、トレンドフォロワーとして「デイトレ~2週間程度のスイングトレード」を視野に入れたドル円の相場環境認識と、今後の戦略について詳しく解説します。過去24時間に大きく報じられたニュースや、直近のテクニカル分析を総合し、これからのトレードにどのように活かしていくかをまとめました。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。
Contents
■ 本日のドル円相場概況
足元のドル円は「156円近辺」の攻防が続いています。これはここ数日だけでなく、過去数週間にわたって意識されてきたレートであり、短期~中期的な重要なサポート・レジスタンス帯になっています。
- 週足では大きな上昇トレンドを維持している一方、移動平均線との乖離が広がった時期もあり、調整が入りやすい局面にあります。
- 日足では、やや上昇モメンタムが弱まっており、20日移動平均線を下回るかどうかが焦点となっています。157円付近のレジスタンスは強固に機能しており、現状は「156円~157円」の間で小幅な持ち合いが続く展開といえるでしょう。
- 4時間足を見ると、200MAが156円台前半~半ばに位置していて、これを明確に割り込むかどうかが次のトレンドを決定づける重要なポイントになっています。
<ポイント>
- 156円近辺のサポートブレイク→下落トレンド加速のシグナル
- 157円のレジスタンス突破→再度上昇トレンドへの復帰シグナル
トレンドフォロワーとしては「どちらに明確に抜けてくるか」を注視する必要がありますが、後述のファンダメンタルズ材料と絡めることで、より精度の高いトレード判断が可能になります。
■ 今日押さえておきたいファンダメンタルズ材料
ここ数日のドル円相場に大きな影響を及ぼしうるニュースとして、以下のトピックスが注目されています。
- トランプ米大統領の原油・金利引き下げ要求
- 世界経済フォーラム(ダボス会議)でオンライン演説したトランプ大統領が、石油輸出国機構(OPEC)に対して「原油価格を引き下げるよう要請する」と表明。
- 原油価格が下がればインフレ低下につながり、米国としては金利引き下げがしやすくなるという見解を示しています。
- トランプ大統領は「すぐに金利引き下げを要求する」と強気の姿勢を見せていますが、現行のFRBのスタンスとの乖離がどの程度あるかが焦点になりそうです。
- 米失業保険継続受給者数の増加
- 米失業保険の継続受給者数は189万9000人と、2021年11月以来の約3年ぶり高水準。
- 一方で、新規失業保険申請件数自体は22万3000件で、コロナ禍前の平均近辺で推移。
- 米国の労働市場がやや陰りを見せ始めていることは、利上げペースや利下げ開始時期を占う上で重要なポイントです。
- 半導体関連株の下落
- オランダのASMLホールディングを筆頭に、SKハイニックスなどの設備投資に対する慎重姿勢が報じられ、半導体製造装置メーカーの株価が軒並み下落しています。
- 米国のさらなる輸出規制観測や中国との技術摩擦など、地政学的リスクも根強く残っている点に注意が必要です。
- 世界的な景気の先行き懸念が高まれば、安全資産とされる「円」が買われやすくなる局面もあり得ます。
- TikTok(バイトダンス)米事業存続への模索
- バイトダンスが米国内でのTikTok売却を回避しつつ、何らかの体制変更によって米事業を続けたい方針。
- 過去にはトランプ政権下でTikTok規制がクローズアップされた経緯があるため、再度規制話が盛り上がればリスク回避ムードにつながる可能性があります。
- 欧州の景気減速懸念とエネルギー問題
- EUが大手IT企業に巨額制裁金を科すなど、欧米間の貿易摩擦が燻っています。
- エネルギー価格の高止まりや、ウクライナ情勢の長期化に伴う不確実性が高く、欧州企業がエネルギーコスト負担を懸念しているとの声も。
- リスク回避が進めば円高要因となるため、ドル円の上値が重くなるシナリオも想定されます。
■ マルチタイムフレームによるテクニカル分析
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ここからは、トレンドフォロワー目線で必要なテクニカルのポイントをもう少し掘り下げます。
1. 週足
- 上昇トレンド継続中
週足を見ると、まだ明確に上昇トレンドの形状を保っています。長期の移動平均線も上向きで、安易に大きくショートに傾くのはリスクがある状況です。 - 移動平均線との乖離
直近まで急激な上昇があったため、一時的に主要な移動平均線(例:20週線、50週線)との乖離が大きくなっていました。乖離縮小のための調整が入りやすいという見方もあり、上昇トレンドが崩れない範囲での押し目形成があるかもしれません。
2. 日足
- 20日移動平均線を巡る攻防
日足では、20日移動平均線を下回る展開が続いており、短期的には弱含みの動きが見られます。これが継続すると、いったん下落トレンドへ転換する可能性も。 - 157円が強固なレジスタンス
直近高値付近(157円前後)で頭を抑えられた形となっているため、ここをブレイクしない限り、上昇トレンド再開とは判断しづらい状況です。
3. 4時間足
- 200MAのサポートライン
4時間足では、200MAが156円前後に位置しており、ここが短期サポートとして注目されています。 - 揉み合いレンジ
156円をやや下回る水準では買いが入りやすい一方、157円付近では売りが厚く、短期的に上下どちらに抜けるか見極めが必要な状態です。
■ 今日のトレンドフォロー戦略
トレンドフォロワーの視点からは、「明確にブレイクするレベル」を待ち、抜けた方向に素直に乗っていくのが基本スタンスになります。
ショートシナリオ
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- エントリー条件
- 156円を下抜けし、4時間足や日足ベースで陰線が連続するような局面。
- 200MA(4時間足)を明確に割り込み、その後の戻り売りポイントを狙う。
- 直近で意識される節目:155.50~155.00付近。ここをターゲットに、リスクリワードを考慮したポジションを構築。
- 利確&損切り目安
- 日足ベースのサポートラインをどこに置くかで変わりますが、もし一時的に急落するなら154円台前半を視野。
- 損切りは156円を上に回復してきた場合や、再び157円付近を伺う動きとなった時点で一旦撤退を検討。
- 注意点
- 週足ではまだ上昇トレンドが続いており、無理に逆張りでショートを仕掛けると踏まれやすい。
- ファンダメンタルズ要因(米金利引き下げ期待など)で急にドル売りが強まる可能性はあるが、トレンド反転が一過性なのか、きちんとブレイクしているのかを見極める必要あり。
ロングシナリオ
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- エントリー条件
- 156円を守り切り、再度157円をブレイクする強い上昇モメンタムを確認。
- 4時間足ベースで移動平均線(20MA、200MAなど)を上に抜け出して、安値切り上げを形成している場合。
- ファンダメンタルズ的に米国の金融政策や経済指標の好転など、ドル買い材料が出たタイミングを狙う。
- 利確&損切り目安
- 157円を上にブレイクしたら、次のターゲットは158円台半ば~159円。週足の上昇トレンド継続を意識しつつ、利食いポイントを設定。
- 損切りは155円台に入ったら一旦撤退を検討。押し安値を割り込み始めたら上昇継続が疑わしくなる。
- 注意点
- 足元のファンダメンタルズは、トランプ大統領の金利引き下げ要求で「ドル売り」が進むリスクもある。
- 157円付近は何度もレジスタンスになっているので、抜けたと「確定」するまでは慎重に。
■ ファンダメンタルズとテクニカルを組み合わせるポイント
- 米国の金利動向
- トランプ大統領は「原油価格下落→インフレ低下→利下げ」というシナリオを主張していますが、FRBがすぐに方針転換するかは不透明。市場は「失業保険継続受給者数の増加」をどう評価するか、今後の経済指標(雇用統計、GDPなど)も重要です。
- 利下げ観測が強まるほど、ドル売り・円買いにつながりやすい点に留意。
- 原油価格とインフレ
- 原油価格が下落すればインフレ圧力が落ち着き、利上げペースや利上げ継続期間が短縮されるという考え方がマーケットにはあります。
- 一方で、中東情勢やウクライナ情勢など地政学的リスクが高まれば、原油価格が思わぬ反発をすることも想定されます。
- 地政学リスク(ウクライナ、米中摩擦など)
- ウクライナ紛争の長期化、米中対立、ヨーロッパのエネルギー問題は、リスクオフの局面を招く可能性があります。
- リスクオフになると伝統的には円が買われやすい(円高要因)ですが、同時にドルも安全通貨として買われる動きが出やすく、ドル円がどちらに振れるかは時期によって異なることがあります。
- テクニカルラインのブレイク確認
- 長期・中期の移動平均線(週足20MA、日足20MA、4時間足200MA)
- フィボナッチリトレースメントや一目均衡表の雲上限下限などもサポレジとして機能する場合がある
- シンプルに「156円を下抜けるか」「157円を上抜けるか」の確定を待つ
■ デイトレ~スイングトレードで意識したい時間軸別攻略法
デイトレ戦略
- 時間軸:1分足~15分足を中心に、4時間足で大局を押さえる
- 初動確認
- 東京時間に156円を割れそうかどうか、または欧州勢参入のタイミングで節目をブレイクしそうか事前にチェック。
- デイトレではボラティリティを重視し、ブレイクアウトの瞬間を狙うか、短期的な反発をスキャル的に拾う戦略も有効。
- 指標発表前後の値動き
- 米失業保険関連指標や住宅関連指標など、重要な経済指標発表前後は一時的に乱高下しやすいので、指値や逆指値を置いておく場合はスリッページや暴騰暴落に注意。
スイング戦略(2週間程度)
- 時間軸:日足~週足でトレンドを把握
- 仕込みタイミング
- 156円割れで明確な売りシグナルが出るなら、戻りを待ってショートする。
- 157円ブレイク後に押し目を待ってロングエントリーを狙う。
- リスク管理
- 2週間という中期スタンスでは、米国の主要経済指標や、日銀金融政策決定会合などのイベントリスクが複数回入ることがあります。
- 逆行した場合に備え、ポジションサイズを小さめにするか、損切りラインを明確に設定しておくことが重要。
■ トレードを優位に進めるための心構え
- シナリオは複数用意する
「もし156円割れ→戻りでショート狙い、もし157円突破→押し目でロング狙い」のように、事前に複数パターンを想定しておけば、マーケットが想定外の動きをしても冷静に対応しやすくなります。 - ファンダメンタルズとテクニカルのバランス
ファンダメンタルズ面でドル売りが想定されていても、チャートが明確に下落シグナルを出していない場合は無理に仕掛けない、というように「必ずテクニカルが裏付けてくれるまで待つ」姿勢が大切です。 - 損切りの徹底とポジションサイズ管理
トレンドフォロワーは、トレンドに乗るために多少遅れて入る代わりに、明確な継続シグナルを確認します。その分、損切りは「値動きが想定したシナリオと明らかに違う」と分かった段階で迅速に行うべきです。
ポジションサイズが大きすぎると、小さな逆行でも大きな痛手を負う可能性があるため、リスク管理を常に心がけてください。 - 情報収集と取捨選択
- トランプ大統領の発言は、一時的に相場を動かすことが多々ありますが、実際に政策が実行されるかどうかは別問題です。
- 米失業保険継続受給者数やインフレ指標、FOMCメンバーのコメントなど、より確度の高い情報にウェイトを置くことが重要です。
■ 今後の注目イベントと想定シナリオ
- 日銀金融政策決定会合
- 今後の会合で、金利引き上げやイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正が出るかどうかに注目です。もし日銀が想定以上に早期利上げに動けば、円買い(ドル円下落)が急速に進む可能性があります。
- 米FOMC会合と主要経済指標(雇用統計、CPIなど)
- トランプ大統領の圧力や、インフレ動向、失業保険関連データの推移を受け、FRBの金融政策に変化があるかどうか。急速な利下げ期待が織り込まれると、ドル売り圧力が強まるでしょう。
- ウクライナ情勢・中国情勢
- ウクライナ戦争が長期化するか、または何らかの停戦合意が進むかによって市場のリスクセンチメントが変動し、円の需要に影響を与えます。
- 米中対立の激化(関税引き上げやハイテク輸出規制など)が再燃すれば、リスク回避の円買いが優勢になる場面もあり得ます。
■ まとめ:156円攻防が分岐点、ニュース動向を睨みつつ柔軟に対応
以上のように、ドル円は「156円近辺を割り込むのか、それとも157円を上抜けるのか」という重要な局面を迎えています。トレンドフォロワーとしては、以下のポイントを押さえておきましょう。
- ショート優勢シナリオ:156円ブレイク→戻り売り狙い。日足で陰線連続など、明確なトレンド転換のシグナルがあれば利益を伸ばす。
- ロング優勢シナリオ:157円突破→押し目買い狙い。週足上昇トレンド再開の可能性を考慮し、上値を158円~159円あたりに設定。
- リスク管理:損切り設定は厳格に。日足レベルでのトレンド変化を確認したらポジション調整を忘れずに。
- ファンダメンタルズ注視:トランプ大統領の発言、原油価格、米失業保険受給者数、地政学リスクなど複合要因で相場は変化しやすい。
今後のイベント(米FOMCや日銀金融政策決定会合など)では大きく相場が動く可能性があります。トレーダーとしては、あらゆるシナリオを想定しつつ、冷静にチャートの節目を確認してトレードしていきましょう。特に今のドル円は、ニュース次第で上下どちらに大きく振れるか見極めが難しい時期ではありますが、しっかりとした戦略とシナリオを持っていれば、チャンスを掴むことができるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひこれらの情報を参考に、あなたのトレード戦略に役立ててください。相場は常に変化し続けますが、トレンドフォロワーの最大の武器は「チャンスが来るまでじっと待ち、動いたら一気に乗る」というスタンスです。焦らず、冷静に、今日もマーケットと向き合いましょう!
※本記事はあくまでも情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任と判断で行ってください。