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今日のドル円相場を読み解き、トレード戦略を練るために
4月4日(金)のドル円相場分析をしていきます。
昨日はトランプ大統領の「相互関税」発表により、ドル円は一時145円台まで急落するという激しい値動きとなりました。
この記事を読むことで、得られるメリット
- 最新のドル円相場状況(ファンダメンタルズ・テクニカル)を完全に把握できる。
- 今日注目すべき経済指標や価格帯が明確になる。
- デイトレードからスイングトレード(~2週間程度)を想定した具体的な売買シナリオ(エントリー、損切り、利確)を知ることができる。
- 急変動相場におけるリスク管理のポイントを学べる。
今日の見通しとしては、依然として円高圧力が強い状況ですが、日本時間夜に発表される米雇用統計を前に、神経質な展開も予想されます。トレード戦略としては、基本的には下落トレンドを意識した戻り売りが中心となりますが、安易な追随売りは避け、重要な節目や指標結果を見極める必要があります。
それでは、早速今日のドル円相場分析とトレード戦略を見ていきましょう。
【結論】今日のドル円(FX)相場 注目ポイント(2025年4月4日)
まず、今日のドル円相場の結論と注目すべきポイントを簡潔にまとめます。
- 全体感: トランプ関税発表を受け、強い円高トレンドが継続中。昨日は一時145円台まで下落。
- 現在のレート付近: 146円台前半で推移(日本時間早朝時点)。昨日の急落からの戻りは限定的。
- 注目イベント: 日本時間 21:30発表の米国雇用統計(失業率、非農業部門雇用者数、平均時給)。結果次第で相場が大きく動く可能性。
- 重要価格帯(サポート): 145.96円(昨日安値)、145.00円(心理的節目)、週足一目均衡表・雲下限(147.67円付近 ※昨日時点の分析)を下抜けたため、次の下値目途を探る展開。146.50円(3月安値)も意識される。
- 重要価格帯(レジスタンス): 146.50円~147.00円付近(戻り売り候補)、147.67円付近(旧サポート、週足雲下限)、4時間足20MA。
- 基本戦略: 戻り売り。ただし、雇用統計前は様子見も有効。安易なショート追随は避ける。
ファンダメンタルズ分析:トランプ関税ショックと雇用統計への警戒
過去24時間のニュースや今後の経済イベントから、ドル円相場の方向性を探ります。
最新ニュース(直近24時間):トランプ関税が市場を揺るがす
- トランプ大統領「相互関税」発表で円急伸(4月3日早朝):内容:基本税率10%、個別税率(日本24%、中国34%、EU20%)を発表。特に日本への税率が市場予想(20%程度)より高かったことがネガティブサプライズに。
影響:リスク回避姿勢が急速に強まり、ドル円は3円以上急落し一時145.96円を記録(約半年ぶりの円高水準)。
出典:楽天証券 、外為どっとコム 、日本テレビNEWS
考察:関税によるインフレ高止まり懸念、米・世界経済の減速懸念、日本の景気後退懸念などが複合的にドル売り・円買いを加速させました。貿易戦争激化への懸念も市場心理を圧迫しています。 - 日経平均株価も大幅反落(4月3日):内容:前日比989円安の34,735円で終了。関税ショックと円高進行が重しに。
出典:Yahoo!ファイナンス/株探
考察:株式市場のリスクオフムードも、円買いを後押しする要因となりました。 - 米経済指標(4月3日夜):内容:2月貿易収支は赤字幅縮小、新規失業保険申請件数は減少したものの、失業保険継続受給者数は増加。
影響:指標発表後もドル円の戻りは鈍く、安値を更新する場面も。
出典:みんかぶFX
考察:強弱入り混じる結果でしたが、市場の関心は既に関税問題と今後の雇用統計に移っており、限定的な反応に留まりました。 - 米ISM非製造業景気指数(4月3日 23:00 JST発表):※執筆時点(4月4日早朝)で結果を確認中です。市場予想を下回る結果となれば、さらなるドル売り圧力となる可能性があります。(検索結果待ち)
【追記】:(ツール検索結果に基づき追記) 4月3日に発表された3月の米ISM非製造業景気指数は[結果を記載]となり、市場予想[予想値を記載]に対して[上回った/下回った/ほぼ一致した]結果でした。この結果を受け、ドル円は[発表後の反応を簡潔に記載]。
今後の注目イベント:最重要は米国雇用統計!
- 本日(4月4日 金曜日)
- 21:30 米国 3月 雇用統計
- 失業率(予想:4.1%、前回:4.1%)
- 非農業部門雇用者数(NFP)(予想:+13.5万人、前回:+15.1万人)
- 平均時給 前月比(予想:+0.3%、前回:+0.3%)
- 平均時給 前年同月比(予想:+4.0%、前回:+4.0%)
- 【最重要】FRBの金融政策判断(利下げ観測)に直結するため、市場の注目度は極めて高いです。特にNFPが予想を大きく下振れる場合、景気減速懸念からドル売り・円買いが加速する可能性があります。逆に予想を上回る強い結果となれば、ドルが買い戻される展開も考えられます。
出典:JTG証券、マネックス証券 - 終日:中国市場 休場(清明節) – アジア時間の流動性低下に注意。
- 21:30 米国 3月 雇用統計
- 明日(4月5日 土曜日)
- 週末のため主要な経済指標発表なし。
ファンダメンタルズ分析まとめ
トランプ関税という新たなリスク要因が加わり、市場はリスク回避的な円高ムードに包まれています。短期的にはこの流れが継続しやすいと考えられますが、本日の米国雇用統計が大きな変動要因となります。予想を下回る弱い結果なら円高加速、予想を上回る強い結果ならドル買い戻しの可能性があり、結果発表前後での値動きには最大限の警戒が必要です。
テクニカル分析:各時間足で下落シグナル点灯、戻りの鈍さも顕著
マルチタイムフレーム分析(MTF分析)で、現在のドル円のテクニカル状況を詳しく見ていきます。
週足

先週までのレンジを下抜け、大陰線を形成中。
20週移動平均線(20MA)が明確に下向きとなり、下落トレンドの勢いを示唆。
過去の安値を結んだサポートラインに接近しており、ここを明確に割り込むと、140円方向(200MA付近)への下落も視野に入る重要な局面。
日足

昨日は約4円幅の大陰線を形成し、149円台から一時145円台まで急落。市場のパニック的な売りを示唆。
20日移動平均線(20MA)、80日移動平均線(80MA)を大きく下抜け、両線とも下向きに転換。強い下落トレンド。
目先のサポートは昨日安値145.96円、その下は心理的節目145.00円。
レジスタンスは、急落前のサポートだった147円台半ば~後半、148円台。
4時間足

急落後、安値圏でのもみ合いが続いていますが、戻りは非常に鈍い状況。
ローソク足は20MAの下で推移し、20MA自体も急角度で下向き。短期的な下落圧力の強さを示しています。
一時的に長い下ヒゲ(ピンバー)が出現する場面もありましたが、反発力は限定的。
ロングを検討するには、最低でも20MAが横ばい~上向きに転じ、ローソク足実体が20MAを明確に上抜けるなどのサインが必要。
1時間足:短期的な戻りを試す動きも見られますが、146円台半ばあたりで上値が重くなっています。
20MAが短期的なレジスタンスとして機能。ここを上抜けても、80MAや147円付近が次の抵抗帯として意識されます。
下値は146円割れを試す展開も想定。
テクニカル分析まとめ
週足から1時間足まで、全ての時間足で下落トレンドが優勢な状況です。特に昨日の急落インパクトは大きく、市場心理は完全に円高に傾いています。戻りがあったとしても限定的で、戻り売り圧力が非常に強い地合いと考えられます。ただし、短期的には売られすぎ感もあり、雇用統計を前に一旦の調整(ショートカバー)が入る可能性もゼロではありません。
今日のドル円(FX)売買シナリオ:なし
今日はシナリオに関してはお休みにします。詳しくは、編集後記にて。
リスク管理・注意点:変動相場を乗り切るために
現在のドル円相場は、ファンダメンタルズ・テクニカル両面で不安定さが増しています。トレードを行う上で、以下のリスク管理と注意点を必ず守ってください。
- 米国雇用統計発表時の急変動リスク:発表時刻(21:30)前後は、ボラティリティ(価格変動率)が極端に高まる可能性があります。
- スプレッド(売値と買値の差)が通常より大きく開いたり、意図した価格で約定しないスリッページが発生しやすくなります。
- 対策:発表前にポジションを決済または縮小する、指値・逆指値注文を入れておく(ただし、スリッページのリスクは残る)、発表直後のトレードは避ける。
- トランプ関税の追加情報・各国の報復措置リスク:トランプ政権からさらなる関税に関する発言や政策発表があった場合、相場が再び急変動する可能性があります。
- 他国(特に中国やEU)が米国に対する報復関税を発表した場合、貿易戦争への懸念からリスクオフが加速する可能性があります。
- 対策:関連ニュースを常にチェックする、突発的なニュースに備えてポジションサイズを調整する。
- 要人発言リスク:FRB(連邦準備制度理事会)や日銀の金融政策当局者、その他主要国の政府・中央銀行関係者の発言によって、相場が動くことがあります。
- 対策:経済指標カレンダーだけでなく、主要な講演や会見の予定も確認しておく。
- ポジションサイズ・ロット管理の徹底:現在の不安定な相場環境では、通常よりもポジションサイズ(取引量)を小さくすることを推奨します。
- 1回のトレードで許容できる損失額(総資金の1~2%など)を事前に決め、それを超えないようにロットを調整してください。
- 損切り(ストップロス)注文の徹底:損切り注文は必ず設定しましょう。感情的な判断で損切りをためらうと、損失が際限なく拡大するリスクがあります。
- エントリーと同時に、損切りラインを決めて注文を入れておく習慣をつけましょう。
リスク管理を怠ると、一度の失敗で大きな損失を被り、市場から退場せざるを得なくなる可能性もあります。常に最悪のケースを想定し、資金を守ることを最優先に考えてください。
まとめ・今後の注目点
本日のドル円相場について、分析と戦略を解説してきました。
- 現状: トランプ関税ショックによる強い円高トレンドが継続中。145円台まで下落後、146円台前半で推移。
- 今日の最重要イベント: 日本時間21:30の米国雇用統計。結果次第でトレンド継続か転換かの分岐点になる可能性。
- 基本戦略: 戻り売り。ただし雇用統計前は様子見も一考。逆張りロングは短期・少量で。
- リスク管理: 雇用統計発表時の急変動、関税関連ニュース、要人発言に注意。ロット管理と損切り徹底が不可欠。
今後の注目点:
- 雇用統計後の値動き: 結果を受けて市場がどう反応し、新たなトレンドが形成されるか。特に145円台を維持できるか、あるいは147円台を回復できるかが焦点。
- 来週以降:関税問題の続報と各国の反応。
- 日米金融政策当局者の発言(特にFRBの利下げスタンス、日銀の追加利上げ観測に関する発言)。
- その他の経済指標や地政学リスクの動向。
市場は常に変化します。今日の分析やシナリオは現時点での見通しであり、実際のトレードでは常に最新情報を確認し、柔軟に対応することが重要です。
免責文
本記事に掲載されている情報は、情報提供のみを目的としたものであり、特定の金融商品の売買や投資を推奨するものではありません。FX(外国為替証拠金取引)を含む金融商品への投資は、元本を失うリスクを伴います。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任と判断において行っていただきますようお願い申し上げます。本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、執筆者および情報提供元は一切の責任を負いません。
参考・出典リンク一覧
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました。
- 楽天証券:ドル/円続落、トランプ関税で一気に147円台まで円高進む
- 外為どっとコム:ドル円、146円台へ下落…トランプ関税による今後の影響は?
- Yahoo!ファイナンス/株探:マ-ケット日報> 2025年4月3日
- みんかぶFX:FX/為替「ドル/円 米相互関税は予想以上 リスク回避の円買いが強まる」
- みんかぶFX:ドル円、安値を145.96レベルに広げる、米貿易収支などの発表後
- 日本テレビNEWS:【速報】円相場が一時1ドル=145円台に トランプ関税で米国経済減速懸念広がる
- JTG証券:経済カレンダー
- マネックス証券:経済指標カレンダー
- JETRO:ビジネス短信(FOMC、トランプ政権関連など) ※複数記事参照
- 日本経済新聞:日銀内田副総裁発言など ※複数記事参照
- ロイター:ドル円相場観測、地政学リスクなど ※複数記事参照
- TBS NEWS DIG Powered by JNN:ウクライナ情勢とドル円
- 日本総研:為替レポート
- 横浜銀行:為替見通し
- みずほリサーチ&テクノロジーズ:内外経済見通し
- ニッセイ基礎研究所:経済・金融市場見通し
- 株探:米ドル/円 時系列データ
- 投資の森:ピボットポイント
- 外為どっとコム:テクニカル分析記事
- OANDA証券:FX初心者向け解説
- 株式マーケットデータ:SQ解説
- SBI FXトレード:テクニカル分析解説
- 楽天証券 トウシル:テクニカル分析解説
- TradingView:チャートアイデア
編集後記
今日はシナリオは控えさせていただきました。
というのも、「落ちるナイフはつかむな」の格言通り、現在は急落相場なので、ここからエントリーをするのは非常に危険です。
ロングで入ってもギャンブルですし、ショートで入ったとしても、このまま反発して一気に担がれる可能性もあります。
スキャルパーでもないですし、我々は機関投資家でもないので、常にポジションを持つ必要もありません。
実は、このように「常にポジションを持つ必要がない」というのが、個人投資家の強みでもあります。
機関投資家は、お客様からお預かりしたお金を運用することが仕事なので、現金比率が大きいということは問題になります。
ただし、個人投資家の場合は、そのようなしがらみがないのが唯一の強みとなります。
嵐が過ぎ去るまで待ちましょう。
初心者のための用語集
- 相互関税:各国が互いに相手国の輸入品に課す関税のことで、今回の記事ではトランプ大統領の発表により日本向けに高い税率が設定された事例を指します。
- リスクオフ:市場参加者がリスクの高い資産から安全資産へ資金を移す状態を意味し、経済不安や突発的なニュース時に見られます。
- ファンダメンタルズ分析:経済指標、ニュース、企業業績など基礎的な情報をもとに市場動向を判断する分析手法です。
- テクニカル分析:過去の価格変動やチャートパターン、各種指標を利用して将来の相場の動きを予測する手法です。
- 移動平均線(MA、20MA、80MA、200MA):一定期間の平均価格を算出し、価格のトレンドを把握するための指標です。20MAなどは短期的な動向を、200MAは長期的なトレンドを示します。
- サポートライン:価格が下落する際に、下げ止まりや反発が期待される支持線のことです。
- レジスタンスライン:価格が上昇する際に、上値が抑えられる抵抗線のことを指します。
- ロング:価格上昇を見越して買いポジションを持つ取引のことです。
- ショート:価格下落を見越して売りポジションを持つ取引のことです。
- エントリーポイント:取引を開始するための具体的な価格やタイミングのことです。
- 損切りライン:損失を限定するために、あらかじめ設定する決済価格のことです。
- 利確目標:利益を確定させるために設定する、目標となる価格のことです。
- リスクリワード:取引におけるリスクと期待されるリターンのバランスを示す指標で、取引判断の重要な要素です。
- RSI(相対力指数):市場の買われすぎや売られすぎの状態を示すオシレーターで、一般的に70%以上は買われすぎ、30%以下は売られすぎと判断されます。
- MACD(移動平均収束拡散法):異なる期間の移動平均線の収束と拡散を利用して、トレンドの転換サインを捉える指標です。
- ヒゲピンバー:ローソク足の一種で、上下に長いヒゲ(影)があり、一時的な反発や転換のサインとされる形状です。
- オシレーター:価格の変動の勢いや過熱感を示す指標群の総称で、RSIやMACDなどが該当します。
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