FX・環境認識

【2025年3月10日 ドル円戦略】FXトレード・地政学リスクと指標ラッシュを乗り切る相場分析

【2025年3月10日 ドル円戦略】FXトレード・地政学リスクと指標ラッシュを乗り切る相場分析

2025年3月10日のドル円相場について、ファンダメンタルズ分析・テクニカル分析を総合的に解説。デイトレードから2週間程度のスイングを想定したトレンドフォローの売買シナリオを提示し、地政学リスクや重要経済指標を踏まえた戦略を紹介します。

この記事を読むととえられるメリット

  • ドル円相場で今日注目すべきニュースとイベントがひと目でわかります
  • 地政学リスクや米国の関税政策が為替相場に与える影響を把握し、混乱を回避できます
  • 日足・4時間足・1時間足などマルチタイムフレームでのテクニカル分析を学べます
  • デイトレードから2週間程度のスイングを想定した、具体的なトレード戦略やエントリーポイントを得られます

以上のメリットにより、今日のドル円相場で必要な情報を押さえつつ、成功確率を高めるためのシナリオを構築できるようサポートします。

今日の結論・注目ポイント

結論として、ドル円は引き続き下落トレンドを維持しつつも反発リスクが高まりやすい相場環境です。主要なサポートゾーン(146円台)に近づきつつあるため、短期的には戻り売り中心としながらも、急な買い戻し(ショートカバー)に備えてロング目線の準備も必要となります。

  • 地政学リスク(ウクライナ情勢の停戦交渉など)進展報道が出れば、円安圧力が一時的に高まる可能性
  • 日銀追加利上げ観測や米国指標(CPI、JOLTS等)次第では、円高リスクが一気に強まる懸念あり
  • ドル円はデイトレ〜2週間程度のスイング目線で「引き続き戻り売り優先」、ただし148.36円や148.639円を上抜けた場合は一転ロング目線へ

ファンダメンタルズ分析(最新ニュース、経済指標、注目イベント)

【ウクライナ情勢の最新動向】

  • ロシア軍が東部ドネツク州を中心に攻勢を強化し、米国の軍事支援一時停止が続く(出典:YouTube・ANNnewsCh
  • 3月9日未明に停戦交渉進展報道があり、一部地域で90%休戦合意との情報(出典:ロイター
  • ウクライナ大統領のゼレンスキー氏はサウジアラビアで米国と協議予定(出典:BBC

→停戦合意が進めば「リスク回避の円買い」が後退し、一時的にドル円が上昇する可能性があります。

【米国通商政策・関税動向】

  • トランプ政権はメキシコ・カナダ原産品に25%の追加関税を3月4日から発動と発表(出典:JETRO
  • 中国製品にも追加関税を拡大し、インフレ圧力が強まる見通し(出典:Zonos
  • 対日追加関税は現行協定誠実履行中は課さない方針だが、今後の交渉次第で変更リスクあり(出典:内閣官房TPP等政府対策本部

→対中関税拡大によるインフレ長期化の懸念がFRBの利下げ観測を遅らせ、ドル買い材料になりやすい一方、貿易摩擦激化がリスクオフ局面を招けば円高要因ともなります。

【日本の政治・金融政策リスク】

  • 日銀は3月3日に企画局長人事を発表し、利上げを継続する路線を示唆(出典:ロイター
  • 3月12日~3月19日に日銀金融政策決定会合が予定されており、追加利上げの有無が注目点(出典:日本銀行
  • 日本春闘(3月12日集中回答日)で大幅賃上げが実現すれば、日銀が金融引き締めを早めるとの見方(出典:みんかぶFX

→追加利上げ観測の強まりは円高要因ですが、政府の景気対策や日米通商交渉の結果次第で変動リスクが高まります。

【今後の重要イベント一覧(日本時間)】

  • 3月10日(月)
    • 8:30 日本1月毎月勤労統計調査(現金給与総額)
    • 8:50 日本1月国際収支(経常収支・貿易収支)
    • 24:00 米2月ISM製造業景況指数
  • 3月11日(火)
    • 8:50 日本10-12月期GDP改定値
    • 23:00 米1月JOLTS求人件数
    • 21:30 米2月CPI(一部資料では3/12発表)

(出典:JTG証券GMO外貨OANDA など)

テクニカル分析(マルチタイムフレーム)

ここでは週足・日足・4時間足・1時間足(または15分足)など複数の時間軸からドル円相場を分析します。デイトレ〜スイング目線での大きな流れを把握し、トレンドフォローの売買戦略に役立てましょう。

■ 週足

  • 移動平均線(20MA・80MA・200MA)を総合的に見ると、20MAと80MAが下向きであり、中期的には下落基調
  • ただし200MAは上向きが残っているため、長期勢の買い戻しが入る余地も残る
  • 152円前後から始まった下落が徐々に加速し、一時147円台まで低下

→週足レベルでは下落トレンド継続を意識しつつも、買い勢がいつ反応してもおかしくない環境。

■ 日足

  • 直近で意識されていたレジスタンス148.639円を明確に割り込んだ
  • 次のサポート候補は146.147円付近
  • 20MAとの乖離が大きくなっているため、いったん戻りが入りやすいタイミング

→日足では「安値更新中の戻り売り基調」がメインシナリオだが、急反発の可能性にも警戒。

■ 4時間足

  • 148.639円割れ後は147円近辺まで下落
  • MAがパーフェクトオーダー(20MA<80MA<200MA)に近い構造となっており、下落トレンドが長期化
  • やや長く続いた下降フェーズで、そろそろ買い戻し(ショートカバー)も視野に

→4時間足では戻り売り優先。ただし、短期的な反発局面がいつ来てもおかしくない。

■ 1時間足・15分足

  • 細かい節目として147.309円が意識される
  • 売りの目線:20MA・80MAがデッドクロスを形成し下向き継続
  • 買いの目線:148.36円や148.639円など、上値抵抗帯を複数突破できれば反転を狙う

→デイトレでは短期MAが意識されるため、明確なブレイクアウトでエントリーを検討。

今日の売買シナリオ(デイトレ〜2週間程度のスイング想定)

【ショートシナリオ】

  • まず147.309円割れを待ち、15分足などで20MAと80MAがデッドクロスしているのを確認後にエントリー
  • 損切りライン(ロスカット):147.475円付近(直近レジスタンス上抜けで一旦撤退)
  • 利確目安:146.209円付近(日足で意識されるサポートライン近辺)

解説:下落トレンド継続中の「戻り売り」は王道のトレンドフォロー戦略。ただし買い戻しが入りやすい局面でもあるため、深追いは禁物。短期〜2週間程度のスイングでも同水準を目安にするのが無難です。

 

【ロングシナリオ】

  • 現状は下落トレンド継続のためロングは慎重
  • 目安として148.36円148.639円を上抜けるまではエントリー見送り
  • 強い反発が確認できれば、148.639円突破後に押し目を狙う形
  • 利確目安:149.50円〜150.00円の節目ゾーン(短期反発を想定)

解説:大きく戻りが入った時にロング参戦するシナリオ。日足・4時間足レベルでダウ理論の高値を上抜ければ「ショートカバー主導の急騰」が見込めるため、そこから値幅を狙う戦略です。

リスク管理・注意点

【地政学リスク】

  • ウクライナ停戦交渉が進展すれば、リスクオフの円買い圧力が後退しドル円が上昇しやすい
  • 逆に戦闘激化や停戦破談の報道が出れば、再び安全資産としての円買いが進む可能性
  • 中東情勢、中国・北朝鮮問題なども要警戒(出典:Spaceship Earth

【経済指標・中央銀行イベント】

  • 3月10日・11日の日本GDP改定値・米JOLTS求人件数・米CPIなど、重要指標が連続
  • 日銀金融政策決定会合(3/11〜3/12開始、結果3/19公表予定)の内容次第で利上げ観測が高まる
  • FRBパウエル議長の発言や、米国金融政策のタカ派化・ハト派化に振り回されるリスク

【政治リスク・通商問題】

  • トランプ政権の新たな関税措置が発動されればインフレ圧力高→FRB利下げ観測後退→ドル高要因
  • 日米通商協議が暗礁に乗り上げると、為替条項での協定決裂リスク→急激な円高もあり得る

まとめ(全体の見通しと明日以降のポイント)

  • ドル円は下落トレンド継続だが、147円前後から下への加速がやや鈍化し反発リスクあり
  • 目先の焦点は146.209円のサポート割れを試す展開か、あるいは148.36円〜148.639円の上抜けで買い戻しが強まるか
  • 地政学リスク(ウクライナ停戦交渉)・米国通商政策・日銀利上げ観測などファンダメンタルズ要因が多く相場を揺さぶる
  • 今週から来週にかけての米国指標(CPIやJOLTS)と日銀金融政策決定会合が引き続き相場のカギ

「デイトレード〜2週間程度」のスパンであれば戻り売り優先としながらも、上値ブレイクには注意し、ロングに備えましょう。特に148.36円〜148.639円付近は転換シグナルになり得る重要水準です。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

参考リンク

以下は本記事作成時に参照した情報源です(一部抜粋)。信頼できる公的・専門家情報を優先しています。詳細はリンク先をご参照ください。

以上が本日の「ドル円相場の環境認識」と「具体的なトレード戦略」です。地政学リスクや重要指標など変化要因は多いため、ポジションサイズを適切に抑えつつ、相場状況の急変には常に注意してください。利益確定や損切りラインを明確に設定し、無理のない範囲でトレードを行いましょう。

※本記事は執筆時点の情報をもとにしています。市場の状況や指標結果は刻々と変化するため、必ず最新情報を確認したうえで投資判断をしてください。投資は自己責任で行っていただきますようお願いいたします

初心者のための用語集

  • トレンドフォロー:相場の主要な上昇・下降の流れ(トレンド)に合わせて売買する手法
  • デイトレ:1日のうちにポジションのエントリーから決済までを完了させる短期取引
  • スイング:数日から2週間程度の保有期間を想定してトレンドの波を狙う取引スタイル
  • ショート(売り):価格の下落を狙って、先に売りポジションを持つ手法
  • ロング(買い):価格の上昇を狙って、買いポジションを持つ手法
  • デッドクロス:短期移動平均線が長期移動平均線を上から下へ抜けることで、下落局面を示唆
  • パーフェクトオーダー:複数の移動平均線が短期・中期・長期の順できれいに並び、強いトレンドを示す状態
  • ショートカバー:下落局面で売りポジションを持っていた投資家が買い戻しを行うことで、相場が一時的に上昇すること
  • 損切り(ロスカット):一定の損失が出た時点でポジションを決済し、損失の拡大を防ぐ注文
  • 利確(利益確定):含み益を実現するため、保有ポジションを決済すること
  • サポート/レジスタンス:相場が下げ止まる・上げ止まると考えられる価格帯(支持線・抵抗線)
  • 地政学リスク:戦争や政治不安、国際関係などが原因で経済・為替に影響を与えるリスク要因
  • GDP(国内総生産):一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額。経済成長を測る代表的指標
  • CPI(消費者物価指数):モノやサービスの価格変動を測る指標。インフレやデフレ状況を示す
  • JOLTS求人件数:米国の労働省が発表する求人動向統計で、雇用需要の強さを把握できる
  • ISM製造業景況指数:米国の製造業の景気動向を示す指数。50を上回ると景気拡大、下回ると縮小を示唆

編集後記

【環境認識におけるもう一つの重要なポイント】

私の毎朝の習慣は環境認識を行うことですが、そのためにもう一つ重要なポイントがあります。それは、インジケーターやラインをすべて一旦消し、ローソク足のみの状態でチャートを眺めるということです。

初心者のうちは、どうしてもチャートにいろいろとごちゃごちゃと表示させたり、ラインを書き込んでしまいがちです。そうすることで「勝ち筋が見えてくる」と考えがちですが、実際は逆効果となります。

単純に言えば、トレードの基本は、買い手が強いのか、売り手が強いのか、もしくは拮抗しているのかという点だけです。買い手が強ければ上昇し、売り手が強ければ下降する。それにもかかわらず、余計なものを加えてしまうと、本来の相場の動きが純粋に見えなくなってしまいます。

もちろん、インジケーターやラインはトレードのサポートとなる重要なツールですので、私も活用しています。しかし、少なくとも一日一回はまっさらな状態でチャートを眺めることが大切です。そうすることで、初めて見えてくる視点もあるものです。

特に朝は、脳がリフレッシュされすっきりしているため、その状態でまっさらなチャートを見る習慣を持つことは非常に重要ではないでしょうか。

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、いかなる投資行動を推奨・勧誘するものではありません。記載されている情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。相場の状況は常に変化しており、経済指標・地政学リスク・金融政策など外的要因によって、予想を大きく上回る変動が生じる可能性があります。

投資に関する最終的な判断は、読者ご自身の責任とリスク負担のもとで行ってください。本記事の内容を利用したことで生じたいかなる損害についても、執筆者および当サイト運営者は一切責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。投資に際しては、最新の情報収集と慎重なリスク管理を徹底することを強く推奨いたします。

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本資料は、一般的な情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定の金融商品や取引に関する個別具体的な投資助言や推奨、または投資勧誘を意図するものではありません。本資料に記載されている分析や見解は作成時点のものであり、将来にわたってその正確性や有効性が保証されるものではありません。
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