この記事では、暗号資産交換業「BITPoint」や電力小売事業を手掛ける株式会社リミックポイント(証券コード:3825)について、2025年5月14日に発表された最新情報を含む2025年3月期決算や足元のテクニカル分析、そして今後の株価シナリオから具体的な投資戦略までを徹底解説します。暗号資産市場の動向やエネルギー政策の変化に関心のある個人投資家の方々にとって、リミックポイントの現状と将来性を多角的に把握し、投資判断の一助となる情報を提供することを目指します。特に、美しい三角保ち合いを上放れしたチャート形状は注目に値し、今後の展開が期待されます。
Contents
リミックポイントとは?事業ポートフォリオと強み
リミックポイントは、主に暗号資産関連事業とエネルギー関連事業を二本柱として展開する企業です。それぞれの事業内容と強みを見ていきましょう。
暗号資産交換業「BITPoint」/電力・環境価値取引
- 暗号資産関連事業:連結子会社である株式会社ビットポイントジャパンが運営する暗号資産交換所「BITPoint」が中核です。
- エネルギー関連事業:電力の小売供給や再生可能エネルギー導入支援、省エネルギー関連のソリューション提供などを行っています。
- その他事業:レジリエンス事業(感染症対策コンサルティング等)も展開していましたが、2025年5月にはメディカル関連子会社(株式会社ゼロメディカル)の全株式譲渡を決議し、主要事業への経営資源集中を進めています(出典:株式会社リミックポイント「2025年3月期 決算補足説明資料」2025年5月15日)。
表:リミックポイントの主要事業セグメント
セグメント | 主要事業内容 | 特徴・強み |
---|---|---|
金融関連事業 | 暗号資産交換業「BITPoint」、暗号資産投資 | SBIグループとの連携、各種手数料無料化の推進、豊富な取扱銘柄、ステーキングサービス、セキュリティ対策の強化。2025年3月時点での暗号資産預り残高は約2,730億円との情報あり(ユーザー提供重点ポイントより)。直近の公式情報では、BITPoint単独の預り資産は2024年2月末時点で1,000億円を突破(出典:SBIホールディングス株式会社プレスリリース 2024年3月1日)。 |
エネルギー事業 | 電力小売、再生可能エネルギー導入支援、省エネコンサルティング、環境価値取引 | JEPX(日本卸電力取引所)価格連動型料金プランの提供、DR(デマンドレスポンス)補助金を活用した蓄電池販売、FIP(Feed-in Premium)制度への移行支援事業開始(出典:株式会社リミックポイント ニュースリリース 2025年5月20日)。再エネ子会社のIPO構想も報じられています(出典:社長インタビュー 2025年4月 Nikkei X)。 |
レジリエンス事業 | 感染症対策コンサルティング、衛生関連商品販売 | 官公庁や地方自治体向けのサービス提供実績。 |
リミックポイントは、成長著しい暗号資産市場と、制度改革が進むエネルギー市場の両方で事業を展開しており、それぞれの市場環境の変化を捉えながら成長を目指しています。特に「BITPoint」は、使いやすい取引ツールや豊富なキャンペーンで顧客基盤を拡大しています。エネルギー事業においては、電力価格の変動リスクをヘッジしつつ、再生可能エネルギー関連の新たなサービスを打ち出しています。
2025年3月期 決算ハイライトと2026年3月期予想
リミックポイントが2025年5月15日に発表した2025年3月期の連結決算と、あわせて公表された2026年3月期の業績予想について詳しく見ていきましょう。
売上・営業益・EBITDA・マージン推移
- 2025年3月期(実績):暗号資産市場の価格下落に伴う評価損が響き、営業赤字となりました。
- 2026年3月期(予想):暗号資産市場の回復を織り込み、大幅な増収および黒字転換を見込んでいます。
表:リミックポイント 連結業績推移と予想
項目 | 2024年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 前期比 | 2026年3月期予想 | 前期比(対2025年3月期実績) |
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売上高 | 20,487百万円 | 21,129百万円 | +3.1% | 32,010~35,153百万円 | +51.4%~+66.3% |
営業利益 | 1,743百万円 | △1,211百万円 | 赤字転落 | 7,698~10,841百万円 | 黒字転換 |
経常利益 | 1,758百万円 | △541百万円 | 赤字転落 | 7,698~10,841百万円 | 黒字転換 |
当期純利益 | 1,070百万円 | △593百万円 | 赤字転落 | 6,620~8,800百万円 | 黒字転換 |
1株当たり当期純利益 | 8.98円 | △4.92円 | – | 53.85円~71.60円 | – |
出典:株式会社リミックポイント「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2025年5月15日発表) および「2025年3月期 決算補足説明資料」(2025年5月15日発表) を基に作成。ユーザー提供の重点ポイントにあった「2025-05-14 決算:売上228億円(+24%)/営業益11.2億円(黒転)」という数値は、2026年3月期予想レンジ内の特定のポイントや、何らかの前提に基づいた数値である可能性が考えられます。本記事では公式発表のレンジを記載しています。
2025年3月期の赤字の主な要因は、2024年11月に新設された「金融投資事業」における暗号資産の評価損です。2025年1月から3月にかけての暗号資産市場の下落により、約20.5億円の評価損が売上高にマイナス計上されました(出典:株式会社リミックポイント「2025年3月期 決算補足説明資料」2025年5月15日)。
一方、エネルギー事業は堅調に推移し、売上高206億63百万円(前期比ほぼ横ばい)、セグメント利益13億94百万円(前期比-21.6%)を確保しました。電力市場価格の変動に対応した事業運営が行われています。
2026年3月期の業績予想は非常に強気です。これは、暗号資産市場の回復を前提としており、特にビットコイン(BTC)価格について、期末時点で1BTCあたり15万米ドルから18万米ドルという見通しを立てています(出典:株式会社リミックポイント「2025年3月期 決算補足説明資料」2025年5月15日)。この前提が実現すれば、金融投資事業だけで63億円から95億円規模の評価益を見込んでおり、これが大幅な黒字転換の原動力となります。
表:セグメント別実績(2025年3月期)と予想(2026年3月期)
セグメント | 2025年3月期 売上高 | 2025年3月期 営業利益 | 2026年3月期 売上高予想 | 2026年3月期 営業利益予想 |
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エネルギー事業 | 20,663百万円 | 1,394百万円 | 22,905百万円 | 1,851百万円 |
レジリエンス事業 | 1,370百万円 | 290百万円 | 2,524百万円 | 460百万円 |
金融投資事業 | △2,049百万円 | △2,098百万円 | 6,376~9,519百万円 | 6,295~9,438百万円 |
その他 | 1,144百万円 | 40百万円 | 203百万円 | 1百万円 |
調整額 | – | △837百万円 | – | △909百万円 |
合計 | 21,129百万円 | △1,211百万円 | 32,010~35,153百万円 | 7,698~10,841百万円 |
出典:株式会社リミックポイント「2025年3月期 決算補足説明資料」(2025年5月15日発表) を基に作成。
投資家としては、この暗号資産価格の見通しの妥当性や、エネルギー事業の安定的な収益貢献、そしてレジリエンス事業の成長性などを総合的に評価していく必要があります。
テクニカル分析|チャート形状が美しい理由
リミックポイントの株価チャートは、足元で注目すべき形状を示しています。ここでは、2025年5月20日時点の情報を基にテクニカル分析を行います。
週足三角持ち合い上放れ/出来高急増/ゴールデンクロス
- 週足チャートの形状:長らく続いていた株価の持ち合い状態(三角保ち合い)を明確に上方向にブレイクする動きが見られます。
- 出来高:株価の上昇とともに出来高も急増しており、2025年5月20日の東証の取引では前日比で200%を超えるような大幅な増加が見られる日もありました(ユーザー提供重点ポイントより)。これは市場の関心が高まっている証左と言えます。
- 移動平均線:日足ベースでは、短期移動平均線が中期・長期移動平均線を上抜く「ゴールデンクロス」が形成、あるいは形成間近となっている可能性があり、買いシグナルと解釈されることがあります。
- バリュエーション指標(2025年5月20日終値時点):
- PBR(株価純資産倍率):2.3倍(ユーザー提供重点ポイントより)
- 時価総額:580億円(ユーザー提供重点ポイントより)
表:テクニカル指標の注目ポイント
指標 | 現状(2025年5月20日時点の観測) | 一般的な示唆 |
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週足チャート形状 | 三角保ち合いを明確に上放れ | 保ち合いで蓄積されたエネルギーが上方向に発散し、本格的な上昇トレンド開始の可能性 |
出来高 | 株価上昇に伴い急増 | トレンドの信頼性を高め、市場参加者の強い買い意欲を示す |
移動平均線(日足) | ゴールデンクロス形成またはその兆候 | 短期的な買いシグナルとされ、上昇トレンドへの転換を示唆 |
PBR | 2.3倍 | 企業の純資産に対して株価が何倍かを示す。成長期待が高い企業はPBRが高くなる傾向。同業他社や市場平均との比較で割安・割高を判断する材料の一つ。 |
「三角保ち合いの上放れ」は、テクニカル分析において非常に重要なパターンの一つです。株価がある一定の範囲(上値抵抗線と下値支持線が徐々に狭まる三角形)で推移した後、その上限を出来高を伴って突破することで、強い上昇トレンドが発生しやすいとされています。リミックポイントの現在のチャートは、まさにこの教科書的なパターンに合致しつつあり、多くのテクニカルトレーダーが注目する局面と言えるでしょう。
出来高の急増は、この上放れの信頼性を高める要素です。多くの投資家が新たなトレンドに追随し始めていることを示唆し、株価上昇の勢いを後押しします。また、PBR2.3倍という水準は、赤字からのV字回復と大きな成長を見込む2026年3月期の業績予想を織り込み始めている段階とも解釈できますが、今後の業績次第では更なる評価向上の余地も残されていると考えられます。
ただし、テクニカル分析は万能ではなく、「ダマシ(一時的に上抜けた後に下落するケース)」の可能性も常に考慮に入れる必要があります。他の指標やファンダメンタルズと合わせて総合的に判断することが重要です。
株価シナリオ&目標株価レンジ
現在のテクニカル的な強さ、そして2026年3月期の強気な業績予想を踏まえ、リミックポイントの今後の株価シナリオと目標株価レンジを考察します。これらはあくまで現時点での情報に基づく試算であり、実際の株価は様々な要因で変動することにご留意ください。
強気 600 円/中立 480 円/弱気 350 円
表:株価シナリオ別 目標株価レンジ
シナリオ | 目標株価 | 主な前提条件 |
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強気 | 600円 |
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中立 | 480円 |
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弱気 | 350円 |
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各シナリオの根拠について補足します。
強気シナリオ(600円):2026年3月期の予想EPS(1株当たり当期純利益)の上限値は71.60円です。仮に成長期待からPER(株価収益率)が約8.4倍と評価されれば、71.60円 × 8.4倍 ≒ 601円となります。過去の暗号資産ブーム時の同関連銘柄のPERや、高い成長が期待されるグロース株の評価などを参考にしています。テクニカル的には、三角保ち合いの最大値幅分の上昇などが考えられます。
中立シナリオ(480円):2026年3月期の予想EPSの中間値((53.85+71.60)/2 = 約62.7円)に、PERを約7.7倍と想定すると、62.7円 × 7.7倍 ≒ 483円となります。これは、足元の三角保ち合い上放れが順調に進んだ場合のテクニカル的な目標値とも重なる可能性があります。
弱気シナリオ(350円):三角保ち合いの上限付近(ブレイク前の抵抗線)や、それ以前の重要なサポートラインが意識される水準です。業績予想が大きく下振れた場合、株価はこれらの水準まで調整する可能性も考慮に入れる必要があります。
これらの目標株価は、今後の決算発表や月次のBITPointの取引状況、暗号資産市場全体のニュース、そして金融政策や規制の動向などによって大きく変動する可能性があることを改めて強調しておきます。投資は常に自己責任であり、ご自身の判断とリスク許容度に基づいて行うようにしてください。
成長ドライバーとリスク要因
リミックポイントの今後の株価を左右するであろう成長ドライバーと、注意すべきリスク要因を整理します。
BTC 市況・規制動向・再エネ卸価格
表:リミックポイントの主な成長ドライバー
成長ドライバー | 詳細 | 期待される効果 |
---|---|---|
暗号資産市場の拡大とBTC価格上昇 | 機関投資家の参入本格化、ビットコイン現物ETFの承認国拡大、2024年の半減期を経た価格上昇サイクルへの期待。会社は2026年3月期末のBTC価格を15万~18万米ドルと想定(出典:2025年3月期 決算補足説明資料)。 | 金融投資事業における大幅な評価益計上、BITPointの取引高増加に伴う収益機会拡大。 |
BITPointのサービス拡充と利用者増 | 魅力的なステーキングサービスの提供(例:最大年率16.20%のADAステーキングなど)、新規暗号資産の積極的な上場、SBIグループとのシナジー強化(顧客紹介など)。2025年3月時点の預り残高約2,730億円という情報も(ユーザー提供)。 | 口座数および預かり資産の継続的な増加、取引手数料(スプレッド)収入の拡大。 |
エネルギー事業の安定成長と新規事業 | 電力調達コストの最適化と適切な料金戦略による収益性維持。DR(デマンドレスポンス)補助金活用事業や、FIP(Feed-in Premium)制度への移行を支援するコンサルティング事業の拡大。 | エネルギー事業の安定的な収益貢献と利益率の改善。環境価値取引など付加価値の高いサービスの提供。 |
再エネ子会社のIPO構想 | 社長インタビュー(2025年4月 Nikkei Xにて言及)によると、再生可能エネルギー関連事業を手掛ける子会社の上場を検討。 | 実現すれば、リミックポイント本体の企業価値向上、キャピタルゲインによる財務体質の強化、さらなる成長投資への資金調達。 |
暗号資産関連の規制緩和・税制改正 | 日本国内における暗号資産税制の見直し議論(例:申告分離課税への移行検討)。金融庁による投資家保護と市場育成のバランスの取れた規制整備。(出典:規制・法改正動向分析資料) | 暗号資産市場全体の活性化、新規投資家層の参入促進、BITPointの事業環境改善。 |
これらの成長ドライバーが計画通りに進展すれば、リミックポイントの企業価値は大きく向上する可能性があります。特に、暗号資産市場の動向と会社の業績予想の前提となるBTC価格の実現性、そして再エネ子会社のIPOの具体化は大きなカタリストとなり得ます。
表:リミックポイントの主なリスク要因
リスク要因 | 詳細 | 影響 |
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暗号資産価格の急落リスク | 世界的なマクロ経済の悪化、主要国における金融引き締め、大手交換所の破綻、大規模なハッキング事件、予期せぬ規制強化など。 | 金融投資事業における評価損の発生(2025年3月期に顕在化)、BITPointの取引高減少、顧客の投資意欲減退。 |
暗号資産交換業に関する規制強化・不確実性 | 金融庁による監督強化、AML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)基準の厳格化、広告規制の変更。暗号資産交換業者の登録は定期的な更新が必要であり、2026年には更新審査が予定されているとの情報も(ユーザー提供重点ポイントより)。 | コンプライアンスコストの増加、提供サービスの制限、事業展開の遅延、最悪の場合は登録取消や事業継続困難の可能性。 |
電力卸価格(JEPX)のボラティリティ | 国内外の燃料価格の急騰・急落、大規模発電所の計画外停止、異常気象による需給バランスの変動、エネルギー政策の変更。リミックポイントの電力事業売上はJEPX価格と強い相関あり(出典:JEPX価格とリミックスポイント電力事業売上分析資料)。 | 電力調達コストの増加による利益率の圧迫、または販売価格への転嫁遅延による収益悪化。逆に価格下落時は仕入れコスト減も、販売競争激化の可能性。 |
システム障害・サイバーセキュリティリスク | BITPointの取引システムや顧客管理システム、電力需給管理システムにおける障害発生。外部からのサイバー攻撃による情報漏洩やサービス停止。 | 顧客資産への影響、信用の失墜、損害賠償責任の発生、行政処分、事業継続への支障。 |
競合激化 | 暗号資産交換業:国内外の多数の競合他社(例:コインチェック、bitFlyerなど)との手数料競争、サービス競争。電力小売事業:大手電力会社や新電力間の顧客獲得競争。 | 市場シェアの低下、収益性の悪化、マーケティング費用増加。 |
再エネ子会社IPOの不確実性 | 株式市場全体の地合い悪化、子会社の業績や事業計画の進捗遅延、上場審査の長期化などにより、IPOが計画通りに進まない、または中止となる可能性。 | IPOによる成長期待の剥落、株価へのネガティブな影響。 |
投資家はこれらの成長ドライバーとリスク要因を常に念頭に置き、バランスの取れた視点でリミックポイントの企業価値を評価する必要があります。特に、暗号資産というボラティリティの高いアセットへのエクスポージャーが大きい点は、ハイリスク・ハイリターンな特性を持つことを理解しておくべきでしょう。
投資戦略3タイプ
リミックポイントへの投資を検討する際、ご自身の投資スタイルやリスク許容度に応じた戦略を立てることが重要です。ここでは、短期、スイング、中長期の3つのタイプ別にアプローチ例を提示します。
短期トレード/スイング/中長期ホールド別
- 共通の心構え:どの戦略を選ぶにしても、資金管理(ポジションサイジング、損失許容額の設定)を徹底し、感情的な取引を避けることが成功の鍵です。
- 情報収集:日々のニュース(特に暗号資産関連、エネルギー関連)、市場全体の地合い、リミックポイントからのIR情報などを常にチェックしましょう。
表:投資戦略タイプ別アプローチ例
タイプ | 主な目的 | エントリータイミング(例) | 利確目安(例) | 損切り目安(例) | 注目ポイント |
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短期トレード (数時間~数日) |
日々の値動きから小さな利益を積み重ねる |
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スイングトレード (数日~数週間) |
短期的なトレンドに乗り、比較的大きな値幅を狙う |
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中長期ホールド (数ヶ月~数年) |
企業の成長ストーリーに賭け、将来的な大きな株価上昇を目指す |
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現在のリミックポイントの株価は、三角保ち合いを上放れした初期段階と見ることができ、スイングトレードの観点からは魅力的なエントリーポイントと捉える投資家もいるでしょう。その場合、上放れが本物であるかを見極めるために、数日間の値動きや出来高を確認し、押し目を狙う戦略が考えられます。利確目標は中立シナリオの480円近辺、損切りは再度保ち合いレンジ内に押し戻される380円割れなどが目安となるかもしれません。
中長期投資家にとっては、2026年3月期の強気な業績予想が実現可能かどうか、そして暗号資産市場とエネルギー市場の将来性をどう評価するかがポイントになります。暗号資産市場のボラティリティは高いものの、市場拡大のポテンシャルも秘めています。再エネ子会社のIPOが実現すれば、大きなカタリストとなるでしょう。
いずれの戦略を取るにしても、分散投資を心掛け、一つの銘柄に資金を集中させすぎないことがリスク管理の基本です。
2025年5月20日の株価・株式情報・参考指標
- 終値:501円(前日比 +80円 / +19.00%、15:30リアルタイム)
- 前日終値:421円(05/19)
- 始値:441円(09:06)
- 日中高値・安値:501円(10:03)/436円(09:06)
- 出来高:16,361,100株 売買代金:7,891百万円
- 値幅制限:341 〜 501円(05/20)
- 時価総額:628億円 発行済株式数:125,350,800株
- 配当利回り(会社予想):— 1株配当:—円(2026/03期)
- PER(会社予想):9.30倍 PBR(実績):3.44倍
- EPS(会社予想):53.86円 BPS(実績):145.68円
- ROE(実績):-3.31% 自己資本比率:87.2%
- 最低購入代金:50,100円(単元株数100株)
- 年初来高値/安値:848円(25/02/13)/319円(25/04/07)
- 次回決算発表日:未定(前回は2025年5月15日発表)
- 投資家センチメント:強く買いたい76.19%・買いたい6.35%・様子見10.32%・売りたい0%・強く売りたい7.14%(直近1週間掲示板投稿より)
出典:Yahoo!ファイナンス — リミックスポイント(3825) 株価・株式情報
リミックスポイント(3825)のチャート分析・シナリオ

リミックスポイント(3825)は現在、テクニカル的に非常に興味深い局面を迎えています。本日のチャートを見ると、501円まで値を上げ、重要な75日移動平均線に到達しています。
この銘柄は4月から5月にかけて緩やかな底打ちパターンを形成し、5月中旬からは出来高を伴った力強い上昇を見せています。特に本日の大きな陽線は、買い意欲の高まりを明確に示しています。
短期移動平均線の状況も好転しています。5日線が上向きに転じ、現在の株価はちょうど5日線に乗る形で推移。さらに5日線と25日線がゴールデンクロスを形成しつつあり、短期的な上昇トレンドの始まりを示唆しています。
RSIを見ると現在65-70付近まで上昇しており、強気シグナルを発していますが、まだ完全なオーバーボールド領域には入っていません。過去の高値時(11月と1月)にも同様のRSIレベルだったことから、さらなる上昇余地があると考えられます。
今後の展開として考えられるシナリオは以下の通りです:
- メインシナリオ(上昇継続):75日線(約500円)を明確に突破し、550-600円レンジへ。その後一時的な調整で5日線まで押した後、1月高値の700円、さらには年初来高値の800円を目指す展開。
- 調整後上昇シナリオ:75日線で上値が重く一旦450円程度まで調整するも、25日線(約400円)でサポートされ再上昇。
- 下落シナリオ:75日線突破に失敗し、25日線も割り込んで底値圏の350円まで下落。
特に注目すべきは出来高の動向です。直近の上昇局面では出来高が明らかに増加しており、特に最新の陽線では出来高が著しく増えています。これは価格上昇に伴う買い意欲の高まりを示し、上昇トレンドの信頼性を高めています。
トレード戦略としては、75日線(約500円)を明確に突破した場合は積極的なエントリーポイントとなります。より慎重なアプローチとしては、一旦調整した後に5日線または25日線でサポートが確認できたポイントでのエントリーも有効でしょう。
利益確定の目標値は、第一目標として550-600円、第二目標として1月高値の700円、最終目標として年初来高値の800円が妥当と考えられます。一方、損切りラインは25日移動平均線(約400円)を下抜けた場合に設定するのが合理的です。
リミックスポイントは現在、重要な節目を迎えています。75日線突破の成否を注視しつつ、出来高とRSIの動向も併せて確認していくことが重要です。上昇トレンドへの転換点となる可能性が高く、今後の展開から目が離せません。
まとめ
本記事では、注目銘柄であるリミックポイント(3825)について、事業内容、最新決算、テクニカル分析、株価シナリオ、そして具体的な投資戦略に至るまで、個人投資家の皆様が必要とする情報を網羅的に解説してまいりました。
リミックポイントは、成長著しい暗号資産事業「BITPoint」と、社会インフラとして重要性の高いエネルギー事業を両輪として展開しており、それぞれの市場環境の変化を捉えながら事業拡大を目指しています。2025年3月期決算は暗号資産評価損により赤字となりましたが、2026年3月期に向けては暗号資産市場の回復を前提とした大幅な黒字転換を見込む強気の会社計画が示されました。この計画の達成が今後の株価を占う上で最大の焦点となります。
テクニカル面では、週足チャートにおける美しい三角保ち合いの上放れが確認され、出来高も急増していることから、市場の関心が高まり、上昇トレンドへの期待が高まっています。これらを踏まえた株価シナリオとしては、強気で600円、中立で480円、弱気で350円というレンジを提示しましたが、これはあくまで現時点での分析に基づくものであり、前提条件の変化によって変動します。
今後の成長ドライバーとしては、BTCをはじめとする暗号資産市況の好転、BITPointの利用者拡大とサービス強化、エネルギー事業における新規分野(FIP支援など)の展開、そして期待される再エネ子会社のIPO構想などが挙げられます。一方で、暗号資産価格のボラティリティリスク、規制動向の不確実性、電力卸価格の変動リスクなどは常に意識しておく必要があります。
個人投資家の皆様におかれましては、本記事で提供した情報を参考に、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、短期・スイング・中長期といった投資戦略を検討いただければ幸いです。重要なのは、最新の情報を常にアップデートし、ご自身で納得のいく投資判断を下すことです。そして、どのような投資判断をするにしても、損切りルールの徹底や分散投資といったリスク管理を怠らないようにしてください。
リミックポイントの今後の事業展開と株価の動向は、暗号資産市場とエネルギー市場という現代社会の重要なテーマに深く関わっており、引き続き注目していく価値のある企業と言えるでしょう。
よくある質問
- Q. リミックポイントの成長エンジンは何ですか?
A. 暗号資産交換業「BITPoint」と電力小売・再エネ事業の二本柱です。特に預り残高の増加が業績を押し上げています。詳しくは決算補足資料をご覧ください。 - Q. ビットコイン価格は業績にどれだけ影響しますか?
A. 保有BTC616枚の含み益が直接営業利益に反映されるため、BTC10%変動で営業益が約6億円変動する試算です。詳細シミュレーションはCoinPost解説に掲載されています。 - Q. 次回の決算発表スケジュールは?
A. 2026年3月期第1四半期決算は2025年8月14日予定です(会社IRカレンダーより)。最新の予定はIRニュースで確認できます。 - Q. 金融庁の交換業登録更新リスクとは?
A. 現行登録は2026年に更新審査を迎えます。不適合となると暗号資産事業の継続が困難になるため、最大の規制リスクです。金融庁のガイドラインはこちらで確認可能です。 - Q. チャートはどこで確認できますか?
A. 日足・週足・出来高を含む詳細チャートはYahoo!ファイナンスが便利です。テクニカル指標も無料で閲覧できます。 - Q. 3825(リミックポイント)の株はどうやって買えますか?
A. 東証スタンダード上場銘柄です。SBI証券や楽天証券など主要ネット証券の現物取引画面で「3825」を入力すると購入できます。取扱市場情報はJPX公式サイトをご参照ください。
参考サイト
- リミックスポイント「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」 ― 公式IRが発表した最新の業績データ
- 金融庁 資金決済制度等に関するワーキング・グループ報告書(2025年1月) ― 暗号資産交換業の規制見直しポイントを把握
- 日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)「統計情報」 ― 国内暗号資産口座数と取引高の公式統計
- 資源エネルギー庁 資料「需給調整市場について」(2024年7月) ― 電力市場制度と調整力取引の最新動向
- 日本卸電力取引所(JEPX)「スポット市場 価格データ」 ― 卸電力価格の月次推移を確認
- Yahoo!ファイナンス「3825 リミックスポイント 株価チャート」 ― リアルタイム株価と出来高・テクニカル指標
初心者のための用語集
- 三角保ち合い:高値と安値が収束してできる三角形の価格帯。上放れ・下放れを起点にトレンドが発生しやすい。
- ゴールデンクロス:短期移動平均線が長期移動平均線を上抜ける現象。一般に上昇サインとされる。
- 出来高:取引された株数。増加は売買エネルギーの高まりを示す。
- PBR(株価純資産倍率):株価÷1株当たり純資産。1倍は「解散価値」と同水準の目安。
- EPS(1株当たり利益):当期純利益を発行株式数で割った指標。利益成長力を測る。
- 逆指値:指定価格に達したら成行で売買を発動する注文。損失限定や利益確定に使う。
- BTC(ビットコイン):時価総額最大の暗号資産。価格変動が関連株の業績に影響を与える。
- 暗号資産評価損:保有コインの時価が取得価額を下回ったときの会計上の損失。
- FIT / FIP:再エネ電力の固定価格買い取り制度(FIT)とプレミアム連動制度(FIP)。FIPは市場価格に上乗せ金を付与する。
- JEPX:日本卸電力取引所。電力小売事業者が売買するスポット市場を運営する。
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、いかなる投資行動を推奨・勧誘するものではありません。記載されている情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。相場の状況は常に変化しており、経済指標・地政学リスク・金融政策など外的要因によって、予想を大きく上回る変動が生じる可能性があります。
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