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FP試験対策|障害基礎年金と障害厚生年金をわかりやすく整理!子の加算・配偶者の加給も攻略しよう・ファイナンシャルプランナー試験対策

FP試験対策|障害基礎年金と障害厚生年金

ファイナンシャルプランナー(FP)試験で頻出の「障害年金」。障害基礎年金・障害厚生年金の違いや子の加算、配偶者の加給をわかりやすく整理して合格を目指そう!本記事では過去問の出題傾向や暗記テクニックもあわせて解説します。

Contents

障害年金の基礎知識 – なぜFP試験で頻出?

公的年金制度全体の中での障害年金の位置づけ

ファイナンシャルプランナー(FP)の試験では、公的年金に関する出題が毎回のように行われます。年金といえば「老齢年金」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際には「障害年金」「遺族年金」など、人生のさまざまなリスクに対応する仕組みが存在します。
障害年金は病気やケガ、障害などで働きづらくなったり、日常生活に支障をきたす場合に、本人や家族の生活を支えるための重要な制度です。FP試験においても、ライフプラン設計の観点で「万一の際の保障」として頻出テーマとなっています。

障害基礎年金と障害厚生年金が出題されやすい理由

障害年金は、初診日にどの年金制度(国民年金 or 厚生年金)に加入していたかによって「障害基礎年金」「障害厚生年金」に分かれます。
この2つの年金制度の違いや、1級・2級・3級といった障害等級、さらに「子の加算」「配偶者加給年金」などの加算制度が複雑で、受験生にとって混同しやすい部分が多いのです。
また、試験問題としては「保険料納付要件」「初診日要件」「事後重症」「支給開始時期の計算」などがよく問われます。制度を正しく理解していないと、細かい部分でミスをしてしまいがちなので、得点源として確実に押さえておく必要があります。

障害基礎年金の仕組みと受給要件

国民年金加入者が対象(1級・2級)

障害基礎年金は、国民年金の被保険者(自営業者、学生、フリーターなど)が病気やケガにより1級または2級の障害状態となったときに支給されます。初診日に国民年金の被保険者であれば、障害基礎年金の対象となるわけです。
なお、障害基礎年金には3級はありません。これもFP試験でよく問われるポイントです。

保険料納付要件・発症日の要件など

  • 初診日要件:障害の原因となった病気やケガの初診日が、国民年金の被保険者期間(または20歳前、あるいは60歳以上65歳未満で日本に住所がある期間)であること。
  • 障害状態要件:障害認定日(原則、初診日から1年6か月経過した日)に障害等級1級または2級に該当すること。
    ・障害認定日当時は該当しなくても、その後65歳前までに重くなった場合は「事後重症」として請求が可能。
  • 保険料納付要件:初診日の前日までに、保険料を納付した期間(免除期間を含む)が被保険者期間の3分の2以上あるか、あるいは直近1年間の未納がないこと(特例適用条件あり)。

特に「初診日要件」「保険料納付要件」の2つはFP試験でも頻出です。
初診日がどの年金制度に該当するかによって、受給できる障害年金の種類が決まります。また、保険料納付要件を満たしていない場合は支給されないため、問題文で「未納期間があるかないか」などをよく確認しましょう。

子の加算(対象となる子の範囲・金額)

障害基礎年金では、受給者に生計を維持されている子がいる場合、子の加算がつきます。
対象となる子は、18歳到達年度末までの子、または20歳未満で1級・2級の障害状態にある子です。
金額(令和5年度・令和6年度基準)ではおおむね以下のとおりです(毎年微調整あり)。

  • 第1子・第2子:年額 約224,700円
  • 第3子以降:年額 約74,900円

FP試験では「障害基礎年金には子の加算があるが、障害厚生年金には配偶者加給がある」などの比較問題がよく出ます。
ゴロ合わせ例:基礎は“子”連れ、厚生は“配偶者”と」と覚える受験生も多いです。

障害厚生年金の仕組みと受給要件

厚生年金加入者が対象(1級〜3級)

障害厚生年金は、厚生年金の被保険者期間中に初診日がある病気やケガによって、障害状態が1級・2級・3級に該当するときに支給されます。
障害基礎年金との大きな違いは、障害厚生年金には3級がある点です。これは、サラリーマンや公務員の場合、加入している年金制度が国民年金より手厚い設計になっていることに由来します。

配偶者加給年金・子の加算(厚生年金特有のポイント)

障害厚生年金では「配偶者加給年金」が設けられており、1級・2級の受給権者65歳未満の配偶者がいれば、年間234,800円前後(令和5年度目安)の加給年金が加算されます。
一方で、障害厚生年金にも「子の加算」は存在します。ただし、次の点がポイントです。

  • 障害厚生年金には子の加算もあるが、ベースは障害基礎年金と重複(1級・2級で基礎年金と併給する場合など)
  • 3級の障害厚生年金には配偶者加給年金がつかないので要注意

つまり、障害厚生年金1級・2級の場合には「報酬比例部分+障害基礎年金+配偶者加給や子の加算」という形になるため、保障はかなり手厚くなります。
このあたりはFP試験でも頻繁に聞かれる論点なので、「3級では配偶者加給がない」など、細かなルールを正確に押さえましょう。

障害手当金との違い

障害手当金は、障害厚生年金3級よりも軽い障害状態の場合に一時金として支給されるものです。

  • 初診日が厚生年金加入期間中である
  • 障害が3級に満たない程度(ただし「事後重症」該当時は別)
  • 保険料納付要件などを満たす

「3級より軽い」が一定の障害が残るケースで、年金ではなく一時金として支給される点が特徴です。これもFP試験で「障害年金と障害手当金の違いを問う」問題が出るため、整理しておきましょう。

子の加算・配偶者の加算を比較して理解しよう

子の加算の金額や条件(基礎年金・厚生年金)

子の加算は障害基礎年金の1・2級で基礎部分に加算されるのがメインですが、障害厚生年金1・2級と併給する場合にも適用されます。
ポイント:

  • 原則として「18歳到達年度末まで」(障害のある子は20歳未満)
  • 第1子・第2子は年間約22〜23万円、第3子以降は年間約7〜8万円が目安
  • 障害厚生年金単体の3級には子の加算はつかないが、厚生年金1級・2級の人が基礎年金と併給する場合は結果的に「子の加算」も含まれる

配偶者の加給年金(厚生年金3級では受け取れない?など)

障害厚生年金には「配偶者加給年金」が設けられており、1・2級受給権者の65歳未満配偶者が対象です。
3級の場合、配偶者加給は支給されないので、試験で「3級でも配偶者加給がある」という誤りの選択肢が出ることがあります。
また、配偶者が既に老齢厚生年金の受給権を持っている場合などは配偶者加給が支給停止されるケースもあるので注意が必要です。

試験で問われる頻出パターンの整理

  • 障害基礎年金1・2級:子の加算
  • 障害厚生年金1・2級:報酬比例+基礎年金+配偶者加給や子の加算(条件あり)
  • 障害厚生年金3級:報酬比例のみ(配偶者加給なし、子の加算は基礎年金併給でなければ基本つかない)

これらをまとめた表やフローチャートを作成すると、試験前の最終確認に非常に役立ちます。

FP試験の過去問にみる“障害年金”の出題傾向

よく問われる論点(保険料納付要件、支給開始年齢、等級など)

FP試験では、以下のような論点が繰り返し問われています。

  • 初診日要件(どの年金制度に所属していたかで基礎か厚生かが決まる)
  • 保険料納付要件(3分の2要件 or 直近1年未納なしなど)
  • 障害認定日の考え方(初診日から1年6か月後や症状固定日などの例外)
  • 等級と支給内容(基礎年金は1・2級、厚生年金は1・2・3級、3級の配偶者加給はなし…など)
  • 子の加算・配偶者加給年金(どの等級に加算されるか、金額はいくらかなど)

実際の過去問例と解説

たとえば、次のような問題が出題されています(イメージ例):

  • 「障害厚生年金3級を受給しているAさん(38歳、妻〈35歳〉と中学生の子1人を扶養)が受け取れる年金額は次のうちどれか。」
    →正解は「報酬比例部分の3級相当額のみ。子の加算や配偶者加給はつかない」といったパターン。
  • 「初診日が20歳前にある場合、保険料納付要件はどのように扱われるか。」
    →正解は「20歳前の傷病による障害基礎年金は保険料納付要件は問われない。ただし所得制限がある」など。

受験生が間違えやすい典型パターン

  • 障害厚生年金3級に配偶者加給がつくと思い込む(×)。
  • 障害基礎年金にも3級があると思い込む(×)。
  • 子の加算と配偶者加給を混同する(基礎の子の加算と厚生の配偶者加給は別物)。
  • 初診日の判定を誤る(転院して最初に受診した日が初診日、など)。

混乱を防ぐ!わかりやすい暗記法・攻略ポイント

表やフローチャートで分類

障害年金の複雑なルールを一気に覚えるのは大変なので、表やフローチャートを使って次のように整理しましょう。

  • 「初診日が国民年金?厚生年金? → 該当する障害年金は?」
  • 「障害基礎年金(1・2級)or 障害厚生年金(1〜3級) → 加算は?保険料納付要件は?」
  • 「3級のとき配偶者加給は? → なし!」

これらをビジュアル化しておくと、頭の中で理解がつながりやすくなります。

キーワードやゴロ合わせなど暗記テクニック

受験生の間で使われるゴロ合わせをいくつか紹介します。

  • 「基礎は“子”連れ、厚生は“配偶者”と」 → 子の加算は基礎年金、配偶者加給は厚生年金
  • 「障害基礎は2まで、厚生は3まで」 → 障害基礎年金は1・2級、障害厚生年金は1〜3級

また、数字の暗記や特例規定を覚えるときは、過去問演習で繰り返し出題に慣れるのが王道です。

直前期にやっておく確認事項

  • 初診日の判断(国民年金or厚生年金?)
  • 保険料納付要件(3分の2以上 or 直近1年未納なし特例)
  • 障害等級と受給内容(基礎は1・2級、厚生は1〜3級)
  • 子の加算・配偶者加給(どの等級に加算されるか、いくらか)

これらを中心に、試験直前期にはサッとおさらいできるまとめノートを作ると効果的です。

まとめ・合格につなげる次のステップ

障害年金以外の年金科目にも通じる知識を再確認

障害年金の仕組みを理解することは、同時に老齢年金や遺族年金といった他の年金科目にも役立ちます。初診日の考え方や保険料納付要件の重要性は、共通して押さえておくべきポイントです。
老齢年金・遺族年金と併給調整の仕組みも、試験ではよく出題されますので、障害年金を勉強しながら併給に関してもチェックしておきましょう。

過去問・模試を活用して理解を定着

FP試験の勉強では、過去問演習が最も効果的です。障害年金に関しても、繰り返し同じ論点が問われるので、まずは過去問を解いて苦手部分を把握しましょう。
模試や予想問題を活用し、問題を解く中で「初診日はどこを見ればいいか」「加算の条件は?」といった実践的な理解を深めれば、試験本番でも落ち着いて対応できます。

関連記事・他の年金論点へのリンク

障害年金の学習を進めながら、ぜひ次の論点も確認してみてください。

  • 老齢基礎年金・老齢厚生年金:支給開始年齢や受給資格期間、報酬比例部分など
  • 遺族基礎年金・遺族厚生年金:対象者の範囲、子の加算との関連
  • 併給調整:障害年金と老齢年金・遺族年金の重複受給可否

いずれも障害年金と関連が深いので、相互に確認しておくと理解が一層深まります。

【参考URL】
日本年金機構公式サイト(制度の詳細)
厚生労働省(年金関連の最新情報)
また、過去問の解説サイトや問題集は、FP受験対策に必須の教材です。
ここまで学習した知識を活かして、確実に合格点を取れるよう取り組んでいきましょう!

※本記事はファイナンシャルプランナー試験の一般的な学習目的で執筆したものであり、投資助言や個別の年金請求手続きの代行等は行っていません。実際の障害年金の申請については、最新の公式情報を確認の上、必要に応じて年金事務所や社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

オリジナル練習問題

問題1

国民年金の被保険者期間中に初診日がある傷病が原因で1級または2級の障害状態となった場合、障害基礎年金が支給される。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】障害基礎年金は、国民年金の被保険者期間中(または資格喪失後1年以内など一定要件下)に初診日がある傷病で所定の障害等級(1級または2級)に該当したときに支給される。ただし、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で保険料納付済期間と免除期間をあわせた期間が3分の2以上あることなどの保険料納付要件も満たす必要がある。

問題2

障害厚生年金の受給資格を得るためには、初診日が厚生年金保険の被保険者期間にあることが絶対条件である。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】障害厚生年金は、厚生年金の被保険者期間中に初診日がある傷病が原因で障害認定を受けた場合に支給される。初診日が国民年金のみの期間にある場合は障害基礎年金のみが対象となる。

問題3

障害基礎年金には配偶者の加給年金額(配偶者加算)が設けられている。
◯か×か?
【解答】×
【解説】障害基礎年金には配偶者加算はなく、加算があるのは子に対する加算のみである。配偶者加算があるのは障害厚生年金(1級・2級)などのほうである。

問題4

障害厚生年金(1級・2級)を受給している人に配偶者がいる場合、加給年金額(配偶者加算)を受け取ることができる。
◯か×か?
【解答】○
【解説】厚生年金保険の障害等級1級・2級に該当する障害厚生年金には、一定の要件を満たす配偶者に対する加給年金額が上乗せされる。ただし、配偶者は①受給権者と生計を同一にしていること、②65歳未満であること、③年収が850万円未満(所得が655万5000円未満)であること、④障害年金や老齢年金、退職年金等を受け取っていないことといった条件を満たす必要がある。

問題5

障害基礎年金における子の加算は、第1子と第2子については同額で、第3子以降は加算額が低くなる。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】障害基礎年金の子の加算は、第1子・第2子それぞれに対して同額が加算されるが、第3子以降は加算額が少なくなる仕組みになっている。

問題6

障害基礎年金の「子」に該当するのは、18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子、または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子とされる。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】障害基礎年金における子の要件は、原則として18歳到達年度末まで(高校卒業前相当)か、20歳未満で一定の障害状態の場合と定められている。

問題7

障害厚生年金の3級に該当する場合でも、配偶者加算が支給される。
◯か×か?
【解答】×
【解説】配偶者加算は障害厚生年金の1級または2級に該当する場合に限られ、3級には配偶者加算がない。

問題8

障害基礎年金の受給要件を満たしていても、保険料納付要件(原則として2/3以上の納付)を満たしていないと支給されない。
◯か×か?
【解答】◯
【解説】障害基礎年金には、障害状態だけでなく、初診日の前日における保険料納付要件を満たしている必要がある。原則として2/3以上の保険料を納付(または免除)していなければ支給されない。ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいという特例がある。また、20歳前の傷病による場合は納付要件不要である。

問題9

障害厚生年金は、国民年金の障害基礎年金が上乗せされる形で支給されるため、障害厚生年金の認定を受けるときは障害基礎年金を同時に受けられる。
◯か×か?
【解答】×
【解説】障害厚生年金は必ずしも障害基礎年金とセットで支給されるわけではない。初診日が厚生年金保険の被保険者期間にある場合でも、障害等級が1級または2級の場合は障害基礎年金と障害厚生年金が併せて支給されるが、3級の場合は障害厚生年金のみが支給され、障害基礎年金は支給されない。

問題10

障害厚生年金に子がいる場合、加給年金額は子の数にかかわらず一律である。
◯か×か?
【解答】×
【解説】障害厚生年金の加給年金額は配偶者と子それぞれに対して支給される。子の加給年金額は子の数に応じて変わり、第1子・第2子は同額の加算となるが、第3子以降は減額された金額が加算されるため、一律ではない。

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