2025年3月11日の日経平均は36,793円まで下落するも引けにかけて持ち直し。米国株の動向や注目銘柄網屋(4258)の詳細解説を収録。明日以降の株式投資戦略に役立つ情報満載です。
Contents
はじめに
本日は日経平均株価が一時1,000円超下落する場面もあり、投資家心理が揺れ動く展開となりました。
しかし引けにかけて下げ渋り、最終的には36,793円で着地しています。
本記事では、今日の日本株式市場動向に加え、米国株の注目イベントや注目銘柄「網屋(4258)」について詳しく解説します。ぜひ明日以降の投資戦略の参考にしてください。
今日の日本株式市場の動向
(a) 主要指数
- 日経平均株価:36,793.11円(前日比 -235.16円)
- TOPIX:2,670.72ポイント(前日比 -44ポイント)
- グロース市場250指数:641.46ポイント(前日比 +0.54ポイント)
(b) セクター別の動き
上昇率トップ3業種
- 機械(東証):3,127.6ポイント(前日比 +35.6、+1.15%)
- 空運業(東証):225.3ポイント(前日比 +1.6、+0.71%)
- 繊維製品(東証):786.8ポイント(前日比 +3.5、+0.45%)
下落率トップ3業種
- 非鉄金属(東証):1,530.6ポイント(前日比 -59.1、-3.71%)
- 証券・商品先物取引(東証):636ポイント(前日比 -12.5、-1.92%)
- 鉱業(東証):569.2ポイント(前日比 -10.1、-1.74%)
(c) 個別銘柄ニュース
値上がり率上位銘柄(上位5銘柄)
- フルッタ(2586):165円(+25.0%)
- AIフュージョンキャピタル(254A):1,529円(+24.4%)
- 内外トランス(9384):3,705円(+23.3%)
- MTG(7806):2,365円(+20.4%)
- ジィ・シィ(4073):608円(+19.7%)
値下がり率上位銘柄(上位5銘柄)
- 雨風太陽(5616):1,380円(-17.8%)
- 学情(2301):1,745円(-13.2%)
- ギグワークス(2375):253円(-10.3%)
- カバー(5253):2,688円(-9.2%)
- ウインテスト(6721):130円(-8.5%)
その他注目ニュース
- MTG(7806)… 商品販売好調で業績予想を上方修正
- モノタロウ(3064)… 2月売上高が11%増加
- トライアル(141A)… 2月既存店売上高が1.8%増加
- クオリプス(4894)… テレビ東京のWBSで取り上げられ話題に
- クリアル(2998)… 初配当30円と株主優待制度を新設
日経平均の分析・シナリオ

日経平均は現在、上値の重い展開が続いています。本日の日足チャートを見ると、安く寄り付いた後に10時頃から徐々に上昇する動きを見せたものの、重要な5MAのブレイクには至りませんでした。下ヒゲをつける形になったことで買い支えは見られますが、上値の重さが際立つ結果となっています。
現在の日経平均は36,792.89円で、チャート上の重要な水平線である37,724.34円を下回った状態が続いています。テクニカル的には、短期・中期の移動平均線がともに下向きとなっており、下落トレンドの継続を示唆しています。
- 現在値: 36,792.89円
- 重要レジスタンス: 37,724.34円
- 注目すべき移動平均線: 5MA(短期)
米国市場も大幅な下落を見せており、日本市場も引っ張られる展開が続いています。このような環境下では、指数に対して積極的にポジションを取るよりも、様子見の姿勢が賢明かもしれません。
トレード戦略としては、日経平均指数への直接的なエントリーは控え、相対的に強い個別銘柄を選別する方針が効果的です。特に下落相場でも堅調さを維持している銘柄や、特定のテーマ・セクターに注目することで、リスクを抑えたチャンスを見つけることができるでしょう。
短期的には、5MAのブレイクを確認できるまでは慎重な姿勢を保ち、明確な反転シグナルが出るのを待つべきです。また、米国市場の動向も引き続き注視する必要があります。相場環境が不安定な時期こそ、リスク管理を徹底し、冷静な判断が求められます。
今日の日本株式市場に影響を与えたニュース・トピックス
本日の下落局面の背景には、以下のような材料が挙げられます。
- 米国株式市場でダウ平均やS&P500が大幅安となり、投資家心理が悪化
- 米国での追加関税強化や地政学リスクへの警戒感
- 実質GDP(前期比年率2.8%)など国内指標は底堅い一方、海外投資家は3週ぶりに大幅な売り越し
- ドル/円が146円台へ円高気味に推移し、輸出関連企業の収益懸念が拡大
一時的に日経平均は36,000円を割り込みましたが、後場に入り国内個人投資家の押し目買いが下支えして下げ幅を縮小しました。
今晩の米国株式市場の注目ポイント
(a) ダウ平均、S&P500、ナスダックの前日終値
- ダウ平均:41,911.71ドル(前日比 -890.01ドル、-2.1%)
- S&P500:5,614.56ポイント(前日比 -155.64ポイント、-2.7%)
- ナスダック:17,468.32ポイント(前日比 -727.90ポイント、-4.0%)
(b) 重要経済指標・イベントの予定
- 3月12日(日本時間21:30)… 米国 消費者物価指数(CPI)発表
- 3月14日(日本時間深夜)… ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 3月18~19日… 米連邦公開市場委員会(FOMC)
市場では3月FOMCでの金利据え置きが有力視されています。利下げの可能性は低いと見られていますが、政策発表後のパウエル議長会見での発言に注目が集まっています。
(c) 為替動向と日本株への影響
- ドル/円は146円台で推移し、やや円高方向
- 米国の関税強化や景気後退懸念が強まる場合、リスク回避的な円買いが進む可能性
- 輸出企業の業績見通しにネガティブ要因となり得るため、セクターごとの動向を注視
S&P500指数の分析・シナリオ

S&P500指数は大幅な下落局面に入っています。週足チャートを見ると、下落の勢いは非常に顕著で、売り圧力の強さが明確に表れています。これまで意識されていた5614ポイントを一気に下回る展開となり、テクニカル面での悪化が進んでいます。
現在のポイントは、指数が重要な節目に到達していることです。このレベルで買いが入るかどうかが、今後の方向性を決める鍵となります。デイリーチャートを見ると、上値が5MAによってきれいに抑えられており、上昇の重さを示しています。
- 現在値: 5614.55ポイント
- 重要節目: 5658.36ポイント付近
- 注目すべき移動平均線: 5MA(短期移動平均線)
トレード戦略としては、二つのアプローチが考えられます。
ロングポジションを検討する場合は、5MAのブレイクアウトを確認することが重要です。特に5MAが上向きに転じる局面は、短期反発の好機となる可能性があります。しかし、現状のような強い下落局面では、明確な反転シグナルが出るまで辛抱強く待つべきでしょう。
一方、ショートポジションを検討するなら、5658ポイント付近への戻り売りが有効です。この節目まで戻した後に再び上値が抑えられる場面は、下落トレンド継続のシグナルとなります。
相場が急落した後は、反発を期待したくなるものですが、いきなり飛びつくのではなく、テクニカル的な確証を得てからのエントリーが重要です。特に出来高の推移と合わせて、5MAの動向を注視しながら、明確なシグナルを待つ忍耐強さがカギとなるでしょう。
現在の市場環境では、リスク管理を徹底し、サポート・レジスタンスレベルを意識した取引計画が成功への近道となります。
注目銘柄:網屋(4258)
(a) 事業内容
網屋(4258)は、ITセキュリティ分野を柱とする企業です。
AIテクノロジーを活用したログ管理製品「ALogシリーズ」と、ゼロトラストセキュリティを実現するクラウド管理型サービス「Verona SASE」を中心に、データおよびネットワークのセキュリティソリューションを提供しています。
セキュリティソフトウェアのサブスクリプションモデルへ移行を進めており、安定収益の積み上げを狙っています。
(b) 企業概要・業績
- 2024年12月期の連結経常利益:5.4億円(前期比+27.3%)
- 2025年12月期予想連結経常利益:5.9億円(前期比+9.2%)
- 売上高:57億5,000万円(前期比+21%)
- 営業利益:6億円(前期比+14.1%)
- PER:33.26倍、PBR:6.63倍
- 自己資本比率:39.4%
国内ログ監視領域で約70%のシェアを保有し、7期連続で過去最高益を更新する見通しとなっています。
(c) 株価推移
- 始値:3,300円
- 高値:3,425円(14:56)
- 安値:3,215円(09:00)
- 終値:3,415円(前日比+55円、+1.64%)
- 出来高:23,400株
3月4日に発表した自社株買い(上限3億円、取得期間3月4日~4月30日)が投資家から好感され、株価は堅調に推移しています。
(d) 今後の見通しやリスク要因
- クラウド型セキュリティサービスへの需要拡大により売上上振れが期待
- 解約率は約1%程度と低く、安定したストック収益が見込める
- 競合企業の参入や国内外のセキュリティ規制強化に伴うコスト増加がリスク要因
- 自社株買いにより1株当たり利益の増加が予想される一方、経営戦略上の投資資金が潤沢とは限らない点に留意
網屋(4258)のチャート分析・シナリオ

網屋のチャートを分析すると、現在は上昇トレンド再開の好機が訪れています。日足チャートでは、5MA、25MA、75MAの3本の移動平均線がすべて上向きとなり、本日は下ひげ陽線が形成されました。これは下値での買い支えが強いことを示しています。
2月から3月にかけてはダブルボトム形状も確認でき、下落トレンドから上昇トレンドへの転換シグナルとなっています。週足においても25MAに支えられた下ひげ陽線が形成されており、上昇への意識が強まっています。
現在の終値3415円付近は価格帯別出来高が最も大きい水準であり、この価格帯が重要なサポートとなっています。しかし、チャート上部には約3500円付近に明確な下降トレンドラインが存在するため、このレジスタンスを突破できるかが今後の鍵となります。
トレード戦略のポイント
- エントリー:3500円の下降トレンドラインブレイク後の押し目、特に5MAサポート位置(3450円前後)を狙う
- ストップロス:3350円(直近安値の下)
- 目標価格:第一目標3700円(1月高値)、中期的には3900円(昨年11月高値)
単純に今すぐ買いに飛びつくのではなく、下降トレンドラインの突破確認後に5MAに支えられた位置でのエントリーが理想的です。レンジ相場の中での動きであることを意識し、偽のブレイクアウトには注意が必要です。
また、東証マザーズ全体の動向も注視すべきです。決算発表前の期待感から買われている可能性もあるため、リスク管理を徹底した上でのトレードを心掛けましょう。3700円から3900円という明確な目標を持ち、リスクリワード比を考慮したトレードプランが有効です
明日以降の戦略とまとめ
(a) 明日以降の注目指標発表予定
- 3月12日(08:50)… 日本 国内企業物価指数
- 3月12日(21:30)… 米国 消費者物価指数(CPI)
- 3月14日 … 2025年春闘 第1回回答集計結果発表
- 3月18~19日… 日銀金融政策決定会合
(b) 投資家へのアドバイス
明日以降も米国の金融政策や地政学リスクのニュースが相場を動かす可能性があります。特に米CPIの結果やFOMC前の思惑で相場の変動が大きくなることが予想されるため、ポジション管理とリスクヘッジを徹底しましょう。輸出関連銘柄はドル/円の動きに敏感なため、為替動向も注視が必要です。
(c) 総括コメント
日経平均は一時的な急落を経つつも底堅さを見せる展開が続いています。海外投資家の売り越し姿勢が続くものの、国内個人投資家の買い支えや好決算を発表する銘柄が相場を下支えしています。網屋(4258)のようなサブスク化・ストックビジネス化を進める企業は、長期目線での成長が期待されるため、ポートフォリオの一部として検討する価値があるでしょう。
参考リンク一覧
- 日本経済新聞(株式相場・指数):https://www.nikkei.com/markets/stocks/
- 株探(銘柄ニュース・決算速報):https://kabutan.jp/
- ロイター(海外投資家動向・地政学ニュース):https://jp.reuters.com/
- 網屋 公式サイト(IR情報):https://www.amiya.co.jp/ir/
- Bloomberg(米国株関連ニュース):https://www.bloomberg.co.jp/
初心者向け用語集
- 日経平均株価:東証プライム市場に上場する代表的な225銘柄を対象に算出された株価指数です。日本株の指標として最も頻繁に使われます。
- TOPIX(トピックス):東証プライム市場全銘柄を対象に、時価総額加重方式で算出される株価指数です。より広範な日本株の動きを示します。
- グロース市場:成長企業を中心に上場する市場区分の一つです。新興企業やIT関連株が多く、投資家にとってはリスクもリターンも大きくなりがちです。
- ダウ平均:米国の主要30銘柄を対象に算出される株価指数(ダウ工業株30種平均)。世界の株式市場の指標としてよく引用されます。
- S&P500:米国の主要企業500社を対象に算出される株価指数です。幅広い銘柄が含まれるため、アメリカ株式市場全体の動向を把握しやすいのが特徴です。
- ナスダック:ハイテク株やIT関連株が多く上場する米国の株式市場の名称。また、そこで算出される株価指数も「ナスダック指数」と呼ばれます。
- CPI(消費者物価指数):消費者が購入する商品の価格変動を示す指標です。インフレやデフレなど物価の動向を測る際に用いられます。
- FOMC(連邦公開市場委員会):米国の中央銀行であるFRBが開催する金融政策決定会合です。政策金利や量的緩和などの方針がここで決まります。
- PER(株価収益率):株価が企業の1株当たり利益(EPS)の何倍にあたるかを示す指標。割高か割安かを測る目安として使われます。
- PBR(株価純資産倍率):株価が1株当たり純資産(BPS)の何倍になっているかを示す指標。企業の解散価値との比較に使われます。
- EPS(1株当たり利益):企業の利益を発行済株式数で割った数値。株主にとっての利益水準を見る指標になります。
- ROE(自己資本利益率):企業がどの程度効率的に自己資本を活用して利益を生んでいるかを示す指標。高いほど収益性が高いとされます。
- 出来高:ある銘柄や市場で、一定期間中に成立した売買の株数です。売買の活発度合いや投資家の関心度を測る目安になります。
- 自社株買い:企業が市場から自社の株式を買い戻すこと。株式数が減ることで1株当たり利益が上がり、株価押し上げ要因となりやすいです。
- サブスクモデル(サブスクリプションモデル):サービスや製品を定期的な料金で継続利用してもらうビジネスモデルです。安定収益を得やすい反面、初期投資が大きくなる場合があります。
- ゼロトラスト:社内外を問わず、あらゆるアクセスを信用せずに都度認証するセキュリティ概念です。近年、クラウド化の進展とともに重要性が高まっています。
- 円高:円の価値が他通貨に対して上昇すること。輸入企業にはプラス材料、輸出企業にはマイナス材料となる場合が多いです。
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