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【6つの係数】FP試験の頻出項目をやさしくマスター!使い方と計算のコツを徹底解説、練習問題付き

6つの係数

ファイナンシャルプランナー(FP)の試験範囲で多くの受験生が苦手に感じる「6つの係数」について、わかりやすく解説します。
「終価係数」「現価係数」「年金終価係数」「年金現価係数」「資本回収係数」「減債基金係数」の使い分けが理解できれば、試験でも実生活でも役立つこと間違いなし。ぜひ最後までご覧ください!

そもそも「6つの係数」ってなに?

お金には時間的価値があります。同じ金額でも、受け取るタイミングによって価値が変わるんです。
そこで、将来のお金と現在のお金をスムーズに行き来できるように考え出されたのが「6つの係数」。複雑な計算を一気に楽にしてくれる便利ツールです。
早速、それぞれの特徴と活用方法を見ていきましょう!

1. 終価係数

どんな場面?
「今、まとまったお金を一括で用意して運用したら、将来どれくらいになるの?」と気になるときに使います。

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  • 「100万円を年利5%で5年間運用すると、どのくらい増える?」
  • 「まとまった資金を投資した場合、○年後の金額を知りたい!」

活用例

  • 貯蓄・投資の将来額: 一括で投資した資金が、将来どれだけ増えるか試算する
  • 教育資金: 子供が小さいうちにまとまった金額を運用して、将来の学費に備える

ポイント

  • 今あるお金将来いくら
  • 利率や運用期間が伸びるほど、複利効果で増え方が大きく変わる

基本的な仕組み

終価係数を使うと、現在の元本から将来の金額を一気に計算できます。

今の元本 × 終価係数 = 将来の金額

例えば、100万円年利5%5年運用すると仮定し、終価係数が約1.2763だとすると、

100万円 × 1.2763 = 約127.63万円

運用期間が終わると約127.63万円になる計算です。

練習問題

Bさんは、200万円を一括で運用し、5年後にいくらになるかを知りたいと考えています。
運用利率を年4%と仮定した場合、終価係数(年利4%、5年)は1.2167とします。
5年後の金額はいくらになるでしょうか?

解答の流れ:

1) 終価係数を使った基本式
将来の金額=今の元本×終価係数

2) 数値を代入
将来の金額=200万円×1.2167

3) 計算
将来の金額=約243.34万円

解答:5年後には約243万3,400円になる計算です。

ポイント
・「今の元本に対して、何年後にどれだけ増えるか」を一発で計算できる
・試験では係数(1.2167など)が与えられるので、式に当てはめるだけ

2. 現価係数

どんな場面?
「将来○万円欲しいけど、今いくら用意すればいい?」と知りたいときに使います。

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  • 「10年後に300万円が必要。今、いくら貯金すれば間に合う?」
  • 「将来のまとまった出費(車、家、学費)に向けて、逆算して準備したい!」

活用例

  • 目標金額の現在価値: 将来必要なお金を今の価値に割り引いてみる
  • 保険金や相続の評価: 将来受け取るお金が今の価値ならいくらか確かめる

ポイント

  • 将来の金額今いくら
  • 利息を考慮するので、将来の金額よりも少ない元本でOKになる

基本的な仕組み

現価係数を使えば、将来のお金現在の価値に換算できます。

将来の金額 × 現価係数 = 今必要な元本

たとえば、10年後に500万円が必要で、年利3%だとします。現価係数が約0.7441だとすると、

500万円 × 0.7441 = 約372万円

今372万円用意して3%で運用すれば、10年後に500万円に届く計算です。

練習問題

Cさんは、5年後に200万円の出費を予定しています。
運用利率を年2%と仮定した場合、現価係数(年利2%、5年)は0.9057とします。
現在いくら用意しておけば5年後に200万円を確保できるでしょうか?

解答の流れ:

1) 現価係数を使った基本式
今必要な元本=将来の金額×現価係数

2) 数値を代入
今必要な元本=200万円×0.9057

3) 計算
今必要な元本=約181.14万円

解答: 約181万1,400円が必要です。

ポイント
・「将来のお金を今いくらに直すか」の発想
・試験では数値を与えられるので、計算式に当てはめるだけ

3. 年金終価係数

どんな場面?
毎年(または毎月)コツコツ積み立てるお金が、将来トータルでいくらになるか知りたいときに使います。

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  • 「毎年10万円ずつ積立したら、10年後の合計はいくら?」
  • 「学資保険や財形貯蓄など、コツコツ積み立てして将来どれだけ貯まるかを知りたい」

活用例

  • 教育資金・結婚資金: 毎年少しずつ貯める場合の最終金額
  • 積立投資: 投資信託を長期積立して、複利効果でどれだけ増えるか試算

ポイント

  • 毎年積立将来いくら
  • 運用期間が長いほど、複利効果で資産が大きくなる

基本的な仕組み

年金終価係数を使うと、毎年(一定間隔で)積み立てるお金から将来の合計額が簡単に求められます。

毎年の積立額 × 年金終価係数 = 将来の合計金額

例として、毎年50万円年利4%10年積み立てる場合、年金終価係数が約12.006だとすると、

50万円 × 12.006 = 約600.3万円

複利で積み立てると約600.3万円になる試算です。

練習問題

Dさんは、毎年20万円を積立投資に回し、5年後にいくら貯まるかを知りたいと考えています。
運用利率を年3%と仮定した場合、年金終価係数(年利3%、5年)は5.309とします。
5年後の合計はいくらになるでしょうか?

解答の流れ:

1) 年金終価係数を使った基本式
将来の合計額=毎年の積立額×年金終価係数

2) 数値を代入
将来の合計額=20万円×5.309

3) 計算
将来の合計額=約106.18万円

解答: 約106万1,800円となります。

ポイント
・毎年同じ額を積み立てる「定額積立」の将来金額を算出
・期間が長いほど、複利効果が大きくなる

4. 年金現価係数

どんな場面?
一定期間にわたって毎年(または一定間隔で)受け取りたい金額に対して、今いくら元本が必要かを知りたいときに使います。

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  • 「毎年100万円を10年間受け取りたい。今どれだけあればいい?」
  • 「老後に毎年安心して使えるお金を確保するためには、どのくらいの貯蓄が必要?」

活用例

  • 老後資金: 退職金や貯蓄を運用しながら、毎年いくらか受け取る場合の必要元本
  • 年金商品や保険: 将来一定額の給付を受け取るタイプの商品を検討するとき

ポイント

  • 毎年受取今どれだけ必要
  • 年金現価係数をかけることで、将来の定期的な収入を現在の価値に換算できる

基本的な仕組み

年金現価係数を使うと、「毎年の受取額」から「今必要な元本」が求められます。

毎年の受取額 × 年金現価係数 = 今必要な元本

例えば、毎年100万円5年間受け取りたい場合、運用利率が3%だとして年金現価係数が約4.58なら、

100万円 × 4.58 = 約458万円

今458万円を用意して3%で運用すると、5年間100万円ずつ受け取れるイメージです。

練習問題

Eさんは、これから5年間毎年50万円ずつ受け取りたいと考えています。
運用利率を年4%と仮定した場合、年金現価係数(年利4%、5年)は4.4518とします。
この場合、今いくらあれば5年間毎年50万円を受け取れるでしょうか?

解答の流れ:

1) 年金現価係数を使った基本式
今必要な元本=毎年の受取額×年金現価係数

2) 数値を代入
今必要な元本=50万円×4.4518

3) 計算
今必要な元本=約222.59万円

解答: 約222万5,900円が必要です。

ポイント
・「将来の定期的な受取を、今の元本にまとめる」という発想
・試験では、問題文の指示どおりに当てはめればOK

5. 資本回収係数

どんな場面?
「今ある元本を複利運用しながら、一定期間で取り崩して使い切りたい。じゃあ毎年いくら使える?」というときに使います。

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  • 「退職金1,000万円を10年で使い切りたい。毎年いくらずつ使える?」
  • 「住宅ローンの借入額を、毎月/毎年いくら返済すれば完済できる?」

活用例

  • 老後の生活費: 退職金や貯蓄を毎年取り崩して○年で使い切る場合
  • 住宅ローン返済計画: 借りたお金を毎回いくら返していけば、○年後に完済できるか

ポイント

  • 今ある元本毎年いくら取り崩す
  • 取り崩しながらも複利運用する前提なので、単純に「元本 ÷ 年数」とは違う
  • 「目標額を貯める」計算は減債基金係数。使い分けに注意

基本的な仕組み

資本回収係数を使えば、今ある元本から毎年取り崩せる金額を求められます。

今の元本 × 資本回収係数 = 毎年取り崩せる額

たとえば、1,000万円年利3%10年かけて取り崩す場合、資本回収係数が約0.1172だとすると、

1,000万円 × 0.1172 = 約117.2万円

毎年117.2万円ずつ取り崩せる計算です。

練習問題

Fさんは、800万円の貯蓄を年利2%で運用しながら、5年間で使い切りたいと考えています。
資本回収係数(年利2%、5年)を0.21216とした場合、毎年いくら取り崩せるでしょうか?

解答の流れ:

1) 資本回収係数を使った基本式
毎年取り崩せる額=今の元本×資本回収係数

2) 数値を代入
毎年取り崩せる額=800万円×0.21216

3) 計算
毎年取り崩せる額=約169.7万円

解答: 約169万7,000円ずつ取り崩せます。

ポイント
・元本を複利運用しながら、決めた期間で使い切るための計算
・住宅ローンの返済額を求める問題でも資本回収係数が活躍

6. 減債基金係数

どんな場面?
将来の目標金額を達成するため、毎年いくら積み立てればいいかを知りたいときに使います。

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  • 「20年後に1,000万円を貯めたいから、毎年どのくらい貯金すればいい?」
  • 「目標額を設定して、そこに向けたコツコツ積立プランを立てたい!」

活用例

  • 住宅ローン返済資金: 将来一括返済を目指す場合、毎年いくら積み立てると一括返済できるか
  • 老後資金の準備: 「退職までに○万円用意したい」など、目標達成のために必要な年ごとの貯蓄額

ポイント

  • 将来の目標額毎年いくら積み立て
  • 目標金額を逆算して、そのための積立計画を具体的に立てるのに便利
  • 期間が長いほど毎年の負担を抑えられる。早めのスタートがカギ

基本的な仕組み

減債基金係数では、目標金額毎年の積立額を次の式で結びつけます。

目標金額 × 減債基金係数 = 毎年の積立額

たとえば、20年後に1,000万円を貯めたいと考え、年利5%で運用すると仮定すると、減債基金係数は約0.0303です。すると、

1,000万円 × 0.0303 = 30.3万円

毎年30.3万円を積み立てれば、20年後に1,000万円を目指せます。

練習問題

Aさんは、10年後に子どもの教育資金として500万円を準備したいと考えています。
運用利率を年3%と仮定した場合、減債基金係数(年利3%、10年)を0.08587とします。
毎年いくら積み立てれば500万円を達成できるでしょうか?

解答の流れ:

1) 減債基金係数を使った基本式
毎年の積立額=目標金額×減債基金係数

2) 数値を代入
毎年の積立額=500万円×0.08587

3) 計算
毎年の積立額=約42万9,350円

解答: 毎年42万9,350円積み立てる必要があります。

ポイント
・将来の目標額を「逆算」して、今いくら積み立てるかを導き出す
・試験でも多用されるので、減債基金係数はしっかり押さえよう

まとめ:6つの係数を使い分けよう!

いかがでしたか?FP試験の6つの係数は、「お金の動き」を計算するための便利ツールです。
慣れてしまえば、どれもシンプルな仕組みなので、「いつ(今 or 将来)」「積立 or 取り崩し」「一括 or 毎年」といったお金の動きをイメージしながら使い分けると混乱しにくくなります。

試験ではこれらの係数が与えられる問題が頻出です。今回の解説と練習問題を参考に、しっかり理解&計算練習をして、FP3級合格を勝ち取りましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたの学習を応援しています!

参考リンク

  • 日本FP協会公式サイト
    www.jafp.or.jp
    ファイナンシャルプランニングの普及啓発、資格認定試験(AFP・CFP)に関する情報を提供。試験制度や学習ガイドも掲載されています12。
  • FPSB(Financial Planning Standards Board)公式サイト
    fpsb.org/member/japan-association-for-financial-planners-jafp
    CFP資格の国際的な認定機関であり、日本FP協会がメンバーとして活動。資格の国際的な意義や基準について記載されています。
  • フォーサイト(FP試験対策サイト)
    www.foresight.jp/fp/column/coefficient
    FP試験対策に特化した学習コンテンツを提供。「6つの係数」の覚え方や練習問題が掲載されており、受験者向けに実用的6。
  • MONO Investment(投資のコンシェルジュ)
    www.invest-concierge.com/posts/sinking-fund-factor-guide
    減債基金係数を中心とした資産形成や積立計画に関する解説記事。初心者向けにわかりやすく説明されている4。
  • ライフプランニング関連情報サイト
    www.hide-seikatu.jp/17048488801634
    「6つの係数」全般について具体例を交えながら解説。資本回収係数や年金現価係数など、FP試験で頻出のテーマについて詳しく記載5。

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