本日の東京株式市場(2025年2月13日)は、日経平均株価が前日比+497.77円(+1.28%)の3万9461円47銭で取引を終えました。朝方から買いが先行し、一時600円超の上昇幅を見せたことで、大台の3万9000円台をしっかりキープ。翌日のオプションSQ(特別清算指数)を控えた先物買い仕掛けやドル円154円台の円安が輸出株を押し上げたのが主要因とみられます。
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3日続伸で日経平均が3万9000円台を死守
市況
終値は3万9461円で3日連続の上昇。前日のNYダウは225ドル安と下落していましたが、日本株は逆行高を演じました。以下の指標も堅調です。
- TOPIX:2,765.59(+32.26、+1.18%)
- 売買高:20億3,238万株
- 売買代金:4兆9,684億円
- 日経平均高値:39,581.47円(13:39)
- 日経平均安値:39,112.17円(9:06)
東証プライム全体の値上がり銘柄数は1,260(約77%)と全面高。一方で、マザーズ指数は-0.8%と小幅下落し、新興市場から大型バリューへ資金が移る資金シフトが鮮明となっています。
チャート分析
いまだに日経はレンジ相場がつづき、方向感が定まらないチャートをしています。上値4万円、下値38000円近辺のレンジ。このどちらかを抜けないとなかなかエントリーしにくい状況です。
今日の上昇を牽引したポイント
(1) 円安が急進:ドル円154円台
米消費者物価指数(CPI)の上振れを受けてFRBの利下げ期待が後退し、米長期金利が上昇。これに伴い、ドル円は一時154円台に突入しました。以下の輸出企業が大きな恩恵を受けたとみられます。
- 自動車株(トヨタ、SUBARUなど):円安による海外売上増
- ハイテク株(ソニーグループ、アドバンテストなど):輸出比率の高さを評価
(2) SQ前の先物買い仕掛け
2月14日のオプションSQ算出を控え、海外投資家や短期筋による先物主導の買いが一気に加速。3万9000円を下回りにくい環境下でショートカバー(売り方の買い戻し)が巻き込まれ、上げ幅が拡大した模様です。
(3) 関税免除検討の報道
トランプ前大統領が自動車・医薬品分野の関税を免除する案を検討中との報道が投資家心理を支えました。これが米国事業拡大にプラス要因となる可能性があり、自動車や医薬品の一角が買われた形です。
(4) 値がさ株の上昇
ファーストリテイリングやアドバンテストなどの値がさ株が大きく上昇し、指数寄与度の高さから日経平均を強く押し上げました。
個別銘柄トピックス:ソフトバンク(9434)と三菱商事(8058)
ソフトバンク(9434)
- 株価動向:前日終値209.6円(+0.47%)。ソフトバンクグループ(9984)の投資評価損などが注目される中、通信事業を担うソフトバンク(9434)は底堅い動き。
- 決算概要:2025年3月期第3四半期累計(4-12月)は前年同期比+12.3%の営業利益を確保。通信事業やインターネット事業が好調で、通期業績予想に対する進捗率は約86.5%と高水準。
- 高配当と成長性:高い配当利回りで個人投資家にも人気。株式10分割や優待制度など、株主還元策を積極的に実施。通信・ネット事業の成長が継続するかがポイント。
三菱商事(8058)
- 株価動向:前日比+35円(+1.42%)の2,490円。総合商社の中核銘柄として、資源価格の変動や世界景気の動向を反映しやすい。
- 事業多角化:
- エネルギー:石油・天然ガスプロジェクト
- 非資源:食料・流通、機械、化学など幅広く展開
- ローソンやKDDIへの投資で新たな収益源を育成
- 投資ポイント:資源高メリットと非資源分野の安定収益を併せ持つ。今後の世界景気回復局面ではさらに上振れの可能性もあるが、資源価格変動や地政学リスクには要注目です。
チャート分析

三菱商事はだらだら下降してきて、なかなかエントリーしにくい状況です。バフェット効果などでいまだに人気のある銘柄ですが、あえてこの銘柄に今から絵トリーする理由もないかもしれません。
セクター別動向と売買状況
東証プライムでは33業種中29業種が上昇。自動車、医薬品、精密機器、銀行など幅広く買われました。一方で、決算が失望された銘柄(ニトリ、リクルートなど)は売りが目立ち、好決算銘柄と下振れ銘柄の二極化が進んでいます。
マザーズ指数は-0.8%と逆行安。新興株から大型・バリューへの資金流入が顕著で、短期的にはグロース株が押され気味の様相です。
今晩のアメリカ市場の注目ポイント
(1) PPI(生産者物価指数)の結果と金利
- 前日のCPIに続き、PPIが予想を上回れば、FRBの利上げ長期化観測が強まる公算
- 金利上昇→ハイテク・グロースセクターに逆風→NASDAQに下押し圧力がかかる可能性
(2) 主要企業決算の終盤
- アップルやディアなど、一部企業がまだ決算を控えており、業績が上振れor下振れによって市場心理が左右される
- ハイテク株中心のNASDAQ、景気敏感株が多いダウ平均の動向を要チェック
(3) ドル円154円台の継続性
- 米金利上昇→ドル高継続の可能性→日本株(輸出関連)にはプラス要因
- 一方、新興国通貨安や貿易摩擦の再燃懸念もあり、過度なドル高には注意
(4) トランプ前大統領の政策や地政学リスク
- 関税免除が実現すれば一部セクターにポジティブインパクト
- 米中関係やウクライナ情勢など突発ニュースが相場を揺るがすリスクは常に存在
今後の見通しと投資戦略
(1) SQ通過後の短期的調整も視野に
- オプションSQ算出(2月14日)を通過すれば、仕掛け的な買いが一巡して一時的な反動安が出る可能性
- 3万9000円台を維持しながら4万円の大台を狙う展開に移行するかが注目点
(2) 決算精査と銘柄選別
- 好決算・好材料の銘柄には素直に買いが集まりやすい一方、予想を下回ると急落しやすい二極化相場
- ソフトバンク(9434)や三菱商事(8058)のように安定基盤+成長領域を持つ銘柄は依然注目度が高い
(3) 分散投資でリスクヘッジ
- 円安メリット銘柄だけでなく、金融や内需、インバウンド関連などにも目を向ける
- 為替や金利、地政学リスクが急変した際の備えとして、ポートフォリオ全体のバランスを意識
まとめ:円安・先物買いで日経平均は大幅上昇、今後はSQ後の動きに注目
2月13日の日本株市場は、円安加速や翌日SQを控えた先物買い仕掛けにより、日経平均が3万9000円台をキープしながら一時600円超の上げ幅を演じました。自動車や電機、医薬品、値がさ株が牽引する形となり、3万9461円の終値で引けています。
ただし、オプションSQ後には短期的な利益確定や仕掛け手の動きが収まることで、相場が落ち着きを取り戻す可能性もあります。米PPIの結果やドル円154円台の継続性、そしてソフトバンク(9434)や三菱商事(8058)など個別銘柄の材料を吟味しながら、分散投資でリスクをコントロールしていくことが肝要と言えるでしょう。
<ポイント整理>
- 日経平均は3日続伸、終値39,461円
- 円安(ドル円154円台)&先物買いが相場を押し上げ
- ソフトバンク(9434)は増収増益・高配当、三菱商事(8058)は資源・非資源バランスで堅調
- マザーズ指数は-0.8%と逆行安、資金シフトが鮮明
- 米PPIや企業決算、ドル高持続に要注目。SQ通過後の調整リスクにも警戒
今日の一言
トレードに関しては、自分がどの時間軸でトレードするかが非常に重要になってきます。 例えば、長期投資が目的であればあまり損切りLINEなどを設定する必要はありません。むしろ下がってきたら買い下がってきたら買いを続けるべきです。 しかし時間軸が短ければ短いほど需給が大切になってくるので、しっかりとしたリスク管理が必要となってきます。 ご自身のトレード方針をしっかり固めることがまずは大事です。
【免責事項】
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。株式投資にはリスクが伴い、元本割れとなる可能性もあります。投資判断は自己責任にてお願いいたします。
【参照・引用】
- 東証株式市況|野村の投資情報
- マーケット情報 | 三井住友信託銀行
- 東証グロース市場指数 – 株探
- 経済指標カレンダー – マネックス証券
- TOPIX (東証株価指数) | 日本取引所グループ
- 米CPIとFRB利下げ期待後退 – Yahoo!ファイナンス
- 米国市場動向 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 株式・債券市況 | 日本取引所グループ
- 名証 | 本日の市況 – 名古屋証券取引所
- SMBC信託銀行 – 2025年2月号
- 個別株の株価変動要因 – Real Media
- Traders.co.jp RSI他テクニカル指標
- ドル円が154円台!為替レート – Yahoo!ファイナンス
- AI関連や米中通商摩擦の動向 – みんかぶ
- ファーストリテイリング等の大型株動向 – 株探