本日はドル円相場にフォーカスし、大きな下落トレンドが形成されつつある中で、どのように立ち回るべきかを解説します。私自身はデイトレードからスイングトレード(約2週間ほど)までを主な時間軸とするトレンドフォロワーです。
大きな流れに乗りたい一方、移動平均線の乖離などを考えると、エントリーのタイミングには注意が必要になります。以下では、週足・日足・4時間足などのテクニカル分析や、ファンダメンタルズ(経済指標、要人発言、金融政策)の観点から整理し、本日の相場戦略をまとめています。
Contents
本日の相場環境認識
大枠の流れとしては下落トレンドが鮮明化しており、すでに200MAを大きく割り込むなど、テクニカル面で売り優勢の状況にあります。直近の節目である150円の攻防が焦点となり、このラインを明確に下抜けするならば、次のターゲットとして149円付近までの下落が意識されます。
一方、移動平均線が大きく乖離しているタイミングで、飛び乗りのショートをするのはリスクが高い局面ともいえます。実際、4時間足を見ると20MAと80MAが離れており、戻りを待ったほうがリスクリワードは向上するでしょう。
週足・日足のポイント
– 週足:20MAを明確に割り込み、大きな陰線が連発しているため、中期的な下落圧力が強まっています。終値の位置次第では、来週以降も下落トレンド継続が示唆される状況です。
– 日足:200MAを割り込み、下降トレンドが加速。節目の150円を割ってくれば、149円を次のターゲットとしたさらなる下げの可能性が高まるでしょう。
4時間足のポイント
– きれいな下降トレンド:ローソク足が下向きに並び、移動平均線も下方向を向いています。
– 移動平均線の乖離:MA同士の距離が広いので、今すぐ飛び乗ると一時的な戻しに巻き込まれるリスク大。
– 狙うべき戻り:153円台や154円付近に強いレジスタンス帯があるため、このあたりまで引き付けてからのショートが堅実と考えられます。
ファンダメンタルズと注目材料
ドル円の下落要因が強まっている背景には、各国の金融政策や経済指標、要人発言など複数の材料が絡んでいます。特に米国の雇用指標や日銀のスタンス変化が大きく影響しそうです。
1. 経済指標
– 米国新規失業保険申請件数:市場予想を上回り、労働市場の緩みを示唆。ドル買いの勢いを削ぐ可能性が浮上しています。
– 非農業部門労働生産性・単位労働コスト:生産性の伸びが鈍化し、労働コストの上昇が見られました。インフレ圧力につながるデータとしてFRBの金融政策に影響を与えそうです。
– 今夜の米雇用統計:結果が大きくブレれば、一気に相場が動くリスク要因。雇用指標が悪化すればドル売り・円買いが進みやすく、ドル円の下値が加速する可能性があります。
2. 金融政策
– イングランド銀行(BOE):先日の利下げでハト派スタンスが鮮明に。英ポンドだけでなく、世界的な金融政策見直しの流れに影響を与えています。
– 米FRB:直近は据え置きも、インフレデータ次第では追加利上げを検討する余地あり。ドル買いに転じるかは指標次第です。
– 日本銀行(BOJ):内部で将来的な利上げを示唆する発言も出始めています。もし日本の金利が上昇すれば円高につながりやすく、ドル円の下落トレンドを助長する可能性があります。
3. 要人発言
– 日銀審議委員:短期金利を引き上げる可能性を示唆。
– 日本の財務相:依然としてデフレ脱却には至っていないが、物価上昇を注視すると表明。
– 米財務長官:FRBによる利下げ要求には慎重な姿勢。エネルギーやインフラ関連でインフレ圧力をコントロールしていくスタンスを示唆。
テクニカル分析のまとめ
テクニカル面では、週足・日足ともに強めの下降トレンドが形成されており、すでに200MAを割り込んでいるため売り目線が有利と考えられます。ただし、4時間足以下の足では移動平均線が大きく乖離しており、勢いがつきすぎた状態です。
このような場面でショートを仕掛ける場合は「戻り売り」が定石です。直近では153.30円や154円付近が意識されるレジスタンス帯なので、そこまで価格が戻ってきたタイミングを待ってからショートを検討すると、損切りラインを引きやすくなります。
今日の戦略
1. 基本スタンス:ショート優勢
すでに下降トレンドに入っているため、大きな流れはショートがメイン。ただし、どこでも入っていいわけではなく、戻りを待ってからの参入がベターです。
2. エントリータイミング
– 移動平均線が収束してきたり、4時間足や1時間足ベースでレジスタンス帯に価格が接近してからエントリー。
– 指標や要人発言による急上昇を待って、そこを天井にショートするのも一つの考え方です。
3. 利確と損切り
– 大きく狙うなら149円近辺までの続落が見込めるシナリオ。
– しかし、予期せぬ戻りに備えて、直近高値を損切りラインに設定するなど、必ず明確なリスク管理をしましょう。
4. 本日は様子見も選択肢
– 重要指標(米雇用統計)が控えており、乱高下リスクが高い日です。
– 無理に入るより、次の戻り局面や指標後の落ち着きを待つほうが、トレンドフォロワーとしては合理的です。
リスク管理
1. ポジションサイズの調整
指標発表で突然相場が振れる可能性が高いため、通常よりも小さなポジションサイズに留めるのが無難です。
2. 損切りラインの明確化
どんなに強いトレンドでも、逆行する場合はあります。あらかじめ損切りを設定しておき、資金を守りましょう。
3. ノーポジの勇気
相場は休むも相場。もし形が整わない、あるいは自分のルールに合わないと思ったら、トレードしない決断も重要です。
まとめ
ドル円は下落トレンドが顕著で、今後さらなる値幅を狙える可能性があります。ただし、すでに大きく動いた後の飛び乗りショートは戻りに巻き込まれる恐れが大きい点に注意が必要です。大きく稼ぐチャンスでもある一方、急反発のリスクも織り込んで、慎重なエントリーと厳格なリスク管理を徹底しましょう。
大きなポイントは「タイミングを焦らない」ことです。トレンドフォロワーとしては、しっかり戻りを待ち、レジスタンス帯を背にしたショート戦略が王道です。本日の重要指標や要人発言のスケジュールを頭に入れつつ、慌てずマーケットを見定めてください。
相場はいつでもチャンスが巡ってきます。高勝率で取れる場面に絞り、リスクをコントロールしながらトレードすることが、長期的な成功のカギです。ぜひ、本日のポイントを参考にして、良いトレードをなさってください。皆さんの勝利を心より願っています。