ドル円相場におけるトレード戦略をまとめ、週足から15分足まで多角的な相場分析を行います。さらに、週末に発表されたファンダメンタルズ(ニュース・経済指標)とあわせて、ショート戦略・逆張りのロング戦略など具体的な売買シナリオを提示します。
- 下落局面が本格化してきたドル円相場をどう攻めるか、週足や日足などマルチタイムフレームでわかりやすく整理。
- ニュース一覧・予定イベントから短期的に注目すべき地合いを把握し、デイトレ〜数日のスイングに役立つポイントを解説。
- 「具体的な損切りライン・利確ラインは?」「どのレートでエントリー?」といった疑問をシナリオ別に詳述。
- 読後に「今日のドル円相場で必要な情報」がわかり、今すぐ役立つFXトレード戦略を組み立てられるようサポート。
Contents
今日の結論・注目ポイント
- 週足をはじめ、ドル円は各時間軸で明確な下降トレンドに入っている可能性が高い。
- 心理的節目150円割れの可否が、さらなる大幅下落へ進むかどうかを左右しやすい。
- ショートが本命シナリオだが、小幅な戻り局面での逆張りロング(短期デイトレ)も考えられる。ただし上位足の下落優位を踏まえて、慎重に。
- 週明けから米国が休場(2/17)となることや、米ロ・欧州関連の地政学リスクニュースなども控え、流動性・突発報道に注意。
- 日本時間8:50発表の10-12月GDPやその他指標にも警戒。結果次第で一時的な乱高下が考えられる。
ファンダメンタルズ分析(最新ニュース・経済指標・注目イベント)
<ウクライナ情勢と欧米の動き>
- ウクライナ紛争が長期化し、欧州連合(EU)は防衛支出やウクライナ支援を強化。トランプ米大統領がプーチン露大統領とウクライナ終結交渉を進めているとの報道もあり、17日の週に米ロ高官がサウジアラビアで会合を行うとのこと。
- マクロン仏大統領は17日にパリで緊急会議を開き、ウクライナ・欧州の安全保障全般を議論予定。もし大きな合意・決裂など突発的なヘッドラインが出れば、市場は大きく反応する可能性あり。
<トランプ米大統領の関税政策>
- 鉄鋼とアルミへの25%関税、および相互関税の導入に前向きな姿勢を表明。世界的な貿易戦争懸念が高まりやすい要因として、市場のリスク認識が変化しやすい。
- ただし過去のニュースでは「すぐ発動」とはいえ除外措置などの交渉余地も残されており、不透明さが強い。株式市場は織り込んだように見えるが、ヘッドライン次第で為替相場のドル買い/円買い方向に大きく振れ得る点に注意。
<日本のGDP・日銀金融政策>
- 2月17日(月)8:50に10-12月期 GDP速報値(前期比 +0.3% 予想、年率換算 +1.0〜+1.2% 予想)が発表。市場予想を大幅に上回れば「景気底堅い→円買い」の可能性もあるが、逆に下回ると「景気後退懸念→円売り」という反応が想定される。
- 最近の日銀は利上げの検討こそ囁かれるものの、まだ継続的に緩和的スタンスを維持しているとの見方が主流。とはいえ春闘賃上げ動向などで市場が一気に利上げ期待を高めるリスクも否定できず、要注意。
<米国市場は祝日・カナダも休場>
- 2月17日は米国が休場(プレジデンツデー)、カナダも休場。よってロンドン時間以降は流動性がやや低下する恐れがあり、突発ニュースや大口オーダーによる急変動にも注意が必要。
テクニカル分析(週足・日足・4時間足・1時間足・15分足)

◆ 週足:
- 先週は大きめの上ヒゲを伴う陽線で確定。ただし上位足で200MAやダウ理論を完全に下抜けしたわけではないものの、ローソク足の形状から下への圧力が強いと認識。
- 20MAが水平化し、これまでの大幅な上昇トレンドが失速している。心理的節目150円を下ブレイクすれば、さらに148.615あたりまで下値を探りやすい。
◆ 日足:
- 20MAと200MAをいずれも下にブレイクし、前週木曜には20MA、金曜には200MAと、連続して上値を抑えられる形で終わった。
- 一旦は日足レベルで150円をターゲットに売り目線が強まっている状況。150円をしっかり割れた場合、その下の148.615まで視野に入る。
◆ 4時間足:
- ダウ理論的にも、綺麗に下降トレンドの波形が形成されつつある。安値を更新しながら戻りも弱く、MA同士の収束が起こりやすい局面。
- 153.3円近辺に強めのレジスタンス帯があるため、いったん戻りが入れば、そこから再び下方向へのエントリーを狙いたい場面。
◆ 1時間足:
- 週末の下落から一服し、やや小幅レンジで推移しつつある。MA(20MA・80MA)の収束が近づくと、再度大きく動きやすい。
- 152.30円付近でダブルボトム気味の形が見られるが、上位足は明確な下落圧力があるため、安易なロングは注意。むしろショート方向の戻り売りをメインに考えたい。
◆ 15分足:
- より短期のプライスアクションを見ると、152.4〜152.5円付近でのレジスタンスが意識されている様子。
- 直近で20MAと80MAが収束・デッドクロスするタイミングで大きく下落に向かうパターンが多いため、15分足での動きと上位足の方向が合致した時のショートエントリーが有効になりそう。
今日の売買シナリオ(ショート/ロングの具体策)
<ショート シナリオ1:1時間足ベース>

- MA収束後に、ダブルトップ・三尊などの形状を確認してショートエントリーを検討。
- 損切りラインは、直近戻り高値(例:153.00円付近)よりやや上、もしくは現在目安としている153.3円近辺を明確に上抜ける水準。
- 利確ターゲットはまず151円近辺。ここで半分利確し、さらにブレイクした場合は150円まで伸ばせる可能性。
<ショート シナリオ2:15分足ベース>

- さらに下位足でタイミングを細かく図りたい場合。20MAと80MAが収束し始めた局面で、レジスタンスで反発したタイミングを狙う。
- 具体的には152.4〜152.5円近辺のレジスタンスで跳ね返され、ローソク足が陰転したあたりでショートが有効。
- 利確ターゲットは1時間足と同じく151円付近(途中、151.6円前後に抵抗帯があり得るので、ここで一部利食いも検討)。
<ロング シナリオ1:15分足の短期逆張り>

- 上位足の流れに逆行するため、あくまで「戻りを狙う」短期デイトレ想定。過度な粘りは禁物。
- 20MAと80MAがいったんゴールデンクロスする、もしくは152.3円付近から152.4円付近でダブルボトムを形成するなど一時的に反発したポイントでエントリー。
- ターゲットは152.8円近辺や4時間足の重要水平線である153円付近。途中で伸び悩むようなら早めに手仕舞いが賢明。
- 損切りは152.4円下抜け(具体的には152.30円をしっかり割れ)で撤退など、リスク管理を徹底する。
※上記ロングシナリオは、全体の下降トレンドに対して逆張りとなるので要注意です。「短期調整を狙ったトレード」に留め、深追いは避ける方が無難でしょう。
その他注目:ポンドドルの4時間足
- 個人的にポンドドルの4時間足でエリオット波動が綺麗に形成されそうな点が気になる。安値を固めたらエントリーを狙いたい。
- クロス円や他通貨ペアも視野に入れつつ、今のドル円の下げ相場で入りづらい場合はポンドドルなど別の通貨にチャンスを見いだすのも一策。
リスク管理・注意点
- 地政学リスク:欧州がウクライナ支援策強化へ動く中、米露間の合意やサウジでの会合がどう進むか。突発的なニュースが出れば急激なリスクオン・リスクオフが進み、ドル円が乱高下する恐れがあります。
- 政治リスク:トランプ大統領による通商政策(相互関税)の具体化など。日本の自動車への関税議論が再燃すれば、円売り・ドル買い圧力が高まるかもしれません。
- 米国祝日による流動性低下:2月17日(月)は米・カナダ市場が休場のため、欧州時間後半から大口注文で動きやすい。スプレッド拡大や急騰急落に注意が必要。
- 日本のGDP速報値:前期比+0.3%(年率+1.0%)前後が市場予想。乖離が大きければ一時的に円買い/円売りへ大きく振れるシナリオあり。
- 損切りルールの徹底:下降トレンドの中での戻りを売る際、「思っていた以上に上へ戻る」こともあるので、しっかり損切りラインを設定してください。特に短期逆張りロングの場合は小さなリスクで狙う意識が大切です。
まとめ(全体の見通しと明日以降のポイント)
- ドル円相場は週足レベルからも下落方向のシナリオが強く、150円割れを突破するかが今週~来週にかけた最大の焦点となりそうです。
- 短期では152.4円付近を明確に上抜けない限り、デイトレ〜スイングで戻り売り(ショート)が有力。同時に米国祝日明けの流れにも注目する必要あり。
- ロングシナリオは確かにあるものの、上位足は強い下目線が優勢。大きく伸ばさず、短期決済を前提に立ち回る方がリスク管理的に安心です。
- 明日以降も地政学ニュース(米露、欧州首脳会談など)や政治リスク(トランプ政権の関税措置など)の不確定要素が残り、乱高下が起こりやすい点に留意してください。
繰り返しになりますが、今の相場は下落トレンドが明確に形成されているため、基本はショートフォローが有利と考えられます。自分の得意な時間軸・リスク許容度にあわせてエントリーポイントを厳選し、無理のないポジション管理を意識してください。
編集後記
トレードを行う際、どうしてもファンダメンタルズに偏ってしまったり、テクニカル分析やチャート分析に偏ってしまうところがあります。しかし、実際の取引現場では、誰かが買えば、同時に誰かが売っているのです。つまり、あなたがを売った場合、誰かが買っているということになります。そして、あなたが売るというのは、下がると考えていることであり、逆に買った人は、上がると考えているわけです。
単純に言えば、トレードとはどちらが賢いかの力比べでもあります。チャートの形状や価格ばかりに気を取られてしまいがちですが、取引の向こう側には必ず人がいることを意識しておきましょう。そして、自分の反対取引をしている相手が、今どのような状況でどのような心理状態にあるのかを考えるようにしましょう。これを実践するだけで、勝率はかなり上がってきます。
本記事は情報提供を目的としたもので、売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。