本日は「ドル円相場の環境認識とトレード戦略」について詳しく解説します。トレンドフォロワーである皆さんが、今日の値動きでどのようにポジションを取り、どこで利益を狙い、どのように損失を限定するか――そのヒントを余すところなくお伝えすることが本記事のミッションです。
以下、重要なファンダメンタルズやテクニカルのポイントをわかりやすく整理しながら、箇条書きなども活用しつつまとめました。デイトレードからスイングトレード(1日~2週間程度)を行う方々にとって、今日の相場で勝つために必要な情報をすべて盛り込みますので、最後までぜひお読みください。
Contents
1.今日押さえておきたいドル円の背景ファンダメンタルズ
- 米国FRB議長パウエル氏の議会証言(本日24:00頃)
「追加利下げに急ぐ必要はない」という見解を再度示唆しており、金融政策の変更に慎重な姿勢が続いています。インフレ指標の動向を見極めつつ、当面は辛抱強く様子をみる姿勢を強調する可能性が高いです。市場は議長発言の“タカ派・ハト派度合い”を注視しており、ドル円にも短期的な変動リスクが高まります。 - 米CPI(22:30発表)
本日の最大注目指標です。特にコアCPI(食品とエネルギーを除く物価指数)の数値が高ければ、FRBの引き締め方針が維持されやすくなり、ドル買い優勢→ドル円上昇の要因となる可能性があります。一方、CPIが低ければ利上げ休止観測が強まり、ドル売り→ドル円下落方向に進みやすい点は要警戒です。 - 地政学リスク:新関税やEUの報復姿勢
トランプ大統領(当時)の署名した鉄鋼・アルミへの25%関税を受けてEUが報復を示唆している、というニュースが再燃しています。世界的な貿易摩擦への懸念が拡大すれば、一時的にリスク回避の円買いが起きやすいです。ただし同時に、米国が通商で強硬策を取るなら米ドルの需要が高まる場面もあり、相場には複雑な影響を及ぼしかねません。 - 日本の金融政策(植田総裁・氷見野副総裁)への思惑
日銀は今後も緩和政策を継続すると見られていますが、「もし利上げに踏み切れば円買い・ドル売りが進む」という可能性が常に頭に入れておくべきリスク要因です。目先ではすぐに動きがある公算は低いものの、「YCC(イールドカーブ・コントロール)修正や追加利上げの有無」にマーケットは常に神経質です。
2.ドル円テクニカル環境認識
![](https://shyakariki.com/wp-content/uploads/2025/02/スクリーンショット-2025-02-12-8.58.36.png)
◎ 週足
- 週足20MA(移動平均線)がやや上向きに転じつつあるものの、ローソク足自体はまだ20MAの下で頭を抑えられています。
- これまでの上昇トレンドに対して一服感が強まり、やや重たさが漂っている状況。長期目線では引き続き“下方向への圧力”が意識されやすいです。
◎ 日足
- 明らかな下降トレンド形成中。9月頃からの下げが一段落しているものの、現状は200MA・20MAに挟まれた形になりつつあるため、やや価格が突っかえている印象です。
- 153.5円付近に重要な抵抗帯(レジスタンスゾーン)があり、ここを超えられるかどうかが上値目線を持てるかの分岐点になりそうです。逆に、この付近で大きく上値を押さえられれば、再度下落トレンドが加速する懸念が強まります。
◎ 4時間足
- 4時間足でもダウントレンドが続いています。これまで下値を切り下げてきた流れが明確で、直近ではMA(20MAと80MAあたり)が収束し始めている段階。
- 153円手前で上値を叩かれる形が続くなら、折り返し下落の可能性をシナリオに入れたいところです。ただし、4時間足クラスで「一旦の戻りを狙う買い勢力」もまだ活発なため、買いの継続と売りの逆張りがぶつかる“次の動き”を注視します。
◎ 1時間足・15分足
- 1時間足では一時的なゴールデンクロスが出現中。つまり、短期的には上昇の勢いが感じられるシーンですが、より上位足(日足・4時間足)がまだ下降傾向であることを踏まえると、これを本格的な上昇転換と見るにはやや慎重になる必要があります。
- 15分足を見ると、152.5近辺の押し目候補、153円近辺のレジスタンス候補が明確。短期的にはここを活かしたトレードシナリオが考えやすそうです。
3.今日の主な売買戦略シナリオ
以下では、デイトレ~スイングトレードの目線で「ショート優位」「ロングもあり得るサブシナリオ」を整理します。ご自身のトレードスタイルに合わせて参考にしてください。
★ メインシナリオ:ショート(戻り売り)
![](https://shyakariki.com/wp-content/uploads/2025/02/スクリーンショット-2025-02-12-9.08.20.png)
- 大枠の根拠
- 日足・4時間足が依然として下降トレンドを維持中。
- 153~153.5円付近には強めのレジスタンス帯と200MA・複数MAが控えているため、上抜けには相応のパワーが必要。
- ファンダメンタルズ面でも、もし米CPIが予想を下回るなどでドル売りが進めば、ドル円は再度下落トレンドを形成しやすい。
- ショートの具体的エントリー例
- ① 153円前後での失速確認
- 1時間足あるいは15分足で、153円を明確に突破できずに反落する動き(ダブルトップや下降フラッグ崩れ)を確認したらショート。
- 損切りは153.3円~153.5円付近(レジスタンス上抜けで撤退)を基準に置く。
- ② 150.976円の下抜け・レジサポ転換
- 1月末~2月上旬で意識された安値150.976を明確に下抜けた場合、戻り売りを狙う形。
- ダブルトップのネックライン割れ+1時間足での下目線MAクロスなどをトリガーにすると精度が上がりやすい。
- ① 153円前後での失速確認
- ターゲット・利確目安
- まず150.5円や150.0円など、キリ番付近での買い圧力に注意。
- 大きく崩れれば149円台も視野に入るが、米指標やパウエル議長発言次第で急反発する可能性もあるため、リスクリワードをしっかり検討してください。
★ ロングシナリオ(サブ的想定)
短期的に強い米インフレ指標やパウエル議長のタカ派発言が出ればドル買いが急増し、一時的にドル円が上振れするパターンも想定できます。こうした場合は、サポートライン付近で押し目買いを狙う戦略が考えられます。
- ロングの根拠
- 1時間足や15分足では短期MAがゴールデンクロス形成中で、戻し局面が続く可能性。
- 152.5円付近に短期的な押し目買い候補があり、サポートラインとして意識されやすい。
- ロングの具体的エントリー例
- ターゲット・利確目安
- 153円~153.2円付近、さらに上では153.5円付近までを短期の利確ターゲットと想定。
- 日足・4時間足ともに強い下降トレンドの中での押し目買いとなるため、引き際を明確にして臨むのが大切です。
4.本日の重要経済指標・イベントスケジュール
- 08:50(日本)
1月マネーストックM2(前年同月比)
⇒ 日本の流動性指標。通常は大きく相場を動かしにくいですが、円の需給把握には一応チェックを。 - 21:00(米国)
MBA住宅ローン申請指数(前週比)
⇒ 住宅ローン申請件数の動向で米景気の一端を測る材料。大幅な変化があると為替にも波及しやすい。 - 22:30(米国)★最重要
1月消費者物価指数(CPI)・コアCPI
⇒ 前月比/前年同月比ともに大注目。インフレ鈍化が続くかどうかでドルが大きく動く。 - 24:00(米国)★★★
パウエルFRB議長の発言
⇒ 「急いで金融政策を動かす必要はない」という趣旨を維持か、あるいはインフレ警戒を再強調するかに注目。 - 28:00(米国)
1月月次財政収支
⇒ 需給面でドル売り買いの材料となる可能性はありますが、CPI・パウエル議長発言の余波のほうが大きいでしょう。
5.今日のポイントまとめとアドバイス
- 基本スタンス:まだ下降トレンドが強い
日足・4時間足ともに明らかなダウントレンドを形成中。戻り売りをメインと考えるのが自然です。153円台~153.5円あたりのレジスタンスをしっかり突破するまでは、大きく上伸する確度は低そうです。 - CPIとパウエル発言が最大リスクイベント
今日(2月12日)は米CPI発表とパウエル議長の発言が重なる“ビッグイベント日”。一時的なスパイク(急上昇・急下落)を想定し、指標発表前後はスプレッド拡大や約定リスクに注意を。- トレードに参加するなら、発表直前にポジションを持ち越すリスクをどれくらい取るかを検討する。
- 指標後の値動きを見てからエントリーしても十分間に合います。無理に飛び乗る必要はありません。
- スイング目線:153.5突破までは戻り売り継続視
日足レベルの大きなレジスタンスゾーンを超えない限り、基本はショートが優位。特に150.976円を割ってくれば下降加速の可能性が高まりやすいシナリオです。 - 逆張りロングは短期狙い
153円超えが明確になる、あるいは152.5円で反発が明確に見られる場合などは短期ロングも有効。ただし、デイトレ~数日程度のスタンスと割り切るほうが安全です。すぐ上に日足・4時間足の強力なレジスタンス帯が控えている点を忘れずに。 - リスク管理の徹底
重要指標発表日・要人発言が絡む日は思わぬ急変動が起きがちです。損切りを入れたうえで、過度なレバレッジは避けることが大切です。
6.まとめ:勝つために必要なこと
ドル円は、やや戻しを入れてきてはいるものの、大局的には下降トレンドの真っ最中です。今日の米CPIとパウエル議長発言を経て、再度下方向へ向かう可能性と、短期的な上ブレイクが起こる可能性の両方を意識しながら臨む必要があります。
- メイン戦略
戻り売り(ショート)を狙う:153円付近まで上昇→失速サインを確認して売り、あるいは150.976割れで売り増し、が最も自然。 - サブ戦略
短期ロング:152.5円や152.8円近辺での押し目反発を小さく拾い、153円~153.2円、上手くいけば153.5円付近を目標にする。ただし長居は禁物、という意識。 - ニュースの追随
・パウエル議長が「利下げに焦る必要はない」と発言している一方、タカ派的なニュアンスが出ればドル買いが進みやすい。
・EUの報復関税検討やウクライナ問題などの地政学リスクも、急に市場心理を変動させる可能性あり。
・米CPIの結果次第で“インフレ警戒→FRB継続利上げ観測”が強まればドル高バイアスが強まりやすい。
これらを踏まえて、無理なく上位足の流れに追随していきましょう。特に本日のようにビッグイベントが重なる日は、短時間で相場が激しく動き、その後に落ち着きを取り戻すケースがよくあります。発表直後の乱高下に振り回されずに、「方向感がはっきり見えたところ」でトレードするのも重要なポイントです。
以上が、2025年2月12日のドル円相場環境認識と今日のトレード戦略です。
本記事が、デイトレ~スイングトレードで成功を収めるためのヒントになれば幸いです。皆さんのトレードがより良い結果に結びつくことを願っています。くれぐれもリスク管理を怠らず、状況が変われば機敏に対応しながら、本日も良いトレードをしていきましょう。
それでは、健闘を祈ります!