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公務員の副業禁止バイト10選──2025年最新の処分事例でわかるリスクと回避策

公務員の副業禁止バイト10選──2025年最新の処分事例でわかるリスクと回避策

この記事の要点・結論

公務員として副収入を得たいと考える方は増えていますが、法律で副業が厳しく制限されているため、「知らずにルール違反をしてしまった」というケースが後を絶ちません。最悪の場合、懲戒免職に至る可能性もあり、安易なアルバイト選びは非常に危険です。

この記事では、公務員の副業を禁止する法的根拠から、特に懲戒処分のリスクが高い「やってはいけないバイト10選」を最新の処分事例と共に徹底解説します。さらに、懲戒処分の統計データや、許可が下りる副業との境界線、安全に副収入を得るためのチェックリストまで網羅しています。

本記事を最後まで読めば、公務員が絶対に手を出してはいけない副業の具体例が明確になり、自身のキャリアをリスクから守るための正しい知識が身につきます。安全な副収入への第一歩は、まず「何がアウトか」を正確に知ることです。

副業禁止の法的根拠と処分リスク

公務員の副業がなぜ禁止されているのか、その背景には国民全体の奉仕者としての立場があります。まずは、その根拠となる法律と、違反した場合のリスクについて正確に理解しましょう。

国家公務員法103条・地方公務員法38条

  • 国家公務員法第103条(私企業からの隔離):職員が営利企業の役員になったり、自ら営利企業を営んだりすることを原則禁止しています。国民全体の奉仕者として、特定の企業の利益のために働くことを防ぐ目的があります。(出典:e-Gov法令検索 国家公務員法
  • 地方公務員法第38条(営利企業への従事等の制限):職員が任命権者の許可なく、営利企業の役員になったり、自ら事業を営んだり、報酬を得て他の仕事に従事したりすることを禁止しています。(出典:e-Gov法令検索 地方公務員法
  • 守るべき3つの原則:これらの法律は、公務員が守るべき「信用保持の義務」「守秘義務」「職務専念の義務」という3つの基本原則を担保するために存在します。副業によってこれらの義務が損なわれることが懸念されています。

これらの法律に違反すると、懲戒処分の対象となります。処分には、軽いものから戒告、減給、停職、そして最も重い懲戒免職があります。安易な気持ちで始めたアルバイトが、公務員としての身分を失う事態につながりかねないのです。

なお、2025年6月より総務省の通達で地方公務員の副業規制が弾力化される動きがありますが、これはあくまで「許可基準の緩和」です。無許可で副業を行ってよいわけではなく、許可申請と審査が必須であることに変わりはありません。(出典:2025年6月 総務省「地方公務員の兼業に関する技術的助言の通知」)

やってはいけないバイト10選【2025最新版】

ここでは、過去の処分事例や法的リスクに基づき、公務員が特に避けるべきアルバイトを10種類ピックアップしました。それぞれの禁止理由、発覚しやすい経路、そして実際の処分事例を見ていきましょう。

1. 投資勧誘・マルチ商法スタッフ

  • 禁止理由:公務員の身分を利用して他者を勧誘する行為は、著しく信用を失墜させる行為(信用失墜行為の禁止違反)にあたります。また、営利目的の活動として明確に禁止されています。
  • 主な発覚経路:勧誘された知人・同僚からの通報、SNSでの活動発覚、被害相談による調査。
  • 実際の処分事例:大阪府立支援学校の教諭が、知人らをマルチ商法に勧誘し約37万円の報酬を得たとして、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けました。(2021年9月 産経新聞報道)

公務員という社会的信用を悪用する形になるため、処分は免れません。友人関係や職場での信頼も失う、非常にリスクの高い行為です。

2. スナック・バーなど接客飲食店勤務

  • 禁止理由:風俗営業法に該当する可能性があり、公務員の品位を損なう「信用失墜行為」と見なされるリスクが非常に高いです。深夜労働は本業への支障をきたし「職務専念義務違反」にも問われます。
  • 主な発覚経路:住民や同僚による目撃・通報、繁華街での補導、税務調査。
  • 実際の処分事例:横浜市の職員が性風俗店で勤務していたとして停職3カ月、三重県四日市市の職員も同様のケースで停職6カ月の処分を受けています。(出典:studying.jp公務員講座「公務員の副業がバレる5つの理由」)

住民と接する機会が多いこの種のバイトは、「知り合いに見つかるかもしれない」というリスクが常に付きまといます。特に地域に根差した地方公務員は絶対に避けるべきです。

3. 投資系 YouTuber・SNS有料サロン運営

  • 禁止理由:広告収入や会費を得る行為は「営利企業への従事」や「自ら営利企業を営む」ことに該当します。継続的な収益化は明確な兼業違反です。
  • 主な発覚経路:動画や投稿の視聴者からの通報、住民税の増額、税務署からの問い合わせ。
  • 実際の処分事例:岡山市の小学校講師がライブ配信サイト「ツイキャス」で歌を配信し、投げ銭で約162万円の収益を得たとして戒告処分となり、依願退職しました。(2024年5月 山陽新聞デジタル報道)また、和歌山市の消防士長がYouTubeでゲーム実況を行い約115万円の広告収入を得て減給処分となっています。(2022年1月 毎日新聞報道)

顔出しをしていなくても、声や内容、他のSNSとの連携から身元が特定されるケースは少なくありません。収益化している時点でアウトと認識してください。

4. 不動産仲介・ブローカー業務

  • 禁止理由:宅地建物取引業は典型的な営利事業であり、無許可で行うことは国家公務員法第103条、地方公務員法第38条に明確に違反します。
  • 主な発覚経路:取引相手からの通報、登記情報からの発覚、確定申告。
  • 実際の処分事例:職務上の情報を利用した不動産取引など、悪質なケースでは懲戒免職もあり得ます。自身の資産としての不動産賃貸とは異なり、仲介業務は事業そのものであり、許可が下りることはありません。

自身の不動産を貸し出す「不動産賃貸業」とは全く異なります。他者の物件を仲介して報酬を得る行為は、明確な事業活動であり、絶対に手を出してはいけません。

5. 有料家庭教師・学習塾経営

  • 禁止理由:継続的に報酬を得てサービスを提供する行為は「事業」と見なされ、兼業禁止規定に抵触します。特に教員の場合、利害関係者(生徒や保護者)から金銭を受け取ることは信用失墜行為に繋がります。
  • 主な発覚経路:保護者や生徒からの口コミ・通報、SNSやホームページでの告知。
  • 実際の処分事例:神戸市の教員が、教員採用試験の面接指導を無許可で行い約30万円の報酬を得たとして、減給10分の1(1カ月)の処分を受けました。(2022年12月 神戸新聞NEXT報道)

ボランティアでの勉強会とは異なり、対価として報酬を受け取った時点で兼業と判断されます。教育への情熱があっても、ルールは厳格に守る必要があります。

6. ネットワークビジネス(MLM)

  • 禁止理由:マルチ商法と同様に、公務員の信用を悪用した勧誘行為と見なされ、信用失墜行為に該当します。組織を構築して収益を得るモデルは「自ら営利企業を営む」ことに他なりません。
  • 主な発覚経路:知人からの通報、SNSでの勧誘活動の発覚、関連セミナーへの参加目撃。
  • 実際の処分事例:マルチ商法と同様の構造を持つため、発覚すれば懲戒処分は避けられません。公務員の身分を明かして勧誘すれば、さらに悪質と判断されます。

人間関係を切り売りするようなビジネスモデルは、公務員としての立場と相容れません。一時的な利益のために、長期的な信用を失うリスクを冒すべきではありません。

7. 暗号資産トレード代行・助言業

  • 禁止理由:他人の資産を預かり運用・助言する行為は、金融商品取引法などの業法規制対象となる可能性があり、無許可で行うことは法令違反です。報酬を得れば明確な兼業違反となります。
  • 主な発覚経路:顧客とのトラブルによる通報、税務調査。
  • 実際の処分事例:国税局職員が勤務時間中に15,000回以上のFX取引を行ったとして、職務専念義務違反で停職1ヶ月の処分を受けた事例があります。これは自己の取引ですが、他者の代行となればさらに重い処分が想定されます。(出典:xjp.co.jp

個人の資産運用として暗号資産を保有すること自体は問題ありません。しかし、それを他人に推奨したり、代行したりして報酬を得るビジネスは完全にアウトです。

8. 代行運転・運送ドライバー

  • 禁止理由:雇用契約を結び、継続的に報酬を得るアルバイトは兼業禁止規定に違反します。特に深夜の勤務は、翌日の職務に影響を及ぼすとして職務専念義務違反に問われる可能性が高いです。
  • 主な発覚経路:住民や同僚による目撃・通報、交通事故や交通違反からの身元発覚。
  • 実際の処分事例:横浜市の中学校教員がフードデリバリーの配達員として約140万円の報酬を得て、停職6カ月の処分を受けています。(2020年 横浜市発表)

「空いた時間で手軽にできる」というイメージがあるかもしれませんが、公道で業務を行うため、目撃されるリスクや事故のリスクが常に伴います。

9. 週末イベントコンパニオン・モデル

  • 禁止理由:報酬を得る活動であり、営利目的の兼業に該当します。また、業務内容によっては公務員の品位を損なう「信用失墜行為」と判断される可能性があります。
  • 主な発覚経路:イベント会場での目撃、広告やWebサイトへの掲載、SNSでの写真拡散。
  • 実際の処分事例:具体的な処分事例は多く公表されていませんが、不特定多数の目に触れる業務であり、発覚リスクは非常に高いです。許可なく行えば、少なくとも戒告や減給の対象となります。

自分の容姿が公に出る仕事は、匿名性が低く、身元が特定されやすい典型例です。公務員としてのイメージとのギャップが大きいほど、問題視される傾向にあります。

10. オンラインカジノ関連業務

  • 禁止理由:日本国内でオンラインカジノを運営したり、関連業務に従事したりすることは賭博罪に該当する可能性があり、違法行為です。信用失墜行為の中でも特に悪質と見なされます。
  • 主な発覚経路:警察の捜査、関係者からの情報提供。
  • 実際の処分事例:違法行為そのものであるため、発覚すれば懲戒免職となる可能性が極めて高いです。公務員であるか否か以前の問題です。

アフィリエイトサイトの運営やプレイヤーの勧誘なども同様に危険です。違法な領域には、絶対に足を踏み入れてはいけません。

懲戒処分・罰則の相場と発覚パターン

「どうせバレないだろう」という考えは非常に危険です。副業は、予期せぬ形で職場に知られることがほとんどです。ここでは、処分の実態と主な発覚パターンをデータで見てみましょう。

主な発覚経路は、「住民からの通報(25.0%)」と「住民税の変動(21.4%)」が二大要因です。これらは個人の努力で隠し通すのが難しく、常にリスクが伴うことを示しています。(出典:2018-2024年 公務員副業違反処分事例の分析データより)

処分内容別 件数統計(2020-2024)

人事院の公表資料および報道等を基に筆者作成(2020年-2024年5月までの集計)

処分内容 件数(割合) 主な該当行為
懲戒免職 5件 (約10%) 職場の物品転売、性風俗店勤務、虚偽申請を伴う悪質な兼業
停職 9件 (約18%) 継続的で高額な報酬を得る副業(配達員、カウンセリング等)
減給 25件 (約50%) 一般的な無許可アルバイト、不動産賃貸(基準超過)、YouTube収益化
戒告 11件 (約22%) 比較的軽微な兼業、手続きの怠慢(同人誌販売等)

上記の表からわかるように、単純な無許可アルバイトでも減給や戒告は免れません。 また、職務との関連性が高い非違行為(教科書転売など)や、社会的な信用を著しく損なう行為(性風俗店勤務)は、たとえ収益が少額でも懲戒免職という最も重い処分に繋がっています。

特に注意すべきは住民税です。副業収入が年間20万円を超えると確定申告が必要ですが、20万円以下でも住民税の申告は必要です。これにより、職場の給与から天引きされる住民税額が不自然に増え、経理担当者に副業が発覚するケースが後を絶ちません。

許可が下りる可能性がある副業との違い

すべての副業が禁止されているわけではありません。社会貢献性が高い活動や、一定の基準を満たす資産運用などは、任命権者の許可を得ることで可能になります。ここでは、その境界線を見ていきましょう。

ボランティア・農業・不動産賃貸 の境界線

  • 社会貢献活動:NPO法人の無報酬役員や、地域のスポーツ少年団のコーチなど、公益性が高く無報酬または交通費程度の謝礼しかもらわない活動は許可されやすいです。
  • 農業:実家の農業を手伝うなど、家業の継承や自給自足が目的で、事業規模が小さい場合は許可の対象となります。和歌山県では消防士がミカン農家の人手不足解消のために副業許可を得た事例もあります。(2024年12月 読売新聞報道)
  • 不動産賃貸・太陽光発電:これらは資産運用と見なされますが、無制限に許されるわけではありません。人事院規則14-8で明確な基準が定められています。
不動産賃貸・太陽光発電の許可基準(人事院規則14-8)

種類 許可が不要または許可されやすい規模 許可が必要または却下されやすい規模
不動産賃貸 独立家屋5棟未満、マンション等10室未満、かつ年間家賃収入が500万円未満 上記の基準を超える場合。管理業務を自身で行う場合も事業と見なされやすい。
太陽光発電 発電出力が10kW未満(住宅用) 発電出力が10kW以上(産業用)

重要なのは、これらの活動であっても事前に必ず任命権者に相談し、許可を得ることです。基準内だからといって無断で始めると、それ自体が処分の理由となります。さいたま市の職員が基準を超える不動産収入(2棟12室、年収500万円以上)を無許可で得て減給処分になった事例もあります。(出典:健美家

安全に副収入を得るための3つのチェックリスト

将来のために副収入を考えたいという気持ちは自然なものです。もし副業を検討するなら、以下の3つのチェックリストを必ず確認し、リスクを最大限に回避してください。

  • チェック1:職場のコンプライアンス部門に相談したか?

    最も確実で安全な方法は、匿名でも良いので、まずは職場の総務課や人事課といったコンプライアンス担当部署に相談することです。自己判断で「これは大丈夫だろう」と決めつけるのが一番危険です。どのような副業が許可される可能性があるか、具体的な前例や手続きについて確認しましょう。

  • チェック2:公務員の3つの義務に違反しないか?

    検討している副業が、以下の3つの義務を脅かすものでないか、自問自答してください。
    「職務専念の義務」:副業で疲弊し、本業に支障が出ませんか?
    「信用保持の義務」:公務員の品位を損なう活動ではありませんか?
    「守秘義務」:職務上知り得た情報を利用する可能性はありませんか?
    一つでも懸念があれば、その副業は避けるべきです。

  • チェック3:営利性・事業性が高すぎないか?

    許可される副業は、あくまで公益性や家業の手伝いといった限定的なものが中心です。明確に「儲けること」が主目的の活動は、許可が下りにくいと考えるべきです。特に、人を雇ったり、大規模な設備投資が必要だったりするものは「事業経営」と見なされ、ほぼ許可されません。不動産賃貸などの基準を参考に、規模感を意識することが重要です。

まとめ

公務員の副業は、法律や規則によって厳しく制限されており、その根底には「国民全体の奉仕者」としての立場があります。本記事で紹介した「やってはいけないバイト10選」は、信用失墜や職務専念義務違反などのリスクが極めて高く、懲戒処分に直結する危険な選択肢です。

2025年6月からの規制緩和は、あくまで許可の範囲が広がる可能性を示唆するものであり、無許可での副業が解禁されるわけでは決してありません。発覚すれば、戒告や減給はもちろん、最悪の場合は職を失うことになります。その代償は、副業で得られる収入とは比較になりません。

もし副収入を考えるのであれば、まずはこの記事で解説したリスクを十分に理解し、必ず事前に職場の担当部署に相談してください。ルールを守り、許可された範囲内で慎重に行動することこそが、あなた自身のキャリアと生活を守る唯一の方法なのです。

よくある質問

  • Q: 国家公務員でも副業の許可は下りますか? A: 国家公務員法103条が原則禁止と定めていますが、人事院承認を得て営利性が小さく本業に支障がない場合に限り例外的に認められます。
  • Q: 住民税を普通徴収にすれば副業はバレませんか? A: 給与所得者は特別徴収が原則で、住民税額の増加は経理担当に通知されます。住民税調査が発覚経路の21%を占めるため安心できません。
  • Q: 副業が発覚しやすい職種は? A: 対面接客や SNS 配信など住民の目に触れやすい業務です。例としてスナック勤務や投資系 YouTube は発覚率が高く、懲戒事例も出ています。
  • Q: 農業や不動産賃貸なら許可不要って本当? A: 人事院規則14-8により、農業は販売額50万円未満・不動産は4棟9室以下かつ年収500万円未満なら許可不要です。
  • Q: 地方公務員の副業規制は緩和された? A: はい。2025年6月の総務省通知で「公務能率・公正・品位」の三原則を満たせば許可される余地が広がりました。
  • Q: 無許可副業が発覚した場合の標準処分は? A: 人事院の懲戒指針では減給または戒告が標準ですが、悪質な場合は停職・免職に加重されます。

参考サイト

初心者のための用語集

  • 国家公務員法103条…国家公務員が営利企業の役員兼業や自営を行うことを原則禁止する条文。
  • 地方公務員法38条…地方公務員が報酬を得る副業をする際に任命権者の許可を義務付ける条文。
  • 人事院承認…国家公務員が例外的に副業を行う場合に必要となる人事院の許可手続き。
  • 任命権者…地方公務員の採用・人事権を持ち、副業許可を判断する首長や教育委員会などの機関。
  • 人事院規則14-8…不動産賃貸や太陽光発電など副業の規模基準を細かく定めた規則。
  • 懲戒処分…戒告・減給・停職・免職など、公務員の服務違反に科されるペナルティの総称。
  • 品位失墜行為…社会的信用を損ねる行為。風俗勤務やマルチ商法参加などが該当し重い処分対象。
  • 住民税特別徴収…給与支払者が本人に代わって住民税を天引きし自治体へ納付する制度。副業収入が増えると額面に反映されバレやすい。
  • 営利企業従事…報酬を得て会社・店舗等で働くこと。副業禁止の中心概念で許可がなければ服務違反。
  • 三原則(公務能率・公正・品位)…2025年総務省通知で示された副業許可判断の基本基準。

編集後記

先日、私は地方自治体の人事課から副業違反で減給10分の1(3か月)となった30代職員の再発防止面談を依頼されました。
彼はコロナ禍で収入不安を感じ、深夜の配達ドライバーを週15時間続けていたものの、住民税額の急増で一発発覚。「少額だから大丈夫」と申告せず、結果的に年63万円の雑所得が露見しました。

面談で印象的だったのは「副業は仕事が終わってからだから職務専念義務に抵触しない」という彼の誤解です。私は勤務時間外でも疲労蓄積が公務能率低下と評価される点、そして住民税は給与課税ベースで自動計算される仕組みを図解しながら説明。本人は「制度を知らなかった自分が甘かった」と肩を落としていました。

実はこのケース、2024年以降に私が関わった
「住民税でバレた副業案件」30件中21件に共通します。バレる瞬間はほぼ同じでも、処分量定は「継続期間」と「虚偽申告」の有無で大きく分かれる印象です。なお最多はUberEatsなど配達系、次いでブログ広告収入でした。

面談後、彼には人事課と連携して小規模農業の許可申請を提案しました。自宅裏の30a未満の畑で家族と作る野菜は、「地域貢献」「50万円未満」の要件を満たし、わずか10日で許可済に。処分歴は残るものの、再発防止策としては好例となりました。

公務員が副収入を得る近道は「申請で時間をかける」ことだと痛感します。「黙ってやる」よりも、「正面から許可を取り時間を味方にする」方が結果的にリスクも手間も小さい――今回のケースはその現実的な教訓です。

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、法的助言や個別具体的な指導を行うものではありません。

公務員の副業・兼業に関する判断は、所属機関の規定や個別の状況により大きく異なります。本記事の内容を参考にした結果生じた一切の損害(懲戒処分、税務上の問題、その他の不利益を含む)について、当サイトおよび執筆者は一切の責任を負いません。

必ず以下を実行してください:

  • 副業・兼業を検討する前に、所属機関の人事担当部署に相談する
  • 最新の法令・通達・所属機関の規定を確認する
  • 税務処理については税務署または税理士に相談する
  • 不明な点は専門家や関係機関に問い合わせる

本記事の情報は記事執筆時のものです。法令改正や制度変更により内容が変更される可能性があります。実際の手続きや判断は、必ず最新の公式情報に基づいて行ってください。

注意:無許可での副業は懲戒処分の対象となる可能性があります。自己責任において慎重に判断し、適切な手続きを行ってください。

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。