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1.今日の日本株式市場の概要
本日(2025年3月3日)の日本株式市場は大幅反発となり、主要指数がいずれも上昇しました。以下が主な指数の終値です。
- 日経平均株価:37,785.47円(前日比+629.97円、+1.70%)
- TOPIX(東証株価指数):2,729.56ポイント(前日比+47.47ポイント、+1.77%)
- 東証グロース市場250指数:658.30ポイント(前日比-16.70ポイント、-2.47%)
出来高は概算で8億7,798万株となり、売買代金は概算4兆円超を記録しました。東証33業種はすべてが上昇し、特に保険業・サービス業・輸送用機器などが買われました。
2.セクター別の動向
- 保険業:+3.02%(東京海上、MS&AD)
- サービス業:+2.90%(リクルート、イオンディライト)
- 輸送用機器:+2.72%(トヨタ、SUBARU)
- 卸売業:+4.86%(伊藤忠、三菱商事)
- 機械:+2.50%(ファナック、安川電機など)
特に貿易摩擦や円安が追い風となり、輸出関連株が全体を牽引しました。保険株も長期金利の高止まりや業績期待が重なり大幅上昇となりました。
3.今日の個別銘柄ニュース
- 値上がり率トップ:シンニッタン(6319)が+38.6%でトップ。RISE(8836)が+37.0%、トナミHD(9070)が+30.1%、中外鉱(1491)が+25.8%と続きました。
- 値下がり率トップ:データHR(3628)が-19.4%、Aクリエイト(8798)が-17.6%、ドリコム(3793)が-10.7%、キタック(4707)が-8.4%と下げました。
- イオンモール(8905):イオンによる完全子会社化方針が報じられ、ストップ高に張り付き。
- サンケン電気(6707):オン・セミによる買収関心報道が引き続き材料視され、こちらもストップ高水準。
全体としては、米国株高や円安基調がポジティブ要因となり、広範囲に買いが入りました。一部の新興銘柄は利益確定売りに押され値下がりも見られましたが、市場のセンチメントは概ね良好でした。
日本株価指数のチャート
【日経平均】

寄り付け後、一旦下落するものの、その後は強い上昇局面が続きました。しかし、日足で見ると、未だ25日線の下にローソク足が連なっているため、上値が重い展開です。ちょうど現在37,785ポイントは、年始から続くレンジ相場の辺りに位置しており、ここで反発して押し目買いが入り、再び下落に転じるようであれば、さらに下落が加速することが予想されます。
【TOPIX】
TOPIXも未だレンジ相場で、方向性がつかみにくい展開となっています。しかし、週足で見ると5週移動平均線で上値を抑えられているため、このまま25週移動平均線を下抜けるようであれば、一気に下落する可能性があります.
【グロース市場】
グロース市場も日経平均同様、ここ数日下落が続いています。さらに本日、デッドクロスが発生しているため、下落への意識が一層強まるでしょう。このまま上値が抑えられた状態が続けば、一気に下落し、625ポイントまで下がる可能性があります。
4.今晩のアメリカ市場の注目ポイント
- ダウ平均:43,840.91ドル(前日比+601.41ドル)
- ナスダック総合:18,847.28ポイント(前日比+302.86ポイント)
- S&P500:現時点で+0.9%程度の上昇予想
- 経済指標:今夜(日本時間22時)に2月ISM製造業景況指数が発表予定。市場予想は50.8(前回50.9)
- FOMC動向:年内2回の追加利上げ観測が強まり、金融政策関連の発言が注目される
- 通商政策:米国による追加関税発動(中国・メキシコ・カナダなど)に注意
米国株式市場では、インフレ指標(PCE)の鈍化が好感されつつも、追加利上げ観測が根強い状況です。市場がISM製造業景況指数をどう受け止めるかで、為替動向も大きく変化する可能性があります。ドル円は112.50円台まで円安が進行しており、これが日本株(特に自動車・機械セクター)へのプラス材料になるか注目されます。
米国株価指数のチャート
【ダウ】
日足は前日の大陽線によって一気に勢いを取り戻したものの、75日線で見事に上値を抑えられる展開です。価格帯別出来高を見ると、44,600近辺が非常に重たく、現状ではブレイクの力強さを感じにくい状況です。また、25日線も下向きになっているため、下落志向のトレーダーが増えている可能性があります。1日を通して後半から上昇してきた動きもあったため、本日の相場がその勢いを維持できるかどうかが注目されます。
【ナスダック】
日足の三角持ち合いパターンから下抜け、一気に下落してきました。金曜日は大陽線をつけて一旦値を戻したものの、5日線をブレイクすることなく、上値は重い展開となっています。現在の18,800ポイント近辺が重要な水準であり、水平線の抵抗帯となっています。もし金曜日の一時的な反発後に再度18,800ポイントを下抜けるようであれば、一気に下落が加速するでしょう。
【S&P500】
日足で見ると、前日は大陽線で終えたものの、5日線に抑えられた形となっており、現在は年始から5954ポイントを維持しています。レジ相場が未だ継続中ですが、5日線が下値支持となっていることから、下向きのトレーダーが多い状況です。特に5860近辺が非常に意識されているポイントで、ここを下抜けるとさらに下落が加速しそうです。
5.今日の注目銘柄:ナガイレーベン(7447)
本日の注目銘柄として取り上げるのはナガイレーベン(7447)です。医療用白衣専門メーカーとして国内最大手の同社は、自社株買い発表を受けて大幅上昇となりました。
5-1.株価と出来高
- 始値:1,796円
- 高値:1,924円
- 安値:1,785円
- 終値:1,924円(前日比+199円、+11.54%)
- 出来高:14,000株
- 売買代金:25,132,300円
週末終値1,725円から見ると、今日一日で株価は大きく買われています。2月20日の年初来安値1,788円からもしっかり反発しており、投資家の関心が高い状況です。
5-2.自社株買いの概要
ナガイレーベンは、2025年2月28日の取引終了後に以下の自社株買いを発表しました。
- 上限:60万株(発行済株式総数の1.94%)または10億円
- 取得期間:2025年3月3日~5月31日
- 目的:機動的な資本政策の遂行・株主還元の強化
この発表が投資家心理を大きく改善し、株価急伸につながったと考えられます。
5-3.業績・決算情報
同社の2024年8月期業績(前期)は、売上高171億8,195万円(前年比-3.18%)、営業利益46億487万円(前年比-8.48%)と減収減益でした。今期(2025年8月期)は売上高175億円(前期比+6.6%)を計画しており、医療・介護施設向け白衣の需要回復と新製品展開が期待されています。
- 営業利益予想:40~41億円台
- 経常利益:46億7,318万円(前期実績)
- 配当予想:年間60円
5-4.事業内容と強み
- 医療白衣の国内シェア:約60%
- 年間供給量:600万着以上
- 大学病院・総合病院、またはメディカルサービス企業への供給が主体
- 自己資本比率:90%超と財務基盤が非常に安定
医療用衣料品に特化し、高い市場シェアを誇る同社は、長期的にも安定したビジネスモデルが評価されています。
5-5.今後の見通し
今期はコロナ禍収束後の医療現場需要の回復が進む見込みです。さらに自社株買いで株主還元を行う点が評価され、株価は中長期的にも上昇基調が続く可能性があります。ただし、原材料高や為替変動、競合他社の動向にも注意が必要です。
株価と参考指標
- 前日終値:1,725円 (02/28)
- 始値:1,823円 (09:06)
- 高値:1,955円 (14:57)
- 安値:1,796円 (09:17)
- 出来高:226,000株 (15:30)
- 売買代金:428,693千円 (15:30)
- 値幅制限:1,325~2,125円 (03/03)
- 時価総額:68,756百万円 (15:30)
- 発行済株式数:35,736,000株 (03/03)
- 配当利回り(会社予想):3.12% (15:30)
- 1株配当(会社予想):60.00円 (2025/08)
- PER(会社予想)(連):20.94倍 (15:30)
- PBR(実績)(連):1.48倍 (15:30)
- EPS(会社予想)(連):91.89 (2025/08)
- BPS(実績)(連):1,301.45 (2025/08)
- ROE(実績)(連):6.57% (2024/08)
- 自己資本比率(実績)(連):91.4% (2024/08)
- 最低購入代金:192,400円 (15:30)
- 単元株数:100株
- 年初来高値:2,702円 (24/07/31)
- 年初来安値:1,725円 (25/02/28)
となっています。
ナガイレーベンのチャート

このようなチャートに関しては、デイトレなど需給でエントリーを狙った方が良いかもしれません と言うのもダラダラ下げからの上昇を狙うと言うのは結構難しくレベルが高いです。 なぜならば、上がっていくための材料があり、買いが集中しないと、ここからトレンドを形成して上がっていくと言うことが難しいからです。 現在も75日線に抑えられて、決してこのままずっと上に上がっていくようには見えません。 私、個人的にはこのようなダラダラ詐欺の銘柄はあまり好きではないので、他も当たります。
6.まとめと明日以降の戦略
- 日経平均は37,785.47円、TOPIX2,729.56ポイントまで回復し、リスクオンムードが鮮明
- 東証グロース市場250指数は658.30ポイントとやや軟調だが、新興株の個別材料で物色意欲あり
- 米国株式市場はISM製造業景況指数や通商政策リスクがテーマ。為替が112.50円台で円安推移しており、輸出株の追い風
- ナガイレーベン(7447)は自社株買いを好感して急伸。今後の業績拡大と株主還元策に注目
明日以降のトレード戦略としては、以下の点を意識するとよいでしょう。
- 米国ISM製造業指数の結果:予想を大きく下回れば景気減速懸念でリスクオフに転じる可能性あり
- 円安進行:輸出関連株(自動車、機械)のさらなる上昇を狙う展開か
- 自社株買い銘柄:ナガイレーベンのように株主還元を強化する企業の動向に注目
- 防衛・半導体関連:地政学リスクや米国補助金政策など、引き続き材料視されやすい
7.参考リンク・出典
今回の記事執筆にあたって参考にした主な情報源は下記の通りです。各種市場データ、企業プレスリリース、ロイターやBloomberg、Yahoo!ファイナンス、株探など公表情報をもとに作成しています。
- https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/ab54878cd38d9cedbfbbd688d13afdd3f72e1400
- https://diamond.jp/zai/articles/-/1046886
- https://minkabu.jp/news/4161893
- https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&ng=DGXZQOFL030R70T00C25A3000000&scode=7267&ba=1
- https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202503030440
- https://jp.reuters.com/
- https://kabutan.jp/stock/kabuka?code=7447
- https://minkabu.jp/stock/7447
- https://www.nagaileben.co.jp/
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、いかなる投資行動を推奨・勧誘するものではありません。記載されている情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。相場の状況は常に変化しており、経済指標・地政学リスク・金融政策など外的要因によって、予想を大きく上回る変動が生じる可能性があります。
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