相続

【保存版】相続手続き・税金・節税対策を丸ごと解説!もう迷わない完全ロードマップ

【保存版】相続手続き・税金・節税対策を丸ごと解説!もう迷わない完全ロードマップ

相続の基本をすべて理解!初心者向け完全ガイド

この記事の要点・結論

  • 相続とは、人が亡くなった後にその人の財産(プラスもマイナスも含む)を特定の人が受け継ぐ制度
  • 手続きの期限が法律で定められているため、早めに相続人や遺産を確認し、必要書類をそろえることが重要
  • 相続税には基礎控除や各種特例があり、3,000万円+600万円×法定相続人の数などを押さえておくと節税・対策がしやすい
  • 2024年4月から相続登記が義務化されるため、不動産の名義変更は早めに進める必要がある

本記事では、相続に関して初めて手続きを行う方でも理解できるように、仕組み・手続き・税金・対策を網羅的に解説します。 また、最新の統計や法改正情報も交えて、適切な行動をとるための知識と手順を整理しています。

相続とは?基礎知識を3分で把握

民法改正(2019-2020施行)で変わったポイント

  • 自筆証書遺言の方式緩和(2019年1月施行)と法務局保管制度(2020年7月施行)で手続きが簡素化
  • 配偶者居住権の創設(2020年4月施行)で、残された配偶者が自宅に住み続けやすく
  • 相続登記義務化が決定し、不動産の名義変更がより厳格化

相続は、人が亡くなった瞬間にその遺産(不動産・預貯金・株式・借金など)が相続人へ一斉に承継される制度です。 日本では「誰が相続人になるか」を法律(民法)で定めており、遺言書の有無や法定相続分などさまざまなルールが存在します。 配偶者居住権は2020年4月1日に施行され、配偶者の住居を手厚く保護する動きが進みました。 また、2024年4月1日からは相続登記が義務化されるため、不動産の相続手続きを放置すると罰則が科される可能性があります。 相続人が複数いる場合は、円満な話し合いと正しい書類準備が欠かせません。

STEP1 誰が相続人になる?法定相続人と順位

配偶者・子・直系尊属・兄弟姉妹の順序

  • 配偶者は常に相続人
  • 第一順位: 子
  • 第二順位: 直系尊属(父母・祖父母)
  • 第三順位: 兄弟姉妹

日本の民法では、相続人になれるのは「配偶者」と「血族相続人」に限られます。 配偶者は常に相続人になり、その他の血族相続人には順位が設けられています。 具体的には、第一順位(子)が存在しない場合に第二順位(直系尊属)、さらにそれらがいなければ第三順位(兄弟姉妹)が相続するしくみです。 相続人の確定を誤ると、後々トラブルに発展する可能性があります。 そのため、出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)をすべて取得して誰が相続人か正確に確かめることが重要です。

STEP2 遺産の洗い出しと評価方法

不動産評価:路線価方式(2024-07 国税庁)

  • 路線価とは、国税庁が公表する公示価格に準ずる基準
  • 市街地における土地評価の目安に使われる
  • 2024年7月(2024-07 国税庁)から一部地域で見直し

不動産は相続財産の中でも大きな割合を占めることが多いため、評価方法を理解しておく必要があります。 通常、道路に面した土地には「路線価」が定められており、その路線価を基準にして土地の評価額を算出します。 一方、路線価がない地域の場合は倍率方式を用いるケースもあります。 2024年7月(2024-07 国税庁)から一部の路線価が見直される見込みであり、地価の変動を注視する必要があります。

預貯金・有価証券の相続時点評価

  • 預貯金は相続開始日の残高が基本
  • 株式は死亡日の終値(又は近似値)で評価
  • 投資信託や社債などは受益権価額などを基準

現金や預貯金は相続開始日を基準として評価しますが、その後に生じる利息は相続人に帰属する点を認識しましょう。 有価証券の場合は、証券会社の口座や株式数を正確に把握しておくことが重要です。 相続時点での終値や時価を用いるため、価格変動の大きい銘柄を多く持つ場合は、相続時期や分割協議への影響も考慮が必要です。

STEP3 遺産分割協議の流れ

協議書作成 → 相続登記(2024-04 義務化)

  • 相続人全員で遺産分割協議書を作成
  • 実印印鑑証明書が必須
  • 不動産相続の名義変更は2024年4月から義務化

相続人が複数いる場合、誰がどの遺産を引き継ぐかを話し合う必要があります。 この話し合いを遺産分割協議と呼び、協議の内容を書面化したものが遺産分割協議書です。 協議書には相続人全員の実印が必要で、署名と捺印がすべて揃わないと金融機関や法務局での手続きが進められません。 特に不動産を相続した場合、2024年4月からの相続登記義務化により、相続登記を怠ると3年以内に名義変更を行わない場合に10万円以下の過料が科される可能性があります。 そのため、協議が整ったら早めに相続登記まで済ませることが望ましいです。

STEP4 相続税の計算と申告手続き

基礎控除3,000 万円+600 万円×法定相続人

  • 相続税の申告件数 13.2万件 (2024-12 国税庁統計)
  • 課税割合は9.6%であり、大半のケースでは相続税がかからない
  • 4人家族の場合、3,000万円+600万円×4=5,400万円まで非課税

相続税は、相続財産の合計額から基礎控除や各種控除を差し引いた金額に対して課税されます。 最も基本的な控除が基礎控除 (3,000万円+600万円×法定相続人の数)です。 この基礎控除額を超えなければ相続税の申告は不要ですが、相続税の特例を適用したい場合は申告が必要となる場合もあります。 最新の国税庁統計によると、相続税の課税割合は約9.6%(2024-12 国税庁統計)です。 つまり、全体の約1割程度の相続で相続税が実際に発生しています。 法定相続人が多いほど基礎控除が大きくなるため、相続税の課税対象となるかどうかは家族構成によっても異なります。

税率表と速算表の使い方

  • 相続税の税率は、課税価格が高いほど高率
  • 最低10%から最大55%まで段階的に設定
  • 速算表に課税価格区分と控除額が示されている

相続税の計算では、基礎控除額を引いたあとに残った課税遺産総額に対して、税率表を当てはめる仕組みをとります。 課税価格が1,000万円以下であれば10%、3,000万円超~5,000万円以下では20%など、段階的な税率が設定されています。 速算表を用いて計算するときは、まず課税価格の区分を特定し、その区分に応じた控除額を差し引くことで正しい税額を導き出します。 相続税の速算表(抜粋)

課税価格 税率 控除額
1,000万円以下 10% なし
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円

課税価格が上がるほど税率が高くなるため、生前贈与などを組み合わせて課税価格をコントロールすることも重要です。

節税&トラブル防止6つの対策

1) 生前贈与と改正贈与加算ルール

  • 生前贈与加算期間が段階的に3年→7年へ延長 (2024-01 税制改正)
  • 改正後は、亡くなる前7年間の贈与額が相続税計算に合算
  • 7年を超えて贈与を行うことで節税効果を狙う

従来は、相続開始前3年以内に行われた贈与財産が相続税の計算に加算されていましたが、2024年1月以降は段階的に7年間まで延長されます。 これにより、早期にまとまった額を生前贈与しておけば、相続税の課税対象から外せる可能性が高まります。 ただし、贈与税とのバランスを見極めながら計画的に行うことが大切です。

2) 生命保険非課税枠 500万円×相続人

  • 500万円×法定相続人が非課税
  • 死亡保険金は遺産とは別枠扱い
  • 公的年金に加え、残された家族の生活費確保に有利

死亡保険金には、法定相続人1人あたり500万円まで非課税になる特例が設けられています。 たとえば、相続人が3人いれば、1,500万円までは非課税枠内に収まります。 この仕組みを活用すると、現金のまま持っているよりも保険で受け取る方が相続税上のメリットを得やすいケースがあります。

3) 小規模宅地等の特例 80%評価減

  • 特定居住用宅地なら330平方メートルまで80%減額
  • 適用件数 4.8万件 (2023 国税庁)
  • 平均節税額1260万円と報告(2023 国税庁)

被相続人の自宅や事業用の宅地を相続する場合は、小規模宅地等の特例を使うことで最大80%まで評価額を下げることができます。 特に居住用宅地(特定居住用宅地)は330平方メートルを上限として8割評価減になり、相続税が大幅に軽減されます。 2023年の国税庁データによれば、この特例を適用したケースは約4.8万件、平均して1,260万円もの節税効果があったとの報告があります。

4) 家族信託で認知症リスク対策

  • 認知症になっても資産を凍結しないメリット
  • 家族信託口座の開設数は年率+18% (2025-03 信託協会)
  • 贈与や遺言と組み合わせて使える

高齢化が進む日本では、親が認知症になった際に預金や不動産が凍結されるリスクが増えています。 家族信託は、受託者となる家族に財産管理を託すことで、本人が認知症になってもスムーズに資産を運用し続けることが可能です。 信託協会の調査(2025-03)によると、家族信託口座の開設数は年率+18%という高い伸びを示しており、今後も需要が拡大すると考えられます。

5) 遺言書(自筆/公正証書)の作成

  • 公正証書遺言は原本が公証役場に保管され、検認不要
  • 自筆証書遺言は法務局保管制度を活用可能
  • 財産目録はパソコン作成OK (民法改正で緩和)

遺言書があると、相続人同士の意見対立を減らす効果が期待できます。 公正証書遺言は公証人が関与するため、形式不備や偽造リスクが低く、安全性が高いのが特徴です。 自筆証書遺言でも法務局で保管できる仕組みが整ってきており、近年は電子化に向けた動きも進んでいます。

6) 相続時精算課税の賢い使い分け

  • 2,500万円まで非課税で一括贈与が可能
  • 60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫に適用
  • 将来の相続税計算時に贈与額が合算される

相続時精算課税制度は、60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与に適用でき、最大2,500万円まで贈与税が非課税になる制度です。 ただし、その贈与額は将来の相続税計算時に加算されるため、「生前贈与の加算期間」や今後の財産状況を踏まえて利用する必要があります。 贈与税の節税と相続時の負担をどう最適化するか、専門家の助言が欠かせません。

手続きチェックリスト 100日・4か月・10か月

死亡届 → 凍結口座解除 → 準確定申告 → 相続税申告

  • 死亡後7日以内に死亡届を提出
  • 金融機関への連絡で口座凍結を解除
  • 亡くなった人の準確定申告は4か月以内
  • 相続税の申告・納付は10か月以内

相続手続きは、死亡直後から段階的に発生します。 まず、死亡診断書を基に死亡届を提出し、葬儀・火葬を終えたら速やかに金融機関へ連絡して口座凍結の解除手続きを進めましょう。 次に、亡くなった人が生前に得ていた所得についての準確定申告を、死亡後4か月以内に行います。 そして、相続税の申告および納付は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内が期限となるため、忘れずにスケジュール管理してください。 以下の表は、相続発生から主要手続きまでのスケジュールをまとめたものです。 相続手続きスケジュール(主要期限)

手続き内容 期限
死亡届の提出 7日以内
相続放棄・限定承認 3か月以内
準確定申告 4か月以内
遺産分割協議 10か月以内
相続税申告・納付 10か月以内
相続登記(義務化) 2024年4月以降は3年以内

まとめ

相続手続きは、誰が相続人になるかの確定から始まり、遺産分割協議相続税申告など多岐にわたります。 特に不動産については2024年4月から義務化される相続登記に対応しなければならず、放置すれば過料のリスクもあります。 一方で、基礎控除や生前贈与、家族信託など多彩な対策が用意されており、自分の状況に合った手段を選ぶことで節税やトラブル回避につなげることができます。 万一の際に慌てないためにも、専門家と連携しながら早めに準備しておくことをおすすめします。

よくある質問

  • 基礎控除はいくらですか? 相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人です。詳細は 国税庁の解説 を参照してください。
  • 相続登記の期限はいつまでですか? 2024年4月1日以降は、相続を知った日から3年以内に登記申請が義務付けられています。詳細は 法務省Q&A をご覧ください。
  • 相続税の申告期限は? 被相続人が死亡した日の翌日から10か月以内に申告・納付が必要です。申告書フォームは 国税庁サイト でダウンロードできます。
  • 生命保険の非課税枠はありますか? 500万円×法定相続人まで相続税が非課税となります。計算方法は 相続税Q&A をご確認ください。
  • 生前贈与の加算期間は7年ですか? 2024年1月1日以降の贈与は相続開始前7年以内まで加算対象となります(移行措置あり)。詳しくは 国税庁FAQ を参照してください。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 相続人:被相続人(亡くなった方)の財産や負債を法律上承継する人。配偶者は常に相続人で、子→父母→兄弟姉妹の順に優先順位が決まる。
  • 遺留分:法定相続人に保障された最低限の取り分。配偶者・子は法定相続分の2分の1、父母は3分の1。
  • 配偶者居住権:2020年新設。配偶者が自宅を相続しなくても終身または一定期間無償で住み続けられる権利。
  • 基礎控除:相続税を計算する際に差し引ける非課税枠。3,000万円+600万円×法定相続人で算定。
  • 路線価:国税庁が毎年公表する道路沿いの1㎡あたり評価額。不動産の相続税評価額を計算する基準になる。
  • 遺産分割協議書:相続人全員で遺産の分け方を決め、実印で署名押印した正式書面。金融機関や登記で必須。
  • 相続放棄:財産も負債も一切承継しない選択。家庭裁判所に3か月以内に申述する必要がある。
  • 準確定申告:被相続人の死亡年分所得を4か月以内に税務署へ申告・納付する手続き。
  • 小規模宅地等の特例:自宅や事業用宅地の評価額を最大80%減額できる節税制度。330㎡など面積上限がある。
  • 家族信託:親が財産管理を信頼できる家族に託す仕組み。認知症対策や円滑な資産承継に活用される。
  • 限定承認:相続財産の範囲内でのみ負債を引き受ける方法。相続放棄との違いはプラス資産も保持できる点。
  • 登記:不動産や会社などの権利関係を公示する手続き。相続登記は2024年から3年以内に義務化。
  • 過料:行政上の秩序罰。相続登記義務に違反した場合、最高10万円の過料が科される可能性がある。

編集後記

Aさん(55歳・会社員)は2024年10月、父の急逝で初めて相続の当事者となりました。 相続財産は自宅土地建物4,500万円(路線価評価)と預貯金2,300万円の計6,800万円。法定相続人は配偶者である母とAさんの2人だけだったため、基礎控除4,200万円を差し引くと課税遺産総額は2,600万円に。 税理士に依頼して算出した相続税は170万円。しかし、小規模宅地等の特例(自宅330㎡以内80%減額)を適用すると自宅評価が900万円まで下がり、課税遺産は基礎控除内に収まり相続税ゼロとなりました。専門家報酬は27万円でしたが、申告漏れリスクを避けられた安心感は大きかったそうです。 一方でAさんが最も苦労したのは相続登記でした。司法書士へ依頼してオンライン申請を行ったものの、父の戸籍を出生から死亡まで収集する作業に3週間を要し、登記完了まで計2か月。 「相続登記義務化を知らずに放置していたら、過料10万円どころか不動産売却もできなくなるところだった」と振り返ります。 今回の経験からAさんは母名義の資産管理を家族信託に切り替え、認知症リスクと納税資金対策の両方を準備しました。「情報はネットで拾えるが、実務は期限との闘い。専門家へ早めに相談することが最大の節税策だと実感した」と語っています。この記事が、同じ立場に立つ読者の一助となれば幸いです。

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松田 悠寿
㈱ビーシーアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。