FX・環境認識

【3月12日(水) ドル円相場】「短期反発」と「大局ショート」が交錯:今日のFXトレンドフォロー戦略と相場分析

2025年3月12日のドル円相場は一時的な戻り上昇と長期的な下落トレンドが併存。デイトレやスイング向けに注目レートや損切りライン、利確ポイントを具体的に解説し、最新ニュースと経済指標を踏まえたトレード戦略を提示します。

この記事を読むメリット

  • 今日のドル円相場で最も重要なニュースや経済指標を把握できる
  • ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両面から、トレンドフォロー型の売買シナリオを具体的に学べる
  • 読者が抱える「上昇と下落のどちらを狙うべきか」という悩みを解消し、成功率の高いエントリーポイントや損切り・利確ラインを明確に設定できる

今日の結論・注目ポイント

ドル円は中長期的には下落トレンド(ショート優勢)ですが、足元では一時的な戻し(短期上昇)が目立つ展開となっています。特に15分足・4時間足を見ると一度148.639円付近までの上昇余地が示唆されており、戻り売りを狙うにしても早すぎるタイミングは注意が必要です。週足・日足ともに下落基調を続けている一方で、投機筋の円買いポジションが過剰に積み上がっている点や、日銀利上げ観測が強まっている点から、相場が急変しやすい環境といえます。

本記事では、ファンダメンタルズとテクニカル両面から相場分析を行い、デイトレ〜2週間程度のスイングトレードを想定したトレンドフォロー手法(戻り売り中心だが、短期ロングも視野)を解説します。具体的な損切りラインや利確目標も提示するので、ぜひ最後までご覧ください。

ファンダメンタルズ分析(最新ニュース、経済指標、注目イベント)

主要ニュース一覧

  • 米10年債利回り低下でドル円が5カ月ぶり安値更新
    (出典:ロイター
    米10年債利回りが4.16%まで低下し、ドル円は146.54円まで急落。トランプ大統領が景気後退の可能性を示唆したためリスクオフが加速。
  • 日銀3月会合での利上げ観測強まる
    (出典:外為どっとコム)
    審議委員の一部から「25年度後半に1%利上げ必要」との発言が出ており、3月18-19日の会合を控えて金利差縮小思惑が強まる。
  • 米1月JOLTS求人件数が予想下回る
    (出典:OANDA)
    求人件数758万件と予想(761.5万件)を下回り失業率も3.9%に悪化。労働市場減速がドル売りを後押しし、ドル円は147円台前半まで売り先行。
  • トランプ政権の関税政策で米景気後退懸念
    (出典:外為どっとコム)
    大量解雇や対中関税強化方針がダウ平均を3.2%急落させ、ドル円はリスクオフの円買いで145円台を視野に。
  • 日経平均株価の大幅下落が円高圧力に
    (出典:Yahoo!ニュース)
    日経平均が1,000円超急落してから36,793円(前日比-235円)で引け。輸出企業株安をきっかけに円高が進行。
  • ユーロ圏財政緩和でクロス円売り圧力
    (出典:外為どっとコム)
    EUの防衛費拡大によりユーロドルが1.08台に乗せ、ユーロ円も買い戻し。ドル円の下落を補完する動き。
  • 債券先物市場で長期金利低下
    (出典:kabutan.jp)
    日本10年債利回りが1.576%、米10年債が4.19%まで下落。日米金利差が縮小しドル円の下押し要因に。
  • 投機筋の円買いポジションが過去最大に
    (出典:外為どっとコム)
    IMM通貨先物で円買い12.3万枚と5年ぶり高水準。利確売りによる急反発(3〜5円幅)のリスクを警戒。

総合的には、日米金利差の縮小とリスクオフの流れからドル安・円高がメインシナリオですが、投機筋の大規模ポジションが解消されると148〜149円台へ急反発する可能性も視野に入る状況です。

本日の重要イベント(2025年3月12日・日本時間)

  • 日本 国内企業物価指数(8:50)
    (出典:JTG証券, 時事エクイティ)
    前回4.20%で、今後の日銀政策にも影響し得る指標。為替インパクトは中程度か。
  • 米国 消費者物価指数(CPI)(21:30)
    (出典:JTG証券, 日経電子版)
    前回3.00%(前年比)で、コアCPIの伸び具合次第ではFRBの利下げ観測が揺れる。

明日の重要イベント(3月13日・日本時間)

  • 米国 生産者物価指数(PPI)(21:30)
    (出典:時事エクイティ, 日銀政策文書)
    企業の原材料コストの先行指標であり、CPIにも波及。米金利動向を左右し得る。
  • 次回日銀政策決定会合(3月18-19日)
    (出典:日経電子版, 日本銀行)
    追加利上げ期待が高まっており、市場は金利正常化のシグナルが出るか注目。

なお、中国全国人民代表大会(全人代)の政策決定にも要注意。財政政策や不動産市場対策が具体化すれば、クロス円が動意づく可能性があります(出典:SMDアセットマネジメント)。

テクニカル分析(週足・日足・4時間足・15分足)

週足

ドル円は長期的には下落傾向が続いており、現時点で147円後半に位置。ローソク足は下ヒゲをつけ始めており、短期的には上方向への意識が出ています。ただし、20MAと80MAが明確に下向きである以上、中期視点ではショートが主体と見られます。レンジ相場に移行しつつあるため、さらなる下落か戻りを試すかの見極めが重要です。

日足

日足では、全体的にダラダラと下げ続けてきましたが、直近ローソク足の下ヒゲが続き、一旦の戻りを示唆しています。現在は20MAから乖離ぎみで、148.639円付近が意識されるレジスタンス。日足レベルで見ると、20MAとの収束または148.639円までの上昇が起こりやすい波形となっているため、戻り売りを狙うならこのゾーンへの引きつけが有効です。

4時間足

4時間足では、直近で20MAを上抜けて陽線が連続し、短期的には上方向への力が強まっています。大局はまだショートトレンドながら、目先は148.639円を目標にした戻りが進行する可能性大です。そこで跳ね返される、あるいは再度20MAを下抜けする際は、ショートエントリーの好機になり得ます。

15分足

短期売買(デイトレ)視点では、今まさに147.822円付近で上値を抑えられており、一旦の押し目を形成しそうです。具体的には147.467円や80MAあたりまでの下げを待ち、再度147.822円ブレイクでロングを拾う形が想定されます。その際の損切りラインは147.386円付近が一つの目安。

今日の売買シナリオ(デイトレ〜スイング想定)

ロング(短期の戻り狙い)

  • 15分足でタイミングをとります
  • エントリーポイント:147.467円付近(または80MA)までの押し目を待ち、再度147.822円をブレイクするタイミング
  • 損切りライン:147.386円(直近サポート割れを明確に確認したところ)
  • 利確目標:148.555円〜148.639円付近(強めのレジスタンスゾーン)
  • 補足:日足以上の下落トレンドに逆行するため、リスクリワード1:1程度に留まりやすい。小幅狙いで素早い撤退が重要。

ショート(大局の下落トレンドフォロー)

  • 15分足でタイミングをとります
  • エントリーポイント:148.2円〜148.639円付近まで上昇後の失速、または4時間足で20MAを再度下回るタイミング
  • 損切りライン:147.578円(短期レジサポ転換ラインを上抜けした際)
  • 利確目標:146.555円(直近最安値付近)、さらに深い下げで145円台をテストする可能性もあり
  • 補足:大局的には下落トレンド継続だが、4時間足・15分足の短期反発中は早期エントリーを控える。

本日は米CPI(日本時間21:30)を控えているため、発表前後に値動きが荒くなる可能性が高いです。大口プレーヤーが仕掛けやすいタイミングでもあり、乱高下に備えて損切りを浅めに設定するか、発表後の動きが落ち着いてからポジションを取る方法も有効です。

リスク管理・注意点

1. 突発ニュース・地政学リスク
ロシア・ウクライナ停戦交渉の動向や、トランプ政権の関税政策が再び注目されています。対中関税拡大や米国政府機関の大量解雇など突発的なリスクオフ要因が出ると、急激な円買いが進行する恐れがあります(出典:外為どっとコム)。

2. 投機筋の円買いポジション急解消リスク
IMM通貨先物で過去最大級に積み上がった円買いポジションが一気に巻き戻されると、ドル円が3〜5円急伸するケースも想定されます。損切りラインの徹底やレバレッジ管理を怠らないようにしましょう。

3. 重要指標やイベント前後のボラティリティ上昇
米CPIや明日の米PPIなど、高影響度の指標が連続します。さらに3月18-19日の日銀政策決定会合での利上げ観測が意識されるため、1日の中でも値動きが大きくぶれやすい点に注意です(出典:外為どっとコム)。

まとめ

総じて、ドル円は短期的には148.639円付近までの上昇余地がある一方、大局ではショート目線が続いています。足元のファンダメンタルズ要因(米金利低下、日銀利上げ観測、投機筋の偏ったポジションなど)が重なって相場が大きく動きやすく、特に本日の米CPI前後や今週後半にかけては乱高下に要警戒です。

売買シナリオとしては、戻り売り(148.2〜148.639円付近でのショート)がメインながら、短期ロング(押し目買い)も視野に入れつつ、リスクリワードを重視したトレードを心がけるのがおすすめです。今後の注目ポイントとしては、日銀政策決定会合(3/18-19)やFRBの利下げ観測動向、ロシア・ウクライナ情勢など、複合要因が絡み合うため、常に最新ニュースをチェックして臨機応変に対応してください。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の通貨ペアの売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任にてお願いいたします。

参考リンク

初心者のための用語集

  • ロング:相場の上昇を見込んで買いポジションを持つこと。買いエントリーのこと。
  • ショート:相場の下落を見込んで売りポジションを持つこと。売りエントリーのこと。
  • MA(移動平均線):一定期間の価格の平均値を線で結んだもの。20MAなら過去20本分の終値平均を表す。
  • エントリー:新たにポジションを取ること(売り買いの開始)。
  • 損切り(ストップロス):予想に反して相場が動いた場合、損失を限定するためにポジションを決済すること。
  • 利確(利益確定):含み益が出ているポジションを決済し、利益を確定させること。
  • レジサポ転換:以前にレジスタンス(上値抵抗)だった水準がサポート(下値支持)になる、またはその逆の現象。
  • トレンドフォロー:相場の流れ(トレンド)に合わせて売買する手法。上昇トレンドなら買い、下落トレンドなら売りを行う。
  • 投機筋:短期的な値動きから利益を狙う大口投資家やヘッジファンド。大量のポジションを抱えて相場を動かすことがある。
  • IMM通貨先物:シカゴ先物取引所(CME)の通貨先物市場を指す。そこでのポジション動向が投機筋の流れを測る手掛かりになる。
  • レンジ相場:一定の価格帯で上下動を繰り返す相場。明確なトレンドが発生せず動きが限定されがち。
  • 金利差:通貨同士の利率(政策金利など)の差。ドル円の場合、米国と日本の金利水準の違いが相場に影響を与える。
  • デイトレ:1日のうちにポジションの建てと決済を完了する短期トレード手法。
  • スイングトレード:数日から2週間程度の比較的短期で値幅を狙う手法。デイトレより保有期間が長い。
  • ボラティリティ:価格変動の大きさを示す指標。高いほど短期間で値動きが激しい状態。
  • リスクオフ:投資家が株式や高金利通貨などリスク資産を避け、安全通貨(円など)に資金を移動させる状態。
  • 週足・日足・4時間足・15分足:ローソク足チャートの時間軸。週足なら1本が1週間、日足は1日、4時間足は4時間、15分足は15分を表す。

編集後記

何もしないことが最善の策になることがあります。特に今日のような相場は大きな流れではショートトレンドであるものの、4時間足では一旦20MAを上抜けているので、ロングへの意識がかなり強くなってきています。

このような状態は方向感が定まらず、なかなかエントリーしにくいでしょう。こういう時は何もしないことが、最善の策になります。

常に何かポジションを持っていないと落ち着かない、いわゆる「ポジポジ病」というものがありますが、それはなんとしても勝ちたい、どんな場面でも勝ちたいという欲が起こす行動です。

確かに、トレーダーとして、一歩踏み出すときに「もっと稼ぎたい」という欲を持つことは健全ですし、ほとんどのトレーダーが、そのように一歩踏み出したことは間違いありません。

ただし、この感情を戦場である相場に持ち込むとほとんど良いことがありません。判断を誤るからです。
何もしないことが良いこともあります。特に今日のような日はポジションを持たない方が安心して相場を眺めていられます。

大切なことはトレードすることではなく、資産を増やすことです。そのことを意識してください。

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、いかなる投資行動を推奨・勧誘するものではありません。記載されている情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。相場の状況は常に変化しており、経済指標・地政学リスク・金融政策など外的要因によって、予想を大きく上回る変動が生じる可能性があります。

投資に関する最終的な判断は、読者ご自身の責任とリスク負担のもとで行ってください。本記事の内容を利用したことで生じたいかなる損害についても、執筆者および当サイト運営者は一切責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。投資に際しては、最新の情報収集と慎重なリスク管理を徹底することを強く推奨いたします。

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