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2025年1月21日 ドル円相場分析 – 新政権就任とインフレ懸念がもたらす方向感を探る

本日のドル円相場について徹底解説します。デイトレ~スイングトレード(約2週間)を軸に、トレンドフォローの観点から読み解く戦略を余すところなくお伝えします。トレーダー仲間はもちろん、FXに興味がある初心者の方にもわかりやすくまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

■ 本日の注目ポイント

まずは、今日のドル円に関連する重要材料を整理しましょう。

  • 新大統領(トランプ氏)の就任
    就任初日、対中関税発動の見送り観測が浮上し、為替市場はややドル売り・円買い優勢の展開になりました。今後の政策転換(パリ協定離脱やEV優遇廃止など)の詳細次第では、相場に大きな波乱要因が残っています。
  • インフレ警戒再燃
    ブラックロックの副会長(元スイス国立銀行総裁)が「長期インフレ継続のリスク」を警告。高齢化や技術革新、地政学リスクが複合して物価を押し上げる可能性を示唆しました。各国中銀がさらなる利上げを余儀なくされるシナリオもあり、ドル円が上下どちらに振れるかは流動的です。
  • ドル円の足元の値動き
    155円台後半を推移中。上値は156円付近で抑えられやすく、下ブレイクの場合は一段下落の可能性も視野に入ります。一方で、突発ニュースによる急騰リスクにも注意が必要です。

こうしたニュースにより、マーケットのセンチメントが変わりやすい状況にあります。特に新政権の外交・経済政策が正式に打ち出されるにつれ、ボラティリティが上昇する可能性が高い点を押さえておきましょう。

■ マルチタイムフレーム分析

ここでは、週足・日足・4時間足・15分足など、複数の時間軸からドル円を分析します。トレンドフォローを心がける上で、マルチタイムフレームは重要な手掛かりとなります。

● 週足:159円近辺のレジスタンスとダブルトップの警戒

  • 先週までは、159円付近を何度か試しつつも明確に突破できない状態。
  • 長い上ヒゲや陰線が目立ち、上値の重さが意識される局面です。
  • 159円レベルを超えられず週足が陰線を連続するようなら、ダブルトップ形成リスクが高まる可能性あり。

週足の観点から見ると、まだ大きな上昇トレンドの流れを完全に崩したわけではありませんが、直近の高値圏では売りが優勢になりつつある印象です。もし159円台を明確に再突破できなければ、下落トレンド入りを警戒するタイミングと言えるでしょう。

● 日足:156円の攻防と20MAの下抜け

  • 日足20MAを一時下抜けし、上昇から横ばい、さらに下向きへ変化する初期の兆候。
  • 156円を超えると一時的に買いが強まるシナリオもありますが、継続性は不透明。
  • 下抜けの場合、155円付近や154円台前半を意識した売りが強まる可能性。

日足では「すでに上昇の勢いが鈍化している」というテクニカルサインが点灯し始めています。戻り売りを狙いたいトレーダーにとっては、156円付近がわかりやすいレジスタンス候補と言えるでしょう。

● 4時間足:レジスタンス帯の明確化

  • 155.80~156.00円付近にレジスタンスが存在し、そこを超えられない限り下落圧力がじわじわと強まる展開。
  • 156円を突破し、4時間足が確定すれば短期ロングシナリオも一考の余地あり。
  • ただし、ショート優勢の流れを逆張りする形になるため、慎重なエントリーが求められる。

4時間足はデイトレやスイングの重要な判断軸となります。エントリーの際は、ローソク足の確定や価格の推移を見極めてからが無難です。

● 15分足:短期トレードのエントリーサイン

  • アジア時間は値動きがやや狭くなる傾向。欧州・NY時間に一気にブレイクしやすい。
  • 短期では156円手前で跳ね返される動きが続くと戻り売りのチャンス。
  • 逆に156円を上抜けた場合の短期押し目買いも、15分足ならエントリーしやすいタイミングを掴みやすい。

短期トレーダーは、細かいチャートパターンを見ながらブレイクの瞬間を狙う手法も有効です。特にレジスタンス・サポート突破後の押し目や戻りを丁寧に待つことで、ダマシを回避しやすくなります。

■ トレンドフォロワー視点の売買戦略

ここでは、トレンドフォロー(順張り)を基本とした今日のシナリオを2つご紹介します。メインシナリオ(ショート)と代替シナリオ(ロング)を設定し、相場の動きに応じて柔軟に対応するスタンスを取るのがおすすめです。

● メインシナリオ:戻り売り(ショート)

  1. エントリータイミング
    156円付近まで上昇しても、そこで頭を抑えられ、1時間足や4時間足で陰線が確定するのを待つ。
    さらに、直近安値(155.50円前後)を下抜けする場面で追随ショートも検討。
  2. 利確目安
    • 短期:155円ジャスト付近
    • さらに割り込めば154.50円付近
    • スイング:153円台後半~154円近辺
  3. 損切り設定
    • 156.20~156.40円を明確に突破されたら損切り
    • もしくはショートエントリーから40~60pips程度上

このシナリオのメリット
マルチタイムフレームで見ても、全体的に上値が重い傾向があり、戻り売りが比較的優位性を発揮しやすい。

デメリット
新政権による突発的なポジティブニュースで一気にドル買いが強まった場合、ショートが踏み上げられるリスクあり。

● 代替シナリオ:上抜け後の押し目買い(ロング)

  1. エントリータイミング
    156円を4時間足レベルでブレイクし、サポート転換を確認。
    押し目をつけたタイミング(例:156.00円~156.20円)でエントリー。
  2. 利確目安
    • 短期:156.80円~157.00円
    • さらに強い上昇なら157.50円を視野
  3. 損切り設定
    • 156円割れで即撤退
    • ロングがダマシに終わった場合の被害を最小限に抑えるため、タイトなストップを設定

このシナリオのメリット
ショートカバーや相場の急変動で、短期的にまとまった上昇を狙える可能性。

デメリット
あくまで「戻り売り優勢」という全体像からすると、ロングはリスクが高め。
ブレイクがフェイクになるケースを常に想定し、素早い撤退が必要。

■ 今日のニュースをどう活かすか

● 新政権の対中・エネルギー政策

  • 初日の関税発動は見送りとの見通しで、マーケットはやや安心感。ただし、今後の制裁措置や交渉次第で急変も。
  • 電気自動車(EV)優遇撤廃、パリ協定離脱など環境政策の大転換が示唆され、エネルギーセクターや株式市場に波乱要因。
  • 対ロシアへの姿勢も注目ポイント。ウクライナ情勢含め、地政学的リスクの変化がドル円に影響。

ニュースリスクが高まる時間帯(米国時間の早朝~昼頃)に為替が大きく振れる可能性があるため、ポジション管理や逆指値の設定を念入りに行いましょう。

● インフレと金融政策への警戒

  • 長期インフレが続く見通しの場合、各国中銀は追加利上げを検討せざるを得ない。
  • 金利上昇は通常ドル買い要因になる一方、リスクオフ局面では円も買われやすく、ドル円が一方向に動くとは限らない。
  • 米国債利回りや主要国のインフレ指標、要人発言に注目。

ファンダメンタルズの変化がテクニカルのシグナルと合致したとき、最も信頼度の高いトレンドが形成されます。常に両面から相場をチェックしましょう。

■ リスク管理とメンタル面の注意

どんな相場環境でも、徹底したリスク管理とメンタルコントロールが欠かせません。特に以下の点に留意しましょう。

  • ポジションサイズの適正化
    ニュース相場は想定外の急騰・急落が起きやすいです。1トレードあたりのリスクを資金の1~2%程度に抑えるなど、慎重な資金管理が大切です。
  • 損切りの徹底
    “待てば戻る”という甘い考えは禁物。シナリオが崩れたら即撤退する習慣を身に付けると、痛手を最小限にできます。
  • メンタルを安定させる
    大きなニュースや値動きに感情を揺さぶられると、勝ちパターンを逸脱しがちです。冷静な判断をするためにも、相場を常に客観的に見るよう意識しましょう。

■ まとめ:156円がカギとなる今日のドル円

  • 全体観
    159円手前での失速が続き、やや下落寄りのバイアスが強まりつつあります。
    トレンドフォロワーとしては、戻り売りがメインシナリオです。
  • ショートの魅力
    156円のレジスタンスを超えられない場合、155円や154円台へ下落する余地が広がりやすい。
  • ロングのチャンス
    156円超えを明確にブレイクし、サポート転換を確認できれば短期ロングを検討。
    ただし、逆張り要素があるので慎重に。
  • 今後の注目
    新政権の政策発表、インフレ関連指標、中央銀行の利上げ観測。
    要人発言や突発ニュースには十分注意。

最終的には、テクニカル(チャートパターン・移動平均線など)とファンダメンタルズ(ニュース・政策)を融合させた総合的判断がものを言います。焦らず、確度の高いチャンスを待ってから仕掛けることで、効率よくリスクをコントロールしましょう。

この相場環境は、突発的に動き出す可能性が高いため、「待つべき時は待つ」という姿勢が大切です。今のドル円は、特に156円付近の動きが重要になります。そこを挟んだ上下どちらにも目を配りながら、シナリオ通りに行動してください。

【免責事項】

本記事は情報提供のみを目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はあくまでも自己責任で行ってください。相場は常に不確実性を伴い、損失が生じるリスクがあります。必ず自身の資金状況やリスク許容度を考慮し、無理のない取引を行うよう心がけましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。トレンドフォロー型のトレーダーとしては、このような局面でこそ冷静な判断が求められます。ぜひ今回の分析やシナリオを参考にしていただき、今後のドル円トレードに活かしていただければ幸いです。皆さんの健闘をお祈りしています!