本日、3月19日(水)のドル円相場の展望です。日銀金融政策決定会合やFOMCを控える本日のドル円相場を徹底分析。ファンダメンタルズ・テクニカル両面で注目ポイントを解説し、デイトレからスイングまで使える具体的なトレード戦略を提示します。
Contents
この記事を読むと、以下のメリットがあります。
- 今日のドル円相場のファンダメンタルズ情報を網羅できる
- 週足・日足・4時間足・1時間足といったマルチタイムフレームでの相場分析ポイントを理解できる
- ショート優位の相場で具体的なトレード戦略(エントリー・損切り・利確の目安)を把握し、デイトレ・スイングトレードに活用できる
- 地政学リスク・突発ニュースへのリスク管理や注意点を確認できる
今日の結論・注目ポイント
日銀金融政策決定会合(結果発表は正午ごろ予定)とFOMC(日本時間3月20日午前3時頃)の結果発表を控え、ドル円はやや不安定な動きとなりそうです。直近の値動きを見ると149円台半ばでの攻防が激しく、ややショート目線が優位という見方が強まっています。一方、FOMC後のパウエルFRB議長記者会見(同日3時30分予定)で米金融政策や経済見通しへの不安が後退すれば、一時的にロングが進む可能性も否定できません。
注目のポイント:
- 日銀は政策金利0.50%で据え置きが予想されるが、植田総裁の記者会見(15:30)で利上げに前向きなシグナルが出るかどうか
- FOMCでは政策金利4.25-4.50%据え置きが見込まれ、同時に公表されるドットチャート(経済・金利見通し)に注目
- 投機筋の円買いポジション整理(CFTCデータ)が急速に進めば円安圧力、想定ほど動かなければ円高リスク
- 150円付近のレジスタンスと147円付近のサポートラインが意識される
ファンダメンタルズ分析(最新ニュース、経済指標、注目イベント)
【最新ニュースまとめ(2025年3月18日~3月19日朝)】
- 米経済指標:輸出物価指数が予想を大幅に上回る
2月の米輸出物価指数が前月比+1.3%(予想-0.2%)、輸入物価指数も+0.3%(予想-0.2%)。インフレ懸念が一部再燃し、ドル買い材料となった可能性(出典:みんかぶFX(https://fx.minkabu.jp/news/327782)) - 米鉱工業生産指数も予想上振れ
2月の米鉱工業生産指数は前月比+0.5%(予想+0.1%)と好調(出典:みんかぶFX(https://fx.minkabu.jp/indicators)) - 日銀、3月18~19日の金融政策決定会合
前回1月の利上げ後ということもあり、0.50%据え置きがほぼ確実視。米国の関税政策など対外リスクを注視(出典:日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB134B60T10C25A3000000/)) - 投機筋の円買いポジションは3月11日時点で13万枚超
過去最高水準からの巻き戻しがドル円の上昇要因に(出典:ロイター(https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/SBSTCYAV4VKQDK4VA7MS44UR6U-2025-03-18/)) - ウクライナ停戦期待
トランプ米大統領とプーチン露大統領が電話会談を行い、一部合意に至ったと伝わる。地政学リスクが緩和し、株高・リスクオンの動きが円売りにつながる(出典:YouTube 報道ステーション(https://www.youtube.com/watch?v=GaWfVwj11Ao))
【今日~明日にかけての重要経済指標・イベント一覧(日本時間)】
- 3月19日
- 8:50 日本 1月機械受注(予想:前月比-0.1%)
(出典:JTG証券(https://www.jtg-sec.co.jp/nyumon/calendar.cgi)) - 8:50 日本 2月貿易統計(予想:6,883億円)
(出典:GMO外貨(https://www.gaikaex.com/gaikaex/mark/calendar/)) - 未定 日銀政策金利発表(予想:0.50%据え置き)
(出典:時事エクイティ(https://equity.jiji.com/economic_calendar)) - 15:30 植田日銀総裁 記者会見
- 27:00(3/20 3:00) FOMC 金利発表(予想:4.25-4.50%据え置き)
- 27:30(3/20 3:30) パウエルFRB議長記者会見
- 8:50 日本 1月機械受注(予想:前月比-0.1%)
- 3月20日
- 21:00 イングランド銀行政策金利発表(予想:4.50%据え置き)
- 21:30 米国 フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:8.0)
- 21:30 米国 新規失業保険申請件数(予想:22.5万件)
- 23:00 米国 景気先行指標総合指数(予想:-0.3%)
- 23:00 米国 中古住宅販売件数
- 日本市場は春分の日で休場
これらのイベントでは、日銀・FOMCが最大の注目材料です。どちらも政策金利は据え置き予想が優勢ですが、日銀の記者会見内容やFOMC後のドットチャートの変化によってドル円が大きく上下に振られる可能性があります。
テクニカル分析(週足・日足・4時間足・1時間足など)
【週足】

- ローソク足は小さめの陽線で終始し、方向感がはっきりしないレンジ相場入りの兆し
- 長期で見る場合よりも、短期のプライスアクションに注目したほうが取りこぼしなく収益機会を狙いやすい
- 150円前後が心理的節目、147円付近がサポート帯として機能しそう
【日足】

- 3月18日の足は一時150円台を意識しつつも、最終的には上ひげの長いピンバーで終わった
- 20MA(移動平均線)が下向きとなり、200MAも下向きでショート寄りのトレンド継続
- 一時的に20MAをブレイクしても、再度下抜ければショート勢に再度勢いが戻る可能性
【4時間足】
- 3月10日あたりからは一度ロングトレンドを示していたが、3月18日のイベント時に大きく下落
- 現在は20MAを上抜けし、一時上昇したものの、200MA付近で頭打ち
- 148.6円付近や148.832円付近をすんなり割れば、下落に弾みがつく恐れがある
- 逆に20MAをしっかり維持して上昇に転じるなら、短期的にはロング狙いもあり得る
【1時間足】

- 149.125円、149.406円などが意識されやすい価格帯
- 20MAをめぐる攻防で目先の方向感が変わる可能性大
- 149.234円付近は損切り候補のレジスタンス、また149.104円付近もサポレジ転換が起こりやすいレート
今日の売買シナリオ(ショート/ロングの具体策、損切り・利確目安など)
メインシナリオ:ショート

- 1時間足や4時間足で、20MAを明確に下抜ける動きが確認できたらショートエントリー
- 特に149.125円の下抜けが明確なら、ダブルトップ等のチャートパターン形成を待って飛び乗りも検討
- 損切りライン(ストップ):149.234円付近(直近のレジスタンス少し上)
- 利確目標:147.413円(リスクリワード1:3狙い)
日足レベルで見ても20MAが下向きであるため、戻り売りスタンスが優勢。ボラティリティが拡大した局面では一気に148円台前半や147円台を試す可能性がある点に注目したいです。
サブシナリオ:ロング

- 1時間足で20MAを割らずに反発し、149.406円あたりまで続伸するなど、短期的に回復基調が続いた場合
- エントリー目安:20MAをしっかり上抜け、直近高値を更新する動きを確認してから
- 損切りライン:149.055円(20MA割れとともに撤退を想定)
- 利確目標:149.951円(1:1.5程度のリスクリワード)
ただし、日足や4時間足が下向きの200MAにぶつかる可能性もあり、上値余地は限定的との見方が強いです。よってロングの方針は、「短期的な押し目買い」で利益を狙うか、あるいはショートエントリーを見送る一つの判断材料として活用するイメージが望ましいでしょう。
リスク管理・注意点(地政学リスク、突発ニュース対策など)
- 日銀金融政策決定会合とFOMCの結果待ち
発表時刻が近づくにつれてスプレッドが拡大しやすく、突発的な乱高下のリスクが大きいです。指標発表前後のエントリーは極力避け、明確な方向性を確認してからトレードするのが無難です。 - ウクライナ停戦交渉の進展
トランプ大統領とプーチン大統領の会談結果次第で地政学リスクが一気に減退すれば、リスクオンで円売り・ドル買いが進みやすいです。しかし、逆に停戦に暗雲が立ち込めれば一転してリスク回避の円買いが起こる可能性もあります。(出典:YouTube報道ステーション(https://www.youtube.com/watch?v=GaWfVwj11Ao)) - 突発的な関税政策
トランプ政権による鉄鋼・アルミへの追加関税適用(通商拡大法232条)の影響が依然として市場で注視されます。想定外の関税拡大などが表面化すれば、米国景気下振れ懸念からドル売りに転じるリスクがあります。(出典:ジェトロ(https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/03/91c17a0c0fd1fda0.html)) - 大幅なポジション調整
IMM通貨先物の円買いポジションが大量に積み上がっている状況なので、期末にかけて投機筋の手仕舞いフローが一気に出ると急激な円安進行を誘う懸念あり。(出典:ロイター(https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/SBSTCYAV4VKQDK4VA7MS44UR6U-2025-03-18/))
まとめ(今後の見通しと明日以降のポイント)
本日のドル円は、149円台半ばを中心とした持ち合いの中でショート目線がやや優勢と考えられます。日銀金融政策決定会合で特別なサプライズがなければ、市場の注目はFOMCへ移行し、パウエルFRB議長の会見内容をきっかけに乱高下する可能性があります。
- ドル円の主なレジスタンス:149.406円、149.951円、150円
- ドル円の主なサポート:149.125円、148.832円、147.413円
明日(3月20日)は日本市場が春分の日で休場となり、流動性が薄くなる時間帯が増えるため、スプレッドや急な変動に注意が必要です。また、BOE(イングランド銀行)の金利発表や米国のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、新規失業保険申請件数など、続く材料が多数控えています。日米欧の金融政策や主要経済指標の結果をすべて消化してから、改めてトレンドフォローの目線を固めるのも一案です。
投資家心理は、ウクライナ停戦や株高進行でリスクオンムードが続くかと思いきや、突発的なリスク要因があれば一転して円買いに傾く可能性もあります。こうした不確定要素が多い時期は、1時間足・4時間足のプライスアクションと節目のレートを重視し、柔軟な損切りラインの設定を心がけましょう。
本記事は情報提供を目的としたもので、売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
参考にした情報源(一部抜粋)
- 日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL182RP0Y5A310C2000000/)
- ロイター(https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/SBSTCYAV4VKQDK4VA7MS44UR6U-2025-03-18/)
- みんかぶFX(https://fx.minkabu.jp/indicators)
- Yahoo!ファイナンス(https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/af5f960bf17c07d7d8606ec3494e31dda5856c1c)
- 外為どっとコム(https://www.gaitame.com/media/entry/2025/03/18/084912)
- 日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB134B60T10C25A3000000/)
- OANDA証券(https://www.oanda.jp/lab-education/market_news/2025_03_18_usdjpy/)
- JTG証券(https://www.jtg-sec.co.jp/nyumon/calendar.cgi)
- GMO外貨(https://www.gaikaex.com/gaikaex/mark/calendar/)
- YouTube 報道ステーション(https://www.youtube.com/watch?v=GaWfVwj11Ao)
- ジェトロ(https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/03/91c17a0c0fd1fda0.html)
市場の状況は常に変化しています。最新の情報やチャートを確認しながら、デイトレ~スイングで無理のないトレンドフォローを心がけてください。
初心者のための用語集
- ドル円:米ドルと日本円の通貨ペアを指し、FX取引において最も取引量が多い通貨ペアの一つ
- FOMC(連邦公開市場委員会):米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する会合。年8回ほど開催され、政策金利や景気見通しが発表される
- 日銀:日本銀行。日本の中央銀行で、金融政策(政策金利や量的緩和など)を決定・実施する機関
- 移動平均線(MA):一定期間の平均価格を線で結んだもの。20MA・200MAなど、期間の異なる移動平均線がサポートやレジスタンスになることも多い
- ピンバー:ローソク足のうち、実体が小さく長いヒゲを伴う形状を指す。反転のシグナルとして注目されることが多い
- ダブルトップ:価格がほぼ同水準で2度頭打ちするチャートパターン。ネックラインを割り込むと下落トレンドに転じやすい
- サポート/レジスタンス:サポートは価格が下げ止まるライン、レジスタンスは価格が上げ止まるラインを指す
- ショート(売り)/ロング(買い):FXで売りエントリーをすることを「ショート」、買いエントリーを「ロング」と呼ぶ
- 損切り(ストップ):相場が予想と逆方向に動いた際、損失を限定するためにあらかじめ設定する決済のこと
- リスクリワード:リスク(損失幅)とリワード(利益幅)の比率を示す指標。一般的にリスクリワード比1:2以上を好むトレーダーが多い
- IMM通貨先物:シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物のことで、投機筋のポジション状況を知る目安となる
- トレンドフォロー:相場のトレンド方向に合わせて売買する手法。上昇トレンドなら買い、下降トレンドなら売りを狙う
- デイトレ/スイング:デイトレは1日以内の短期売買、スイングは数日~2週間程度の期間での売買を指す
- ドットチャート:FOMCで公表される政策金利予測を示すチャート。各メンバーの金利見通しがドット(点)で描かれるため、この名で呼ばれる
編集後記
今日は日銀の政策金融決定会合の発表があり、植田総裁の記者会見も行われます。
市場はボラティリティーが大きくなる可能性があり、当ブログをご覧の方やお勧めの方々にもその影響があるかと思います。
必ず損切りラインを設定して、1日を過ごすようにしてください。
長年トレードをされている方の中には、いまだに損切りを行わない方がいらっしゃいます。しかし、それは非常に危険な行為です。
相場は常に予想外の動きを見せ、あなたに損失を与えようとするものです。
とはいえ、相場には損失管理において私たちがコントロール可能な優しい面もあります。
相場がロングに向かうかショートに向かうか、またどれだけ利益を伸ばせるかさえも、3ヶ月先、いや3分先の展開すら、私たちは選択できません。
ただし、損切りラインだけは私たちが100%コントロールできるものです。この利点を活かさない手はありません。
必ず損切りラインを設定して1日を過ごしてください。
そうすることで、心に平穏をもたらし、結果として良いパフォーマンスに繋がるでしょう。
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本記事は情報提供を目的としたものであり、いかなる投資行動を推奨・勧誘するものではありません。記載されている情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。相場の状況は常に変化しており、経済指標・地政学リスク・金融政策など外的要因によって、予想を大きく上回る変動が生じる可能性があります。
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