「ドル円」相場の最新ニュース・指標、ファンダメンタルズとテクニカルを総合的に相場分析し、デイトレ〜スイング視点で有力なトレード戦略(ショート/ロング)を提示します。重要な経済指標の発表時刻や警戒すべきリスクも解説し、今日の「FX」売買に役立つポイントを網羅します。
Contents
この記事を読むメリット
– 今日のドル円相場に関わる重要なニュース・経済指標を短時間で把握できる
– 週足・日足・4時間足・15分足などマルチタイムフレームでの相場分析ポイントを理解できる
– ショート・ロング両方のトレード戦略を知り、複数のシナリオに備えられる
– リスク管理や損切りラインの設定例を参考にできる
今日の結論・注目ポイント
ドル円は、直近のファンダメンタルズ材料として
- 日銀副総裁の「インフレ目標達成なら利上げ継続」発言
- 米貿易収支・米新規失業保険申請件数などの重要指標が集中
- 米ISM製造業景況指数の予想下振れや米10年債利回り低下によるドル安傾向
- トランプ大統領の「通貨安国への関税」発言と、米国によるカナダ・メキシコ・中国への関税発動
といった「円高要因」が目立ちます。ただし市場では、米金融政策に対する「追加利上げ懸念」が後退しすぎた反動で米金利が一時持ち直す動きもあり、ドルが買い戻される場面も否めません。
テクニカル的には、日足・4時間足ともに下降トレンドが続いている一方、148.589円付近のサポートをなかなか崩せずにいる状況です。もし割り込めば急落が見込める一方、サポートを割り切れずに戻せば150円台前半を目指す上昇余地も考えられます。
今日のエントリー戦略としては、「148.589円ブレイク確認でショート」、「20MA上抜け確認でロング」という二大シナリオが有力です。
ファンダメンタルズ分析(最新ニュース・経済指標・注目イベント)
ここでは、過去24時間以内にドル円相場へ大きく影響しそうなニュースと、今日・明日にかけての経済指標や注目イベントを整理します。特に米国や日本の金融政策、雇用関連指標、要人発言などが相場を動かす要因となりやすいため、下記の情報を押さえておきましょう。
- 日銀副総裁の利上げ継続示唆
発表時刻:2025年3月5日 13:50頃
出典: TBS NEWS DIG
要点:内田副総裁が講演で「2%の物価安定目標が実現すれば、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」と発言。
影響:日銀の追加利上げ観測が高まりやすく、円高要因となる可能性あり。 - 米ISM製造業景況指数、予想を下回る
発表時刻:2025年3月4日(米国時間)
出典: ロイター
要点:2月のISM製造業景況指数が市場予想を下回り、受注や雇用が落ち込む一方で仕入れ価格が大きく上昇。
影響:米景気後退懸念が強まりやすく、FRBの利下げ期待→ドル売りにつながる可能性。 - トランプ大統領、通貨安国への関税を示唆
発表時刻:2025年3月4日(米国時間)
出典: OANDA証券
要点:トランプ大統領が円安を名指しで批判、「通貨安の国に関税を課す」と強調。
影響:為替操作国としての日本への批判が加速すれば、一時的に円買い圧力が高まるリスクあり。 - 米国、カナダ・メキシコ・中国への関税発動
発表時刻:2025年3月4日(米国時間)
出典: ロイター
要点:カナダとメキシコに25%、中国に10%の追加関税を課すと発表。
影響:貿易摩擦拡大への懸念からリスクオフが進めば円買い・ドル安となる可能性。 - 米10年債利回り、約3カ月ぶりの低水準
発表時刻:2025年3月4日(米国時間)
出典: 明治安田アセットマネジメント
要点:米10年債利回りが4.15%付近と昨年12月9日以来の低水準に。
影響:米長期金利が下がれば日米金利差が縮小し、ドル売り・円買いを誘発しやすい。
これらのニュースから、足下では「日銀の金融引き締め姿勢」と「米国の景気減速・貿易摩擦拡大懸念」が相まって、ドル円には下落(円高)リスクが強まる環境といえます。特に米国の金利動向(米10年債利回り低下)やトランプ大統領の通貨安批判が引き続き焦点です。
また、今日(3月6日)から明日(3月7日)にかけての主な指標として、米貿易収支・米新規失業保険申請件数(3月6日22:30)や米非農業部門雇用者数(3月7日22:30)などがあります。日本では朝に日本銀行総裁・副総裁のスピーチが予定されており、発言内容によっては一段と円買いが進む展開にも注意が必要です。
今日〜明日にかけての重要指標・イベント
- 3月6日(木) 9:00~:日本銀行 植田総裁スピーチ(IMFイベント)
- 3月6日(木) 10:30~:日本銀行 内田副総裁スピーチ(静岡金融経済懇談会)
- 3月6日(木) 12:35~:日本30年国債入札
- 3月6日(木) 21:30~:米チャレンジャー人員削減数(2月)
- 3月6日(木) 22:30~:米貿易収支(1月)/米新規失業保険申請件数(週次)
- 3月7日(金) 8:50~:日本外貨準備高(2月)
- 3月7日(金) 22:30~:米国非農業部門雇用者数(2月)、米失業率(2月)
とくに本日は米貿易収支と新規失業保険申請件数(22:30)、明日は米雇用統計(非農業部門雇用者数と失業率)に大きな注目が集まります。また、日本時間朝には植田総裁と内田副総裁のスピーチも予定され、円高要因がさらに顕在化する可能性があります。
米国雇用指標が予想を下回れば「FRBが利下げへシフト→ドル売り加速」となる一方、予想を上回れば「利下げ後退→ドル買い」へ反転のリスクがある点に注意です。
テクニカル分析(週足・日足・4時間足・1時間足など)
週足の相場分析

- 148.589円付近で下げ止まっており、含み足が続く状況。
- 大局的には高値圏からの下降局面にあるが、まだ明確なブレイクダウンが起きていない。
- ボリンジャーバンドを見るとミドルライン(20週MA)が下向きで、売り優勢の流れが継続か。
「ダウ理論」で見ると下降トレンド形成途中だが、重要な水平ラインをブレイクできておらずエントリータイミングが迷いやすい状況です。
日足の相場分析

- 綺麗な下降トレンドが進行中(高値・安値が切り下がっている)。
- ただし、148.589円(2月の重要安値付近)を下に抜け切れず、下落が一服した形。
- 20日移動平均線(20MA)に上値を押さえられている。
148.589円を割るか、逆に20MAを終値ベースで上抜けするかで方向感が定まりそうです。今の段階で売り込みすぎると「サポート反発の踏み上げ」にやられるリスクがあり、逆に早期ロングも「下降トレンドに逆張り」になるので慎重に。
4時間足の相場分析

- 20MAと80MAが下向きで、下降トレンドの形状。
- しかし何度も148.589円にタッチしては弾かれている。
- 148.7円付近にも短期的なレジサポが混在し、ややレンジになりやすい。
「トレンドフォロー」を狙うなら、4時間足でサポートを明確に割り込むか、移動平均線を上に抜けるかの「はっきりしたトレンド」が出てからエントリーするのが理想です。
1時間足・15分足の相場分析と売買ポイント

直近の短期足(1時間・15分)では方向感が乏しく、148.589円付近での攻防が続いています。どちらかにブレイクアウトするまで様子見が無難という声も多いです。ただし、15分足レベルで短期スキャル気味に狙う場合は以下のシナリオが想定されます。
今日の売買シナリオ
ショート戦略

- エントリー条件:148.589円を明確に下抜け(15分足〜1時間足で終値確定)した後、戻り売りが入ったタイミングを狙う。
- 損切り水準:148.72円付近(レジサポ転換が確認できるライン付近)
- 利確目標:146.221円近辺を最終ターゲットに設定。途中、147.00円付近で部分利確も検討。
- リスク・リワード:目標まで到達すれば1:4程度も期待可能。
- 下抜け失敗(再度148.589円上に戻った)場合はすぐに撤退。
このショートシナリオは、デイトレから2〜3日のスイング視点で有効。現在の下降トレンドに沿った「トレンドフォロー」となり、セオリー通りの流れです。ただし、一時的なダマしブレイクには要注意なので、出来高や移動平均線の傾きをしっかりチェックしましょう。
ロング戦略

- エントリー条件:4時間足or15分足で20MAを上抜けし、なおかつ149円前後でレジサポ転換して上昇波形を描いたタイミング。
- 損切り水準:148.90円付近(もしくはもう少し下に置く)
- 利確目標:直近高値の150.185円、さらに上値を狙うなら150.50円〜151.00円も視野。
- 逆張り気味になる点を意識し、条件が揃ってから慎重にエントリー。
- 15分足レベルでダウ理論による上昇トレンドが確認できたらエントリーを検討。
大きい流れでは下降トレンドに逆行する形のため、「引き付けてから」かつ「確定足で上昇トレンド転換を見届けて」からが望ましいです。途中で148.589円を再び試す動きが出たら即撤退も視野。デイトレベースで素早く利食いを行うのが無難でしょう。
リスク管理・注意点
- 地政学リスク:ウクライナ情勢(停戦交渉期待 vs. 戦闘激化懸念)、米国の追加関税発動など、突発的ニュースで大きく動く可能性。
- 主要イベント:米貿易収支・米新規失業保険申請件数(3月6日22:30)、日本銀行要人スピーチ(朝〜午前)、そして明日の米雇用統計(22:30)。これらの直前直後はスプレッド拡大・急変動に要警戒。
- トランプ大統領の発言リスク:日本を「通貨安」と批判する発言が出ると、一時的な円買いが加速する場合あり。
- 損切りルール厳守:相場が想定と反対方向へ急変した際には素早い撤退を。
とくに本日から明日にかけては米国指標のオンパレード状態で、ボラティリティ(価格変動幅)の急拡大が予想されます。ロット数を控えめにするなどリスクを抑えた運用が鍵です。
まとめ(全体の見通し・明日以降のポイント)
現状、ドル円は日足以下の「下降トレンド」が継続中ながら、148.589円を割れない攻防が続いています。ファンダメンタルズ面では「日銀利上げ観測」「米景気後退リスク」「トランプ氏の関税発動」「米国長期金利低下」など、総じて円高要因が多めです。ただし、米国指標が強い結果となれば「FRBの利下げ期待が後退→ドル買い」に転じるシナリオにも注意が必要です。
デイトレ〜2週間程度のスイングを想定するなら、ショートは「148.589円のブレイク確認」、ロングは「149円前後への上抜け&レジサポ転換」を待ち、どちらにトレンドが走るか見極めるのがベスト。焦って飛び乗りせず、テクニカルをしっかり確認してから参入しましょう。
<本記事は情報提供を目的としたもので、売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします>
参考・出典元
以下は本記事執筆にあたり参考にしたニュースソース・公式サイトです。信頼できる機関・報道機関のURLをまとめています。
- ロイター:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/MUOHSYIKINIZJFVERVDQSASZPM-2025-03-05/
- TBS NEWS DIG:https://www.youtube.com/watch?v=YdSEo-qGEK8
- OANDA証券:https://www.oanda.jp/lab-education/market_news/2025_03_05_usdjpy/
- 明治安田アセットマネジメント:https://www.myam.co.jp/market/report/2025/20250303-2020097626.html
- 日本銀行カレンダー:https://www.boj.or.jp/about/calendar/index.htm
- Trading Economics:https://tradingeconomics.com/united-states/calendar
- 同:https://tradingeconomics.com/japan/calendar
- ロイター:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/BY6CEYLESJNHFJJWFDJ54CAFMA-2025-03-04/
- 日経電子版:https://www.nikkei.com/markets/currencies/
- フィスコ/外為どっとコム:https://www.gaitame.com/media/entry/2025/03/04/180000
- 他、本文中に示した出典参照
以上、今日のドル円「相場分析とトレード戦略」をお伝えしました。
大きな指標発表時刻を再度確認し、突発ニュースや要人発言による急変動を警戒しつつ、安全第一でFXトレードに臨んでいただければ幸いです。くれぐれも損切り管理をお忘れなく。
今後もデイトレ・スイング両方の視点から、引き続き情報を追っていきましょう。皆さまのトレードのご参考になれば幸いです。
初心者のための用語集
ドル円:米ドルと日本円の通貨ペアを指し、FX取引で最も取引量の多い組み合わせの一つです。
FX:外国為替証拠金取引の略称で、異なる通貨を売買して為替差益を狙う投資手法です。
トレンドフォロー:上昇トレンドなら買い、下降トレンドなら売りと、現在の価格動向に沿った取引を行う手法です。
デイトレ:1日以内にポジションを決済する短期取引スタイルです。
スイング:数日から数週間程度ポジションを保有し、より大きな値幅を狙う取引スタイルを指します。
相場分析:テクニカル指標やファンダメンタルズ要因を読み解き、価格変動の方向性を予想することです。
移動平均線(MA):一定期間の平均価格を線で結んだ指標で、20MA・80MAなど日数の違いによってトレンドや相場の方向を捉えやすくします。
レジサポ転換:レジスタンス(上値抵抗)がサポート(下値支持)へ、またはその逆に切り替わる現象で、エントリーや損切りの目安に用いられます。
ダウ理論:高値と安値の切り上がり・切り下がりからトレンド方向を判断する理論です。
損切り:相場が予想に反した際、損失を最小限に抑えるために素早く決済してポジションを閉じる行為。
ボリンジャーバンド:移動平均線に統計的な偏差を加えたバンドで、価格が行き過ぎの水準かどうかを把握できます。
リスクリワード:取引におけるリスク(損失額)とリターン(利益額)の比率で、1対2などの形で示します。
ゴールデンクロス:短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜ける現象で、上昇トレンド転換のサインとされます。
ダマしブレイク:チャート上の重要ラインを価格が突き抜けたように見えたが、すぐに元のレンジへ戻ってしまう現象です。
FRB:米連邦準備制度理事会の略で、米国の中央銀行にあたる機関。利上げや利下げなどの金融政策でドルの価値に影響を与えます。
FOMC:FRBの金融政策を決定する会合(連邦公開市場委員会)で、年に数回開催されます。
利上げ/利下げ:中央銀行が政策金利を引き上げる(利上げ)、あるいは引き下げる(利下げ)ことで、通貨の金利水準や為替レートに大きく影響します。
地政学リスク:戦争や政治的緊張など、国際情勢から相場を動かすリスク要因を指し、安全資産として円が買われるケースがあります。
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、いかなる投資行動を推奨・勧誘するものではありません。記載されている情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。相場の状況は常に変化しており、経済指標・地政学リスク・金融政策など外的要因によって、予想を大きく上回る変動が生じる可能性があります。
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