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2026年2月、金相場、暴落からのリバウンド!買い?売り?

買いか売りかは「時間軸」と「前提条件」で変わる

  • 短期(数日〜数週間):リバウンドが継続するか、あるいは二番底を探るかの見極め局面
  • 中期(数ヶ月):米金利の動向とドル指数の方向性で優位性が決まる
  • 長期(数年):中央銀行の買い支えが継続しており、分散・ヘッジ資産としての役割は不変

2026年2月3日現在、金相場は1月の史上最高値からの急落を経て、反発(リバウンド)の動きを見せています。しかし、この反発が「再上昇の始まり」なのか、それとも「下落トレンドの中の一時的な戻り」なのか、迷っている投資家も多いでしょう。結論から言えば、正解はあなたの「投資期間」と「リスク許容度」によって異なります。短期トレーダーであれば、ボラティリティを利用した回転売買のチャンスですが、長期積立派であれば、この急落は「バーゲンセール」と捉えるのが合理的です。この記事では、現在の相場環境を冷静に分析し、あなたが取るべき行動を条件別に整理します。

2. 2026年2月に何が起きた?急落→反発の全体像

  • 下落のトリガー:史上最高値(5,600ドル超)からの利益確定売りと、米金利の自律反発
  • 反発のトリガー:4,700ドル台での押し目買い需要と、地政学リスクへの警戒感
  • 注目指標:価格そのものより、実質金利VIX指数(恐怖指数)の落ち着き

まず、直近の相場で何が起きたのか、事実関係を整理しましょう。2026年1月、金価格(CFDベース)は一時5,608.35ドル/トロイオンスという史上最高値を記録しました(2026年1月 Trading Economicsデータ)。しかし、そこからわずか数週間のうちに売りが殺到し、2月2日時点では一時4,754.24ドルまで急落しています。これは高値から約15%の調整にあたり、短期間での変動としては非常に激しいものです。

この暴落の背景には、積み上がったロングポジション(買い持ち)の解消、いわゆる「利益確定売り」の連鎖があります。また、米国の経済指標が予想以上に強く、「利下げ期待」が後退したことで米金利が上昇し、金利を生まない金の魅力が相対的に低下したことも要因です。しかし、4,700ドル台前半では、現物需要や長期投資家の買い(押し目買い)が入っており、現在は反発を試みる展開となっています。このリバウンドが本物かどうかを見極めるには、価格だけでなく、背後にある金利やドルの動きを注視する必要があります。

3. 金が動くメカニズム:最重要は実質金利とドル

  • 実質金利上昇=金の魅力低下(金は金利を生まないため)
  • ドル高=ドル建て金価格の下落圧力(逆相関の関係)
  • 例外要因:中央銀行買いや地政学リスクは、金利無視で価格を押し上げる

金相場を理解するために、最も重要なメカニズムを解説します。それは「金は米ドルおよび米金利とシーソーの関係にある」ということです。特に重要なのが実質金利です。実質金利とは、「名目金利(国債利回りなど)- インフレ期待(予想物価上昇率)」で算出されます。

通常、銀行にお金を預けたり国債を買ったりすれば金利がつきますが、金(ゴールド)を持っていても金利はつきません。そのため、実質金利がプラスで高い状態だと、投資家は金を手放して債券や預金に移そうとします。逆に、インフレが高く、金利が低い(実質金利がマイナスや低水準)場合、現金の価値が目減りするため、実物資産である金が買われます。

2026年2月の急落局面では、米国のインフレ懸念がやや和らぐ一方で名目金利が反発したため、実質金利が上昇し、金への逆風となりました。しかし、世界的な「ドル離れ」の動きや、中央銀行による金準備の積み増し(2024年には年間1,045トンを購入/2025年2月 Business Report)といった構造的な買い需要が、価格の下値を支える要因として機能し続けています。

4. 暴落の原因を分解:ファンダ・需給・テクニカル

  • ファンダメンタルズ:米利下げペースの鈍化観測とドル買い戻し
  • 需給バランス:ETFからの短期資金流出と、先物市場でのポジション調整
  • テクニカル要因:重要サポート割れによる損切り(ストップロス)の連鎖

今回の急落を「なんとなく下がった」で片付けてはいけません。原因を分解することで、今後の動きが見えてきます。ファンダメンタルズ面では、米国経済が「ソフトランディング(軟着陸)」から「ノーランディング(着陸せず成長継続)」へと見方がシフトしつつあることが影響しています。景気が強すぎると、FRB(米連邦準備制度理事会)は利下げを急ぐ必要がなくなり、高金利環境が長く続くとの観測が浮上します。これは金にとってネガティブ材料です。

需給面では、1月の高値圏で流入した短期の投機マネーが一気に逆回転しました。特にレバレッジをかけた先物やCFD取引では、価格が下がると強制的に決済(売り)させられる「ロスカット」が発生し、それがさらなる売りを呼ぶ悪循環が起きました。テクニカル的にも、心理的な節目であった5,000ドルや、重要な移動平均線を割り込んだことで、AIによる自動売買プログラムが「売り」と判断し、下落幅を加速させたと見られます。

5. リバウンドの正体:反発が本物か、ただの戻りか

  • 本物の反転サイン:米金利低下を伴う上昇、出来高の増加
  • 一時的な戻り(ダマシ):ドル高・金利高のまま金だけ上昇、上値が重い
  • 確認すべき指標:米10年債利回り、ドル指数(DXY)、ETF残高の推移

現在起きているリバウンドが「本格上昇の再開」なのか、それとも下落トレンドの中での「一時的な戻り(デッド・キャット・バウンス)」なのかを見極める必要があります。本物の反転であれば、通常は米金利の低下やドル安への転換とセットで起こります。もし、米金利が上昇し続けているのに金価格だけが上がっている場合は注意が必要です。それは単なるショートカバー(売り方の買い戻し)に過ぎず、買い戻しが一巡すれば再び下落する可能性が高いからです。

具体的にチェックすべきは、世界最大の金ETF(SPDRゴールド・シェアなど)の残高推移です。価格が反発している局面で、ETFの金保有残高(トン数)が増加に転じていれば、機関投資家や大口投資家が資金を戻している証拠となり、信頼度が増します。逆に、価格が上がっているのにETF残高が減り続けている場合は、個人投資家の小口買いが中心である可能性が高く、再び崩れるリスクが残ります。

6. 判断は3つに分ける:買い・売り・様子見の条件

  • 買いが優位な条件:長期保有目的、または4,700ドル付近のサポート確認後
  • 売り(利確)が優位な条件:短期トレードで5,000ドル手前で失速した場合
  • 様子見が合理的な条件:重要経済指標(雇用統計・CPI)の発表直前

ここからは、読者の皆さんが実際にどう動くべきか、条件分岐で判断基準を提示します。

【買いを検討すべきケース】
あなたが「5年〜10年以上の長期投資」を考えているなら、今回の急落は絶好の押し目(買い場)と言えます。World Gold Council(WGC)などの国際機関は、中央銀行の買い支えを背景に長期的には強気の見通しを維持しています(2026年アウトルック)。また、短期トレードであっても、4,700ドル〜4,750ドルのサポートライン(下値支持線)で価格が下げ止まり、反転の形状(ダブルボトムなど)を作ったのを確認してからエントリーするのは、リスク・リワードの観点から合理的です。

【売りを検討すべきケース】
あなたが短期〜中期のトレーダーで、もし1月の高値付近で買いポジションを持ってしまい含み損を抱えているなら、リバウンド局面は「逃げ場」として利用すべきかもしれません。特に、5,000ドルや5,100ドルといった心理的節目まで戻したところで上値が重くなるようであれば、一部を損切りしてポジションを軽くする、あるいは新規で戻り売り(ショート)を仕掛ける戦略が有効です。米金利が再上昇トレンドに入った場合、4,500ドルを目指す下落シナリオも否定できません。

【様子見をすべきケース】
米雇用統計やCPI(消費者物価指数)など、市場の方向性を決定づける重要イベントの直前は、無理にポジションを持つ必要はありません。相場は「事実」を確認してから動いても遅くはないのです。ボラティリティが高すぎる現在は、資金を守ることが最大の投資とも言えます。

7. 実務:金の買い方別の戦い方(現物/積立/ETF/CFD)

  • 積立(投資信託・純金積立):暴落は「安く多く買える」チャンス。継続一択
  • ETF:流動性は高いが、日本のETFはプレミアム(価格乖離)に注意
  • CFD:レバレッジ管理が命。急落時の追証リスクを避けるため低レバ維持

「金投資」と一口に言っても、手段によって戦い方は全く異なります。

【純金積立・投資信託】
毎月定額を購入する「ドル・コスト平均法」を実践している人は、今回の暴落を喜ぶべきです。価格が下がった月は、同じ金額でより多くのグラム数を購入できるからです。この手法の最大の敵は「価格を見て積立を止めてしまうこと」です。2026年の変動に惑わされず、淡々と継続することが将来のリターンにつながります。

【ETF(上場投資信託)】
手軽に売買できるETFですが、注意点があります。特に日本の金ETFでは、投資家の買いが殺到すると、ファンドが保有する金の価値(NAV)よりも市場価格が大幅に高くなる「プレミアム」が発生することがあります(2025年10月 Bloomberg報道)。割高な状態で買っていないか、NAVとの乖離率を必ず確認しましょう。

【CFD(差金決済取引)・先物】
最もリスクが高いのがCFDです。レバレッジをかけられるため、少額で大きな利益を狙えますが、今回のような15%級の急落では、レバレッジ5倍でも証拠金の大半を失います。リバウンド狙いで入る場合でも、必ず「逆指値(ストップロス)」注文を入れ、損失を限定させる設定が必須です。想定外の動きをしたら即座に撤退する規律が求められます。

8. よくある失敗:暴落局面で損しやすいパターン

  • 根拠なきナンピン:下がったから買う、を繰り返して資金が尽きる
  • ニュースでの高値掴み:暴落後のリバウンドを見て飛びつき、再度下落に巻き込まれる
  • 時間軸のブレ:長期目的で買ったはずなのに、短期の損益に耐えられず売る

投資家が最も損をするのは、暴落そのものではなく、暴落時の「パニック行動」によるものです。よくある失敗の一つが「ナンピン買い」です。価格が下がったからといって、下げ止まりのサインを確認せずに追加購入を続けると、下落トレンドが続いた場合に損失が雪だるま式に膨らみます。「落ちてくるナイフは掴むな」という格言通り、床に刺さって(価格が落ち着いて)から拾うのが鉄則です。

また、最も避けるべきは「時間軸のブレ」です。「老後のために金を積み立てよう」と決めたはずなのに、2026年2月のニュースを見て「怖いから売ろう」と考えるのは矛盾しています。逆に、短期トレードで入ったはずなのに、含み損になったからといって「長期保有に切り替えよう(塩漬け)」とするのも典型的な失敗パターンです。エントリーした時の理由が崩れたなら、一度決済してリセットするのがプロの流儀です。

9. チェックリスト:あなたは買い派?売り派?(判断を自動化)

  • 【金利チェック】米10年債利回りは低下傾向にあるか?(Yesなら買い有利)
  • 【ドルチェック】ドル指数は下落、または頭打ちか?(Yesなら買い有利)
  • 【目的チェック】あなたの目的は「資産保全」か「短期利益」か?

最後に、今すぐ使える判断用のチェックリストを提供します。画面の前で以下の項目を確認してください。

  1. 現在の米10年債利回りを確認してください。
    もし4.0%を超えて上昇中なら、金の上値は重くなります。「様子見」か「戻り売り」が無難です。逆に低下していれば「押し目買い」の根拠になります。
  2. ドル円レートではなく、ドル指数(DXY)を見てください。
    日本の投資家はドル円を見がちですが、国際的な金価格はドル全体の強弱に反応します。ドルが弱含んでいるなら、金のリバウンドは継続しやすい環境です。
  3. ご自身のポートフォリオの金比率を確認してください。
    一般的に推奨される金の保有比率は資産全体の5〜10%です(World Gold Council推奨)。もし値上がりによって比率が20%を超えているなら、一部を売却してリバランス(利益確定)する良い機会かもしれません。逆に持っていないなら、この急落はエントリーの好機です。

10. まとめ:2026年2月の急落は“金の性格”を理解するチャンス

  • 金は安全資産だが、短期的には金利ドルに激しく反応する
  • 買いか売りかは、あなたの「投資期間」と「現在のポジション」で決まる
  • 自分なりのルール(損切り・積立継続など)を持つ者だけが、暴落を味方にできる

2026年2月の金相場は、史上最高値からの急落とリバウンドという、投資家にとって試練の局面を迎えています。しかし、歴史を振り返れば、金相場は何度もこうした調整を乗り越えてきました。JPモルガンやゴールドマン・サックスといった大手金融機関も、2026年末に向けては依然として底堅い価格推移(5,000ドル前後)を予測しています(2026年予測レポート)。

重要なのは、目先の価格変動に一喜一憂するのではなく、金価格を動かす「金利」や「ドル」の背景を理解し、自分の投資目的に合った行動を取ることです。短期で利益を狙うなら機敏な損切りを、長期で資産を守るならノイズを無視した積立を。この暴落局面を、ご自身の投資スキルを一段レベルアップさせる機会として活用してください。

よくある質問

  • Q1. 2026年2月の急落は「バブル崩壊」の始まりですか?
    いいえ、現時点では多くの専門家が「健全な調整(過熱感の解消)」の範囲内と見ています。World Gold Councilのレポート等でも示唆されている通り、長期的な上昇トレンドの中でも定期的な価格調整は発生します。過去のデータでも、急騰後の調整(押し目)を経て再上昇するサイクルが確認されています。
  • Q2. 今から金を買っても遅くありませんか?
    長期的な資産形成が目的なら、遅くはありません。複数の専門家による予測では、2026年末に向けても底堅い需要と価格推移が予想されています。ただし、短期間での利益を狙うのではなく、積立投資などで時間を分散してリスクを抑える手法が推奨されます。
  • Q3. 現物とETF、税金面ではどちらが有利ですか?
    保有期間と目的によって異なります。5年以上保有する現物金(地金・金貨)は、譲渡所得の特別控除や課税対象が半分になるメリットを受けられる場合があります。一方、ETFや投資信託は申告分離課税(約20.315%)が適用され、株式等との損益通算がしやすいため、短期〜中期の運用に適しています。
  • Q4. 円安が進むと、金価格はどうなりますか?
    一般的に、円安になると「円建ての金価格」は上昇します。国際的な金価格(ドル建て)が横ばいでも、ドルに対して円の価値が下がれば、日本円での評価額が増えるためです。このため、金はインフレや円安への有効なヘッジ資産として、日本国内の投資家からも注目され続けています。

初心者のための用語集

  • 実質金利(じっしつきんり)
    「名目金利(銀行や国債の金利)- 予想インフレ率」で計算される金利のこと。これが上がると金は売られやすく、下がると買われやすくなります。
  • ドル指数(DXY)
    ユーロや円などの主要通貨に対して「米ドルの価値がどれくらい強いか」を示す数値。金はドル建てで取引されるため、ドル指数が上がると金価格は下がる傾向があります。
  • 押し目(おしめ)
    上昇トレンドの途中で、一時的に価格が下がった局面のこと。「押し目買い」は、このタイミングを狙って安く買う手法です。
  • ショートカバー
    「売り(ショート)」のポジションを持っていた投資家が、利益確定や損切りのために「買い戻し」を行うこと。これにより急激な価格上昇(リバウンド)が起きることがあります。
  • ナンピン(難平)
    買った後に価格が下がった際、平均取得単価を下げるために買い増しをすること。計画なしに行うと、下落が続いた際に損失が倍増する危険な行為になります。
  • CFD(差金決済取引)
    現物を保有せず、売買の差額だけで利益を狙う取引方法。レバレッジ(てこの原理)を効かせることで少額から大きな取引ができますが、リスクも高くなります。

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松田 悠志
㈱ビーシアップ代表。宅建士・FP2級。人材採用・営業・Webマーケ・資産形成を支援し、採用コンサルやマネープラン相談も対応。株12年・FX7年のスイングトレーダー。ビジネス・投資・開運術を多角的に発信し、豊かな人生を後押しします。