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宅建試験にTACはおすすめ?評判・メリット・デメリットを徹底解説

宅地建物取引士(以下、宅建士)は、不動産取引における重要事項の説明や契約書面の押印など、法律で定められた独占業務を行える国家資格です。就職や転職の際に大きな武器になるだけでなく、資格手当の支給やキャリアアップの手段としても非常に人気があります。
実際、宅建士の合格率は例年15~17%程度と、それほど高いハードルではないものの、一度で合格するためには的確な学習と十分な対策が欠かせません。そんななか、多くの受験生が利用しているのが資格スクール大手のTACです。
本記事では、「宅建」「宅地建物取引士」「TAC」をキーワードに、TACの宅建講座がどのような特徴を持ち、実際に評判はどうなのか、そして利用するメリットとデメリット、他社との比較や受講生の口コミなどを含めて徹底的に解説します。宅建試験の教材選びや予備校選びで迷っている方は、ぜひ最後までご覧いただき、受験生の生の声やリアルな評価をチェックしてみてください。


1. TACの宅建講座とは?

TACは公認会計士や税理士、社会保険労務士など、さまざまな資格取得をサポートする大手予備校です。その中でも宅建講座は、多数の受講生を抱え、実績やノウハウが豊富。
「独学ではモチベーションが続かない」「体系的に学習を進めたい」「短期合格を目指したい」といったニーズを持つ受験生から人気を集めています。
実際に教室での対面授業(通学講座)に加えて、Web通信・DVD通信・ビデオブース講座など学習スタイルが多彩で、自分の生活スタイルに合わせやすい点も大きな魅力です。
また、大手予備校ならではの講師の質や教材の充実度、カリキュラムのわかりやすさ、手厚いサポート体制などが特徴とされています。


2. TAC宅建講座の評判を知る前に:宅建士試験の基本情報

TACの評判に入る前に、まず宅建士試験とはどんなものか、ざっと概要を確認しておきましょう。

宅建士試験の難易度

宅建士試験は、例年およそ20~25万人が受験し、合格率は15~17%ほどです。合格点は毎年おおむね50問中34~38点前後で推移し、知識を7割弱ほど正答する必要があります。
「国家資格の中では合格しやすい」と言われることもあるものの、科目範囲は広く、合格点に達するためにはしっかりとした学習計画と対策が必要です。

試験科目

  • 権利関係(民法・借地借家法・区分所有法など)
  • 宅建業法
  • 法令上の制限(都市計画法・建築基準法など)
  • 税・その他(不動産取得税・固定資産税・土地の価格査定など)

試験日程

毎年1回、10月の第三日曜日に実施されます。受験資格に年齢・学歴などの制限は一切なく、誰でも受験が可能です。
試験時間は2時間で、マークシート方式。例年約36点前後で合格ラインが決定されることが多いです。


3. TAC宅建講座の特徴

TAC宅建講座を検討する際に押さえておきたいポイントを、「講座ラインナップ」「教材・カリキュラム」「サポート体制」「合格率・合格実績」の4つに分けて説明します。

3-1. 講座ラインナップと学習スタイル

TACは多彩な受講スタイルを提供しており、通学型(教室講座・ビデオブース講座)通信型(Web通信講座・DVD通信講座など)を選択可能です。

  • 教室講座:講師の生講義を受けられ、モチベーション維持がしやすい
  • ビデオブース講座:校舎のブースで録画済み講義を視聴。時間や日程の融通が利きやすい
  • Web通信講座:自宅や外出先でもインターネットを使って学習できる。時間の制約があまりない
  • DVD通信講座:通信環境に左右されない。映像教材をDVDで視聴できる

さらに、初学者向けの「総合本科生」短期間で対策を進めたい人向けの「チャレンジ本科生」など、レベルやスケジュールに合わせたコースが用意されています。
TAC教室講座のイメージ画像

3-2. 教材・カリキュラムの充実度

TACオリジナルのテキストや問題集は、資格試験対策で定評ある“TAC出版”のノウハウを活かしたもので、試験の出題傾向を徹底分析した内容となっています。
主要教材の例:

  • 基本テキスト:重要ポイントを厳選、図表やイラストを多用し、初心者にも理解しやすい構成
  • 過去問題集(トレーニング):過去問を解きながら解説を確認でき、知識の定着を強力サポート
  • 答練・模試:段階的にレベルアップする問題演習をこなし、本試験レベルの模擬試験で実践力を養う

また、通信講座の受講生は「デジタルテキスト」をスマホやタブレットで閲覧可能。通勤・通学中の“ながら学習”にも適しています。さらに、講義動画のダウンロードもでき、オフライン再生に対応しているため、ネット環境が不安定な場所でも学習しやすいのが特徴です。

3-3. サポート体制

大手予備校ならではの充実したサポートが、TAC宅建講座の大きな魅力の一つです。

  • 質問メール:回数無制限で講師に直接質問できる(通信講座)。通学講座でも講義後に質問が可能
  • 自習室の開放:主要な校舎には自習室があり、自宅では集中しづらい場合に便利
  • クラス振替フォロー:通学講座の場合、欠席した回は別の校舎や日程で受講できる
  • オンラインホームルーム:Web上で学習相談やアドバイスを受けられる仕組み
  • 全国模試:本試験さながらの形式・難易度で実施し、全国順位や弱点分野を把握できる

これらのフォロー体制により、仕事や家庭の都合で忙しい社会人でも、計画的に学習を継続しやすくなっています。

3-4. 合格率・合格実績

TACは受講生の合格率や合格者数を公表しており、全国平均合格率と比べてかなり高い実績を誇っています。
全国平均が15~17%程度であるのに対し、TAC本科生の合格率は50~70%台をキープしていると紹介されることが多く、信頼感を後押ししています。
とはいえ、これには「本科生カリキュラム修了者だけを母数にしている」などの条件もあるので、表面的な数字だけで判断せず、実際の受講者の声や自分の学習状況に合わせて比較検討することをおすすめします。


4. TAC宅建講座のメリット

続いて、TAC宅建講座の具体的なメリットをいくつか見ていきましょう。

  1. ベテラン講師陣による分かりやすい講義
    資格対策のプロ講師が多く在籍し、理論的かつ体系的に要点を整理してくれます。「ここは本試験で狙われやすい」など、メリハリある指導が特徴です。
  2. 多彩な受講スタイルで継続しやすい
    通学・通信どちらも選べ、ライフスタイルや学習ペースに合わせて柔軟に受講できるのは大手ならでは。「仕事が不規則で通学が難しい」「平日休み中心」という方でも通信講座でカバー可能です。
  3. 教材の完成度が高く効率的に学べる
    カラフルな図や表を活用し、要点がスッと頭に入りやすい構成。過去問集との連携もしっかりしており、インプットとアウトプットを同時進行できます。
  4. 手厚いサポート体制
    質問し放題の質問メールやオンラインホームルーム、自習室の開放など、独学では得られないサポートが充実。苦手分野をすぐに質問できるのは合格までの時短にもなります。
  5. 合格実績・ブランド力
    年間多数の合格者を輩出している事実や、「資格スクールといえばTAC」というブランド力はモチベーション向上にもつながります。「周囲に宅建に合格した知り合いがいない…」という方にとっては、大手の安心感が大きいでしょう。

5. TAC宅建講座のデメリット

メリットが多いTAC宅建講座ですが、当然ながらデメリットも存在します。検討の際には、以下の点にも注意しましょう。

  1. 受講料が他社より高め
    大手予備校の中でもTACは比較的高価格帯です。
    例:

    • 「総合本科生S Plus(通学講座)」で15万円~18万円程度
    • 「通信講座(Web)」でも10万円程度

    割引制度やキャンペーンもあるものの、「もう少し安い予備校や通信講座がいい」という方は他社比較が必要です。

  2. カリキュラム量が多く、消化不良になる可能性
    テキストや過去問が充実している反面、「分厚くてすべてをやり切るのが大変」「忙しい社会人だと復習が追いつかない」などの声も。
    うまく取捨選択し、重要ポイントを絞って効率的に取り組む必要があります。
  3. 講義スケジュールが決まっているコースでは柔軟性に欠ける場合も
    通学講座やビデオブース講座は決まった日程の中で進むため、急な予定が入りがちな人はスケジュール管理に苦労するかもしれません。
    もちろん、振替制度なども用意されていますが、「確実に通学できるか」事前に見極めましょう。

6. 他社(LEC・ユーキャン・フォーサイトなど)との比較

TACの宅建講座は大手予備校の中でも知名度があり、受講生も多いですが、LECやユーキャン、フォーサイトなども有名です。それぞれに特徴があるため、ざっくりと比較してみましょう。

項目 TAC LEC ユーキャン フォーサイト
講座スタイル 通学・通信
(Web・DVD)
通学・通信
(Web・DVD)
通信のみ 通信のみ(Web)
受講料 10~18万円程度 8~15万円程度 6~7万円程度 6万円前後
(キャンペーンで変動)
講師の質 ベテラン多い 実務経験豊富
著名講師多数
書面学習中心
添削指導あり
映像講義に特化
講師は比較的若め
サポート体制 質問無制限
振替制度
自習室
教室やネット
フォローあり
添削指導・質問サポート
テキストのシンプルさ
スマホ学習と
オンライン質問
合格率 公表合格率高め
約50~70%
公表データあり 非公表 80%前後と
公表されることも
特徴 大手の安心感
教材が充実
法改正情報など
最新トレンド強い
受講料が安め
学びやすい
実績も豊富
コスパ良し
合格率高め
スマホ学習◎

上記はあくまで一般的な比較例です。それぞれの予備校・通信講座にメリット・デメリットがあるため、自分の目的や学習スタイル、予算に合わせて選びましょう。


7. 受講生の口コミ・評判

実際にTACの宅建講座を利用した受講生の口コミや評判をいくつかご紹介します。

  • 「独学で挫折しそうだったが、講師のわかりやすい講義と質問対応のおかげで継続できた」
    → モチベーション維持に役立ったという意見が多いです。
  • 「料金は確かに安くはないが、教材のボリュームや模試の質を考えると投資価値はあった」
    → しっかり使い切れればコスパは悪くないという声。
  • 「仕事が忙しくて通学を断念したが、Web通信で夜に講義動画を倍速再生してスキマ学習できた」
    → 自由度の高さが好評です。
  • 「テキストが分厚く、全部やり切るのは大変。効率よくポイントを絞る努力が必要かも」
    → 分量が多く消化不良になる危険性もある点には注意。

8. こんな人にはTAC宅建講座がおすすめ

  1. ある程度の受講料は払ってでも質の高い指導と教材を手にしたい方
  2. 独学でのモチベーション管理が苦手で、サポート体制や質問制度を重視する方
  3. 仕事や育児と両立しつつ、本格的に宅建士合格を狙いたい
  4. 大手予備校の実績やブランド力による安心感を得たい方
  5. 通学か通信か迷っているが、どちらにも対応している予備校がいい

9. 逆に、こんな方は要注意?

  1. 予算をできるだけ抑えたい方:
    他社の通信講座や独学のほうが安く済む可能性があります。
  2. すでに学習経験が豊富で、テキストもひと通り揃っている方:
    問題演習と総仕上げだけで合格可能であれば、簡易的な教材や直前特化型の講座だけでも足りるケースがあります。
  3. 通信講座に慣れており、質問サポートが不要な方:
    フォーサイトなどの低価格通信講座で十分という意見も。
  4. 自己管理能力が高く、独学でモチベーション維持ができる方:
    独学なら1~2万円程度のテキスト&過去問だけで合格する方も多いです。

10. TAC宅建講座の費用は高い?コスパ検証

前述したように、TACの受講料は他社と比較して高めではあります。しかしながら、講師のレベル・教材の質・サポートの充実度を踏まえると、「費用対効果は悪くない」という声が多いのも事実。
以下のようなキャンペーンや割引制度を利用すると、最終的な費用は数万円ほど安くなる場合もあります。

  • 再受講割引:以前に受講していた方が再度申し込む際に割引
  • キャンペーン価格:早期申し込み特典や季節ごとの割引
  • 宅建業従業者割引:不動産会社などの従業者は割引を受けられることも

また、合格後の資格手当や年収アップ、転職成功による収入増を見越すと、「最初にしっかり投資して合格を勝ち取る」という選択肢は十分に検討する価値があるでしょう。


11. 宅建資格合格後に得られるリターン

費用と時間をかけて宅建士を目指す以上、合格後のリターンも気になるところです。
宅建士の資格取得によるメリットは、以下のように多岐にわたります。

  • 不動産会社やハウスメーカーへの就職・転職で有利
  • 資格手当の支給:会社によっては月1~3万円程度の手当がつく場合も
  • 社内昇進やキャリアアップ:責任あるポジションに就きやすくなる
  • 独立・開業の道も開ける:不動産仲介業などを立ち上げる際に必須の資格
  • 年収アップ:実務経験を積むほどに収入が増加しやすい

不動産業界だけでなく、金融機関や保険、建設、メーカーなど、「不動産取引」が絡む業種全般で専門知識が評価されるのも魅力です。
宅建合格後のキャリアパスイメージ


12. まとめ:TACで宅建士を目指す価値はある?

TACの宅建講座は、「大手予備校の安心感」「ベテラン講師陣のわかりやすい講義」「充実した教材とサポート」といったメリットで、多くの受験生を合格へ導いてきました。
受講料こそ安くはありませんが、モチベーションを維持しながら効率的に学習する体制が整っているため、「確実に合格を勝ち取りたい」「短期間で成果を出したい」という方には選択肢として十分検討の余地があります。
一方、コストをできるだけ抑えたい方や、独学でも自走できる方には必須ではないかもしれません。
最終的には、ご自身の学習スタイル・予算・スケジュールを冷静に見極め、比較検討してみてください。
「最初から独学でやってみたものの、挫折しそう…」という方が途中からTACを利用して合格を目指すというケースもあります。決断はお早めに。


13. よくある質問(Q&A)

Q1. TACの宅建講座は高いですか?
A. 他社通信講座と比べると受講料は高めですが、講師・教材・サポート・合格実績など総合的なクオリティは高いです。再受講割引やキャンペーンもあるので、費用面は公式サイトや資料請求でこまめにチェックしましょう。

Q2. 社会人でも通学講座を受けられますか?
A. 可能です。平日夜間や週末講座など複数の時間帯から選べますし、欠席フォローやビデオブースで補講もあるため、忙しい社会人でも学習を続けやすい仕組みがあります。

Q3. 通信講座と通学講座、どちらがおすすめですか?
A. 人によります。「講師と直接対面しながら学びたい」「通学時間を確保できる」という方は通学がおすすめです。一方、「仕事で不規則になりがち」「自分のペースで進めたい」という方は通信で問題ありません。

Q4. フォーサイトやユーキャンと比べて、TACを選ぶ決め手は?
A. 充実したサポート体制や大手の安心感、そして高い合格実績です。特に質問フォローや自習室利用は大手ならではの強み。フォーサイトやユーキャンはコストや独自の学習システムが魅力なので、優先度に応じて比較しましょう。

Q5. テキストが分厚いと聞きましたが、すべてやる必要がありますか?
A. 全範囲を網羅していますが、本試験頻出部分を中心に取捨選択しながら使うのが一般的です。講師が「ここは重要」「ここは補足程度」といった形で指示してくれるので、それに従えば効率的に学べます。

Q6. 模試や答練はどのくらい受けられますか?
A. カリキュラムにもよりますが、基礎答練・応用答練・直前答練・全国模試など複数回用意されています。本試験同様の形式で実施し、弱点を洗い出したり、本番慣れをしたりするのに役立ちます。

Q7. 申し込み前に無料で内容を確認する方法はありますか?
A. TACでは「無料体験受講」「オンラインセミナー」「公開セミナー」など、事前に講義を試せる機会を提供しています。不安がある方はまずは体験をしてから申し込むとよいでしょう。

Q8. 宅建に合格したら、どのような働き方の幅が広がりますか?
A. 不動産会社やハウスメーカーでの営業・仲介業務、金融業界での不動産担保ローン関連業務、保険・建設業界での企画・物件管理など、多方面で役立ちます。


以上、TACの宅建講座に関する評判や特徴を中心に解説しました。宅建士資格の取得を目指す皆さんの学習計画に、本記事の情報が少しでもお役に立てば幸いです。
「宅建」「宅地建物取引士」「TAC」をキーワードに、合格をしっかりと引き寄せるための講座選びを、ぜひ前向きに検討してみてください。

※本記事は執筆時点の情報に基づいています。最新の講座内容・料金・キャンペーン等は、必ずTAC公式サイトなどでご確認ください。