可では違法建築となる。
- 養生(ようじょう):塗装や解体作業の際に床や壁、家具などをシートやテープで保護すること。塗料飛散や傷を防ぎ、仕上がりをきれいに保つために不可欠。
参考サイト
- JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2025「DIYアドバイザー模擬検定」
- 住まいあんしん倶楽部「DIYとプロリフォームの違いを解説!」
- 新日本ハウス「DIYとプロのリフォーム、どちらが良い?」
- DIY SHOP「DIY対プロリフォーム 徹底比較!メリット・デメリット」
- PROSTYLE RENOVATION「プロスタイルリノベーション【東京】」
- コニージャパン「プロスタイル リノベーション」
- リノデュース「【2025年最新】東京のリノベーション会社ランキング19選!」
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