ファイナンシャルプランナー2級(FP2級)試験を受験しようと思っている方の中には、「キャッシュフロー表・個人バランスシート」の作成や分析に苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか。これらは家計の現状把握や将来の資金計画に欠かせない重要テーマです。
本記事では、キャッシュフロー表・個人バランスシート対策で悩んでいる方に向けて、出題傾向や具体的な勉強法、合格者の声などを網羅的に紹介します。この記事を最後まで読めば、試験当日に焦ることなく落ち着いて問題を解けるはずです。
ぜひ、読みながら実践できるポイントを押さえ、合格を勝ち取りましょう!
Contents
ファイナンシャルプランナー2級(FP2級)「キャッシュフロー表・個人バランスシート」対策の重要性
ファイナンシャルプランナー2級試験では、「ライフプランニングと資金計画」という科目の中で、キャッシュフロー表や個人バランスシートの作成・分析方法が頻出テーマとなっています。学科試験・実技試験の双方で問われる場合が多く、下記のような内容が出題されます。
- キャッシュフロー表の空欄埋め・計算問題
- 個人バランスシートの空欄埋め・純資産額の算出
- ライフイベント表と絡めた将来予測・分析
- 可処分所得や変動率(インフレ率など)の取り扱い
- 住宅ローン返済額、運用利率などの具体計算
ファイナンシャルプランナー(FP)としての実務においても、家計をしっかり把握し、将来プランを立てることは非常に重要です。そのため、試験は実務さながら、正確なデータ入力や収支・資産状況の分析力が問われます。
「キャッシュフロー表と個人バランスシートは難しい…」と思いがちですが、ポイントさえ押さえれば得点源に変わるテーマでもあります。ここでしっかり対策して、合格ライン突破を目指しましょう。
キャッシュフロー表の定義・役割
キャッシュフロー表とは?
キャッシュフロー表とは、将来にわたる収入と支出を年次(もしくは月次)で予測し、家計が黒字か赤字か、貯蓄や運用の状況はどう推移するかを把握するための表です。
日本FP協会(https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/)が提供している「ライフプラン作成ツール」でも、キャッシュフロー表を作成して家計をチェックできるようになっています。
- 年収や事業収入、年金収入、運用益などの「収入」
- 食費、住居費、教育費、保険料、税金、社会保険料などの「支出」
- 黒字・赤字の判断となる「年間収支」や「貯蓄残高」
- ライフイベント(住宅購入、車の買い替え、子どもの進学、退職など)ごとの費用変動
これらを一覧にし、将来予測を立てることで、「何年後にどれくらい貯蓄が必要か」「退職時に老後資金は大丈夫か」などを確認できます。試験問題では、空欄の数値を埋める形式や、「可処分所得」や「運用利率の適用」など計算ポイントが出題されることが多いです。
キャッシュフロー表の出題例と注意点
- 可処分所得:年収(給与収入など)から所得税、住民税、社会保険料を差し引いた金額。
- 年間収支:その年の収入合計から支出合計を差し引いた金額。黒字なら貯蓄に回せる一方、赤字が続くと将来的に家計破綻のリスクあり。
- 変動率の適用:物価上昇率や給料の昇給率、学費の上昇率などを適切に反映して将来値を計算する。元となる数値に「(1+変動率)年数」を乗じて算出する。
- 住宅ローン返済額:問題文に「元利均等返済」か「元金均等返済」か記載されている場合は、返済方式ごとに正しく計算する。
ポイント!:キャッシュフロー表において、生命保険料は可処分所得算出時に控除しません。社会保険料など「非消費支出」とは区別して計算する点がよく出題されるので要注意です。
個人バランスシートの定義・役割
個人バランスシートとは?
個人バランスシートとは、特定時点における資産と負債を一覧にまとめたものです。企業会計でいう貸借対照表(B/S)と同じ考え方で、「純資産=資産合計-負債合計」を算出し、家計の健全度を把握します。
キャッシュフロー表が「収支の流れ」を示すのに対し、バランスシートは「ストック(資産・負債)の状態」を示します。どちらもFP実務では欠かせない大切なツールです。
バランスシートの構成
- 資産:預貯金、株式、投資信託、不動産、生命保険の解約返戻金など
- 負債:住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、クレジットカードの未払金など
- 純資産:資産合計-負債合計
注意!:バランスシートにおける資産は、時価で評価するのが原則です。取得原価ではなく、現時点で売却した場合のおおよその価格を計上しなければ、正確な「純資産」額が分かりません。
個人バランスシートの出題例と注意点
- 時価評価:株式や投資信託、不動産などは取得価額ではなく、作成時点の時価で評価。問題文に示されている評価額があれば、その数字を用いる。
- 生命保険の解約返戻金:死亡保険金ではなく、あくまで「解約したときに戻ってくる金額」を資産として計上する。
- マイカーローン:車は資産に計上すると同時に、未払いのローン残高は負債に計上する。
- 土地・建物の評価額:問題文に「現在の時価〇〇円」と書かれている場合は、その金額を資産として計上する。取得額と異なるので注意。
バランスシートを正しく作ることで、家計の自己資本比率や債務超過の有無などを把握できます。試験では数値を間違えやすいポイントが多いため、出題の流れを把握して正確に埋め込む練習が必要です。
試験における出題傾向と過去問分析
学科試験の傾向
学科試験では、主に以下のような形で出題されます。
- キャッシュフロー表:可処分所得、変動率、支出項目の増減、運用利率の取り扱いなどの計算問題
- バランスシート:資産の時価評価、負債額の正確な把握、純資産の算出
- ライフイベント表とキャッシュフロー表の関連づけ
計算問題だけでなく、「時価と取得原価のどちらで評価するか」などの理論問題も頻出です。過去問を解いてみると、毎年似たようなポイントが問われていることが分かります。
実技試験の傾向
実技試験ではケーススタディ形式が中心で、具体的な数値を使ったキャッシュフロー表や個人バランスシートの作成が問われます。例えば、「夫婦と子ども2人の家族構成で、年収と支出の内訳が与えられ、空欄を埋めて年間収支・貯蓄残高を計算する」「家を購入した場合の住宅ローン返済額と資産・負債の変化を踏まえてバランスシートを作成する」などです。
ポイント!:実技試験のケース問題では、問題文をいかに丁寧に読みこなせるかがカギ。見落としがちな情報(例えば親からの贈与や賞与の年次変動など)をしっかり表に反映しましょう。
効率的な勉強法:キャッシュフロー表・個人バランスシートを攻略するには?
1. 基礎知識をテキストで学ぶ
まずは、キャッシュフロー表と個人バランスシートの基本的な定義や作成手順をテキストで学びましょう。用語や計算方法の基本を押さえることが、得点アップの第一歩です。
2. 過去問でパターンを把握する
次に、過去問を徹底的に解き、出題パターンを把握します。特に実技試験は同じような形式で出題されることが多く、過去問演習で慣れておくことで本番の見通しが立ちやすくなります。
注意!:過去問を解く際は、ただ答え合わせをするだけでなく、「なぜこの数値がここに入るのか」を論理的に理解しながら進めることが大切です。
3. 自分の家計で実践してみる
実際に自分の家計を例に、キャッシュフロー表や個人バランスシートを作成してみると、理解がグッと深まります。「どこが難しいのか」「どの項目を見落としがちなのか」など、体感的に身につきます。
4. 計算をスムーズにするコツ
- 電卓操作に慣れる:試験本番は時間との勝負。電卓を素早く正確に操作できるかどうかで差がつきます。
- よくある計算式を暗記:可処分所得、現在価値・将来価値、毎年のローン返済額など、試験に頻出の計算式は暗記してしまいましょう。
- メモをしっかりとる:試験問題には収入や支出の一覧表が出ることが多いです。どの項目をどこに当てはめるか、見落としがないよう余白にメモして進めるとミスが減ります。
よくある間違いとその対処法
1. 資産評価の方法を間違える
間違い例:「取得原価(購入時の値段)をそのままバランスシートに入れてしまう」
対処法:バランスシートは作成時点の時価評価が原則。問題文が示す「現在の時価」をしっかり確認し、それを反映しましょう。
2. 可処分所得を誤って計算する
間違い例:「住宅ローン返済額や保険料を、可処分所得算出の控除対象に入れてしまう」
対処法:可処分所得=年収-(所得税+住民税+社会保険料)。保険料や住宅ローン返済は消費支出扱いなので、ここに含めない点に注意。
3. 変動率の扱いを忘れる
間違い例:「物価や給料の上昇率を反映しないで、現在値のまま将来の費用を計算してしまう」
対処法:問題文に記載されたインフレ率や給与上昇率、運用利率などは必ず反映する。(1+変動率)年数の計算を忘れずに。
4. バランスシートでローン残高を入れ忘れる
間違い例:「住宅ローンだけ資産扱いしてしまい、負債計上を忘れる」
対処法:負債欄に残っているローンの元本を正確に入力。ローンの返済予定表が与えられていれば、そこから残高を読み取ります。
合格者の声・勉強時間の目安
ファイナンシャルプランナー2級試験は、学科・実技あわせて約150〜200時間ほどの学習時間を確保すると合格が見えてくるといわれています。ただし、個人の経験や背景知識によって変動します。
キャッシュフロー表・個人バランスシートに関しては、全体学習の中でも優先度が高く、試験の得点に直結しやすい分野ですので、しっかり時間をとって演習するのがおすすめです。
おすすめの関連内部リンク
さらに深く勉強したい方や、FP2級試験を効率的に学習したい方には以下の記事もおすすめです。ぜひあわせてお読みください。
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地方公共団体や公的機関の情報も活用しよう
FPは家計だけでなく、公的制度を活用した資金計画の提案なども行います。例えば、地方公共団体が独自で実施している住宅取得支援制度や子育て支援制度、経済産業省(https://www.meti.go.jp/)や金融庁(https://www.fsa.go.jp/)、厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/)などの公的情報をチェックすると、制度活用の具体例や家計への影響を学ぶことができます。
こうした情報を織り交ぜると、キャッシュフロー表やバランスシート作成の際に、よりリアルなプランニングが可能になります。試験対策だけでなく、実際のFP業務にも大いに役立ちます。
まとめ:次のアクションは?
ここまで、キャッシュフロー表・個人バランスシートの基礎から勉強法、よくあるミス、過去問対策まで解説してきました。この記事の要点を整理すると、以下のようになります。
- キャッシュフロー表は将来の収支予測表:可処分所得・変動率・住宅ローン返済額の計算を確実にマスターしよう。
- 個人バランスシートは特定時点の資産・負債一覧:資産は「時価」で評価し、ローン残高など負債の計上を忘れずに。
- 学科試験・実技試験の両方で頻出:ケーススタディでは問題文を丁寧に読み込み、空欄を正確に埋める練習を。
- 過去問やテキストを使った反復学習が鍵:間違い箇所は必ず復習し、理解を深める。
- 公的機関や地方公共団体の情報も参考に:より現実的・実務的な視点が身につく。
ぜひ、この記事で学んだポイントを活かし、具体的な過去問演習やご自身の家計でのキャッシュフロー表・バランスシート作成を実践してみてください。
「ファイナンシャルプランナー2級の合格体験記を見る」「次のステップとして学習サービスに登録する」など、次のアクションに移して効率よく合格を目指しましょう。皆さんの合格を心より応援しています!
オリジナル練習問題
問題1:家計の可処分所得計算
問題
ある4人家族(夫:年収600万円、妻:年収300万円、年間ボーナス合計150万円)では、固定支出が年間330万円、変動支出が50万円とします。
この場合、総収入は1050万円、総支出は380万円となり、可処分所得は670万円である。
解答
〇(正しい)
解説
家計全体の収入は、600万円+300万円+150万円=1050万円です。一方、支出は固定費330万円と変動費50万円を合わせた380万円となり、1050万円-380万円=670万円が可処分所得となります。
問題2:住宅ローンの元利均等返済方式の計算方法
問題
住宅ローンの元利均等返済方式では、月々の返済額は「借入金額×(月利×(1+月利)^(返済月数))/((1+月利)^(返済月数)-1)」という計算式により求められる。
解答
〇(正しい)
解説
この計算式は、毎月均等の返済額を算出するための標準的な方法です。借入金額、月利、返済期間(月数)を用いて元金と利息を均等に返済する額を算出します。
問題3:積立金の複利運用の効果
問題
毎年の貯蓄額が前年より2%ずつ増加し、各年末に積み立てた貯蓄が年利3%で運用される場合、各年の預け入れ金はそれぞれの運用期間に応じた複利効果を考慮して将来価値を計算する必要がある。
解答
〇(正しい)
解説
毎年の貯蓄額が変動し、さらに運用期間が年ごとに異なるため、各預け入れ分に対してそれぞれ複利運用(年利3%)の効果を反映させる必要があります。これにより、将来の貯蓄残高の正確な算出が可能となります。
問題4:個人バランスシートの純資産計算
問題
個人バランスシートにおいて、現金、預金、投資、不動産などの全資産の合計から、住宅ローン、車のローン、クレジットカードの負債などの全負債を差し引くことで、純資産(ネット資産)が求められる。
解答
〇(正しい)
解説
個人バランスシートでは、総資産から総負債を引くことで純資産が計算されます。これは、家計の実際の保有資産(ネット資産)を把握するための基本的な手法です。
問題5:支出と可処分所得の関係
問題
50歳夫婦(年収合計800万円)の場合、月々の支出が住宅ローン返済8万円、その他固定支出25万円、変動支出10万円であれば、年間の総支出は(8+25+10)万円×12=516万円となり、可処分所得は800万円-516万円=284万円である。
解答
〇(正しい)
解説
各月の支出は8万円+25万円+10万円=43万円となり、これを年間に換算すると43万円×12=516万円です。年収800万円から年間支出516万円を差し引くと、可処分所得は284万円となります。
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