2025年2月14日のドル円相場について「相場の環境認識」と「今日の具体的な戦略」を中心に解説いたします。読了後には、
- 今日の必要な情報を一通りキャッチアップできる
- すぐに実践できるトレードアイデアが得られる
- 今後数日~2週間ほどのスイング視点にも役立つ
この3つがしっかりと身につくように、できるだけわかりやすく丁寧にまとめました。ぜひ最後までお付き合いください。
Contents
1. 直近の相場概観(ファンダメンタルズ)
米国の金融政策
- FRB(米連邦準備制度理事会)は、ディスインフレの進展が鈍化するなら追加利上げも辞さない姿勢
⇒ インフレ指標(CPI・PPI)が予想を上回る結果となったことで、早期利下げ観測が後退しやすい地合い。ドル買いが進みやすい。 - 米雇用統計や新規失業保険申請件数も堅調
⇒ 労働市場が底堅いと見なされれば、追加的な利上げ・金利据え置きの可能性が高まり、ドル高要因が継続。
地政学リスク・政治要因
- トランプ前米大統領が「相互関税」を示唆し、通商代表部(USTR)に検討を指示
- 貿易摩擦への懸念が高まる可能性
- 日本が対象となるか否かで、円安要因にも円高要因にも触れやすい点に注意。
- ウクライナ情勢
- トランプ氏がプーチン大統領と和平交渉を進めると報道されたが、ウクライナのゼレンスキー大統領は“ロシア側を信用できない”と発言。交渉の行方は不透明。
- リスクオフ(有事の円買い)が再燃すれば、いったん円高要因にもなりうる。
- 日経平均や他通貨との連動性
- 日経平均は決算シーズンを絡めてやや方向感が乏しい展開。仮に上値が重ければ、投資家がリスクオフムードを強め、円買いが進むことも。
まとめ(ファンダメンタルズ面でのドル円のポイント)
- FRBの姿勢はまだ引き締め寄り → ドル買い要因
- ただし地政学リスク(ウクライナや関税リスク)が急上昇すれば、安全資産として円が買われやすい
- 「ドル高 vs. 円買い」という構図で、短期的にややもみ合いも視野
2. テクニカル分析:週足・日足・4時間足・1時間足をチェック
ここからはチャートを意識したテクニカル視点の環境認識です。トレンドフォロワーの方にとって、まず「いま上昇トレンドなのか?下降トレンドなのか?」を明確にするのが大事ですね。

週足の状況
- 今週のローソク足は「上ヒゲのピンバー」を形成しそう
- 20週移動平均線(MA)は依然として上向きだが、実体部分が小さくヒゲが長いのは上値の重さを示唆
- 過去に何度もサポート・レジスタンスとして機能してきた153円~154円台あたりで、やや抑えられている印象
日足の状況
- 20日移動平均線で何度か抑えられている
- 一時は200日移動平均線を割り込んで、本格的な下降局面に入ったかのように見える
- 直近高値から急落した後、今は少し戻りを試している段階か。
- 下落トレンドが継続すると考えるなら、戻り売りが狙える場面。
4時間足の状況
- 上値はトレンドラインで綺麗に抑えられ、下降のチャネルを形成中
- 直近では一直線の下落があったため、押し目形成(戻り)を待つのがセオリー
- 4時間足20MAと200MA(もしくは80MA)などがレジスタンスになりやすく、そこまで引き付けてからショートを検討するのが王道か
1時間足の状況
- ここ数日は、152.90付近が直近の安値と意識されがち
- 急落の後で、短い時間足を見るとMA同士がデッドクロスし始めている → 戻り売りのタイミングを待ちたい
- 小さなダブルボトムやダブルトップなど、直近のプライスアクションを追いかけると有効
3. 今日の戦略(ショート・ロングそれぞれの場合)
ここでは「トレンドフォロワーとして、デイトレ~約2週間のスイング視点」でどう臨むかを具体的に記します。大きな流れとしては“下降トレンドが始まった”という認識をベースに、ショートシナリオをメインに考えています。
ショート戦略

- 大枠の考え方:戻り売りが基本
- 1時間足・4時間足で、20MAと80MA(または200MA)などがしっかりデッドクロス継続中か確認
- 直近安値(152.90円付近)を一度下抜けた後、リバウンド(戻り)が入るタイミングを待つ
- レジスタンス帯としては、153.50円~154.00円付近、またはMA近辺を想定
- そこへ近づいたところで売りサイン(ローソク足のプライスアクション、ピンバー、陰線包み足など)を確認し、ショート
- 損切りライン(ストップロス)
- 戻りを待って上昇後、前回高値を超えるようならロスカット
- スイングならやや余裕を持たせつつ、直近レジスタンスラインの上(154.30円~154.50円あたり)に設定するケースが多い
- 利確目標の例
- 152.00円台前半や、その下151.00円台前半をターゲットに、1:2以上のリスクリワードを狙う
- 下落トレンドが続く可能性が高ければ、一部ポジションは利確、残りを伸ばす
ロング戦略

「いや、下げ止まりを狙ってロングしたい」という方向けのシナリオも考えてみましょう。特にトレンドフォロワーが“完全に上昇転換した”と判断するには、日足レベルで目立つ高値を超える必要があります。ただし、短期の戻りを抜くデイトレ狙いならシナリオが立つ場面もあるでしょう。
- ロングの条件
- 152.90円付近でダブルボトムを形成し、強めの陽線でネックラインを突破
- 1時間足20MAが80MAをゴールデンクロスするような形状
- 154円以上を目安に、日足20MAを突破してくる展開なら短期ロングも一考(ただし、やや逆張り気味)
- 注意点
- 上位足は下降トレンド気味 → ロングはあくまで短期決済が原則
- 200日移動平均線や日足20MAが下向きなので、上値では再度売り圧力が強くなるリスク
4. 重要ニュースと地政学的リスク
ここ数日の注目ニュースをピックアップしながら、なぜドル円がこういった動きになりうるか整理します。
- 相互関税の行方
- トランプ前大統領が各国へ追加的な関税を検討するよう指示
- 特に日本がターゲットになる場合、貿易立国である日本経済の先行き懸念 → 円安要因
- しかし米国経済への影響も無視できず、長期的にはドル安要因になる可能性も
- ウクライナ情勢
- “トランプとプーチンの和平交渉”報道がありつつも、ゼレンスキー大統領は拒否反応
- リスクオフに傾けば円買い(円高)しやすい状況は依然として残る
- FOMC議事録公表や今後のFOMC開催(3月18~19日)
- 米金融政策の方向感が再び注目され、もし“追加利上げ”の可能性が示唆されればドル買い要因
- 逆に、景気後退リスクが急速に織り込まれ始めれば円買いにも注意
5. まとめとリスク管理のポイント
最後に、今日~数日間のまとめと、実際にトレードするときのリスク管理上のポイントを改めて整理します。
- 大枠の流れ:下降トレンドに移行した可能性大
- 日足・週足レベルで下向きになり始めている
- 戻り売りがメインシナリオ
- ショート(戻り売り)戦略が優位性高いか
- 153.50~154.00円付近への戻りがあれば、プライスアクション確認のうえショート
- 損切りは直近高値の上
- 利益目標は152円前半や151円台を分割利確で狙う
- ロングを狙うなら短期決戦
- ダブルボトムやネックラインブレイクなど、短期足の明確な転換を待つ
- 日足20MAが上から被さる形なので、伸びしろは限定的と想定し、深追いしない
- ファンダメンタルズ面での注意
- FRBの追加利上げ観測 → ドル高
- ウクライナ情勢やトランプ政権の相互関税 → 円高リスク(リスクオフ)
- 米国経済指標(CPIやPPI、雇用関連、住宅関連など)で上下に振れやすい
- 地政学イベントに警戒
- 交渉や協議が決裂、もしくは合意に至るなど、突発的なニュースで相場が急変する可能性
- リスク管理
- 損切りを置かずに“いつか戻る”と放置しない
- 1ポジションに資金を入れすぎない
- 自分のシナリオが崩れたら撤退
- リスクリワード1:2以上を狙うか、もしくは段階的利確も考慮
最後に
以上が、本日のドル円相場における環境認識と戦略でした。まとめると、
- 「下降トレンド入りの可能性が高い。戻り売り(ショート)が主力」
- 「ロングは短期トレードに留め、深追いはしない」
これらを念頭に置いて、“押し目”や“戻り”といったタイミングを慎重に待ちながら、トレードチャンスを狙うのがおすすめです。特に、日足や4時間足レベルでしっかりとしたレジスタンスが確認できるポイントに注目すると、エントリー精度が高まるでしょう。
また、ドル円以外にも、相場によっては日経平均や他のクロス円、あるいは他通貨ペアで明確なトレンドが出ている場合もあります。あまりドル円に固執せず「最も取りやすい相場」を探すという柔軟な発想も大切です。
本記事が皆さんのトレードに少しでもお役に立てれば幸いです。なお、相場に絶対はありませんので、投資の最終的な決定はご自身の判断で行ってください。リスク管理と資金管理を徹底し、無理のない範囲でトレードを楽しみましょう。
それでは、皆さんに素晴らしいトレードチャンスが訪れますように。
今日も良い1日、そして充実したトレードを!
(投資における最終判断はご自身の責任でお願いいたします。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・通貨ペアの売買を推奨するものではありません。)