FX・環境認識

【2月21日(金) ドル円相場】150円割れ・急落の真相とトレンドフォロー戦略【デイトレ&スイング必見】

2月21日(金)のドル円相場でを解説していきます。 ファンダメンタルズテクニカルの両面から私のシナリオを描いているので、ご参考になさってください。

今日の結論・注目ポイント

まずは、結論と注目ポイントを簡潔にまとめます。

  • ドル円は150円を下抜けして本格的な下落トレンド入りの可能性が高まった
  • 週足・日足レベルでは、148円台後半~146円台半ばが下値目標として意識されやすい
  • ファンダメンタルズでは日銀の早期追加利上げ観測や米利下げ時期の不透明感がドル円を下押し
  • 日本CPI(1月)発表や米国のPMI指標が控え、ボラティリティが高まる可能性あり
  • 下落トレンドフォローを狙うショート戦略が中心だが、150円付近の戻り売り・底打ちを狙うロング両方の目線も用意

ファンダメンタルズ分析:最新ニュースと経済指標

ここでは、ブルームバーグやロイターなど主要メディアで報じられているニュースを踏まえ、ドル円の下落要因や今後の注目イベントについて整理します。

世界の金融政策と経済指標

  • 米財務長官(ベッセント氏)は「国債発行の中長期債割合を増やす措置はまだ先」とコメント。
    一方、ウクライナ停戦協議で対ロ制裁緩和の可能性にも言及していますが、ロシア次第で制裁強化もあり得るとの姿勢です。この地政学リスクは投資家心理を不安定にしやすく、リスクオフ円買いを誘発する懸念があります。
  • 米セントルイス連銀ムサレム総裁は「やや景気抑制的な政策を維持すべき」と指摘。一方、アトランタ連銀ボスティック総裁は「2025年は政策金利が2回引き下げられる」との予想を示すなど、米国内での金利見通しが不透明化しているのが現状です。政策金利の引き下げが早期に見込まれれば、ドル売り圧力が高まりやすくなります。
  • 米フィラデルフィア連銀の製造業景況指数は18.1へ急低下(約5年ぶりの大きな低下幅)。米国の景気減速懸念が強まり、これがドルの重しとなっています。
  • 2/21(金)朝方に日本の1月CPIが公表予定。総合指数は前年比4.0%、生鮮除くコア指数は前年比3.1%が予想されていますが、これを上回る結果となれば日銀の追加利上げ観測を一段と後押しし、円買い(ドル円下落)につながる可能性が大いにあります。

地政学リスクと政治情勢

  • ロシア・ウクライナ情勢は依然として停戦の見通しが立たず、欧米の対ロ制裁も強化・緩和の両面を含めた不透明感が続きます。
    リスク回避局面では円買いが先行しやすい点に注意が必要です。
  • トランプ米大統領がウクライナのゼレンスキー大統領への態度を突然硬化させたことに欧州各国が驚きを示し、来週はマクロン仏大統領と英国スターマー首相がワシントン訪問予定。外交の行方次第ではドル円の下落を加速させる展開もあり得ます。
  • 中国のアリババ決算が好調との報道もあり、中国経済の回復傾向が示唆されていますが、中東・台湾問題など地政学的火種は多いため、安心感は限定的です。

今後発表予定の重要指標・イベント

  • 日本1月全国消費者物価指数(CPI):2/21(金)08:30
    インフレ加速傾向が確認されれば円高要因。
  • 欧州・英・米のPMI速報値:2/21(金)17:15~23:45
    各国の製造業・サービス業の景況感が示され、結果次第でリスクオン・オフ両方向に振れる可能性があります。
  • 米中古住宅販売件数:2/21(金)24:00
    住宅市場が減速すれば、米景気後退懸念が強まりドル売りにつながる恐れ。

以上のように、米国の金融政策の先行き不透明感や日本CPIの上振れリスクなど、下方向へ押しやる材料が多い点がドル円の特徴です。

テクニカル分析(マルチタイムフレーム)

以下は週足・日足・4時間足・1時間足程度でのポイントです。すでに移動平均線やダウ理論上、下落トレンド優位の見方が強まっています。

週足

  • 150円を大きく割り込んだことで、心理的節目が崩れました。
  • 現在20MAがレジスタンスとして機能し始め、「上値は重い」印象です。
  • ただし、ダウ理論で見ると148円付近の安値ゾーンを完全ブレイクしていないため、完全なる下落トレンド確定とは言えません。
  • 200MAは上向き継続。長期的にはまだ強いトレンドが崩れきってはいないとも解釈できます。

日足

  • 直近安値151円および心理的節目150円をほぼ反発なく下抜け
  • 前回の下落で意識された安値水準は148.6円付近で、ここを割ると次の大きな下値ターゲットとして146.7円付近まで視野に入ります。
  • 20MAと200MAのデッドクロスが形成される手前であり、クロスが確定すれば日足レベルでの「下降トレンド本格化」を示唆します。

4時間足

  • 19日夕方~夜にかけて急落し、21日朝時点で149円台後半へ。150円がしっかりレジスタンス化しました。
  • 20MAと80MAが明確に下向き拡散中で、トレンドフォロー目線はショート優位。
  • ただ短期的な戻りが150円前後で入る可能性は残っており、戻り売り戦略を組む際のポイントになりそうです。

1時間足・15分足

  • 20MAと80MAが下向き乖離しており、小さな戻りも売られやすい状況。
  • 短期で見ると149.38~149.60円前後が下値サポート帯になりかけており、ここを一気に割ると148.60円→146.75円を目標に走りやすい形です。
  • 一方、150円ちょうど前後は直近の損切りラインやレジスタンス帯として意識されやすい。

今日の売買シナリオ(デイトレ~スイング想定)

以下のシナリオはトレンドフォローを基本にしながらも、短期的な逆張りロングの可能性も検討します。リスク管理の観点から、必ず損切りラインを明確化してください。

ショート戦略

  • エントリーポイント:心理的節目150円のレジスタンスを背にした戻り売り。
    具体的には149.8~150.0円付近までいったん戻した際に、15分足や1時間足でダブルトップ・プライスアクションのサインを確認後エントリー。
  • 損切りライン:150.13~150.20円付近(レジスタンスブレイクを確認次第クローズ)
  • 利確目標:リスクリワード1:3を狙う場合、146.7円付近
    途中、148.6円付近のサポート帯で部分利確を検討しても良いでしょう。
  • 根拠:4時間足以下での下落トレンドが強く、各移動平均線も下向きに拡散。ファンダメンタルズ面でも日銀早期利上げ観測&米景気不透明感がドル売りを促しやすい状況です。

ロング戦略

  • エントリーポイント:短期リバウンド狙い。たとえば149.3~149.4円のサポートでダブルボトムや底打ちサインが出現したらロングも検討。
    あるいは150円を再度明確に上抜けし、レジサポ転換を確認してからエントリー。
  • 損切りライン:直近安値を少し割り込んだ149.0円割れ(または149.2円下抜け)など。
  • 利確目標:151円手前(約150.8~150.9円)をメドとし、1:3程度のリワードが取れるかを確認。4時間足の20MA~80MA付近までリバウンドするシナリオです。
  • 根拠:過去の水準で見ても一気の急落後にショートの買い戻しが入りやすいパターンがあるため。ただし、あくまでも逆張りなので利確は早めを心掛けるほうが安全です。

リスク管理・注意点

ドル円相場は下落基調が強まっており、相場のボラティリティが上昇しやすい局面です。想定外の突発ニュースや指標結果で急変動する場合があるため、以下の点に留意しましょう。

  • 地政学リスク:ウクライナ情勢や中東情勢など、悪化報道が出た場合はリスク回避の円買いが進行しやすい点に注意が必要。
  • 重要指標・イベント:日本CPIや米PMI、米中古住宅販売件数など、予想を大きく上振れ/下振れした場合は一気に相場が動くリスクが高いです。
  • 損切り設定の徹底:下落トレンドに沿ったショートでも、一時的なショートカバーによる急反発が起きる恐れあり。ロングの場合は逆張りであることを意識して、損失管理を厳格に行いましょう。
  • 資金管理:レバレッジのかけ過ぎは急変動時に強制ロスカットを招きやすい。想定リスクを明確化して、ポジションサイズを調整しましょう。

まとめ

ドル円相場は150円割れにより下落基調が強まり、週足・日足レベルでもトレンドが転換しつつある様子です。ファンダメンタルズ面では日銀のタカ派化米国の景気後退懸念が重なり、ドル売り・円買いバイアスがかかりやすい状況といえます。ただし、短期的には戻り局面もあり得るため、ショートだけでなくロングのシナリオも頭に入れておきましょう。

今日・明日の注目イベントは多く、2月21日朝の日本CPI、欧米のPMI速報値、米中古住宅販売件数などが相場を大きく動かす可能性があります。トレードする際はこまめにニュースや指標発表を確認し、柔軟なシナリオ変更を行うことが成功へのカギとなるでしょう。

本記事は情報提供を目的としたもので、売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

<参考サイト・出典元リンク(一部抜粋)>
Bloomberg
ロイター
Yahoo!ファイナンス
みんかぶFX
ニューズウィーク
外為どっとコム総研
農林水産省 ウクライナ情勢関連
株探ニュース
ほか各種経済統計サイト・公式声明

編集後記

初心者の頃は、どうしても目先の勝ちや負けにとらわれてしまいます。よくある質問に「勝率はどれぐらいか?」というものがありますが、勝率自体はそれほど重要な指標ではありません

今あなたが目指しているのは、目先のトレードで勝つか負けるかではなく、最終的に資産を増やすことです。たとえば、勝率が7割あったとしても、損が大きく利益が小さい場合、いわゆる「コツコツドカン」現象が起こり、資産が増えなくなります。

逆に、負け率が1割であっても、損切りを徹底し、利益を着実に伸ばすことで、結果として資産を増やすことが可能です。

常に自分が本来すべきことは何かを自問自答しながらトレードに臨むべきです。トレードを続ければ、ずっと勝ち続けるわけでも、ずっと負け続けるわけでもありません。目先の結果に気を取られず、本来の目的を忘れず、目の前のトレードを丁寧に進めていきましょう。

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、いかなる投資行動を推奨・勧誘するものではありません。記載されている情報は作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。相場の状況は常に変化しており、経済指標・地政学リスク・金融政策など外的要因によって、予想を大きく上回る変動が生じる可能性があります。

投資に関する最終的な判断は、読者ご自身の責任とリスク負担のもとで行ってください。本記事の内容を利用したことで生じたいかなる損害についても、執筆者および当サイト運営者は一切責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。投資に際しては、最新の情報収集と慎重なリスク管理を徹底することを強く推奨いたします。

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