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1月29日(水)ドル円相場の「下目線」継続か、それとも一転上昇か?―最新テクニカル分析と今日の戦略

昨日のドル円は上昇に転じる時間帯があったものの、156円付近で再び頭を抑えられ、大きく値を下げる展開が見られました。日足の20MA(移動平均線)や156.6円近辺の抵抗帯が意識されていることから、引き続き「下方向」への警戒が優勢との見方が多いようです。

本記事では「環境認識」の詳しい記述は省略し、以下に示す2つのシナリオのうち“メインシナリオ(ショート)”を中心に、どのようにトレードに活かすかを解説します。あわせて、重要ニュースやトレーダーとしての心構えも整理しますので、デイトレからスイング(約2週間)を視野に入れる方はぜひ参考にしてください。


1.メインシナリオ(ショート狙い)

メインショート
まずは、一旦しっかり4時間足も20MAと1時間足の20MAがデッドクロスするのを確認したいところ。そのうえで、再度MAやトレンドラインなどが収束して反転したタイミングを狙います。具体的には、ちょうど154.8円近辺に過去からの抵抗値があるので、ここでダブルトップなどのチャートパターンを形成し始めたら、ネックラインを割ったタイミングでショートエントリーを検討。その際の損切りラインは、ダブルトップ天井付近の高値を上抜けた場合など、“自分が描いたシナリオから外れる動き”をしたところに設定します。

上記が基本のショートシナリオですが、どの時間軸でも下落の勢いが強まるタイミングを丁寧に狙うことがポイントです。具体的なトレード例を挙げながら注意点を見ていきましょう。

● 1. シナリオ前の「仕込み準備」

  • エントリーポイントを絞る
    • 154.8円付近のダブルトップや小さな戻り天井など、“下げ始め”の形ができるまで待つ。
    • 値動きが加速する「ネック割れ」や「前回安値割れ」の瞬間を待つなど、形が明確になってから短期足でエントリーするのも有効です。
  • 損切りラインを明確に
    • “予想と反する動き”になったら、すぐに撤退できるようシナリオ内で損切り位置を先に決める。
    • 「いったんブレイクアウトした直近高値」の少し上に置くなど、リスクをコントロールしやすい形を作る。

● 2. ポジション保有中の管理

  • 部分利確の活用
    • 相場が大きく下げる可能性がある一方、想定外の急な戻しで含み益を失うこともあり得ます。
    • 下方向へのボラティリティ(変動幅)が出たら、利確を2~3回に分けるなどしてリスクを分散しましょう。
  • 時間軸の使い分け
    • デイトレードなら1時間足や15分足、スイングなら4時間足や日足をメインに検討。
    • フラクタルに価格は動くため、複数の時間足を確認し、同じ方向感であれば自信を持ってホールドしやすくなります。

● 3. 「想定外の上昇」時の対応

  • ロスカットを淡々と実行
    • ドル円が予期せぬ上昇を見せ、メインシナリオが崩れたときは「損切りライン到達=即撤退」を徹底。
    • 感情に流されずに一貫した行動を取ることが、長期的に利益を残す鍵です。
  • 新たなチャンスを再検討
    • シナリオ崩れ=終了ではなく、「次のシナリオ」を組み立て直す。
    • 相場状況が再度下落方向に向かう兆候が見えれば、改めてショートを試すのも選択肢。

2.サブシナリオ(ロング狙い)

サブロング
まずはしっかりと上値に存在している抵抗帯を全てブレイクする必要があります。具体的には、4時間足トレンドライン、1時間足20MAの日足20MA、さらには156.6円近辺の抵抗帯。このあたりを明確に上抜けたのち、156.6円付近でしっかり安値を固めてからロングエントリーを検討。損切りラインは、156.6円を再度下割れしてしまうような想定外の動きが出たとき。

もしドル円が意外な強さを見せ、抵抗帯を次々と突破してくる場合は、サブシナリオの出番です。ポイントは「抜けたかどうか曖昧な状態」で飛び乗らず、156.6円など“過去のレジスタンスが今度はサポートとして機能する”のを確認してからエントリーを仕掛けること。こうすることで押し目買いの形が明確になり、失敗時の損切りラインも設定しやすくなります。


3.最近の主なニューストピック

  • AI関連株が急落傾向
    • 中国発のAI企業「DeepSeek」が高性能モデルを開発したとの報道が、エヌビディアをはじめ米国ハイテク株の調整を誘発。
    • “AIバブル”とも呼ばれる過度な買いが巻き戻される可能性があり、リスクオフで円買いが強まる展開には要注意。
  • メタ・マイクロソフトの巨額AI投資
    • メタは650億ドル、マイクロソフトは800億ドル規模の投資計画。
    • ただし、巨額投資がすぐに利益へ結びつくかは不透明で、短期的には株価に波乱をもたらす要因となりうる。
  • 米金融政策の行方
    • FRBがインフレ動向を注視しながらもタカ派を維持するのか、あるいは利下げ観測が再燃するのか、今後の重要イベント(FOMC議事録や雇用統計など)に注目。
    • 一方で日本銀行の政策次第では、円高への圧力が強まる場面も想定される。

これらのニュースはドル円相場に大きな影響を与える可能性があり、特にアメリカの金利や株式市場の動きが急変すると、ドルが売られやすい・買われやすい場面が発生します。トレードの際には必ずチェックしておきましょう。


4.シナリオトレードで失敗を減らすためのポイント

  • (1) シナリオ通りならエントリー、違えばノートレード
    • 「描いていない値動き」に飛びついて痛い目を見るケースは多いもの。
    • 事前に決めたメイン&サブのパターン以外は原則スルーし、無駄なトレードを減らす。
  • (2) 損切りラインを決めたら守る
    • 損切りが嫌だからとラインをズラしてしまうと被害が拡大する一方。
    • トレーダーが唯一コントロールできるのは損失額だけです。
  • (3) ファンダメンタルズは補完的に使う
    • 経済指標やニュースで突発的な動きが出るケースはありますが、あくまでテクニカルの形と併せて判断を。
    • ファンダ要因がテクニカルの方向感を後押しするならエントリー精度が上がります。
  • (4) ロット管理と複数回の利確
    • 短期スイングでも大きなボラティリティがあり得るため、最初からフルポジションを取らない、複数に分けて利確するなど柔軟に対応。
    • 過度なレバレッジは避け、資金管理を徹底しましょう。

5.まとめ:メインは下目線、でもブレイクには柔軟に備える

  • メイン:ショートシナリオ
    • 154.8円付近のダブルトップ形成やネックライン割れを狙う。
    • 損切りは“想定と異なる上昇”で高値を超えたあたりに設定し、安全策を講じる。
  • サブ:ロングシナリオ
    • 4時間足トレンドラインや156.6円付近の抵抗帯を明確に突破したのち、安値固めを確認してから押し目買いへ。
    • 損切りは再度156.6円を割り込む動きが出たときに徹底。
  • 相場は常に変化する
    • 一度決めたシナリオに固執せず、状況が変わったら柔軟にアップデートを。
    • 特に米国株や金利、AI関連などのニュース次第でドル円が上下に大きく振られる可能性がある点に注意。

最後に、トレードで最も大切なのは「ルールを守る自制心」と「損切りラインを曲げない姿勢」です。描いたシナリオ通りに動く相場は意外と少なく、むしろシナリオを崩してくることのほうが日常茶飯事。しかし、だからこそシナリオ外での“無理なトレード”を控え、リスクを管理し続けることで、トータルで利益を残せるトレードを実践できます。

本日のポイントは「ショートの引き付け方」と「急なブレイクに対するロングへの切り替え方」。ぜひ参考にしていただき、あなたのトレードの成功につなげていただければ幸いです。明日以降も大きな変動が予想されますが、勝ちに結びつく行動を積み重ねていきましょう。ご武運をお祈りいたします!